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「九条の会・わかやま」 99号を発行(2009年4月20日付)

 99号が4月20日付で発行されました。1面は、益川敏英さん大阪府堺市で講演会、NHK「今をどう生きる・“知の巨人”加藤周一が残した言葉」B、九条噺、2面は、日本青年会議所が改憲の先導役に?、海賊対処新法案 審議入り です。
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[本文から]

9条改憲は自由に戦争をするため
益川敏英さん 大阪・堺市で講演会

 堺市で4日、ノーベル賞物理学者・益川敏英さんの「科学を進める者 夢・ロマン」と題する講演会があった。開始の3時間も前から行列ができはじめ、800名の予定が最終的に1200名になり、通路やロビーにも人があふれるという「大盛況」に、主催者の法律事務所関係者もびっくり。
 親しい人に語りかけるような調子で、「CP対象性の破れ」理論を仕上げるまでのさまざまなエピソードや失敗談をユーモアを交えながら語られ、むずかしい話を楽しみながら聞くことができた。また「ここ2〜3年のうちに素粒子に関する新しい発表があるかもしれない」という注目に値する「予言」もお話された。
 今の子供の「理科離れ」については、人間は昔から「謎とき」がきらいではない、まちがった「受験準備」のなかで、きらいになっているだけだ、という指摘もあった。
 戦争と憲法9条の問題についても次のような話をされた。
 子供のとき、家の2階の天井を貫いて焼夷弾が落ちてきてころころと転がった。あれが不発弾でなかったら、と思うと怖くて仕方がなかった。戦争はいやだと強く思った。
 今の憲法のもとでも、遠くソマリアまで自衛隊を派遣している。それでも、9条改憲を言ってる人たちはいったい何を求めているのかを考えてみる必要がある。それは「交戦権」を求めているのだ。自由に戦争ができる状況を作りたいのだ。「戦争は政治の延長」と言われている。戦争になる前にその前兆がある。その段階で政治を動かし、戦争を回避する努力が必要なのではないか、と強く訴えられた。
 人懐っこい益川さんの人柄そのままの、温かい和やかな雰囲気での楽しい講演会だった。(堺市在住の山下隆也さんより)

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戦争を止めようとしなかった知識人を批判
「今をどう生きる・知の巨人♂チ藤周一が残した言葉」B

【NHKアーカイブス】 (ゲスト)作家・澤地久枝さん、政治学者・姜尚中さん

   3月21日、NHKアーカイブスで「今をどう生きる・ 知の巨人 加藤周一が残した言葉」が放送されました。前半部分について4回に分けてご紹介しています。今回は3回目です。(後半部分は本紙88号〜91号をご参照ください)

 「幸いにして私は太平洋戦争に生き延びた。多くの青年が毎日死に、その中には私の2人の親友も含まれていた。戦の間語り合うことも多かった旧友の一人は中国の戦線へ行き、病を得て帰った。戦後の東京で出会った時に、『政治の話はもうやめよう』と彼は言った。『ぼくはひっそりと片隅で暮らしたいよ』。『しかし、君を片隅から引き出したのは戦争だね。戦争は政治現象だ』と私は言った。戦の痛手は私の想像も及ばぬほど深かったに違いない。それは私の想像も及ばぬ経験があったからだろう。もはや、それ以上に言うことは何もなかった」『羊の歌』より)

 戦争の中で起ったある経験が彼の性格とか考えとかを破壊した。戦争に行く前は戦争に対して明瞭な意見を持っていた人だった。彼は、ただ自分の小さな現状に満足を求めるという人ではなく、知的活動の活発な人だった。ところが、帰ってきて、どうせ帰ることが出来ないはずだったのだから、一切そういうことに関心がないというのは、知的活動の後退だ。

 1951年、日本は講和条約を結び、海外への渡航が自由になった。加藤さんはフランスに留学、そこでヨーロッパでは戦争中にファシズムに対する抵抗運動が想像以上に組織されていたことを知った。

 地下運動でもいろんな個人が連帯感をもってやるのだが、その連帯が保証されるのは、究極的には自由意志の問題だ。どちらへも動けるのだ。連帯を採るか、裏切りを採るか、その場に臨んでも個人の自由な決断が決める。それが連帯を支える。それ以外にない。ところが一見似ているが、個人が集団に埋没している時は一種の連帯行動・共同行動を採る。それとレジスタンスの連帯とは原理的に違う。つまり、個人の集まりであって、個人と個人との間に全く自由な決断によって支えられた連帯がある場合と、はじめから個人がなくて、個人が集団に埋没しており、だからバラバラの行動を取らないで一緒の行動をするということは、表面上似ているが根本的に違うと思う。
 日本では始めから個人はないから、集まっても、それは個人ではないから、個人が集まって、そこで連帯になることはない。集団の圧力によって同じ行動を採るようにさせて、みんなが協力するということはある。それは日本社会の秩序維持にも場合によっては役立つ。しかし、権力に対しての、地下での連帯とは成り立ちにくい。なかった訳ではないが限られている。日本が再び戦争をしないように出来るかどうか、それは個人の力だけれど、ほとんどゼロに近い微力だ。だから、出来る出来ないということになれば、出来ない確率が大きいのだが、だからといって反対をやめるということではない。反対をすることは出来る。それは、私の満足ということだけではなく、だから、友人の死の問題なのだ。私の友だちが殺された。殺されるような状況をつくることに反対だ。反対することが目的を達成して戦争を廃止出来ても出来なくても、やっぱり反対する。何故かというと、「他に私は何をするのですか」ということだ。戦争に反対しなくて何が出来るのかということだ。

 孔子は「牛がかわいそうだ。助けよう」と言ったという。弟子は「一頭だけ助けたって仕方がないではないか」と言った。孔子は「しかし、この牛は私の前を通っている」と言った。それが第一歩だ。自分の前を通る牛をかわいそうだと思わなければ、ただ統計的な数字についてしゃべっても仕方がないということだ。はじめに一人の命が大事でない人は、抽象的に何百万の命のことをしゃべっても、それはただ言葉だけであって、本当の行動につながっていかない。行動につながるのはやはり情熱がなければ。情熱の引き金はやはりひとりの人間だ。(つづく)

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【九条噺】

 「宝くじ」もたちどころに億万長者≠ノなるジャンボ≠ェ増え、多少は「夢」も近づいたと   思いたいが、家人は「当たって不幸になる人もあるらしいよ」などと言う。ならばひとつ「どんな不幸か」当たって確かめたい、と思いながらまたもや買い損ねた。ところで、その「日本宝くじ協会」が最近注目すべき冊子を発行した。「平和への想い2009─後世に伝えたい空襲・艦砲射撃の惨禍」とある▼冊子は「B29という巨大な飛行機が日本のまちを無差別に焼き尽くし」「半年あまりで50万人を超える市民が犠牲(死亡)に」なったと、日本地図で被害の全貌を紹介、九州・八幡、大阪・堺、静岡・浜松については一面焼け野原になった街の全景写真とともに被害の詳細を伝えている▼冊子はまた、「戦時中の標語」を掲載。「贅沢は敵だ」「ガソリンの一滴は血の一滴」といった代表的な標語に加え、まるで噴飯物のポスターも紹介している。「東條首相の算術」「2+2=80」とあり、その下にかすかな笑みをたたえた東條首相の顔写真。そして「これは戦時下の日本の算術。今日は2+2=5、明日は2+2=7、これが2+2=80にする生産増強の鍵だ」との説明が。甚だ残念なことに未だこの公式≠フ根拠は全く理解できないが、非科学的な精神主義の極みには違いなかろう▼いずれにせよ貴重な冊子ではある。8月には「戦争展わかやま」が今年も開催される。「平和と九条への想いを育む」実りあるものにしたい。(佐)

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日本青年会議所が改憲の先導役に?
「憲法タウンミーティング」を考える


 5月3日を機に、日本青年会議所(JC)主催の「国民参加型憲法タウンミーティング」が各地で計画されています。
 08年3月4日の「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根元首相)総会は民主党の鳩山幹事長、前原前代表などが新たな役員に加わったことで注目され、活動方針には「われわれと正反対の『九条の会』と称する勢力が、全国に細かく組織作りができており、それに対抗していくには青年会議所などに拠点になってもらうことも一つと思う」と述べられています。
 翌日、JCは会頭・小田與之彦氏のメッセージ「新憲法制定議員同盟総会開催に対して」を発表し、「憲法のあり方に対する幅広く活発な議論を行う目的で、『国民参加型憲法タウンミーティング』の全国的な開催を予定している我々JCにとって、この動向は望ましい進展であるといえます」と述べ、JCが「九条の会」に対抗する狙いをもった新憲法制定議員同盟の地方拠点作りに呼応して全国でタウンミーティングなどを進めて行く方向を打ち出しています。
 08年度にJCが開催した「憲法タウンミーティング」は18回に及びます。
 「06年度JC憲法草案」は、前文で「・・五箇条の御誓文以来、大日本帝国憲法、日本国憲法に連なる立憲主義の精神のもと・・」と、大日本帝国憲法を引き継ぐ考えを示し、現9条の「戦力及び交戦権の否認」を否定し、「日本国はいかなる侵略をも排除する。前条の目的を達成する為に日本国は、軍隊を保持する。自衛権の行使にあたっては、・・」とし、軍隊を持ち、自衛名目の交戦権行使を肯定しています。JCは「国づくりに積極的に参画することの重要性を広く喧伝してまいりたい」と言いますが、「軍隊保持と交戦権肯定論を喧伝するもの」になるのではないでしょうか。
 JCによる「憲法タウンミーティング」はこうした改憲肯定の開催目的に沿って行われていると考えられます。
 JC会員の中には憲法9条を大切に思っている方も少なくないと思います。JCが改憲運動の下請け機関や先導役になることなく、平和を願う市民とともに9条を守り、生かす立場に立つことを願ってやみません。

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「 海賊対処新法案」審議入り
与党・民主で修正協議、早期採決へ


 政府が国会に提出している「海賊対処新法案」が14日の衆院本会議で審議入りしました。
 政府案は、海上保安庁で海賊に対応できない場合に自衛隊の出動を認め、期間も地域も限定しない恒久法になっています。また海賊船を停船させるための武器使用を認めています。「任務遂行上の武器使用」を認めるのは、海賊対処であっても、憲法が禁ずる「海外での武力行使」になるのではないでしょうか。
 これに対し民主党修正案は、自衛官を派遣する場合、首相を責任者として設置される「海賊対処本部」の「本部員」を自衛官に兼務させ、警察活動としての「形式」だけは維持するものですが、自衛隊の派兵、武器使用基準の拡大そのものに政府案と違いはありません。ある民主党議員は「実態は自衛隊の派遣かもしれないが、警察活動を行うわけだから仕方がない」と言い、他の議員は「形式的な修正に意味はない。自衛隊をそのまま出せばいい」と自衛隊の派兵を公然と求めていると言います。
 民主党は20日に与党との修正協議に持ち込み、連休前に衆院を通過させたいとしています。与党にも修正容認の動きがあり、例え、協議が不調に終っても民主党は「審議引き延ばし」はしないとのことですので、十分な審議なしに法案が早期に採決される可能性があります。

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(2009年4月23日入力)
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