「九条の会・わかやま」 76号を発行(2008年8月10日付)

 76号が8月10日付で発行されました。1面は、08平和のための戦争展わかやま、インド洋給油継続反対が多数、九条噺、2面は、紀州おどり九条連、平和のたねコンサート、「靖国YASUKUNI」上映 です。
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08平和のための「戦争展わかやま」開催!
 憲法9条のこころをつないで


 1990年に始まった「戦争展わかやま」は、「二度と戦争はしない」と願う広範な人たちに支えられ、今年も8月1日~3日に開催されました。

 展示は10のコーナーで行われました。

 「①憲法9条の輝き」では、日本国憲法の誕生につながる鈴木安蔵を、また、世界に広がる憲法9条として「米国9条の会」の紹介、「9条世界会議・関西」での3人の海外ゲストのスピーチなどを展示。

 「②戦争中のくらし」では、戦争中の庶民の部屋を再現。防空頭巾、焼夷弾用の火消し、防火用水、石臼、一升ビンの米つきなどとともに、天皇・皇后の写真、戦死者の写真や「欲シガリマセン勝ツマデハ」のポスターが目立ちます。

 「③昔、戦争があった」では、和歌山大空襲、原爆投下の写真や、日清、日露、第1次世界大戦から日中戦争、太平洋戦争へと続く侵略戦争の歴史を紹介。

 「④今も残る戦争の跡」では、紀の川市北涌の防空壕、桃山町の飛行場跡、友ヶ島の地下壕、本脇のトーチカ、由良の紀伊防備隊戦跡、由良・田辺の嵐基地、白崎の回天基地跡、太地町の防空壕など、今も和歌山に残る戦争の跡を紹介するとともに、弾薬箱、食器、飯盒、水筒、軍靴、機関銃、高角砲弾、手榴弾などの現物も展示されていました。

 「⑤たくさんの人が死んだ」では、和歌山大空襲と市民の描いた絵が伝える原爆の惨状を紹介。

 「⑥何も言えなかった時代」では、戦争と音楽で、戦争中につくられた歌、追放された歌、陰で歌われた歌を紹介。追放された歌では、「戦友」「谷間の灯火」「埴生の宿」「故郷の空」「蛍の光」「仰げば尊し」など、陰で歌われた歌では、「夕焼け小焼け」「負けてくるぞと勇ましく」などが紹介されていました。

 「⑦それでも戦争に反対した人々」では、治安維持法で苛酷な拷問に遭いながらも戦争に反対しつづけた人々、小林多喜ニと『蟹工船』の紹介、和歌山県の治安維持法犠牲者の北川宗藏、楠山通、尾崎吉左衛門、高山与四郎、明石精市、脇村義太郎らを紹介。

 「⑧世界では今も」では、子どもを救うユニセフの活動と、世界中で人々を苦しめている5種類の地雷を展示。

 「⑨どうして戦争がおきるの?」では、昔は「領土を奪う」ため、今は「自衛」「制裁」「紛争解決」などを口実にして戦争をする。「利権を得るために」民族紛争を煽る。具体例としてユーゴでの兵器の売り込み、コンゴでのタンタル鉱石の取得、アンゴラでのダイヤモンド取得を紹介。

 「⑩私たちにできることは?」では、「知ろう」「話そう」「疑おう」「広げよう」「表現しよう」そして「9条を守ろう」と結んでいます。

 別室ではアニメ/ビデオ上映、紙芝居、体験談などとともに、最近長野県で発見された幻の「憲法音頭」の実演も行われ、47年に全世帯に配布された『新しい憲法 明るい生活』復刻版の普及も行われました。(次項参照)
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『新しい憲法 明るい生活』
 憲法普及会が47(昭和22)年に全世帯を対象に発行したものです。主権者が国民になったこと、国民は主権者として勉強をしなくてならないことなどが書かれています。
 内容は次の通り。
●発刊のことば
●新憲法の特色
▼生れかわる日本▼明るく平和な国へ▼私たちの天皇▼もう戦争はしない▼人はみんな平等だ▼義務と責任が大切▼自由のよろこび▼女も男も同権▼健康で明るい生活▼役人は公僕である▼国会は私たちの代表▼総理大臣も私たちが選ぶ▼裁判所は憲法の番人▼知事も私たちが選挙▼私たちのおさめる日本
●日本国憲法(全文)
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「憲法音頭」
 GHQは新憲法を国民に広め、浸透させるために、憲法普及会を作らせ、憲法普及会は、『新しい憲法 明るい生活』の発行や、憲法紙芝居、憲法カルタなどを作りました。そのひとつが盆踊りのための「憲法音頭」(作詞・サトウハチロー、作曲・中山晋平)です。SPレコードにまでなりましたが、アメリカの占領政策が変わる中、憲法普及会は1年足らずで解散させられ、「憲法音頭」は幻になってしまいました。
 長野県中野市の中山晋平記念館で「憲法音頭」が発見され、再現できるようになりました。

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インド洋での給油活動 継続反対が多数

 8月1日~2日に行われた共同通信社の全国緊急世論調査では新テロ特措法改正による給油活動延長については、反対が52%。賛成が34%。8月2日~3日に行われた日経新聞とテレビ東京の共同緊急世論調査では、新テロ特措法について、期限の1月以降も続けるべきかについては、打ち切るが48%、継続するが36%と、どちらでも、給油活動継続反対が、賛成を大きく上回りました。

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【九条噺】
 先日「ペシャワール会」から最新の便りが届いた。このところ、アフガニスタンとパキスタンの国境に近いペシャワール周辺でも米英軍による爆撃や、アメリカ追随のパキスタン政府に対する〝暴動〟が相次いでおり、中村医師らの安否が気になっていたが、激しい〝戦乱〟と未曾有の旱魃に抗し、一同何とか無事に活躍されているとの報せ、まずはホッとする▼中村医師らによるアフガニスタン東部での灌漑用水路建設事業は第2期工事を完了し、来春には総延長で21.5キロが完成予定という。第3期工事では緑化と開拓をすすめ、旱魃と食料暴騰を乗り切るために「自立定着村」の創設をめざす▼アフガニスタンの欧米軍は昨年から7万名に増派されたが、戦火は泥沼化の様相を深め、破壊と犠牲者を増やしただけ。結局、派手なふれこみによる「対テロ戦争」は莫大な物心の浪費のあげくに破綻したのも同然で、各地に無政府状態が広がり、「タリバン勢力」の参加なしに秩序すら保てない状況とか▼このような中、中村さんたちがもっとも恐れてきた事態が生じようとしている。日本政府がアメリカの要請で、陸上自衛隊の派遣と戦闘部隊ISAF(=NATО軍)への参加方針を打ち出したのだ。中村さんたちの長期間の活動を可能にしたのは、その献身的な努力とともに、何よりも、この国と地域の人々の「戦争をしない日本への信頼」だ。▼9条を具現化して真の国際貢献に命をかける多くの日本人スタッフに背後から銃をあびせるような暴挙は何としてもストップさせねば!(佐)

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紀州おどり・ぶんだら節 九条連が参加

  平和の光消さないで

 和歌山市の夏の風物詩「第40回紀州おどり・ぶんだら節」が2日、和歌山城周辺であり、73連約7700人が参加。憲法9条を守ろうとする「九条連」の約80人は、大勢の観客に平和主義の大切さをアピールした。
 九条連の中心は「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」のメンバーら。和歌山弁護士会の49人が「憲法の基本理念を守るべき責務を有する法律家」として結集。米国による空爆や戦闘を日本政府が支持したり、国内で有事法制が整備される状況を憂慮し、講演会などで戦争放棄の重要性を訴え続けている。
 ぶんだら節には4年連続で参加。大学2年で学徒出陣した月山桂弁護士(85)は「憲法9条は世界の宝」と書かれた横断幕を持って歩いた。
 月山さんは44年に旧満州(中国東北部)の関東軍経理学校を卒業後、和歌山に戻り、貴志川(紀の川市)の部隊で終戦を迎えた。「満州で別れた同僚はシベリア抑留の苦難。学徒出陣の仲間は戦死。家族の悲しみは筆舌に尽くし難い」と振り返る。
 敗戦後の武装解除に伴い、真っ暗だった家々に明かりが戻った時は感無量だったという。月山さんは「温かい平和の光を二度と消してはならない。私が踊りに参加しているのもそのため。戦争はこりごりです。平和を守りましょう」と訴えた。
(毎日新聞・和歌山版 8月3日)

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「平和のたねコンサート」開催

 楠見子連れ9条の会、九条の会・きし、守ろう9条 紀の川 市民の会、守ろう9条有功・直川の会など8団体でつくる実行委員会は8月2日、和歌山市・河北コミュニティーセンターで、シンガー・ソングライターの野田淳子さんを招いて、「平和のたねコンサート」を開催し、200余人が参加しました。
 実行委員会代表のあいさつ、親子のケン玉パフォーマンス、お手玉遊びの妙技のあと、野田淳子さんのコンサート。野田さんは77年に厚木基地を離陸した米海兵隊のファントム機が横浜市緑区に墜落し、幼児2人が、その後母親が亡くなった事件をテーマにした「千羽鶴」など、多くの曲を披露し参加者を魅了しました。
 実行委員長の馬場潔子さんは「どうか、平和のタネをまき続けるネットワークが、大きく深く広がっていきますように! 子どもと一緒に学び、育ち合う大人たちの一歩一歩がいつかきっと、ほんものの平和にたどり着きますように」と語っています。

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08年ベルリン国際映画祭正式招待
「靖国 YASUKUNI」上映
8月24日(日)
 ①10:30~ ②14:00~
和歌山市民会館小ホール
前売:1,000円 当日:1,200円 主催:「靖国」和歌山実行委員会
   073-428-6557

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(2008年8月10日入力)
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