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九条の会 講演会に2300人
小田実さんしのぶ ── 渋谷/東京
「平和憲法を守るという一点で手をつなごう」と設立された「九条の会」の呼びかけ人で、昨年7月に75歳で亡くなった作家の小田実さんを追悼する同会主催の講演会が8日、渋谷区のホールで開かれ、約2300人が参加した。同じ呼びかけ人で評論家の加藤周一さん、作家の大江健三郎さん、井上ひさしさん、澤地久枝さん、哲学者の鶴見俊輔さんらが故人の足跡をたどり、憲法への思いを語った。
小田さんはベトナム反戦などの平和運動をはじめ、自らも被災した阪神大震災では生活再建支援の市民立法運動に取り組んだ。
「戦争を止めることはできなくても犠牲者を助けることはできると考えて行動した。それが小田さんの『べ平連』の運動だった」と加藤さんは言い、「弱い者を救出することに力を注いだ」と振り返った。井上さんは「小田さんの本がある限り、私たちの中では亡くなっていない」と言葉に力を込めた。
この日は小田さんの妻の玄順恵(ヒョンスンヒェ)さんも姿を見せた。「小さな人間が力を持ち得ること。平等。戦争と平和。彼の中にはこの三つの柱があった」と述べ、「一人でこつこつとやってこられたのは九条の会のみなさんの熱い支援があったからだと思う」と話した。最後に登壇した澤地さんは「小さな市民が動かなければ政治は動かない」と呼びかけた。(毎日新聞[都内版]3月9日付)
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[ 訃 報 ]
「九条の会・わかやま」呼びかけ人 井上 光雄 さん
元和歌山県教育長・元海南市助役・井上光雄さんが3月9日、ご自宅(海南市)でお亡くなりになりました。(94歳)
謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
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井上光雄さんのメッセージ
戦争は悲惨なものです。子どもたちや孫たちの世代には、戦争のない平和な世の中で過ごさせたいものです。日本が「憲法9条」をまもって、平和国家でありつづけることを願います。(当会HPより)
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給油再開 人々の親近感損ね逆効果
中村 哲 さん(医師・医療NGOペシャワール会現地代表)
海上自衛隊によるインド洋での給油再開は、アフガニスタンの復興支援に携わる者として、非常に迷惑な話だ。
私たちはパキスタン北西部のペシャワールを拠点に、アフガニスタン東部で、医療と農村復興のための井戸掘りや用水路建設をしている。アフガニスタンでは00年以来、干ばつによる農地の砂漠化が進み続け、かつて100%近かった穀物自給率は今、30~40%に届くかどうかという状況だ。農業国でありながら、餓死者や凍死者が絶えない。
現地では、タリバーンの実効支配地域が拡大している。国民の半数以上が餓えている状況に、軍隊を送って暮らしや文化・慣習を荒らす外国への反感が高まっているためだ。タリバーンは中心的な支持層のパシュトゥン人以外にも支持を広げており、雪解け後の攻勢による混乱が生じる恐れが強まっている。
だが、人々の日本への親近感はまだ強い。日本は自分たちを助けてくれるが、悪さはしない、干渉もしないとみているからだ。私たちが灌漑を進め、水が戻った村には多くの人々が帰ってきた。彼らは私たちを客人として遇し、命がけで守ってくれている。
日本が復興支援に多額の援助をしていることは、民衆レベルでも広く知られている。一方、インド洋上での給油活動は、ほとんどの人が知らない。日本政府が洋上給油を国際貢献の象徴だと声高に叫べば、米軍と一体視され、対日感情の悪化につながる。それは、現地での復興支援活動を困難にするものだ。
最近、日本政府が軍民一体型の「地域復興支援チーム」(PRT)に途上国援助(ODA)資金資金を出していることが日本で報じられた。
私たちの診療所にも、軍服姿の者たちが突然、装甲車で乗りつけ、薬を配らせてほしいと言われたことがある。診察もなしに投薬することは危険だと断ったが、PRTの実態は軍による宣撫工作に過ぎない。道路を造るにしても、戦闘地域に通じる道路を優先する。現地では、PRTと米軍は一体だと誰もがみている。
そこに日本の資金が使われていることも、現地では知られている。それでもこれまで、日本の復興支援は評価されてきた。しかし、軍事プロセスへのかかわりがさらに強調されるようになれば、その評価がどうなるかは危うい。
そもそも「テロとの戦い」というが、タリバーンは土着の国粋主義運動であり、パキスタン北西部とアフガニスタンを越えて、その影響が及ぶとは考えられない。欧米で大学教育を受けたアラブ系のエリートを中心とするアルカイダの世界イスラム主義とは相いれない。アフガニスタンをテロの巣窟と言う認識には、ずれたものを感じる。
給油再開が決まって、アフガニスタンへの関心が日本国内では薄れていると聞く。今までもそうだったが、日本が海外で軍事力を行使することの意味を、誰も真剣に受け止めていない気がする。現地では、落とされる爆弾で、多くの人が身近で死んでいる。「米国の戦争」の一員として自分の国もかかわっているとなれば、穏やかではない。
日本政府は、民生一本に絞って支援をすべきだ。軍事プロセスとはいっさい手を切って、食糧・インフラ分野を中心に支援をすれば、国際貢献の場での日本のプレゼンス(影響力)はとても大きくなるはずだ。(朝日新聞2月24日付)
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中村哲医師講演会
日時:2008年4月19日(土)午後6時~
会場:和歌山市民会館
主催:和歌山県平和フォーラム
後援:9条ネットわかやま、憲法9条を守る和歌山弁護士の会
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【九条噺】
迂闊にも見過ごしてきたが、月初めには「朝日新聞」のタイトルの下に、「今月の花」が大きな文字で書かれている。3月は「菫」。その「花ことば」は「誠実」とある▼だが、清楚で可憐な「菫」たちには気の毒な話だが、その横に並ぶ活字がいけない。「予算、年度内成立へ 衆院可決、野党反発」とあり、ガソリン税問題、年金問題をはじめ肝心なことはすべて不明確なまま、ただ国民生活を直撃することだけは確かな予算案を与党が強行可決した記事が、その無責任かつ不誠実さを伝えている。そして今や「不誠実の極み」というべき石破防衛大臣も紙面をかざる▼自ら「ハイテクの極み」と自慢したイージス艦が、ハワイでのミサイル防衛訓練に疲れ、艦長が居眠りしている間に、「親子舟」を撃沈したのに、救助そっちのけであたふたし、あげくに開き直って「ゆるみか慣れか疲れか。普通の国の軍隊は最高の栄誉あればこそ、厳しい規律で国の独立に身命を賭す」つまり、今度の事件も本来なら軍事法廷で裁くべきだとでもいいたげな、改憲派の急先鋒ならではの物騒な発言を、例の刺すような目つきでおこなったのだから油断もスキもない▼このままでは菫も踏み潰されそうだが、案ずるにはおよばない。われらが野の花はたくましいのだ。ナント沖縄の「ひめゆりの塔」の下の岩にさえ毎年菫が咲くのだそうだ。(佐)
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9の日 一斉宣伝署名活動を実施
120人で署名726筆(和歌山市)
3月9日、和歌山市では10カ所で120人が参加し、726筆の署名が集められました。地域活動では事前ビラ(9日に署名活動で伺う)を配布する方式も定着し、待っておられる方もあり、励まされています。JR和歌山駅前でも1時間で163筆と、過去最高となりました。
県下の活動は、那賀地域では打田のスーパー前で活動をしました。海南市では3カ所で139筆を集めました。橋本・伊都地域は橋本、かつらぎ、高野口の3地域で活動を行ないました。日高地域では御坊駅前で30筆を集めました。「9の日の活動」は継続して実施されています。
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ストップ「集団的自衛権行使容認」⑭
「九条の会・わかやま」事務局・南本 勲
「集団的自衛権」と「石破試案」
自民党は恒久法の制定に向けて合同部会を始動させ、自公両党はプロジェクトチームを設置した。恒久法は一方に「テロ特措法民主党対案」が、他方に自民党の「国際平和協力法案(石破試案)」があり、これらをベースとして議論が進められる可能性が高い。06年8月30日に自民党防衛政策検討小委員会で決定された「国際平和協力法案」とはどのようなものであろうか。その概要を見てみると、
1.活動の主体は
国際平和協力本部(内閣府におく。本部長は総理大臣)と警察庁、海上保安庁、自衛隊。
2.どのような活動をするのか
①国際平和協力活動とは
人道復興支援活動、停戦監視活動、安全確保活動、警護活動、船舶検査活動、後方支援活動である(1、3条)。自衛隊以外は人道復興支援活動しかできない(10~13条)。
②携行する武器
自衛隊以外は小型武器となっている(4章)が、自衛隊が使用する武器には制限はなく、何でも持っていける。
③安全確保活動とは
従来は安全確保支援活動という後方支援しかできなかったが、安全確保活動は武力を含む実力行使で、武装勢力の掃討作戦も可能となっている。
④警護活動とは
要員の警護や施設、物資輸送の警護などである(3条)。内容的には安全確保活動の規定を準用しており、安全確保活動とほぼ同じと考えられる。
⑤船舶検査活動とは
船舶検査活動とは国際法上の臨検であり、臨検は交戦権の行使とされる。周辺事態法の船舶検査は要請・説得に止まっているが、この船舶検査は相手船舶に停船命令を出し、従わない場合は危害射撃ができ、乗船検査で抵抗されれば反撃もできる(34~35条)。
⑥人の殺傷行為について
自衛隊は安全確保活動としての組織的な交戦で、駐留した外国の市民を攻撃して殺傷することもできる。しかも「危険」「疑い」「相当の理由」などという主観的な要件で行なえる(4章)。米軍の無差別攻撃と変わるところはない。
3.自衛隊の海外派遣要件は
国連や国際機関、国連加盟国その他の国の要請とともに、「我が国として国際協調の下に活動を行なうことが特に必要であると認める事態」となっており、国連安保理・総会などの要請がなくても、我が国の独自の判断で、武装した自衛隊を海外に派遣できるということである。(2条)
この法案は「試案」というものの、本文60条からなる完成されたもので、これまでのような時限立法ではなく、恒久法として制定するものになっている。派遣要件は国連などの要請だけでなく、「国連加盟国その他の国の要請」や「我が国独自の判断」で派遣することになっている。これは、アメリカの要請や、おおっぴらな要請がなくてもアメリカの顔色を見て派遣するということだろう。派遣された自衛隊は人道復興支援の名目で、掃討作戦や臨検活動を実施する。武器を使用し、外国の市民を殺傷することも含めてである。
自民党新憲法草案の第9条2項(3)は「自衛軍は・・・国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行なわれる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行なうことができる」となっている。この石破試案は自民党新憲法草案を先取りするものである。もはや「集団的自衛権」などを超え、アメリカと一体となって世界制覇の一翼を担うものと言わなければならない。
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