「九条の会・わかやま」 128号を発行(2010年4月3日付)

 128号が4月3日付で発行されました。1面は、朝日新聞世論調査 「9条改憲反対」が「賛成」を大きくリード、「米軍再編」とは日本だけを新たな米戦略基地にするもの(森英樹さん講演B)、九条噺、2面は、書籍紹介『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束』、憲法9条を守る和歌山弁護士の会創立5周年 中村哲氏講演会、署名 過半数を目指して「九条の会・美浜」、「和歌山中央医療生協・九条の会」第5回総会 です。
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[本文から]

朝日新聞世論調査・「9条改憲」は
「9条改憲反対」が「賛成」を大きくリード

 3月24日付朝日新聞は世論調査を発表しました。憲法9条に関して、「憲法9条を変えることに賛成ですか。反対ですか」との質問には、「反対」「どちらかといえば反対」は59%、「賛成」「どちらかといえば賛成」は38%と、「9条改憲反対」が「賛成」を大きくリードしています。
 他の質問では、「政権交代が起きたのはよかったと思いますか、よくなかったと思いますか」では、「よかった」が68%、「よくなかった」が21%となっていますが、「いまの民主党の政策と自民党の政策に、全体として大きな違いがあると思いますか、ないと思いますか」では「大きな違いがある」が36%、「大きな違いはない」が60%となっています。また、「民主党に期待を感じるほうですか、不安を感じるほうですか」では「期待を感じるほう」が36%、「不安を感じるほう」が59%となっており、「民主党に不安を感じるところがあるとすれば、どんなところですか」(2項目選択)では「鳩山首相に指導力がない」の46%、「小沢さんの影響力が強い」の59%が圧倒的です。
 多くの国民は政権交代に期待したが、半年が経過し、民主党への不安は、暮らしや福祉の問題で公約違反が続くとともに、核密約(非核3原則)問題、普天間基地問題、武器輸出3原則問題など平和の問題でも、国民の期待や憲法9条の指し示す理念に反する方向が出ていることの反映ではないでしょうか。

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「米軍再編」とは日本だけを新たな米戦略基地にするもの

 2月27日、和歌山市勤労者総合センターで憲法9条を守る和歌山市共同センター主催の「春の憲法学習会」が開催され、龍谷大学教授(名古屋大学名誉教授)森英樹氏が「60年安保改定から50年−憲法9条のゆくえ」と題して講演されました。その要旨を3回に分けてご紹介しています。

森英樹さん講演要旨B

 世界的に好意的に見られているオバマ政権になっても、何故戦争政策が続き、何故日本に軍事協力を求め、圧力をかけてきているのかという謎が感じられると思う。これには構造的な問題がある。9条改憲を日本に迫っているアメリカの軍事戦略を、日本語で「米軍再編」と言っているが、英語ではtransformationと言う。これは「再編」ではなく、「本質的に変える」ということであり、まさに「変身」だ。在日米軍の本質は変わらないが、その在り様を全く変えてしまうものだ。冷戦後、アメリカは同盟国に重厚長大に常駐するという体制をどんどん改めてきている。軍事費が国家財政を圧迫していることもあるが、同盟国に常駐し、大型核戦争に構えるという時代ではなくなった。これからはアメリカの、世界を主軸にした市場経済が支配する。それに異議を唱えるのは、東アフリカ、中東、パキスタン、インド、朝鮮半島へと、いわゆる「不安定な弧」だ。ここに即座に駆けつけ、叩き潰すことができる常駐基地だけが必要だ。アメリカ本国は遠すぎる。ハワイでも遠い。グアムは小さい。そこで日本だけをtransformationの基地にしようというのが、「米軍再編」の核心部分だ。この政策はクリントン政権末期につくられた。オバマ政権はこれを継承している。オバマ政権を生んだのは虐げられてきた民衆の熱狂的な支持であった。「核を使用した国の道義的責任」をも明言した。ブッシュ政権とは違うことははっきりしているが、こと、軍事問題になると、アメリカのチェンジはなかなか出来ない。オバマ個人は魅力的でも帝国アメリカの執行者にもならなければならないという狭間に立ち、揺れているのがオバマ政権だ。オバマ本人の意思とは別に、日本を使い勝手のいい同盟国として扱うという伝統的な対日政策は、そう簡単にはチェンジできないものだ。
 本当に日本に革命的変化が起ったのなら、かつて日米間で合意したことは、見直しがあって当然だが、日本は「日米同盟」というと思考が停止する。これでは戦前の神聖不可侵の「国体」と同じではないかと思う。「同盟」とはいくつかの国がスクラムを組んで身構えること、即ち、集団的自衛権を指す。集団的自衛権は必ず敵がいる。明治の日本は1902年に、敵ロシアに対して日英同盟を結び、それを後ろ盾にして日清、日露戦争へ突き進み、韓国併合にまで至った。1940年には日独伊同盟を結び、翌年、太平洋戦争へと突入していった。「同盟」とは敵がいて、それを叩きにいくものだ。その歴史を反省した戦後、国連は「自衛権」「集団的自衛権」が平和を破壊する根本原因だとみなし、国連憲章では「自衛権」の行使は極力制限的でなければならないと圧縮した考え方をしている。「自衛権」行使は具体的に攻撃を受けた時に限り、ましてや先制的に自衛するなど出来ない。攻撃を受けた国は反撃に力点があるのではなく、すぐに国連に届け出て、国連が解決するよう働きかけることが大事となっている。国連がアクションを起こし、何らかの形で動き始めた瞬間から「自衛権」の行使は禁止される。国連憲章は考え方として非常に大きな歴史的画期になっている。日本国憲法9条は国連精神を先取りしていると読み取れる。国連に次の一手があるとするならば、国連が国連の名において各国の武装、武力行使を完全に禁止することだ。ということは各国が9条を持つということだ。9条の考え方は国連の考え方の一歩踏み込んだところにある。(おわり)

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【九条噺】

 ようやく春である。この頃は気候が定まらぬが故に、気象庁の職員にはまことに無礼だが、 昔からあたらぬものに天気予報と宝くじ∞「気象庁」と3回唱えれば食あたりは防げる≠ネどと、つい悪口も飛び出して・・。それでも陽気は日々確実にやってくるから嬉しい▼家人らのコーラスグループが歌っている。
 ♪春が来た 狭い庭にも日が当たり/張物板のもみのきれ/立つかげろうも身をそそる
 ♪春が来た とたんの屋根にちよちよと/妻に焦がれてまっまろな/ふくらすずめもよい形
 ♪春が来た 遠い旅路の良人から/使いに来たか 見に来たか/わたしを泣かせに唯来たか
 ♪春が来た 朝のスープに切り刻む/蕗の薹にも春が来た/青い嬉しい春が来た
 歌詞は与謝野晶子。堺市在住で新進気鋭の作曲家石若雅也氏の作曲による▼ふと、昨夜読んだ「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束」(中村哲・澤地久枝/岩波書店)が頭をよぎり、いわばこの歌の対極にあるような殺伐たる光景のなかで、中村哲医師の「人として最後まで守り尊ぶべきものは何か」という、重く、鋭い問いかけについて考える。(佐)

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書籍紹介 『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束』

ソ連の軍事介入とその後の内戦、かつてない異常気象による大干ばつ、そして激しいアフガン戦争の進行。アフガニスタンはいま、苛酷なまでに劣悪な生存条件に喘いでいる。パキスタン北西部およびアフガニスタン東部で1984年以来、ハンセン病治療をはじめとする医療活動を続けてきた中村医師は、医療協力だけの限界を痛感。常態化した水不足を克服すべくボランティアの協力を得て、「土建屋」として1400本の井戸を掘り、全長24キロ以上の用水路を造るなど、アフガン復興の先頭に立って邁進してきた。その結果、戦乱と大干ばつに苦しむ不毛の地は今や3000ヘクタールの緑野として蘇り、何万人もの命が救われることとなった。本書は、人々の篤い信頼と尊敬をかちえ、アフガン再建の道筋を示した日本人医師のありのままの姿を伝える。


 人として最後まで守るべきものは何か、尊ぶべきものは何か、示唆するところを汲んでいただければ幸いである。(中村 哲)
 日本は、日本人はどうなってしまったのかと暗い思いになるとき、しかし中村医師とその活動を支えてきた日本人がいる、と自問自答する。いま何がなされるべきか、できるのか。若くもなく頑健な体躯の持主でもない中村医師に私は強い示唆を受けている。その仕事を支える一人でありたいと切実に思う。(澤地久枝)

2010年2月24日 第1刷発行
2010年3月25日 第4刷発行
著 者 中村哲・澤地久枝(聞き手)
発行所 岩波書店
定 価 1900円+税

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憲法9条を守る和歌山弁護士の会創立5周年記念企画
中村哲氏講演会
アフガン最前線報告
アジアの同胞としての同じ目の高さをもって


主催:9条ネットわかやま
   憲法9条を守る和歌山弁護士の会
協力:和歌山県平和フォーラム
日時:2010年6月25日(金)午後6時30分開演
会場:和歌山市民会館 小ホール
入場協力券:500円(高校生以下無料)

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署名、過半数を目指して「九条の会・美浜」

 3月28日午前10時より浜ノ瀬地区の2回目の署名活動を行いました。「訴え・お願い・署名のチラシ」(事前ビラ)を用意し、1つの班が20軒ぐらいを担当、26日に全戸配布をして準備をしていました。当日は会員2人1組で、5組が約1時間で50軒を訪問し、69筆の署名を集めることができました。
 前もって呼びかけ人から声をかけ、すでに署名をしてくれていたり、隣近所をまわり署名を集めてくれた人など、好意ある態度で署名に快く応じてくれた人に励まされながら元気をもらいました。やってよかったという達成感を味わいました。
 署名は町民過半数の53%弱に到達しました。残りの地域を継続してやりきりたいと思います。(事務局長・大谷眞さんより)

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「和歌山中央医療生協・九条の会」が第5回総会

 2月23日、「医療生協・九条の会」は32人が参加し第5回総会を開催しました。第1部学習会は、和歌山県民の会・坂本文博氏から「新政権下の9条をめぐる動き」を学びました。第2部総会では、参加者から「いのちの山河〜日本の青空U」の上映運動、「核兵器のない世界を」国際署名の取り組み、平和夏まつりでの署名活動・機関誌「健康とくらし」の配布先での署名活動などが報告され、09年の活動報告と10年の活動方針が提案され、承認されました。

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(2010年4月4日入力)
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