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「九条の会・わかやま」 37号を発行(2007年6月13日付)

 37号が6月13日付で発行されました。1面は、6月2日和歌山市プラザホープでの品川正治氏の憲法講演会、九条噺、2面は、憲法60周年記念市民集会(5月11日)での月山桂弁護士の発言A、長谷川千秋さん(元朝日新聞大阪本社編集局長・木津九条の会)「07年憲法世論調査報道を読むB」、もう時間ない 戦争の罪語る(本多立太郎さん・みなべ町93歳/朝日新聞「声」)です。
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[本文から]

戦争を起こすのも人間、止める努力をできるのも人間
品川正治氏の憲法講演会に330人

     6月2日、和歌山市のプラザホープで「九条の会・わかやま」と「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」の共催で、経済同友会終身幹事・品川正治氏を招き憲法問題講演会が開催されました。330人が参加し、会場がいっぱいになりました。「憲法九条を守るわかやま県民の会」事務局長・坂本文博氏に講演会の内容をレポートしていただきました。
 品川氏は、1924年生まれ、今年7月で83歳になる戦中派。三高時代、学業半ばにして戦争に招集され、中国戦線で戦い、傷つきました。氏は次のような趣旨の話をされました。

 私の信条の根源
 学生時代、頭を占めていたのは「国が起こした戦争で国民の一人としてどう生き、どう死ぬのか」という問いであった。戦争が終わって、復員の船の中で、新憲法草案が載った新聞がみんなに配られ、それを読んだみんなが「これなら生きていける」と感激で泣いた。そうした戦争体験から「国が戦争をしているときに国民がどうあるべきか」という問題のたて方は間違っており、「戦争を起こすのも人間、それを許さないで止めようと努力するのも人間なんだ」ということに気づき、その後の一生を貫く考えになった。

 国民は9条の旗竿を離さなかった
 憲法制定時の毎日新聞の世論調査では、国民の80%はこの憲法を支持していた。しかし、日本の支配政党は戦後一度も、二度と戦争をしないという決意をしてこなかった。そして解釈改憲で何とか戦争をできる国にできないかと憲法蹂躙を繰り返してきた。そんな中で9条の旗はぼろぼろになったが、国民は戦争をしないという旗竿を離さなかった。支配政党はそれを今離せと言ってきている。

 戦争とは何か
 戦争とは何かを孫娘に説明するとき、自分の戦争体験だけでは通じないことが多い。私は戦争について3つの特徴を話している。一つは、勝つためという「価値」があらゆるものに優先する。自由や人権や人の命が二の次になる。二つ目は、戦争はすべてを動員する。労働力だけでなく、学問や科学などあらゆるものが戦争に動員される。三つ目は、立法、司法、行政の中で戦争を指揮する部門が権力の中枢に座ることになる。

 戦争国家アメリカと平和憲法を持つ日本の違い
 「日本はアメリカと価値観を共有している」という言い方が戦後ずっと政府、財界やマスコミも含めてされてきた。平和憲法を持っている日本と、戦争をしているアメリカとが価値観が一緒だという言い方は、日本を混乱させている。経済の面でも、アメリカから持ち込まれた市場原理主義や「規制緩和」は経済と国民生活をめちゃくちゃにした。日本とアメリカは価値観が違うことをはっきり認めれば、日本はこれからの進路で多くの選択枝を持つことができる。

 国民が改憲NOと言えば世界が変わる
 国民投票になった場合、国民が改憲NOと言ってしまえば、アメリカは手の打ちようがなくなる。アジアにおける日本の位置も変わる。日米関係も変わる。世界史的な変化が起きる。ベルリンの壁が崩れたどころの騒ぎじゃなくなる。まさに今、国民の出番が来ている。ぜひ運動を大きく進めてほしい。

 満席の会場からは何度も共感の拍手が起こりました。

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【九条噺】
憲法尊重擁護義務を負う安倍首相が、改憲を主張するのは違憲ではないかということについて、憲法学者であるフェリス女学院大学教授・常岡せつ子氏が朝日新聞の「声」欄に投書されている。教授は言う▼「憲法99条で憲法尊重擁護義務を負うのは、内閣の構成員のみならず国会議員も含まれます。憲法は、為政者が恣意的な政治を行うことで国民の人権を侵害しないよう国民が為政者に科した手枷足枷です」▼「内閣に改憲の発案権があるかという問題では、学説が分かれています」▼「為政者に改憲の発案権があるとしても、改憲の限界、つまりどのような『改正』も認められるかという問題が残ります。96条は、あくまで改正手続きを定めたもので、憲法の基本原理を変える変更は、現憲法の否定であり、もはや『改憲』とは呼べないというのが学会の通説となっています」▼「9条2項を削り『自衛軍保持』を記す自民党案は、通説に従えば、『改正』案とは呼べません。新憲法制定、またはクーデターともいうべきものです。96条の手続きで行うのは国民を欺くものです」▼「自衛軍の保持」や「集団的自衛権の容認」は、日本国憲法の基本原理のひとつである平和主義の否定であり、もはや、安倍首相やそのとりまきたちのクーデターになると言う▼クーデターなど許されるはずがない。我々はこのことをもっと大きな声で訴える必要があるだろう。 (南)

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和歌山弁護士会主催「憲法施行60周年記念市民集会」討論「憲法どうすんねん!」
月山桂弁護士(「九条の会・わかやま」よびかけ人)の発言要旨
 本紙35号でお知らせしました5月11日の市民集会での月山桂弁護士の発言要旨をご提供いただきましたので、4回に分けて、掲載しています。(今回は2回目、見出しは編集部)

【第2問 自民党新憲法草案の9条改正は → 反対 】
真に戦争を放棄しようとするのなら、軍隊は必要ない

 戦争放棄の1項は、さすが、改憲派も世論を恐れて手をつけることができない。問題は、2項。真に心から、戦争を放棄しようとするのであれば、軍隊は必要ない。あってはならないはずである。軍隊は武力であり、権力の権化というべきもの。ひとたび軍隊なるものが公に認められれば、必ず、これは一人歩きする。防衛庁は防衛省と格上げされた。自衛隊も自衛軍にしようとはかられている。そうなれば、自衛軍はまた、陸上自衛軍、海上自衛軍、航空自衛軍というふうに拡大されていく。容易に予想されるところ。軍がそのように膨張していくのは、軍自身がそのことを求めることは当然として、これを利用する勢力、右翼その他の政党が軍と癒着する。そして、軍が、癒着団体と一体となって、いわゆる軍国主義的な役割を果たすようになる。軍が国策に従うのではなくて、軍が自ら国策を判断し、決定する勢力になる。ドイツのナチズム、イタリアのファシズムに匹敵する日本のミリタリズム、軍国主義である。そして怖いのは国民自身がそのような軍国主義(軍の意向・考え方)に味方するようになるということ。
 かつて、関東軍が満州を中国から独立させて、わが国の支配下に置こうという関東軍の考え方に味方し、これを後押しした。これが怖い。国民が自らの首をしめることとなる。
 私は、このような歴史の歩みによっても、軍隊を認めることは、あの悲惨な戦争の結果に連なりかねないと思う。
 更に、軍隊というところは、徹底した上命下従の、非人権的な社会であり、団体である。個々の兵隊に自由や人権を認めていては、軍隊が成り立たないからである。ところで、このような非人権的な団体を公的に認めるということは、非人権的な思想や空気を一般化することにつながりかねない。そのような意味からも、軍隊という組織は、絶対に認めるべきではないと考える。
 軍隊を認めるか否か、私たち在野法曹は、総理大臣、防衛大臣等の閣僚、そういう高い立場、支配者、指揮者の立場で考えるのでなく、軍隊に組み込まれて死の淵に立たされてゆく一人ひとりの兵隊やその家族、国民の立場で考えるべきだ。それに戦場では、軍は、軍自らを守っても、国民を守らない。歴史の教えるところである。絶対に。「自衛」という言葉に誤魔化されてはならない。 (次号へつづく)

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07年憲法世論調査報道を読む B
長谷川千秋氏(元朝日新聞大阪本社編集局長・木津九条の会)
本当の勝負はこれから

 今の憲法で「日本に平和が続き、経済発展をもたらした」と思うか?「YES」86・5%(読売新聞調査結果)「日本がこの60年間、戦争をせずに平和であり続けたことに、9条が役立ってきた」と思うか?「YES」78%(朝日新聞調査結果)今年のマスコミ憲法世論調査は、平和憲法が国民の間にしっかり根づいていることを示す豊かなデータを提供しています。
 自社の調査結果に苛立ちを見せたのは、改憲勢力の牽引車を自負し、朝刊だけで1千万部、発行部数日本一の読売新聞です。調査結果を載せた日の同紙社説は「『改正』へ小休止は許されない」のタイトルで、「今日の国内外の情勢を踏まえれば、憲法改正作業は、休まず、たゆまず進めなければならない時代の課題だ」と強調。すさまじい勢いで同紙なりの「休まず、たゆまず」を開始しました。4月19日付「検証 憲法と政治の60年」▼同27日付「検証 憲法第9条」▼5月3日付「憲法施行60年特別フォーラム」(詳報)。朝刊で、見開き2ページの特集を連発しています。しかも紙面から護憲派の識者や政党関係者を一切排除する異様さです。これに呼応するかのように、中曽根元首相を会長とする新憲法制定議員同盟の動きが活発化します。中曽根氏は読売新聞に憲法世論調査結果が紙面化される前日の4月5日、首相官邸で安倍首相と会談し、改憲のために議員同盟を中心に国民運動を展開すると申し出ています。世論調査結果なども話題にのぼったのではないでしょうか。
 改憲勢力の必死の巻き返しが始まったのです。ターゲットは9条です。アメリカとともに「戦争のできる国」にするためです。これに対する私たち護憲派市民のよりどころは、草の根の市民一人ひとりです。私たちも「休まず、たゆまず」です。本当の勝負はこれからです。 (おわり)

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もう時間ない 戦争の罪語る

本多立太郎氏(みなべ町 93歳)
 なぜ、いまさらのように「戦争で自分のしたこと」を口にするのか。それはあの戦争で自分のしたことが罪であったからである。そして、戦争で罪を犯した世代がまもなくいなくなるからである▼私がシベリアから帰ったのは敗戦2年後、60年前の夏であった。舞鶴で解放されて、千葉の田舎に疎開していた父の元へ帰る途中、東京を通った。焦土はそのままだった▼その時、痛切に胸を刺したのは罪の意識だ。我々が中国の戦場でなした行為の報いを、東京の女、子ども、老人が受けている。内地でひたすら銃後を守った市民たちが業火に焼かれ、生命を奪われた。軍隊とは何だ、国家とは何だ▼その思いが胸に残って、それが事実をありのままに語り残そうとする原動力になった▼思想も信仰も一切無縁。つき動かされるように戦争体験を語る「戦争出前噺」を続けて20年余り。いったん打ち切ったが去年秋に再開し、全国を回っている▼もう残された時間はない。戦争体験者が誰もいなくなるのだ。(朝日新聞5月17日「声」より)

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(2007年6月24日入力)
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