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「九条の会・わかやま」 71号を発行(2008年6月20日付)

 71号が6月20日付で発行されました。1面は、多田道夫先生を偲ぶ、和歌山県「9条の会」交流集会、九条噺、2面は、08年憲法世論調査にみる民意A 、書籍紹介、9条世界会議・関西 海外ゲストのスピーチA です。
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[本文から]

多田道夫先生を偲ぶ
「九条の会・わかやま」事務局・柏原 卓 (和歌山大学教育学部教授)

 本会呼びかけ人で和歌山大学名誉教授の多田道夫先生が今月(2008年6月)2日にお亡くなりになりました。1926年生まれ、81歳でした。もっとご活躍いただきたかったのに残念です。先生は和歌浦景観保全運動で有名な方でしたが、「九条の会・わかやま」発足の「呼びかけ人のアピール」に次の言葉を寄せられました。「国家とか国民とかを據り所とする考えは過去のものになりつつあります。(中略)半世紀も前に世界にさきがけて軍隊を捨てた日本が今になって軍隊を持とうとするのは世界に対する裏切りではありませんか」。じつは多田先生に呼びかけ人をお願いするにはためらいもありました。和歌浦の運動や万葉集読書会でお付き合いがあったものの、憲法9条の話はしたことがなかったからです。しかし二つ返事で同意してくださり、「九条の会呼びかけ人の大江健三郎氏は東京大学仏文科の後輩で、憲法の講演も聴きに行きました」とのことでした。心強く感じました。その後お会いした折、安倍晋三内閣の改憲推進の動きに「危険な情勢です。軍隊を捨てても日本がやっていけることを国民に説得するのが課題です。自分も専門家の話を聞くなど勉強したいです」と話されました。世論調査で9条改憲に反対が6割以上になったものの油断はできない中、多田先生の問題意識は今後も重要です。
 先生はフランス文学専攻ながら「本居宣長先生伝」(和歌山大学教育学部紀要人文26集)も書かれるなど深い学識をお持ちでした。それが身近なさりげない物事への省察にも生かされました。ご出生地である和歌浦の「歴史的景観」という価値の認識も一例です。各種の文献資料や言い伝えなどよくご存知でした。先生は日頃は静かな方でしたが、あしべ橋問題が起きてからは和歌浦景観訴訟、和歌浦フォーラムで学識を備えたリーダーとして活躍され、全国に「歴史的景観」という語が定着、和歌浦の史跡指定などの成果を引き出されました。
 ここにご冥福をお祈りし、戦争と軍隊のない世界を求められた多田先生のご遺志を引き継ぐ所存です。

    「九条の会・わかやま」呼びかけ人
    多田道夫さん略歴ご紹介
     和歌山大学名誉教授。1926年、和歌山市生まれ。東京大学文学部卒業。1965年、和歌山大学の旧学芸学部講師。その後教育学部助教授、教授を歴任。専門は仏文学。また、和歌浦の景観保全運動に取り組み、「和歌の浦景観保全訴訟」の原告団副団長を務めた。

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活動を交流し、学びあい、励ましあって、さらに発展を!
和歌山県「9条の会」交流集会

主催/和歌山県「9条の会」交流集会運営委員会

    2008年7月5日(土)開場13:00 13:30〜17:00 プラザホープ4F(和歌山市) ●スピーチ   藤藪庸一さん(牧 師)、月山 桂さん(弁護士) ●各「9条の会」の発言・交流 ●各「9条の会」の展示・掲示
 憲法9条を守るという一点で一致して活動する県下の「9条の会」が集まり、お互いに活動を交流し、学びあい、励ましあって、さらなる発展を期する場です。
 当日は上のお二人のスピーチに引続き、各「9条の会」の代表から会の活動についての報告があります(各7分程度)。ロビーなどでは、会の活動内容や会報、作品などの展示・掲示が行なわれる予定です。
 運営委員会は各会代表1名だけでなく、たくさんの方の参加を期待しています

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【九条噺】
 哲学者カントの『永遠平和のために』(綜合社発行)を読んだ。ドイツ文学者池内紀氏の翻訳により昨秋出版された。カントの名はもちろん知ってはいるが、学生時代に一度哲学書を手に取り、その難解さにいち早く匙を投げた次第である▼その『永遠平和のために』は、カントが71歳の時に書いたもので、まるで小冊子のように薄い。分量が極端に少ないのは、「とかく国の指導者や政治家はぶ厚い書物など読みたがらないから」という、カント流の皮肉の結果だという▼この老哲学者があえて平和について力説したのは、じっと世の中をみてきて、「どうすれば戦争のない社会にすることができるのか」というやむにやまれぬ思いからで、国の指導者や政治家、一般大衆に向かって問いかけ、あわせてカント自身の考えを披露するためである▼カントは主張する。「戦争状態とは武力によって正義を主張するという悲しむべき非常手段にすぎない」「常備軍はいずれいっさい廃止されるべきである」「いかなる国も、よその国の体制や政治に、武力をもって干渉してはならない」「戦争を起こさないための国家連合こそ唯一の法的状態だ」「永遠平和は空虚な理論でなく、われわれに課せられた使命だ」▼主張の多くが説得力に満ち、国際連合や「9条」の理念にも生きていると実感する。どこかの大国と、この国のセンセイ方も心して読んでいただきたい。(佐)

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08年憲法世論調査にみる民意 A
長谷川千秋氏(元朝日新聞大阪本社編集局長・木津九条の会)

改憲支持の減少傾向が続く

 朝日新聞の紙面でひときわ目を引いたのは、詳報を載せた特集紙面の「『9条変えない』世論戻る」の大見出しでした。同紙の調査結果では、九条を「変えない方がよい」は66%で前年の49%から17ポイント増、「変える方がよい」は23%、前年比10ポイント減で、大きく差が広がりました。「変えない」とする人は今回、自民支持層でも57%にのぼり、「変える」は半分の30%。前年の「変える」43%、「変えない」41%が逆転しました。憲法全体では「改正する必要がある」が56%で、「改正する必要はない」の31%を上回っていますが、前年に比べると「必要」2ポイント減、「不要」4ポイント増となりました。年代別で変化が顕著だったのが20代。改正が「必要」55%、「不要」35%で、前年の78%対13%から大きく変わりました。
 日経新聞の世論調査(08・04・18〜20実施、電話)は、設問内容を掲載しないため、どんな聞き方をして回答が引き出されたのを、きちんと分析することができません。これは一種の欠陥報道です。それを前提に紹介すると、08・05・03付同紙朝刊は「『改憲に賛成』48%」の主見出しで報道。現憲法を「改正すべきだ」は48%で前年比3ポイント減、「現在のままでよい」は42%で8ポイント増だった。「国会が憲法調査会を設置した2000年以来、改憲支持は減少傾向が続いている」としています。
 北海道新聞の道民世論調査報道(08・04・27付朝刊)によると、「憲法を全面的に改めるべきだ」と「一部を改めるべきだ」を合わせた「改憲容認」は71%に達したが、そのうちの58%は九条を「変更しなくてもよい」とし、前年比9ポイント弱上昇、04年の調査以降初めて過半数を占めた―としています。

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【書籍紹介】
平和へのアクション101+2
    「誰でも取り組める」戦争回避へ行動提案

 誰でも取り組める平和のための行動をまとめた英書を大阪の大学生や関西の主婦らが訳し、『平和へのアクション101+2』(かもがわ出版)のタイトルでこのほど、発行された。
 原著はノーベル平和賞を受けた「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)の元会長でカナダ人医師のメリーウイン・アシュフォードさんが執筆。
 資源をめぐる争い、不正義、独裁者の権力欲など戦争の原因を明らかにし、戦争や紛争を回避した歴史を紹介。その上で、多様性を歓迎する▽女性に力を与える▽貧富の差を埋める▽戦争協力商品を買わない──など戦争や紛争のない世界作りのための行動を提案している。
 日本の「核戦争に反対する医師の会(反核医師の会)」が邦訳版の発行を企画。和歌山市の医師で、同会世話人の松井和夫さんや友野百枝・大阪女学院大准教授らが呼びかけ同大の学生や関西や東京の主婦らも参加し、翻訳した。
 唯一の被爆国として、原書にない「ヒロシマ・ナガサキを風化させない」「平和憲法を世界に広げよう」の2項も松井さんが加筆した。松井さんは「世界でいろんな人が平和のためにやっていることを知り、みんなが手をつなげば平和が実現できることを実感してほしい」と話している。(毎日新聞5月18日 大阪版)
かもがわ出版 2730円

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9条は世界の人々の宝物だ
 9条世界会議・関西 海外ゲストのスピーチA
  ジテンドラ・シャーマさん(国際民主法律家協会会長)

 何故私たちは9条改定に反対なのか、何故日本の人々が力強く熱烈に9条改定に反対するのか、何故日本人でもない世界の何億人もの人が9条改定に反対する日本人の輪に加わるのか。それは9条が非常に貴重なもので、平和を愛するすべての人々が一緒にこの宝を守りたいからだ。
 9条は恒久平和の宣言であり、ひとつの国によるこれほどの明確な宣言はない。9条は永久に戦争を放棄すると宣言している。永久(forever)という言葉の意味ははっきりしており、限られた時間ではなく、いつまでも限りなくという意味だ。「前項の目的を達するために」も「戦争を永久に放棄するために」とはっきりしており、「戦力は保持しない」も「never maintain」で、「never」は「いかなる時も決して〜しない」という意味だ。この2つの言葉は厳粛な宣言を形づくっている。9条のメッセージは力強く、明確である。「永久に戦争を放棄し、軍隊は決して持たない」これ以外の意味はない。この条項は日本国憲法の根本の基礎であり、変えることはできないものだ。
 何故このような厳粛で誠実な宣言が世界に向けてなされたのか。これは日本国民が経験しなければならなかった広島・長崎の原爆投下という破局が背景にある。世界は何の罪もない日本の人々に対して、アメリカが犯した恐ろしい罪にショックを受けた。原爆投下は必要なかった。
 9条は世界に、特にアジアの隣人に70年以上、日本が侵した侵略について、これからはもう心配することはないと確信させるためにも必要だった。日本は永久に戦争を放棄し、軍隊は決して持たないと厳粛に宣言し、いつまでも続くものとして憲法に記し、それを平和憲法とした。
 9条は日本国民だけの問題ではない。平和は国際的な問題だ。世界の人々は恒久平和を求めている。9条のような条項が世界のあらゆる国の憲法にあることが必要だ。私たちは生きるという権利を守ることを望むからだ。それはあらゆる国の憲法の中に9条を持ってのみ可能となる。
 9条は世界の人々にとっても貴重な宝物だ。世界はあなたたちの味方だ。

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(2008年6月22日入力)
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