「九条の会・わかやま」 103号を発行(2009年6月3日付)

 103号が6月3日付で発行されました。1面は、朗読劇「月光の夏」、北朝鮮が再び核実験、「海賊対処法案」参院審議入り、敵基地攻撃で首相見解、九条噺、2面は、なぜ?総務省「国民投票法」パンフレット、We Love 憲法 浅井基文氏講演A、文化行事・各種集会にご活用を(よみきかせ九条の会) です。
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[本文から]

7・9和歌山大空襲を語りつぐ文化のつどい
ヒアノ・ソナタ「月光」による朗読劇
「月光の夏」

今こそ、命の重さを次世代に伝えよう
生きたくても生きることが許されなかった青春!

 佐賀県鳥栖市――。戦後45年のこの年、鳥栖小学校の古いグランドピアノが廃棄されようとしていた。かつて教師をしていた吉岡公子は、そのピアノに忘れられない思い出を秘めていた。そしてピアノを平和の願いの証しとして保存しようという思いから全校集会で生徒たちにその思い出を語る・・・。
 太平洋戦争末期の昭和20年初夏――。音楽を愛する学徒出身の特攻隊員ふたりが学校に駆けつけ、今生の別れにベートーヴェンのピアノソナタ「月光」を弾き、沖縄の空に出撃していった・・・。
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7月9日(木)19:00開演
和歌山市民会館小ホール
入場料( 一  般 ) 2,000円
   (高校生以下) 1,000円
7・9「月光の夏」実行委員会
:073-433-1151

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北朝鮮が再び核実験

 北朝鮮は25日、核実験を強行しました。国連安保理は06年10月の北朝鮮の核実験を受けて、北朝鮮にいかなる核実験または弾道ミサイルの発射もこれ以上実施しないことを要求したうえで、加盟国に大量破壊兵器や関連物資の輸出禁止、大量破壊兵器計画に関与した関係者の金融資産、資金、経済資源の凍結を義務付けた制裁決議(安保理決議1718)を全会一致で採択しています。今回の核実験はこの決議に明確に違反します。
 安保理決議は、議長声明、公式コミュニケなどと異なり、すべての国連加盟国に対して法的拘束力を持っています。国連憲章25条は「国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し且つ履行することに同意する」と規定しています。北朝鮮は韓国と同時加盟が認められた時から安保理決議を受諾し、履行する義務があります。また、05年9月19日の6カ国協議共同声明で北朝鮮は「すべての核兵器および既存の核計画を放棄し、核不拡散条約(NPT)および国際原子力機関(IAEA)の保障措置に早期に復帰することを約束」しましたが、この共同声明にも違反しています。4月の「ロケット問題」を非難した安保理議長声明が気に入らないからといって、国際的な公約を一方的に破棄することは許されることではありません。オバマ米大統領のプラハでの演説を機に、核兵器廃絶への希望が生れつつある時に、核実験に踏み切ったことは、平和への重大な挑戦であり、暴挙といわなければならないでしょう。

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「海賊対処法案」参院で審議入り

 「海賊対処法案」が27日、参院で審議入りしました。この法案はソマリア沖に限定するものでなく、「何時でも何処へでも」海賊対処を名目に自衛隊を派兵するものです。また、「任務遂行の武器使用」を認め、海賊と見られる船体への危害射撃を認めています。そもそも、どのように海賊船と認定するのでしょうか。海賊船は「髑髏の旗」でも立てているというのでしょうか。防衛省幹部ですら「不審な船を海賊船かどうか判断するのは難しい」と言っています。
 海上自衛隊は28日、P3C哨戒機2機を派遣しました。航空自衛隊はC130を、陸上自衛隊は中央即応連隊というテロ対応精鋭部隊を派遣します。海上・航空・陸上の「統合3軍」体制です。海賊対策は「人道・経済支援や沿岸諸国の警備力向上のための援助などの非軍事アプローチを行うこと」(日弁連会長)であるべきではないでしょうか。

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敵基地攻撃「法的に可能」 首相、見解示す

 27日の新聞報道によれば、麻生首相は26日、北朝鮮の核実験を受け、自民党内から自衛隊が敵基地攻撃能力を持つ必要があるとの意見が出ていることについて、「一定の枠組みを決めた上で法理上はできる。攻撃できることは、昭和30年代からの話だ」と、法的に可能との見方を示したと言います。敵基地攻撃論は、相手の攻撃の前に攻撃を加える先制攻撃論で、憲法違反です。従来政府は攻撃する兵器の保有自体は認めていません。首相の発言は、北朝鮮の核実験を口実に自衛隊の攻撃能力向上を加速させる危険なもの、北朝鮮に口実を与えるものと言わなければなりません。

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【九条噺】

 今年は反戦川柳作家鶴彬(つるあきら、本名・喜多一二)の生誕100年。映画「鶴彬−こころの軌跡」(神山征二郎監督)も完成・公開された。昨年は、没後70年で、大阪城公園に百日紅の記念植樹と碑が設置された。代表作のひとつ〔暁を抱いて闇にゐる蕾〕が刻まれている。かつて鶴が治安維持法違反容疑で収監された陸軍大阪衛戍監獄の跡地である。近年、この川柳作家に関心を寄せる人は多い▼鶴こと喜多一二は生後まもなく叔父(機屋)の養子となり、進学の望みもかなわず、10代はじめから機屋で働きつつ川柳をはじめ、情熱を注ぐ。〔大きな物小さな物を踏みにじり〕〔縮まって女工未明の街を行く〕など、この頃すでに社会にしっかり目を向けた短詩文芸作品も少なくない。機屋の倒産後、喜多は大阪・高松(石川県=故郷)・東京を転々とするが、波乱の歳月の中で、もがき苦しみ、悩んだ果てに、その目はますます鋭く権力者たちに向けられていく▼喜多はやがて、柳名を鶴彬と変えて、人々の心にくいこむプロレタリア川柳をめざし、戦争に突き進む権力に対して、川柳を武器に立ち向かう。〔軍神の像の真下の失業者〕〔銃剣で奪った美田の移民村〕〔手と足をもいだ丸太にしてかへし〕作品の数々が「治安維持法違反」にとわれ検挙、不衛生な留置場で赤痢にかかり弱冠29才の生涯を閉じた▼海賊≠口実に9条を踏みにじり、「憲法審査会」始動で9条を葬ろうとする暴挙に今頃鶴もさだめし怒っていよう。(佐)

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憲法改正が話題にもなっていないのに、なぜ多額の費用をかけてPRしなければならないのか?
これが総務省作成の「国民投票法」パンフレット

 総務省が「ご存知ですか? 平成22年5月18日から『憲法改正国民投票法』が施行されます」というパンフレットを作成し、地方自治体に配布しています。
 内容は「国民投票法」の全体像の解説です。「国民投票の流れ」では、@国会での「憲法改正原案の発議」から「国民投票期日の決定」までの流れ、A広報周知活動、国民投票運動、B投票方法と投票用紙、C開票、を解説しています。「投票権」の解説と「Q&A」も掲載されています。
 国民投票法案が可決された時、@成年年齢(18歳)に関する公選法、民法等の法制上の措置の完了、A最低投票率制度の意義・是非の検討、B公務員等の地位利用による国民投票運動の規制基準の検討、など18項目の付帯決議が付いており、これらは検討もされていません。このパンフレットでは、成年年齢に若干触れている程度で、それ以外は一切言及がありません。
 それよりも、今、憲法改正が国民の要求にも、話題にもなっていないのに、なぜ多額の費用をかけて「国民投票法」をPRしなければならないのでしょうか。公費による改憲世論づくりと言われても仕方がないのではないでしょうか。

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5月の風に We Love 憲法
「北朝鮮脅威論」に明確な視点が必要
アメリカの世界戦略と憲法9条 A


 5月9日、プラザホープ(和歌山市)で「憲法9条を守るわかやま県民の会」主催の講演会が開かれ、浅井基文・広島平和研究所所長が「アメリカの世界戦略と憲法9条」と題して講演されました。講演の要旨を3回に分けてご紹介します。今回は2回目です。
広島平和研究所所長・浅井基文氏

 日米軍事同盟関係の、日本国内での議論は幼稚で粗雑。その一番の原因は「北朝鮮脅威論」だと思う。「北朝鮮は何をしでかすか分からない」「それはそうだね」となる。だから「何か備えなければならない」となり、敵基地攻撃論や核兵器保有を議論すべきだとなる。根本的には「何をしでかすか分からない国」という議論を正す必要がある。でないと日本国内における平和と安全保障の議論はいつまでたっても、幼稚園以前の段階から抜けきれない。人工衛星の打ち上げは、宇宙条約にも加盟し、必要な手続きを踏んでいる。宇宙の平和利用はすべての国に認められた権利だ。条約に加盟しているかどうかに拘わらず、すべての国に与えられた権利なのだ。手順をすべて踏んでやっている、それをミサイルと言うのはどこにも根拠がない。安保理決議がダメだと言っているのはミサイルで、人工衛星に安保理決議が適用されるはずはない。北朝鮮は60〜70年代に確かに、拉致問題や不審船事件を引き起こした。02年の日朝平壌宣言が出来て、北朝鮮はこのようなことはしませんと約束した。彼らは約束したことは守っており、守れないことは約束しない。約束して違えたら、それを口実として何をされるか分からないからだ。唯一の自己防衛手段だ。
 「北朝鮮脅威論」は虚構、作り話だ。何故「北朝鮮脅威論」を言うのか、そうしないと日米軍事同盟を変質・強化することを国民に説明がつけられないからだ。07年度の防衛予算はアメリカ5000億ドル、日本470億ドル、北朝鮮50億ドルだ。そんな北朝鮮がどうして攻めてくるのか。常識的に考えて、そういう国が先制的に攻撃してくるとどうなるのか。次の瞬間北朝鮮全土が灰になる。そんなことが分からないはずがない。もし、あり得るとすれば、アメリカが先制攻撃をし、日本がそれに協力した場合、北朝鮮はそれに対して一矢報いるために攻めてくるかもしれない。日本の有事法制は前段のアメリカの先制攻撃が隠されている。「北朝鮮脅威論」に明確な視点を持てば、全ての糸が解ける。
 中国を最大の脅威とする日米軍事同盟をアメリカが手放すはずがない。台湾問題を巡って中国とことがある時には、日本全土を基地として使えるようにしておかないとアメリカは戦争が出来ない。だから、日本を絶対に手放したくない。小泉政権の下で築かれたのが日米軍事同盟の変質であり、日本の有事法制で成し遂げられた。日米安保条約は何も手が触れられていないのに、日米軍事同盟は日米安保条約の枠組みを遥かに超えて侵略的になり、世界的になり、日米一体的になった。
 以上から、オバマ頼みでは日米関係は変わらないし、変えられない。私たちの力で日本を変え、日米関係を変える以外に道はない。それは日本のためになるだけでなく、日米軍事同盟をやめるとアメリカの世界戦略は崩れる。世界の平和と安定にとっても巨大な貢献をすることになる。(次号に続く)

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文化行事・各種集会などにご活用下さい
「よみきかせ九条の会・わかやま」の朗読・群読・語り・よみきかせ

お問合せ:三浦和美さんまで 0736-77-2659 miura-kun@gaia.eonet.ne.jp
●朗読・ギターつき・「ほたる」(作:山本真理子)(約10分)
●朗読・“和歌山弁による”「憲法前文・九条」(約10分)
●語り・「紀州ばなし」(和歌山の民話54編 収録・作:山本真理子)(10〜60分)
●朗読・ギターつき・「おかあさんの木」(作:大川悦生)(約20分)
●よみきかせ・「絵本で語る 平和」(20分〜60分)
●群読・ピアノ音楽つき・「永遠(とわ)のみどり」原爆詩の構成(約30分)
●舞台朗読・樋口一葉(演出:栗原省)@『十三夜』(45分) A『大つごもり』(50分)
●田辺利宏 従軍詩集より「“消えた”残雪のような希み」(約20分)
●朗読劇・「ハテルマ・ハテルマ」(作・構成:栗原省)(60分または90分)

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(2009年6月28日入力)
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