「九条の会・わかやま」 85号を発行(2008年11月28日付) 85号が11月28日付で発行されました。1面は、「九条の会」第3回全国交流集会・会7294に、多田道夫さんと景観権、浄土宗戦争協力の反省、九条噺、2面は、、ペシャワール会中村哲氏が参院で陳述②、山田邦子さん です。 | |
「九条の会」第3回全国交流集会開催 | |
呼びかけ人の大江健三郎さんは「平和主義の個人的な規範が国家の伝統になれば、日本が国際的に平和主義を樹立する大きな手がかりとなるのではないか」と述べました。
澤地久枝さんは「九条の会に参加した人数は確実に増え、質的にも顔ぶれが広がってきた。今、私たちの課題は、次の世代、その先の世代にどのような社会を残していくかです」と強調しました。 「九条の会」は地域・職場・学園など草の根の「会」が昨年11月以降、新たに493結成され、合計で7294になったことを明らかにしました。
多田道夫さんと景観権 ☆
和歌山大学名誉教授の多田道夫さんが6月に81歳で亡くなり、10月19日、和歌山市和歌浦の玉津島神社に関係者が集まって多田さんをしのぶ会が催された。当日はスライドを使ってありし日の多田さんが紹介され、業績を参会者で語り合った。多田道夫さんといえば、やはり和歌浦の保全と再生に体を張って闘ったことで知られるだろう。ちょうど20年前の9月、和歌山県が和歌浦の不老橋そばに車道橋の建設計画を発表した時、先頭に立って反対したのが多田さんだった。フランス文学専門の多田さんがなぜに立ち上がったのか不思議でならなかったが、私が仲介して作家の中上健次を和歌浦の講演会に呼んだ際、その理由がよくわかった。多田さんは、中上にこう言った。「和歌浦が開発されると万葉で詠まれた景勝地が破壊される。万葉が壊されるということは、自分が学んできた詩が否定されることであり、それは自分の人生が否定されることなのです」。 多田さんはそこで和歌浦の歴史的景観権を提唱し、訴訟まで起こした。結局は敗訴するのだが、その後全国各地で広がった景観を文化財としてとらえる動きに大きな影響を与えた。 最近でも、広島県福山市の鞘の浦で海上架橋計画が持ち上がっていて、反対住民は「景観利益」を訴え、驚くほど和歌浦の景観保全訴訟とよく似たケースをたどっている。 そんな多田さんは、専門書も含め、ついに一冊の著書も残すことはなかった。しかし12年前の12月、裁判の仲間たちとともに訴訟の記録書としての『よみがえれ和歌の浦』を東方出版から刊行した。この中の「第一部声・証言篇」で、多田さんが公判で「景観とは何か」と題し意見陳述したことが活字化されている。今あらためて読むと、そこに多田さんの思想がすべて凝縮されていた。
【九条噺】
浄土宗、戦争協力への反省と歴史検証取り組みを表明
「Peace Night 9」今年も早稲田大学で開催 | |
この集会は、「9条を守りたい」というメッセージを学生として社会に大きくアピールすることと、各大学内九条の会の「運動の結節点にする」という、2つのコンセプトがあります。 ☆
「早稲田発 世界の窮状に9条!」 日時:12月12日(金)午後6時30分 場所:早稲田大学 大隈講堂 メーン企画:学生トークwith井上ひさし 「学生の未来と憲法9条」 http://www.peace9.net/main/index.html
軍事力でテロはますます拡大 ☆
恐らく2千万人のパシュトゥン民族、農民を抹殺しない限り戦争は終わらないだろうというのは、これは私ではなくて、地元の人々、カルザイ政権も含めた人々たちの意見であります▼アメリカ兵が、カナダ兵が何名殺されたということはニュースになりますけれども、その背後には、何でもない普通のアフガン人の犠牲はその百倍と考えたい。外国人の戦死、犠牲者の百倍の人々が、日々、自爆要員、いわゆるテロリストとして拡大再生産されていく状態にあるということは是非伝えるべきだと私は思います▼対日感情、これは少しずつ陰りが見えてきておるということを私は是非伝えておく必要があると。かつて広島、長崎は現地で有名でありまして、アフガンの知識人のほとんどは、アフガンの独立と日本の独立が同じ日だというふうに信じている人が多いくらい親日的なんですね。ところが、最近、米国の軍事活動に協力しているということがだんだん知れ渡ってくるにつれて、私たちも身辺に危険を感じるようになりました▼日々日本に対する感情は悪くなっているとはっきり言ってもいいんじゃないかと思います。かつては、我々は、外国人、欧米人と間違えられないために日の丸を付けておれば、どこに行っても安全だった。ところが、今その日の丸を消さざるを得ないという状況に立ち入っているというのが現実です▼国際社会という言葉、これに私は率直に疑問を呈さざるを得ない。国際社会という実態は何なのか、少なくともアフガン、パキスタンの民衆はその中には入っていないということは言えると思います▼私たちは、国際社会、国際協力、国際貢献と言うときに、何をもって国際と言うのかという土俵から十分な審議を尽くさなくちゃいけないのではないかと思います▼国際というのは、国や国家が、国家、民族、宗教を超えて、人々が互いに理解し合って命を尊重すること、これが平和の基礎であろうと、現地に行って分かるわけです。今、日本はその分かれ目にある。いかにより良い世界、より安全で平和な日本を自分たちの子孫に残すか、どういう世界を残すのか、私たちは岐路にあると思います▼アフガン問題は局地的な国際紛争かもしれませんけれども、これを目先の政治的な具にしたり、目先の経済的な利益という観点から見るのでなくて、実際にこれからの日本の岐路を決定する重要な問題だとして十分な討議をお願いいたしまして、私の意見とさせていただきます。(つづく)
9条はいい言葉 タレント 山田邦子さん
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(2008年11月30日入力)
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