「月光の夏」に700人
平和こそ「彼らの思い」
7月9日、和歌山市民会館小ホールで、劇団東演による朗読劇「月光の夏」が公演され、小ホール満杯の約700人が鑑賞しました。45年7月9日の和歌山大空襲の風化を防ごうと、「7・9和歌山大空襲を語りつぐ文化のつどい」として開催されたものです。
「月光の夏」は、佐賀県にあった国民学校のグランドピアノで「月光」を弾いて出撃していった2人の特攻隊員を描いています。俳優4人の朗読にピアニスト・仲道祐子さんの、静かで、また激しいピアノ演奏が重なり、2人の、不条理な死と過酷な生が明らかになり、「彼らの思い」が聴衆の心に沁みこみました。
以前、海の特攻兵(回天)となった学徒を描いた映画「出口のない海」に、安倍晋三元首相(当時、官房長官)は、「自らの夢を捨て、愛しい人と別れ、死ぬことを宿命づけられた主人公は何を思い、散っていったのだろうか。平和の中に生きる私達は彼らの思いを受け止めなければならない」と推薦文を書いています。今、私たちに求められるのは「彼らの思いをどのように受け止め、どのように行動するか」ということだと思います。「月光」を弾いて出撃した2人の特攻隊員の「思い」を真剣に受け止めるならば、安倍元首相のように憲法9条を変え、戦争ができる国にしようとしたり、靖国神社に参拝したり、そんな行動には絶対にならない。そういうことを決して許してはならないということこそ「彼らの思い」だと、強く思わせる公演でした。
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【九条噺】
何となく〝不安な〟夜は、忌野清志郎の〝雨上がりの夜空に〟を聴く。何度も繰り返される〝 どうしたんだ!〟のワンフレーズに救われる思いをする。聴くうちに何かとても温かい気持ちになっている。そんな清志郎が癌性リンパ管症で亡くなった。まだ58才じゃないか。何とも悲しく寂しい。「国旗・国家法」の頃、今は亡き友の部屋で彼の歌を始めて聴いた。「君が代」である。以来ファンになり、歌を聴き、著作も読んだ▼清志郎は素晴らしい表現者だったと思う。思いは強烈で、時に過激だが、彼はそれを実に優しく、語りかけるように歌い、そして書く。「この国の憲法第9条は、まるでジョン・レノンのようじゃないか。戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって書いてるんだぜ。戦争はやめよう、平和に生きよう、そしてみんな平等に暮らそう。きっと幸せになれるぜ」(『瀕死の双六問屋』小学館)▼武道館のコンサートでは、清志郎は「21世紀になっても戦争はちっともなくならないじゃないか!」と鋭く叫んだ後、急に穏やかな声に戻り「だから、俺は歌います」と〝イマジン〟を歌った。♪国境もない ただ地球があるだけ エライ人も貧しい人もみんなが同じならば簡単なこと 夢かもしれない でもその夢を見てるのは君一人じゃない 仲間がいるのさ ほらここにいるぜ・・・♪ 何かと〝圧力〟もあるこの世界だが、清志郎は自分の思いを曲げず、誠実に歌い続けた。ありがとう清志郎!安らかに。(佐)
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核軍縮抵抗勢力日本を動かそう
ピースデポ事務局長・中村桂子氏
6月13日、核戦争防止和歌山県医師の会総会で、中村桂子氏の「核兵器のない世界にむけて-日本の課題とは?-」と題する講演が行われました。講演要旨を保険医協会・柏木さんからお送りいただきました。
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