「九条の会・わかやま」 130号を発行(2010年4月23日付)
130号が4月23日付で発行されました。1面は、改憲反対が6ポイント増 憲法「改正」賛否拮抗(読売世論調査)、戦跡巡りハイキングに出かけました「和歌山障害者・患者九条の会」、九条噺、2面は、「九条の会貴志川」が憲法学習会、憲法改正手続法の施行延期を求める 日弁連が会長声明 です。
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[本文から]
読売世論調査 改憲反対が6ポイント増
憲法「改正」賛否拮抗
読売新聞は4月9日、憲法に関する全国世論調査結果を発表しました。
読売新聞は「憲法を『改正する方がよい』とする人は43%、『改正しない方がよい』は42%だった。昨年3月調査では改正賛成(52%)が改正反対(36%)を大きく上回っていたが、今回は賛否が拮抗した」と残念がっています。
08年の調査では「反対」43.1%、「賛成」42.5%と、「反対」が15年ぶりに上回りましたが、昨年の調査ではこれが逆転。今年再び「反対」6ポイント増、「賛成」が9ポイント減と大きく後退し、差を縮める形となりました。
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改憲反対の理由(複数回答)では「すでに国民の中に定着しているから」が51%、「世界に誇る平和憲法だから」が42%、「基本的人権、民主主義が保障されているから」が29%、「改正すると軍事大国への道をひらく恐れがあるから」が21%、「時代の変化に応じて、解釈、運用に幅をもたせればよいから」が19%となっています。賛成の理由では「国際貢献など今の憲法では対応できない新たな問題が生じているから」が45%と一番多く、自衛隊を海外に派遣することが国際貢献であるという宣伝が一定の効果を現していることに要注意です。
賛否に拘らず、憲法の関心を持っている点では「戦争放棄、自衛隊の問題」が42%と一番多く、「環境問題」33%、「生存権、社会福祉の問題」27%となっており、改正賛成意見の中に環境問題や社会福祉の強化の希望も多いと推察されます。
民主、自民支持層でも改憲賛成が大幅に減少
民主、自民支持層別では昨年と比較して、民主支持層で「改正賛成」が11ポイント減、「反対」が6ポイント増、自民支持層では「賛成」が13ポイント減、「反対」が5ポイント増と、いずれも「改正」賛成が大幅に減少しています。
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9条明文改憲反対6ポイント増
9条改憲では、明文改憲反対が60%(「9条を厳密に守り、解釈や運用では対応しない」16%、「これまで通り、解釈や運用で対応する」44%)、賛成(解釈や運用で対応するのは限界なので、9条を改正する)が32%と、反対が倍近くになっています。
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9条1項の「改正」の必要性については、「ある」が15%、「ない」が80%、9条2項の「改正」の必要性については、「ある」が37%、「ない」が56%と、いずれも「改正」反対が多くなっています。
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集団的自衛権容認は4ポイント減
集団的自衛権については、「これまで通り使えなくてよい」が47%、「改憲して使えるようにする」が20%、「解釈変更で使えるようにする」が25%と、容認は45%ですが、昨年の49%から4ポイント減少し、否認は3ポイント増加しています。
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戦跡巡りハイキングに出かけました
「和歌山障害者・患者九条の会」
「和歌山障害者・患者九条の会」は、4月11日、和歌山市・加太の「戦跡巡り」を行いました。「会」は間もなく4周年を迎えます。室内での学習会だけでなく、一度みんなでハイキングのような外に出る取り組みを企画したいものだと話し合い、ついにそれが実現できました。
当日は朝10時にJR和歌山駅を出発。松田長敬さんの説明を聞きながら戦跡を巡ります。日清・日露戦争の時代、この辺り一帯が要塞で、紀伊水道を行く軍艦を見張り、木が生い茂っているので相手からも気付かれないという利点があったとのこと。軍艦の甲板に着弾する縦断砲と軍艦の側面に命中させるカノン砲が装備されていましたが、実際に使われる機会はなかったようです。敵の船の進入を声で知らせる伝声管や弾薬庫跡なども残っています。
今回、視覚、聴覚、肢体の障害のある方、手話通訳の方、手引きや車椅子のサポートの方、初参加の方など、30人が集いました。介助の有無等を考慮して全体を6つの班に分けて行動しました。昼食後は交流会。今日の感想や所属する会の宣伝、自己アピールなど、参加者の色々な声が聞かれ、有意義な時間となりました。初めての外での取り組みでしたが、沢山の方々が集って交流の輪が広がったことはとてもすばらしく、会として新たな一歩を刻むことができたような気がします。(会の世話人・野尻誠さんより)
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【九条噺】
黒人女性作家アリス・ウォーカーの「なぜ戦争はよくないか」(ステファーノ・ヴィタール絵/長田弘訳/偕成社)はとてもすばらしい絵本だと思う。小説「カラー・パープル」でピューリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーが、〝9・11テロ〟に対するアメリカの「報復」戦争に衝撃を受け、「戦争が何なのか、わからないままに巻き込まれ、傷つき、命さえ奪われる子どもたちをこれ以上増やしたくない」との思いで著したもの。いずれも簡潔で読みやすいアリスの詩文には独特の力強さと説得力があり、ヴィタールの絵もこころにせまるものがある▼「戦争が、姿をたくみに隠し、人びとの平和な日々にしのびよる・・・そのおそろしさを伝えることが、子どもたちを守るひとつの手だてになると信じています」とアリスは書く。例えば親子で読んで、戦争や平和についてゆっくり語り合うには格好の本のひとつだと思う▼なお、訳者の長田弘(おさだひろし)も筆者が好きな詩人のひとり。この春刊行の詩集『はじめに』(岩崎書店)の中の詩の一部から。
・・・撃たれて、死んだ。「痛むから休ませて貰ふ」といって死んだ/戦争は、男に何をくれたか。戦争がくれたのはただひとつの自由/「殺す自由をもつ者は、また殺される自由をもってゐる」(長田弘「戦争がくれなかったもの」)
そしていま、筆者は素敵な本にめぐりあえた喜びをかみしめている。(佐)
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「九条の会貴志川」が憲法学習会
4月10日、西貴志コミュニティーセンターで「九条の会貴志川」(代表・遠藤守さん)の憲法学習会が開催されました。「新政権のもとで憲法9条はどうなるの」と題して、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」の由良登信さんが講演され、30名を超える参加者からは、普天間基地移転問題に集中して質問・意見が出されました。講演に先立って参加者全員が、「楽しい町は」を歌いました。この歌は、「九条の会・わかやま」の呼びかけ人である梅田恵以子さんが作詞し、同じく呼びかけ人の森川隆之さんが作曲されたものです。
事務局から参加者全員に「ご協力のお願い」の文書が配布されました。内容は①賛同人になれる②事務局の仕事ができる③署名活動に参加できる④催しの呼びかけやビラ配りができる⑤その他です。事務局の意図が感じられるものでした。
「九条の会貴志川」は、毎月役員会を開催しているとのことです。5月9日の署名統一行動の具体化や、9月に予定している平池公園での「平和コンサート」の細案などが検討されていて、楽しい会にしていこうと話し合っているとのことでした。
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憲法改正手続法の施行延期を求める
日弁連が会長声明
憲法改正手続法は本年5月18日施行予定とされており、施行期日が目前に迫っています。日本弁護士連合会は4月14日、宇都宮健児会長声明を発表し、同法の施行延期を求めました。
声明は「同法は、附則3条において、投票年齢の問題に関し、『この法律が施行されるまでの間に、年齢満18年以上満20年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする』とし、附則11条において、公務員の政治的行為に対する制限に関し、『この法律が施行されるまでの間に、公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、公務員の政治的行為の制限について定める国家公務員法、地方公務員法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする』としている。しかし、選挙権を有する者の年齢、成年年齢、公務員の政治的行為に対する制限のいずれについても、いまだ必要な措置が講じられていない。また、同法の成立に際し、参議院日本国憲法に関する調査特別委員会では、18項目にわたる附帯決議がなされた。特に、『成年年齢』、『最低投票率』、『テレビ・ラジオの有料広告規制』の3点については、『本法施行までに必要な検討を加えること』とされている。しかしながら、これらの重要な問題点を含めて、附帯決議がなされた項目について、ほとんど検討がなされていない」と指摘し、「そもそも、国の基本法たる憲法の改正手続を定める憲法改正手続法は、国民主権原理から、憲法改正に国民の意思が正確に反映されるよう、極めて慎重な配慮が要請される。同法に含まれるこれらの問題点について、附則及び附帯決議が求めている検討がほとんどなされておらず、必要な法制上の措置が講じられていない現状では、同法の施行は延期されるべきである」と指摘しています。
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(2010年4月25日入力)
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