「九条の会・わかやま」 46号を発行(2007年9月15日付)

 46号が9月15日付で発行されました。1面は、安倍首相辞意表明、9月9日一斉署名宣伝行動、九条噺、2面は、書籍紹介『5大陸20人が語り尽くす憲法9条』、ストップ「集団的自衛権行使容認」Dです。
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[本文から]

安倍首相、辞意表明
あまりにも唐突で、無責任では

「戦後レジームからの脱却」も反省せず

 安倍首相は12日突然辞意を表明しました。参院選であれほどの惨敗を喫しながら、辞任しなかったにもかかわらず、所信表明演説を行なった直後に首相の職を投げ出すというのは前代未聞で、極めて無責任と言わなければならないのではないでしょぅか。「テロ特措法」延長問題がその理由になっていますが、その根底には、貧困と格差を広げる「構造改革」、憲法改悪を中心とする「戦後レジームからの脱却」、ブッシュ大統領に付き従う「アメリカいいなり政治」の破綻があるとの指摘もあります。
 安倍政権は、教育基本法改悪、国民投票法制定、従軍慰安婦などの歴史問題、集団的自衛権行使に道を開く「有識者懇談会」設置、年金問題、医療費問題、庶民大増税、さらに、閣僚の失言や政治資金の不正など、国民生活の困窮化と海外で戦争ができる国へ突き進む1年足らずでした。
 問題は辞意表明がこれらの問題を反省したものではないということです。記者会見でも「戦後レジームからの脱却も果たしていかねばならない」と述べています。憲法改悪の自民党路線が変更される訳ではありません。誰が次の首相になるにせよ、自民党改憲案が撤回され、憲法改悪の動きがなくなるまで、「9条を守ろう」の旗を掲げて改憲阻止の運動を一層強めなければならないのではないでしょうか。

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〜 9月9日(日)「ダブル9の日」〜一斉署名宣伝行動を実施

―和歌山市内の中学校区単位で―
 9日、和歌山市では地域9条の会と「憲法9条を守る和歌山市共同センター」に参加している団体がタイアップして午前中、★西浜中学★明和中学★紀之川中学★楠見中学★日進中学★河西中学★伏虎・城東中学★山口中学★雄湊中学★有功中学の10中学校区で署名・宣伝活動を実施しました。全体で182人が参加し、1104筆の署名を集めることができました。
 そのひとつ、楠見中学校区では9月4日に事前ビラ(表面は9条を守ろう、裏面は署名簿)を220枚全戸配布しました。当日は「直前勉強会&作戦会議」を実施した上で地域の署名・宣伝活動を実施しました。地域ではハンドマイク宣伝隊を先頭に2〜3人のグループで各戸を訪問し、署名を訴えました。事前ビラの署名を用意されていたお宅が4軒ありました。「息子が2人いるので戦争が不安。ビラが入っていて、気になっていた」との声もあり、「守ろう9条紀の川市民の会」に4人が入会されました。署名活動を行なった人からは「事前ビラは話の切り出しがやり易くて良かった。『見ました』という声も多かった」「ハンドマイク宣伝は署名行動を行っている者に対して励ましになった」との声もありました。

「県民大署名」駅前行動
 午後からは「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」など、多くの団体のメンバー63人が参加し、JR和歌山駅前で「県民大署名・駅前行動」が行れ、222筆の署名が集められました。
 和歌山市内では一斉署名宣伝行動に、把握できているだけで245人が参加し、1326筆の署名を集めたことになります。

和歌山県下でも
 和歌山県下でも一斉署名宣伝行動が行われました。
 橋本・伊都地域では橋本、高野口、かつらぎの3ヶ所に分かれて行動。計40人が参加し、352筆を集めました。
 那賀地域では粉河のスーパー前で宣伝し、35人が参加し、50筆を集めました。
 海南・海草地域では海南・燦燦公園の元気市での宣伝と日方地区の訪問で、23人が参加し、378筆を集めました。
 日高地域では「美浜9条の会」が三尾地区を訪問し、15人の参加で53筆を集めました。

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【九条噺】
 京都大学経営管理大学院長・吉田和男氏が毎日新聞で「憲法9条2項」を取り上げ「武力の完全放棄は国家としてありえず、独立国家を否定することになる」と述べている▼軍隊がない国はコスタリカがよく知られるが、他にも、モナコ、リヒテンシュタイン、アイスランド、モルディヴ、モーリシャス、ドミニカ、グレナダ、パナマ、ハイチ、ミクロネシア連邦、パラオ、マーシャル群島、キリバス、ソロモン諸島、サモアなどを始め、合計27ヶ国(全独立国の14%)に上る(『治安維持法と現代』06春季号)。確かにこれらの国は小さな国が多い。だからといって、これらの国は独立国家ではないとは言えないだろう▼自国を守るのに、軍隊を持つか、否かは、それぞれの国民が自主的に決めることであって、軍隊を持たない国を独立国家でないなどと言う権利は誰にもない▼また、氏は「国連憲章43条で加盟国は兵力を提供する義務がある。集団的自衛権を否定する日本は国連軍にも参加できず、まともではない」と言う▼安保理と加盟国は兵力の提供などについて協定で定めることになっている。しかし、43条3項はこの協定は署名国各自の憲法の手続きに従って批准されなければならないと定めており、憲法に反する協定を結ぶことは義務づけられていない。つまり憲法9条を持つ日本は兵力を提供する義務はないのである▼氏の「まとも」は日本国民の常識から大きくかけ離れたものだと言わなければならないだろう。(南)

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【書籍紹介】
『5大陸20人が語り尽くす憲法9条』
この本の紹介に代えて、「はじめに」の抜粋を掲載します。

 この本は、海外の人から見た日本国憲法九条の本です。
 海外の人がこれほど他の国の憲法の条文に関心を寄せることはないのではないでしょうか。多くの日本人はほかの国の憲法の条文をただの一つさえ知らないでしょう。日本は、経済大国、原爆被害国として世界的に有名ですが、「憲法九条の日本」が今ほど注目されている時もありません。もちろん九条が改定されようとしていることも注目されています。
 本書ではさまざまな国の人が「世界には九条が必要だ」ということを語っています。そして九条が求められている理由も地域や大陸によって様々なことに気づきます。一つひとつの文章の中には、日本の私たちの常識的な理解とは異なると感じるものがあるかもしれません。それでも重要なことは、日本がそのように見られている、あるいは九条がそのように理解されているということを、私たち自身が知ることです。
 海外から九条を見る視点は、これから日本国内で直面する憲法改定論議の際にも不可欠です。改憲の理由とされている「攻められたらどうするのだ」という議論に対しては、自分の国を守るという視点だけでなく、九条を変えることがアジア諸国に脅威を与えないかという視点も必要です。その上で、攻められないためにはどうすればよいか、そもそも武力に頼って解決することでいいのか、という点を検討していく必要があるでしょう。また、国際貢献が必要だとしても本当に軍事的な国際貢献が必要なのかについては、援助される側の意見を聞いてみるのが一番です。
 改憲の理由として「九条は理想にすぎない」といわれますが、世界では現実に、軍隊をなくした国や軍隊をなくす運動があるし、九条を取り入れようとする動きもあります。武器の廃棄や軍縮の運動も起っていることなど、世界の現実は九条が決して理想ではなく、九条が現実の中で生かされていることが解るでしょう。
 そして重要なことは、九条の要請する「軍隊・武器の廃絶」「武力によらない平和」は、日本の運動だけでは実現できないということです。そういう目でもう一度私たちの「憲法九条」を見つめ直していこうではありませんか。

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ストップ「集団的自衛権行使容認」D
     「九条の会・わかやま」事務局・南本 勲

安倍首相が容認を目指す「集団的自衛権の4類型」の問題点
集団的自衛権懇談会の4類型とは B

(3)多国籍軍による人道復興支援やPKOで共に行動する他国軍への攻撃に自衛隊が対処する
 安倍首相は「国際的な平和活動における問題である。例えば、同じPKO等の活動に従事している他国の部隊又は隊員が攻撃を受けている場合に、その部隊又は隊員を救援するため、その場所まで駆けつけて、必要とすれば武器を使用して仲間を助けることは当然可能とされている。我が国の要員だけそれはできないという状況が生じてよいのか」と言う。(5月18日の有識者懇談会における冒頭発言)これは「駆けつけ警護」と言われており、8月10日の懇談会で容認すべきとの意見が大半を占めたそうである。
 しかし、これは「集団的自衛権」とは直接関係なく、「国際的な平和活動」を口実とした自衛隊の海外活動の拡大である。「PKO等」としているが、米軍を中心とした多国籍軍を想定していることは、安倍首相の言葉から考えても明白である。イラクでの活動に加え、アフガニスタンへの派兵も視野に入れたものである。明らかに「海外での武力行使」に当り、憲法違反なのである。
 そもそも、海外で活動ができない自衛隊を、無理やりに法律を作って海外に派遣し、既成事実を作った上で、「我が国だけができないという状況が生じてよいのか」などと言うのは、国 民を脅すものと言わなければならない。

(4)前線への武器輸送を認めるなど後方支援の範囲を広げる
 安倍首相は「同じPKO等の活動に参加している他国の活動を支援するための、いわゆる『後方支援』の問題がある。補給、輸送、医療等、それ自体は武力行使に当らない活動については、『武力行使と一体化』しないという条件が課されてきた。このような『後方支援』のあり方についても、これまでどおりでよいのか」と言う。(5月18日の有識者懇談会における冒頭発言)
 しかし、これも「集団的自衛権」とは直接関係がなく、「これまでどおりでなく、範囲を広げる」とは、PKOなどの参加国への「武力行使と一体化しない」という要件を削除しようとしているのである。従来政府は「個別的自衛権を超える場合は、自国の武力行使が認められないだけでなく、外国の武力行使と一体化する行為も禁止される」という一体化論をとってきた。例えば、補給は後方の兵站基地から「前線」に武器や食糧などを輸送するものだが、「前線」は戦闘地域であり、明らかに「外国の武力行使と一体化」し、憲法違反なのである。

後方支援はどこでも一体化
 今、自衛隊は「テロ特措法」によって、インド洋上でアメリカなどの艦船に燃料を補給しつづけ「無料ガソリンスタンド」と揶揄されている。「テロ特措法」の審議時の中谷防衛長官は「この地域は戦闘地域でないから、武力行使との一体化という問題は起らない」と答えた。しかし、インド洋の艦船からアフガニスタンに向けてミサイルが発射された場合は戦闘地域ではないのかという問題提起に対して。当時の内閣法制局長官は戦闘地域と認めたのである。

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(2007年9月15日入力)
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