「九条の会・わかやま」 48号を発行(2007年10月5日付)

 48号が10月5日付で発行されました。1面は、福田内閣発足、伊勢ア賢治氏講演会・プロフィール・インタビュー記事、九条噺、2面は、集団的自衛権有識者懇談会が不透明に、和歌山障害者・患者九条の会が学習会と宣伝署名、全国交流集会実施要綱決まる、ストップ「集団的自衛権行使容認」Fです。
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[本文から]

福田内閣発足
 9月25日の衆参両院の首相指名投票で自民党の福田康夫総裁が首相に選ばれ、福田内閣が発足しました。
 新政権の発足に当って、安倍政権が推し進め、参院選での惨敗の原因となった「構造改革」「戦後レジームからの脱却」「アメリカいいなり政治」などに対して、まともな反省は行なわれていません。「背水の陣内閣」なら、従来の自公政権の問題点を謙虚に反省し、再出発しなければならないのではないでしょうか。
 10月1日の所信表明演説では、憲法改正には触れませんでした。しかし、福田首相は決して憲法擁護論者ではありません。福田氏は森内閣、小泉内閣の官房長官として「テロ特措法」「イラク特措法」の制定の中心的役割を果たしてきました。また、2005年11月に自民党が正式決定した「新憲法草案」の作成過程で小委員会の委員長として、9条2項を削除して、「自衛軍」や「海外での活動」を書き込んだ責任者です。そして、「(改憲は)党是だから方針は変わらない」と明言しています。
 安倍政権は解釈改憲と明文改憲の両面を推し進めてきました。福田政権では「明文改憲」は言い出し難い状況ですが、依然として改憲の動きは続いています。国民投票法に盛り込まれた「憲法審査会」はまだ動いていません。始動させない活動が必要です。

「美しい国づくり」企画会議を廃止
 政府は、本紙31号(4月20日付)の「九条噺」でお知らせした「美しい国づくり」企画会議(座長・平山郁夫前東京芸大学長)を安倍首相の退陣表明を受け、9月21日に廃止しました。この会議は安倍前首相の下に設置され、文化、芸能、歴史、産業など各分野で、日本らしい優れたものを国民の意見を聞きながら選んで、内外に発信する方策を検討するとのことでした。

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「伊勢ア賢治氏講演会」
【日時】11月2日(金)
    開場18:00 開演18:30
【場所】ビッグ愛 1階大ホール(和歌山市)
【演題】憲法9条と国際貢献
【講師】伊勢ア賢治氏
【主催】9条ネットわかやま
    憲法9条を守る和歌山弁護士の会
【協賛】九条の会・わかやま
 入場無料

伊勢ア賢治さん
   東京外国語大学教授(平和構築論)東ティモールやシエラレオネで国連による紛争処理を指揮し、アフガニスタンでは武装解除(DDR)の日本政府特別代表として任務に携わった。

「戦争せぬ」印象 国際社会では防衛効果
 03年から1年間、アフガニスタンで軍閥の武装解除の任務に携わった。戦車や地対空ミサイルなどの大型火器を放棄させ、約6万5千人を非戦闘員に戻した。
 今でも多数の小銃が民間にあり、政権の勢力範囲は限られている。しかし、戦争が続いていた国に、人を殺せば裁かれるという、平時なら当たり前の価値観をもたらすことはできたと思う。
 我々は丸腰で武器の供出を働きかけた。軍閥のボスは9条の条文なんて知っちゃいないが、相手の本質的な攻撃性をかぎ取る嗅覚は優れていた。私が無事だったのは、日本という国が60年かけて醸成した対外イメージに負うところが大きい。それは「戦争を放棄した国」というものだ。
 このイメージは紛争が絶えない国際社会で強い防衛効果を持つ。日本が他国と同様の軍隊を持った場合、その効果の消失を一体どれだけの兵力で補えるのか。9条のため「できないこと」を並べる人は、費用対効果を考えていない。まともに検証すれば、9条改正が国益を損なうことは明らかだ。
 停戦監視団や文民警察など、現状の憲法のままで国際貢献できる分野は多い。政府の途上国援助(ODA)も、現状よりもはるかに平和構築に資する使い方がある。「平和ぼけ」の処方箋は、軍備増強ではない。世界各地でどの軍事勢力がどんな意図でどう動いているのかを調べ上げる情報収集力と、柔軟な平和構築プランを示すセンスだ。日本外交はその点で、決定的に遅れている。
 大学院で、紛争当事国から来た留学生らに平和構築の手法を教えている。彼らは「戦争をしない国」にこそ学ぶべきことがあると、留学先に日本を選んだ。紛争の構図を現場でつかむ技術に始まり、武装解除や和解プロセスの組み立て方、地元住民を巻き込める魅力的な復興計画の作り方など、実践的にシミュレーションしている。(朝日新聞9月2日「60歳の憲法と私」より)

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【九条噺】
 「恥も外聞もない」とはこういうことなのか。「テロ特措法」延長に「職を賭す」とした安倍首相が、前代未聞の無責任な辞任劇の前におこなったのが、海上自衛隊のインド洋での給油活動に対する「感謝の言葉」を国連決議に盛り込むよう、ブッシュ大統領らに嘆願したことだった▼結果、国連はアフガンでの国際治安支援部隊の任期延長を決める決議を採択したが、インド洋での給油活動に対する「謝意」も前文に加えた。しかし、この給油活動は国連部隊の活動とは別の、米軍などが『不朽の自由作戦』と称する作戦であり、不自然さは否めない▼「感謝」の「押し売り」も情けないが、問題の核心は、「テロとのたたかい」を口実にアメリカなどの武力攻撃を日本が給油等で支えること自体の是非にある。敢えて言えば、国連部隊にしてもアフガンでは「殺しながら援助」しているようなものだ▼アフガンは、武力攻撃開始以来6年を過ぎても、全土はますます破壊しつくされ、罪もない多くの人々が殺され、今や300万ともいわれる難民がパキスタン国境付近にあふれている▼イラクもまたしかり。武力でことを解決することなど、もうだめなのだと、日本は、世界に誇る平和憲法で真の国際貢献をするのだといえるようにしようじゃありませんか。(佐)

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「集団的自衛権有識者懇談会」不透明な状態に
存否の判断は新首相に。廃止されるまで油断は禁物

 集団的自衛権行使を検討する安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(集団的自衛権有識者懇談会)」は9月14日の第6回会合を中止しました。  懇談会は憲法上、禁じられている集団的自衛権を限定的に行使することや自衛隊の海外活動の拡大を狙い、憲法改悪の道筋を作るとともに、首相の判断で憲法解釈の変更を可能にすることが狙いでした。
 自民党の参院選惨敗で政府の解釈変更は困難になったと思われていましたが、報告書は「粛々と進める」計画でした。しかし、安倍首相の突然の辞意表明で報告書の作成も不透明になりました。有識者懇談会の存否は新首相が判断するとのことです。

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和歌山障害者・患者九条の会
学習会と街頭宣伝・署名活動
 9月16日(日)午後1時30分より「和歌山障害者・患者九条の会」は和歌山市ふれあいセンターで憲法学習会を開催しました。山崎和友弁護士が「主権者がつくる憲法と暮らし」と題して講演を行い、40人が参加しました。
 学習会終了後、午後4時からJR和歌山駅前で署名・宣伝活動を行い、約20人が参加しました。ハンドマイクで道行く人々に「生命を奪い生活を破壊し、多くの障害者を作り出す戦争に反対して、憲法9条を守りましょう」と訴えました。1時間の行動で53筆の署名が集まりました。

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「九条の会」第2回全国交流集会実施要綱決まる
日時:2007年11月24日(土)10:30〜16:30
会場:東京千代田区・日本教育会館
主催:「九条の会」全国交流集会運営委員会
主な内容(予定)
   ●全体会
   ●開会あいさつ
   ●よびかけ人あいさつ
   ●地域・分野の「会」からの報告(5分×5人)
   ●昼食・休憩
   ●分散会・分科会
   ●全体会
    分散会・分科会からの報告(3分×12人)など
・分科会は青年・学生のみ。他は分散会
・発言は準備して、発言時間はおおむね5分以内とする。
・参加希望者は所定の参加申込書を提出し、参加証の交付を受ける。申込書はオフィシャルサイトより取得。

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ストップ「集団的自衛権行使容認」F
    「九条の会・わかやま」事務局・南本 勲

前原誠司氏への反論
 前原誠司氏は前民主党代表で、現民主党副代表である。氏は6月14日の朝日新聞に「具体的なニーズある。私ならすぐ解釈変更」と述べている。
 氏は「私は集団的自衛権の憲法解釈は変えるべきだと考えてきた」「『9・11テロ』は解釈変更する千載一遇のチャンスだった。私が首相なら平時には政治の争点にはせず、具体的な問題が起きれば1日で変える」と述べる。「9・11」のような大騒動を利用して、一挙にやってしまおうというのである。これでは、まるでクーデターではないか。
 また、安倍前首相が「4類型を諮問したのは当り前の話だ」と言い、安倍前首相と全く同じ立場である。民主党の安保政策は「民主党の憲法提言では『制限された自衛権』と記し、(集団的自衛権を認めた)国連憲章51条の要素を盛り込んだ。集団的自衛権が行使できるように変えていきたい」と主張する。これでは「集団的自衛権有識者懇談会」のメンバーと何も変わるところはない。否、それ以上だと言っても差し支えない。朝日新聞記者の「それで党内はまとまるのですか」という質問に対しては、「まとまっていない」。当然だろう。まとまらないことこそ当り前と言わなければならないのではないだろうか。

  岡本行夫氏への反論
 岡本行夫氏は元首相補佐官である。氏は7月2日の朝日新聞に「『防御的行使』認めるべき」と述べている。
 氏は「集団的自衛権の行使には『攻撃的』なものと『防御的』なものがあり、これを区別し、防御的な行使を認める」と言う。「防御」とは「敵の攻撃を防ぐ」ことである。そもそも集団的自衛権とは「自国が攻撃されていないのに、第3国を攻撃すること」である。攻撃もされていないのに、どうして「防御的」なものが存在するのか。自衛が名目の集団的自衛権を行使する者が「攻撃的」と言うはずがない。つまり実態は「攻撃的」で、名目は「防御的」なものしか存在しないということになる。4類型には日本が攻撃される場面は全くないにも拘らず、いずれも「防御的」なものだと言う。氏の論法は「防御的」「攻撃的」という、いかにも分ったような理屈を並べて、集団的自衛権行使に道を開こうとするものだ。
 氏は「時代の要請に応じて憲法の解釈を合わせていくのは、私は当然だと思う」と言う。時代は全世界的に9条の方向を要請している。氏の言う「時代の要請」とは結局「アメリカの要請(要求)」なのである。つまるところ「アメリカの要求に合せて憲法を変えろ」と主張することになるのではないだろうか。

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(2007年10月6日入力)
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