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「九条の会・わかやま」 72号を発行(2008年6月28日付)

 72号が6月28日付で発行されました。1面は、臨時国会で憲法審査会始動ねらう、恒久法PT 法案要綱まとまらず、和歌山県「9条の会」交流集会、九条噺、2面は、08年憲法世論調査にみる民意B 、9条世界会議・関西 海外ゲストのスピーチB です。
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[本文から]

臨時国会で憲法審査会の始動を狙う
衆参議運委員長が自民・民主に審査会規程議決の検討要請


 衆参両院の議員運営委員会の合同代表者会議が9日に開かれ、衆院の笹川尭(自民)、参院の西岡武夫(民主)の両議運委員長が自民、民主の両会派に対し、憲法審査会を始動させるための規程の議決について検討を要請しました。
 笹川氏は「衆院の方は一応めどが立つが、参院の方はどうにもならない。参院の理事に民主党をまとめてほしい」と発言し、院の違いをこえて、審査会規程議決へ民主党の協力を強く求めるなど、なりふり構わぬ姿勢を見せています。
 衆参両院の合同代表者会議まで開いて協議したことは、なんとしても議決への道筋をつけようという改憲派の執念を示すものです。遅くとも秋の臨時国会からは憲法審査会を始動させるという狙いがあります。
 笹川氏は「いつまでも結論を出してもらえないなら、それなりの措置をせざるをえない」などとも発言し、自民党憲法審議会幹部も「衆院だけでも議決するという可能性は排除していない」と述べているとのことです。衆院単独での憲法審査会の始動という強硬路線ももくろんでいます。こうした動きの背景には、自民、公明、民主らの議員でつくる新憲法制定議員同盟など改憲派の強い圧力があります。

自民党有志が「請願」を連発

 東京新聞の報道によれば、自民党有志議員が憲法審査会を始動させようと、国会請願を乱発しているとのことです。
 請願は、国会議員の紹介を通じ、国民が国会に要望を出す制度です。関係先の委員会で審査され、採択されれば対応が取られることになります。
 自民党有志の請願は衆参両院の議院運営委員会に早期の規程作りを求める内容で、中山元外相、麻生前幹事長、谷垣政調会長らが紹介者になっており、受理件数は衆院44件、参院57件に上るといいます。
 請願は憲法16条で認められた国民の権利ですが、請願を利用して国民の要求でもない憲法審査会始動を狙うのは筋違いと言わなければなりません。改憲派のこうした動きにも注意が必要です。

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恒久法PT 法案要綱まとめきれず

 与党の恒久法プロジェクトチームは今国会で恒久法の法案要綱をまとめ、秋の臨時国会への法案提出を目指していましたが、要綱をまとめきれず、20日に「中間報告」を政策責任者会議に提出しました。
 「中間報告」では、「PKOや国連決議に基く派遣」「従来の憲法解釈を前提」「PKO以外は非戦闘地域」「原則として個別案件ごとの国会の事前承認」などを合意しています。合意にいたらなかったのは、「国連決議の要否」「治安維持・警護・船舶検査のメニュー追加」「任務遂行のための武器使用」などですが、あくまで、与党で恒久法制定の方向を確認しています。
 町村官房長官は18日「秋の臨時国会に恒久法を出すのはなかなか難しい」と法案提出を見送る方針です。園田政調会長代理は「PTを秋には再開する」、山崎拓座長は「必ず次期通常国会への法案提出を目指したい」と述べ、秋の臨時国会中に法案の取りまとめを行なう方向を示しました。

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和歌山県「9条の会」交流集会
2008年7月5日(土)
開場13:00 13:30〜17:00
プラザホープ4F(和歌山市)
●スピーチ
  藤藪庸一さん(牧 師)、月山 桂さん(弁護士)
●各「9条の会」の発言・交流
●各「9条の会」の展示・掲示

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【九条噺】
 「9条の会」の組織が地を這うように、草の根から着実に広がり、「9条守れ」の大きな世論を   形成しつつあるなか、「地上戦≠ナは歯が立たないので空から」というわけでもあるまいが、「平和利用の原則」を乱暴に踏みにじる「宇宙基本法」が自民・公明・民主の三党により共同提案され、殆ど審議もせずに可決された▼「宇宙開発」は、69年に「宇宙開発事業団」が設立される際、衆議院議員総会において「平和の目的に限り、自主・民主・公開の三原則を遵守する」と全会一致で決議、以来その精神を受け継いで、それなりの国際的信用を得てきたといわれる。ところが「宇宙基本法」はこれまでの立場を一転させ、「国家の安全保障」の名のもとに軍事利用に道を切り開くものとなっている▼自民党「国防族」、防衛省幹部、軍事企業による「日本の安全保障に関する宇宙開発を考える会」が求めてきた日米共同「ミサイル防衛」システムに伴う宇宙利用、自衛隊が海外で活動するための「防衛専用通信衛星の保有」などが現実のものになったといえる。この法案提出の際、自民党の河村建夫議員は「国際平和協力(海外派兵)で通信衛星の利用が可能」とし、「ミサイル防衛」のための「早期警戒衛星も別途考える」などと本音を隠さなかった。「ミサイル防衛」は北朝鮮だけでなく、中国も視野にといわれている▼軍事企業からなる日本航空宇宙工業会は早速祝宴をあげ、「空に希望が広がった」と大喜びだが、9条に「黒い雨」をそそぐ危険極まりないこの暗雲、何としても払い除けねば!(佐)

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08年憲法世論調査にみる民意 B
長谷川千秋氏(元朝日新聞大阪本社編集局長・木津九条の会)
「恒久法 」にかけた改憲勢力の 狙い を見抜こう

(2)恒久法、ミサイル防衛問題と民意

 改憲勢力にとって、明文改憲のためには、発議に必要な衆参両院での3分の2の議員確保と、国民投票での過半数獲得という2つの関門があります。昨年夏の参院選後の朝日新聞07・08・07付朝刊は、1面トップで「参院改憲派3分の2割る」と報じました。同社と東京大学が継続的に行っている共同調査で、07年参院選当選者のうち改憲に賛成なのは48%と半数を割り、非改選と合わせた新勢力でも53%。03年衆院選時の共同調査開始後初めて改憲賛成派が3分の2を割り込んだ。九条改憲については参院新勢力全体でも賛成31%、反対50%だった―というのです。毎日新聞の当選者アンケート調査報道(07・07・31付朝刊)でも似たような傾向の数字が出ました。
 もちろん政党政治が基本ですから単純にはいきませんが、この調査結果は、昨年の参院選が、改憲へひた走ろうとした安倍政権に対するいかに痛烈な国民の審判だったかを物語るとともに、来たるべき総選挙でも候補者一人ひとりをウオッチする大切さを教えてくれました。そして、今回の憲法世論調査に示された民意は、少なくとも最大の焦点である九条改憲への関門は2つとも通せませんよ、と改憲勢力に突きつけたといえましょう。
 しかし、改憲勢力は決してあきらめません。明文改憲が無理なら実質的な九条改憲をと、いま進めているのが、自衛隊の海外派兵を、個別法によらずに、より自在に可能にするためのいわゆる「恒久法」の制定であり、ミサイル防衛(MD)システムの積極的な導入です。両方ともアメリカの強い要求であり、「普通の国」を目指す改憲勢力の利害とも一致する。しかも、国民の強いアレルギーがないうちに、と思っているのです。
 世論調査のデータがそのことを裏打ちしています。読売新聞の今回憲法世論調査の1項目に「恒久法」についての設問があり、「必要だと思う」が46%で「そうは思わない」の42%を上回りました。湾岸戦争以来の自民党政治の自衛隊「国際貢献」キャンペーンがそれなりに国民の間に浸透してきていると思わざるをえません。しかし、「恒久法」は、読売の設問で説明されたような「自衛隊の海外派遣のルールを総合的に定めた新しい法律」といったきれいごととはまったく違います。今年の憲法記念日前日に確定した名古屋高裁の歴史的判決は、イラクへの自衛隊派遣を、現実の実態に基づいて点検し、違憲・違法と断じましたが、「恒久法」は、アメリカの軍事戦略と一体化したこのような自衛隊の海外派兵を、政府の一存でいつでもできるようにする仕組みづくりです。私たちは、「九条は大事だが、平和目的や人道支援のためなら自衛隊が海外に出てもいいのでは」と考えている市民にも「恒久法」にかけた改憲勢力の狙いをよく分かってもらう努力がいっそう必要になってきていると思います。

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9条を守って今の アメリカのようにならないように
9条世界会議・関西 海外ゲストのスピーチB
  メアリー・アン・ライトさん(元米陸軍大佐・外交官)

 私は29年間の軍人の後に、外交官として平和を構築するという経験も持っている。2003年3月に、国連安保理はイラクは世界の平和に何の障害にもなっていないという判断をしていたにも拘わらず、アメリカはイラクに先制攻撃という侵略戦争をしかけた。私は外交官として許すことができず、辞任した。ブッシュ政権の侵略戦争は平和に対する犯罪である。ブッシュ大統領と閣僚は国際法廷に引きずり出して裁判にかけなければならない。
 アメリカは戦争によって世界を侵略し、その国の政治や経済をアメリカのために変えていく、そういう国だ。アメリカが今どういう状況にあるかというと、国家安全保障のために、市民的な自由、戦争反対という自由、そういうもの全てが押さえつけられている。国家安全保障という口実で歯止めがかからず、私たちの意見が政治に反映されないという大変な状況になっている。これは一旦憲法9条を手離してしまったら、同じ状況が日本でも起こる。だから、9条を守って今のアメリカのようにならないようにと訴えたい。
 アメリカは自衛隊に対してイラク、アフガンで戦っている米艦船への給油を強制した。しかし、9条はアメリカが日本と一緒になって戦争を拡大することを止めて、アメリカの軍事支配を抑制する役割を果たしている。
 日本は武器輸出を憲法9条で禁止している。これもすばらしい点だ。アメリカは世界最大の武器輸出国で、輸出した国の政治を不安定にし、紛争を煽っている。クラスター爆弾や劣化ウラン弾など殺傷力の強い武器を大手を振って紛争地に売り、紛争地の政権が自国民を殺し続けるという状況になっている。
 アメリカは正規軍だけでは足りなくなり、民間の兵器会社の傭兵に戦争をさせている。傭兵がやったことは、説明責任を追及できないという状況まで生まれている。兵器産業、武器輸出は非常に儲かる産業になってしまった。平和を求める私たちは、経済、産業、金融などすべてを私たちの生活が平和で豊かになる方向に考えねばならない。
 今、アメリカの兵士が女性に対する性的な暴行、レイプを米軍基地のある国々で繰り返している。これは基地周辺だけではない。軍隊内でも女性兵士の30〜50%が性的な暴行を受けている。防止のためにはアメリカ議会、基地のある国の政府、地方自治体がはっきりと事件を追及するとともに、その部隊のトップの将校を免職にするぐらいのことをしないとなくならない。
 憲法9条は、この60年間日本と日本の隣国、アジア・太平洋地域の諸国との友好的な関係を構築するのに大変重要な役割を果たしてきた。9条を今後もこの地域の平和の構築、戦争のない地域という集団安全保障の基盤にすることが非常に大事だ。

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(2008年6月29日入力)
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