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「九条の会・わかやま」 53号を発行(2007年12月4日付)

 53号が12月4日付で発行されました。1面は、「九条の会」第2回全国交流会に1,000人余、九条の会・わかやま結成2周年によせる呼びかけ人のメッセージD牧師 藤藪庸一さん、九条噺、2面は、和歌山市の「日本の青空」上映会に602人、病から復帰した作家辺見庸さんの意見です。
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[本文から]

「九条の会」第2回全国交流集会に1千人余
47都道府県550の「会」から

 「九条の会」は11月24日、東京で第2回全国交流集会を開きました。集会には47都道府県の550の地域・分野の「会」から、全体会も分散会も定席を超える1020人の参加があり、熱気あふれる雰囲気の中で、昨年6月の第1回全国交流集会以来の運動と組織の前進について交流し合いました。
 午前10時半から始まった全体会では、小森陽一事務局長が昨年6月以来の活動報告を兼ねた開会挨拶を行ない、つづいて5人の呼びかけ人がそれぞれ個性あふれる挨拶を行ないました。
 奥平康弘氏は「『自衛隊は認めるが改憲は反対』という意見もある。いろいろな根拠の持ち主にアピールして9条改憲反対の声を糾合していくことが『九条の会』のありようの一つだ」。加藤周一氏は「『守る』とは明文改憲に反対すること、『生かす』とは解釈改憲に反対することだ。『九条の会』の運動は『生かす』ことも重視する必要がある」。澤地久枝氏は「私たちは孤立した一人ではない。9条で世の中をよくしようという人たちがいっぱいいることに希望を持とう」。鶴見俊輔氏は「『九条の会』がもっともっと長く続けば、戦争をなくすことをやれるかもしれない」。大江健三郎氏は「個性的で普遍的なこのような集まりが今後も続くことに希望をかけている」と語りました。
 午前の全体会ではさらに、沖縄/はえばる九条の会、宮城/岩沼九条の会準備会、九条の会東大Komaba、 東京/9条の会・こがねい、大阪/九条の会・豊中の代表がそれぞれの活動を紹介しました。
 午後はまず午後1時15分から11の分散会と青年の分科会に分かれて交流が行われました。午後3時15分からの全体会では11の分散会、および青年分科会から、それぞれの論議の特徴が報告されました。
 なお、昼の休憩時間から午後にかけて呼びかけ人の会議が開かれ、「九条の会」の今後のとりくみや全国への訴えが論議され、全体会の最後に発表されました。
  「九条の会」からの訴え
◎「九条の会」アピールへの 賛同の輪を創意をこらして広げ、9条改憲反対、9条を生かそうの圧倒的世論をつくろう。
◎職場・地域・学園の草の根で、日本国憲法9条のすぐれた内容と改憲案の危険な内容についての理解を深めるための大小無数の集会を開こう。
◎当面、「すべての小学校区に九条の会」を合言葉に、文字どおり思想・信条・社会的立場の違いをこえた「会」をつくろう。地域・分野の「会」のネットワークをつくり、交流・協力しあって運動を前進させよう。
    07年11月24日

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「九条の会・わかやま」結成2周年によせる呼びかけ人のメッセージ (順不同)
      牧師 藤藪 庸一 さん
 私は切に日本を愛し、ふるさとを愛し、家族を愛し、自分をそのために使いたいと願っている。そんな私にとって、今の日本の中では唯一、憲法九条だけは、世界を相手に「我らが誇り」と胸を張ることができるものなのだ。ただの理想でしかない平和主義と武力放棄を現実的に捉えている憲法なのだ。過去にもマハトマ・ガンジーがインドで、マーチン・ルーサー・キングがアメリカで無抵抗主義という理想を貫いた。多くの人が彼らの業績を称えているのを見る時、平和憲法は決して世界の人々に届かないメッセージではないことは明らかだ。そして、憲法前文には私たち日本人が世界の犠牲になって平和を訴えていこうというその覚悟がはっきりと記されている。ここに私は日本人としての生きる道を見出すのだ。自分の全存在をかけて伝えていかなければならないメッセージが憲法九条にはあると私は確信している。
 最近、なぜ個人主義が蔓延しているのか。なぜ損得で人は動くのか。誇りを訴えてもそんなものに興味を持つ者は多くない。しかし、今、温暖化など環境破壊が広がり、このままでは世界は滅ぶことも現実味を帯びてきた。私たちは地球規模で生き方を選ばなければならない時代に生きているのだ。つまり、自分の家族、住んでいる地域や国のことだけ考え利益を追求するならば、この世界がなくなる日が来るということだ。
 私たちは世界のために最善を尽くすというメッセージを憲法九条に込めて、世界に発信しようではないか。

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[九条噺]
 小泉内閣が半ば強制的に「平成の大合併」をすすめた頃、市町村合併による暮らしへの影響や、地方自治等について学び考えあう各地の集いに招かれた。その折々に紹介したのが石橋湛山氏の地方自治に関する指摘だ▼「地方自治体にとって肝要なる点は地域の比較的小なるにある。地域小にして誰でも直ちにその政治の可否を判断することが出来、同時にこれに関与し得る機会が多いから、地方自治体の政治は、真に住民自身が、自身のために、自身で行う政治たるを得る」(大正14年「社説」)地方自治の原則を定めた現行憲法制定の遥か以前の主張だけに、その慧眼に驚く▼「池田外交路線に望む」と題する石橋氏の主張(昭和35年8月『朝日新聞』)では「歴代の保守党政府が次々に憲法を空文化してきた・・・だが、今日では世界唯一のこの憲法が、最も現実的な意義をもってながめられようとするに至ったのである。幣原(しではら)氏は『百年後にはきっと』といわれたが、百年を待たずしてそれは夢でなくなり、逆に戦争のほうがばかげた空想の世界へ逃避しようとしている」とも▼いま、「石橋湛山評論集」(岩波書店)が面白い。なにしろかつての総理大臣であり、自由民主党総裁である。それにひきかえ近年の総理面々の何とも軽いことか、いやはや。(佐)

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和歌山市の「日本の青空」上映会 602人が鑑賞!
 和歌山市内の「9条の会」や民主団体が実行委員会を結成し、11月28日に映画「日本の青空」上映会が、和歌山県民文化会館で開催されました。3回の上映で、目標をクリアする合計602人が鑑賞し、大きな感動を呼び起しました。
 当日回収された88人のアンケートによると「まあまあ・2人」「良かった・22人」「非常に良かった・64人」という結果でした。
 「日本人の鈴木安蔵さんという方の国民主権に対する深い思いを知り、形にして下さって今があることを知り、若い私たちがこれを大切にし、守っていくことを深く思いました」「正直、今の憲法は誰が考えたものであるかなどは考えたこともなかった。でも、日本国民が考えたものに基いていることを知り、うれしく思った。また、今当り前だと思っている国民主権、男女平等、交戦権の否認などもすごいことなのだと感じた」という若い人の声があり、「歴史教育の中でも戦後史は軽視され、私自身も十分に学んでこなかったことを反省しました。ぜひ高校生全員に観てもらいたい。そして戦後の真実を学び、これからの日本の選択はどうあるべきかを考える機会と題材を提供したいと思いました」「戦中、戦後の人達を描きながらも、現代の若者も描いており、是非10代の人達にも見せたい映画である」という声もありました。
 今後の再上映やDVD化も期待されます。

上映予定
12月8日(土)
かつらぎ町総合文化会館あじさいホール
 14時〜、18時〜

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内奥の眼で憲法9条をとらえ、無警戒を批判
      作家 辺見 庸

 ジャーナリスト出身の作家、辺見庸さんが病に倒れて以来、2年ぶりに言論の場に復帰し、行動をはじめています。死の渕に立って考えたことは何だったのか。いま一番言いたいことは。時期は少し古いですが、今でも十分に示唆に富む話だと思いますので、ご紹介します。
(「日本ジャーナリスト会議」のメール通信より)

 2004年3月、新潟市での講演中に脳出血で倒れ、後遺症は右半身に残り、その身体障害のリハビリを継続。さらに昨年12月、がんが見つかり手術、薬による治療を続けています。約束の場には、リハビリを兼ねて徒歩でやってきました。元気なころに比べると、細身になって、表情も穏やかになって。
 「周辺事態」の言葉に驚いて
 「倒れた時、医者からは作家活動は無理だろうといわれました。資料を読むのがつらく、左手で原稿を書くのに以前の10倍以上も時間がかかっていましたが、頭脳に差し障りがない今の状態は、実にラッキーといえます」
 97年に、「周辺事態」というおかしな国家用語を使い、新ガイドライン(日米防衛協力=指針)が成立した時、辺見さんは驚き、以来行動に駆りたてられたといいます。
 「一人で怒っていました。執筆、講演に加えて、早稲田大学(客員教授)でメディア論などの講義もあって、忙しすぎた。過剰に動きすぎるのは、性分だからしかたなかった」
 憲法講演した大阪での感動
 病で2年1カ月の不在のあと、今年春以来、『自分自身への審問』『いまここに在ることの恥』(ともに毎日新聞社)の2冊を出版しました。東京についで、6月に大阪で「憲法改悪にどこまでも反対する」講演をこなしました。
 「大阪では超満員、千7百人も来て3時間近くも熱心に聴いてくれました。感動しましたね。僕は市井の人間として、モノ書きとして、この情勢のもとでどんな生き方をしたらいいか、を語りました。『〜審問』にも書いたけど、入院していた半年、ベッドの上で自問したのは、自分の身体がボロボロになっても改憲は許さない、倒れる前のその考えを変えることはない。モノ書きの立場だから、さまざまな支障が出るだろうが、いまは言うべきことを全部言おうと、そんな心境です」
 講演先では、イラク派兵反対のデモに参加。東京・野外音楽堂の集会には、大学のゼミの学生を誘って合流し、一緒に街頭を歩きました。
 「60年、70年安保反対のデモを知っている僕には、いまの若い世代の発想にはいくらかの違和感はあり、寂しさもつきまといましたが、そこは思想・信条の違いをこえて一致点で団結ですね」(笑)
 急速に変わるマスメディア
 自民、公明連合政権のもとで、「のっぺらぼうな、鵺(ぬえ)のような全体主義」の深くて暗い伏流が渦巻いています。これに、歩調を合わせるかのようなマスメディアの急速な様変わりを辺見さんは危ぐします。
 「良心的なジャーナリズムのなかでは、憲法九条を守ることは大前提でした。ところがそうした大新聞の記者が僕を取材して、『辺見さんはまだそんな(護憲)ことをいっているの』と問われ、びっくりしましてね。僕はもう守旧派なんでしょうかね。小泉政権誕生から5年、テレビを中心とした人気持ち上げの『共同作業』はすざまじい。庶民いじめ、軍拡タカ派路線、アメリカ盲従路線は、国民の目から消されて・・・」
 核武装を説く安倍氏の怖さ
 安倍晋三官房長官が、自民党新総裁に選出され、安倍新政権の前夜です。「憲法九条」を日本を占領した連合国への詫び証文だと冷笑し、靖国参拝をつかれ、「あったか、なかったかはいわない」とうそぶく政治家です。
 「著書『美しい国へ』を読んでも、おそろしい人物です。官房副長官の時、学生相手に自主的な核武装を説いています。その戦闘性は小泉さんより確信的です。小泉さんが「陽気な独裁者」というなら、安倍さんは祖父・岸信介の保守の遺伝子を受け継いだ「陰性の暗い政治家だ」と見ています。マスメディアの主流は、小泉同様に無批判・無警戒です。ですから僕は、そうしたマスコミ人を背広を着た「糞(くそ)バエ」とあえて汚い表現をしました。覚悟したたたかいが必要です」
 歌人・岩田正さんが数年前、「九条の改正を笑ひ言う議員 このチンピラに負けてたまるか」と詠み、気概を示したことをあげて、
 「内奧の眼をもって自分をしっかり見つめたい。カッコ悪くても生きて、しゃべっていきたい。憲法は1センチも譲れない」
        (聞き手・澤田勝雄)

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(2007年12月9日入力)
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