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【取り組み特集】
「九条の会」が初めての「憲法セミナー」を開く
武器なき平和の理想を体現する九条
憲法を泣かせない
25日、東京の明治大学で「九条の会」が初めて「憲法セミナー」を開き約800人が参加しました。
作家辻井喬さんが、呼びかけ人の加藤周一さん、澤地久枝さんとともに参加。多くの質問も出て、真剣な議論が行われました。辻井さんは、護憲運動を広げる上で、「ナショナリズム」「伝統」など、改憲派にも悪用される言葉への過剰なアレルギーは、コミュニケーションの幅を狭めているとして、護憲派・良識派のタブーを見直そうと提起しました。「これらの言葉の持つ本来のいい面を見直すなど、賛成意見が広がるのを妨げる条件を取り除いていけば憲法は絶対に守れる」と呼びかけました。
加藤周一さんは、「九条の会」の目的は九条を守る運動を広げることと、考えを深めることが必要だとのペ、セミナーの趣旨を説明。
澤地久枝さんは、自ら取材した庶民の戦争体験、さらに自らの戦争体験を語りつつ、戦争の悲惨を語りつぐ大切さを強調。武器なき平和の理想を日本国憲法に体現したとのペ 「この憲法を泣かせてはならない。決してあきらめることなくできることをしていこう」と呼びかけました。
若い参加者は「改憲の流れの中で、日本が孤立せず生きる道は、九条を生かしアメリカからも独立した外交にあることがわかった」と語っていました。
【現在・5639】
九条の会は(11月)25日現在で掌握している全国草の根の「九条の会」は、5639に達していると発表しました。準備会も含めたもの
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教基法・共謀罪・憲法
改悪、ちょっと待った!
緊急市民集会に1500人
11月19日、東京の日比谷公会堂で「教育基本法改悪 共謀罪 憲法改悪 ちょっと待った!」緊急市民集会が「週間金曜日」の主催で開かれ、1500人が参加。安倍政権の暴走をとめようと、ジヤーナリストの本多勝一さん、作家の城山三郎さん、評論家の内橋克人さん、田中優子法政大学教授、上原公子国立市長、子どもと教科書ネット21の事務局長らが発言し、作家の永六輔さんが卜ークで会場をわかせ、音楽家の小室等さんは歌を披露しました。(各氏の発言要旨は次の通り)
危険な愛国心
●本多勝一さん
安倍首相は愛国心という言葉をよく使う。この言葉は何重にも危険であるのに、マスコミが報道しないことに日本の危機を感じる。愛国心という言葉は戦争中によく使われ、愛国の「国」は政府・政権の意味に使われており、人間優先の姿勢がない。国と国との間には国境があり、愛国心は国境の向こうの国との対立につながりかねない。これでは日本は世界とアジアから孤立せざるをえない。国境を取り除く発想こそ必要だ。
愛国にだまされた
●城山三郎さん
私は17歳の時、特攻隊に志願した。愛国の時代にだまされていた。恐ろしいものだ。「伏龍」という特攻は、海にもぐって竹やりの先につけた爆弾で敵艦を破壊するというもの。命じられれば(特攻への)疑問を自分のなかで抑えてしまった。
「死ぬのが当然。少しでも敵を傷つける」というのが当たり前。今はブレーキがあるが、社会がある程度のところに行くと、人間はこのように行動するものだ。
説明のない伝統や文化
●田中優子さん
安倍首相は伝統や文化を口にするが、どんな伝統や文化をつくるか具体的には説明していない。中身を知らないのだろう。また「愛」は輸入された言葉であり、伝統を知っている人は愛をきらうものだが、安倍首相は違う。教育で伝統や文化を教えようというのは、子どもと国家が直結した教育観だ。本来、子どもと国家の教育の間には社会や地域などさまざまな教育があり、そこでコミュニケーションカをつけるものが、安倍首相にとっては困るようだ。
「反対」こそが対案
●内橋克人さん
新自由主義はトリックやレトリックを使うが、こうしたことを見抜く力が日本社会は弱い。上の人や少し偉い人に習おうとする「頂点同調主義」があるからだ。除け者にされることを怒れての「熱狂的等質化現象」とも言える。「反対するのなら対案を示せ」と言われたら、だれもが黙さなければならなくなる。私は「反対」と言うことが対案であり、市民の権利だと思う。
今、戦争を知らない軍国少年が日本を動かしてぃる。私は神戸大空襲の中を逃げまどったが、多くの犠牲者なくして戦後の日本人は存在しなかったことを忘れてはならない。
国民保護法を懸念
●上原公子さん
有事体制づくりのため、自治体は「国民保護法」に基づく計画をつくらなければならない。しかし法律名とは逆で、これほど市民を戦争に巻き込んでいくものはない。防災訓練に自衛隊や米軍が参加するようにもなった。「軍隊は人々を守る」ということを国民に見せている。
(防災訓練を)日常的にやることで個を埋没させ、教育基本法改悪とも連動することで、「愛する国を守るためたたかう」という子どもが育つのではないか。国民保護法がそのように利用されることを懸念している。
右翼が乗っ取った日本
●俵義文さん
安倍首相のような政治家はヨーロッパでは「極右」とみられ、日本がヨーロッパの国ならそれ自体が外交問題になりかねない。
実際、日本最大の右翼組織「日本会議」のメンバーが多数入閣し、安倍首自身、役員を務めてきた。今や、右翼が日本の政治を乗っ取ったのだ。日本は少し前には考えられないところまで来ている。
(何れも連合通信)
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戦争を考える二つの映画・「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」
戦争は命の奪い合い なぜ止められぬ
「九条の会・わかやま」呼びかけ人 江川 治邦 (エスペランチスト)
クリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」をみた。9.11同時テロ事件以降の米国の自由・民主が何処に消え去ったのかと思っていたが、この映画をみて、その健在を再確認できた。このような映画の出現と、中間選挙での共和党敗退が重なっていることに興味を覚える。
米国にとっては日本本土空襲の拠点であり、日本にとっては本土防衛の拠点である硫黄島攻防戦を描いた映画である。日本軍2万2千人に対し、米軍は15万。圧倒的な米軍は5日間で攻略できる物量作戦だったが、36日間に及ぷ強烈な戦闘となる。この時の日本軍死傷者数は2万1千人といわれる。米軍も同数以上の死傷者を出す戦いであった。映画は、太平洋戦争の激戦現場をリアルに描写するだけでなく、硫黄島の擂鉢山山頂に勇敢な米兵たちが銃弾が飛び交う中で、勝利にみちぴく星条旗を掲揚することから始まる苦悩の物語である。
従軍記者の撮ったこの一枚の星条旗掲揚写真が米国内の新聞で大々的に報道され、米国民の嫌戦気分が戦意高揚へと転化されてゆく。掲揚にかかわった勇敢な兵士3人が戦場から米国本土に引き戻され、各地でヒーローとして迎えられ、戦費調達(戦時国債)のための恰好の宣伝員として国家に利用されてゆく。星条旗と米国そして愛国心。それらの狭間で、かれら兵士は「国家のために戦場に行くが、戦場では戦友のために戦うのだ」と自己に言い聞かせつつ、内実は、国家の意思と人間性の間で苦悩する。これは日本の「戦場では『天皇陛下万歳!』と言うよりも『お母さん!』と叫んで戦死した」という本意に類似する。
戦中各地でチヤホヤされた彼等ヒーロー兵士も、戦後は世間から忘れ去られ、落ち人となってゆく。3人のうち1人の米国原住民(アメリカ・インディアン)出身の兵は、通りかかった旅人に《昔のヒーローと写真を撮らせる》ことでチップを手にしなければ生きていけない状況までに追いやられる。多民族を統合する国家シンボルとしての星条旗。テネシー州の州歌「テネシーワルツ」。米国の国旗・国家は日本のそれらよりもはるかに柔軟性を持っているように思いたいが、日本の国旗・国歌と同様に、愛国の名のもとに戦争を美化し、徴兵する装置であることに変わりはないと、この映画をみて思う。家庭や学枚で「人を殺してはいけない」と教えるが、戦争は「人(敵)を殺せ」と強要する。戦争とは、人間の尊厳の塊である《命の奪い合い》であり、平和とは《命を生かす》ことである。この単純なことを私たちはどうして解り合えないのだろうか―と思う。憲法九条はこのことを明確に歯止めしている。
「硫黄島からの手紙」は12月9日に封切られるが、主役の渡辺謙さんは「《戦争は無意味なものである》ことをこの映画を通じて知ってもらいたいし、戦争に至るまでの国家間や国民同士の国際理解が如何に必要か、を洞察して欲しい」と述べている。 二つの映画は、それぞれの国の側から見た硫黄島戦であり、異文化理解や多文化共生という目線に立って、この二つの映画を、特に若い人達に鑑賞してもらい、戦争とは何かを学んで欲しい。大へんに迫力のある戦争映画です。
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【11月 全国の動き】
1 憲法会議が東京で憲法公布60周年記念シンポジウム。
2 兵庫・加古川九条の会「輝け九条!憲法制定60周年のつどい」1000人
3 神戸ポートアイランド 「はばたけ9条の心」講演・澤地久枝、7500人
3 広島「ピースフェスタ」7000人 講演・小田実、池田香代子
3 「憲法9条変えたらあかん!岐阜のつどい」横井久美子他、1200人
4 「好きなんよ!9条、教基法まつり」
九条を守ろう那賀の会、教基法を守る那賀の会。250人
5 「平和憲法を考える泉大津市民のつどい」戦争体験を語る会。100人
8 京都マスコミ文化情報労組会議が「憲法とジャーナリズムを考える
市民のための講演会」
10 「憲法・教基法改正に反対するつどい」講演・斉藤貴男。大阪港区民センター
11 憲法会議常任幹事会で学習強化を決める。
12 「憲法九条と25条が開くもう一つの日本を考えるシンポ」京都アスター。
12 文化団体連絡会議が「憲法9条と文化のつどい」100人
14 「登山者9条の会」講演会
15 「スポーツ9条の会」学習会
18 和歌山「雑賀9条の会」学習会
19 「九条を守る宮城集会」講演・小田実。2000人
19 「9条と平和を守る大分県民集会」講演・朴慶南。650人
19 「教基法、憲法改悪 ちょっと待った緊急市民集会」週間金曜日主催。500人
21 山形県民集会に2000人
21 奈良・県議OB9条の会発足
25 和歌山「和歌浦9条の会」総会
25 「九条の会」初の憲法セミナー。800人
26 滋賀・高島九条の会一周年記念講演会。100人
26 東海地方「中部経営者九条の会」発足記念講演会。100人
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【九条噺】
日米双方で3万人近くが戦死した太平洋戦争の激戦地・硫黄島に星条旗を打ち立てた米兵6人を描いたノンフィクション「父親たちの星条旗」を翻訳した大島英美
さんの話を毎日新聞17日付が掲載した。今回はそのお話を紹介しよう▼戦場に行くのはいつも若者です。「この本を訳すことは運命だと感じた」と言う。33年前、日本に留学中の作者ジェームズ・プラッドリーさん(52)と知り合い、米国の別荘に招待された。星条旗を掲げた一人の父ジョンさんがいた▼「日本人は敵でした。お邪魔して不快ではないですか」と聞くと「硫黄島は、はるか昔。歓迎するよ」と言われた▼この会話の重さを実感したのは、02年にニューヨークの本の見本市でこの作品を見つけた時のことだ。ジョンさんは生前、硫黄島の体験を家族に語らなかったとあった。「本当の勇者は多くの戦死者」との理由からだ▼自分への笑顔には、戦争のせい惨さを知り尽くしたからこその「互いに理解し合う大切さ」が
込められていたと気付いた。翻訳中何度も涙があふれて本を閉じた。「これは女性のための本だ」とも思った。▼自分の一人息子(19)と同じ年ごろの、ごく普通の若者たちが時代の熱気にあおられて戦場を志願した▼「星条旗」には、戦死を伝
える電報を自分で読めず、配達人に「あなたが電報を開けなさい」と迫った母親のエビソードもある▼「戦争を肌で感じれば母性がうずく。女性は戦争を止める大きなカになる。戦争を始めるのは大人で、戦地に向かうのが若者なのです。
(毎日新聞・草野和彦)
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