「九条の会・わかやま」 143号を発行(2010年9月14日付)

 143号が9月14日付で発行されました。1面は、九条の会貴志川 第2回「たそがれコンサート」開催、月山弁護士が附属中学で平和学習 C、九条噺、2面は、「今こそ真の平和を訴えたい」B(澤地久枝さん)、中村哲氏講演会 です。
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[本文から]

たそがれのひとときを楽しむ
九条の会貴志川、第2回「たそがれコンサート」開催


 9月9日、「和歌山の朝日・夕陽100選」にも選ばれている平池緑地公園(紀の川市貴志川町)で、憲法9条の尊さを再確認しながら音楽を楽しもうと、「九条の会貴志川」が第2回「たそがれコンサート」を一昨年に引き続き開催し、約250人がたそがれのひとときを楽しみました。
 夕陽が山の端に沈みかける6時に開幕。代表の遠藤守さんは「民主党政権になり明文改憲は遠のいた感があるが、平和な世界へ、9条は大きな力を発揮する。九条の会に大きなご支援を」と挨拶。「九条の会・わかやま」の呼びかけ人・梅田恵以子さん作詞、同じく呼びかけ人・森川隆之さん作曲の「楽しい町は」のうたごえでオープニング。「ギター演奏」「九条マジック」「九条ハーモニカ」「吹奏楽(紀の川市吹奏楽団)」「コーラス」と続き、あっという間の1時間半でした。

 

 

 




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月山弁護士が附属中学で平和学習 C

 7月7日、月山桂弁護士(「九条の会・わかやま」呼びかけ人)が和歌山大学附属中学2年生に対して平和学習の講師をされました。月山弁護士のお話の内容を4回に分けてご紹介しています。今回は4回目で最終回。

 追  想

 8月15日、戦争が終ったのであれば、すぐに電燈がつけられてよいはず。それは、戦争は10年近くも長引き、暗い生活が当たり前のようになっていた。その上、戦争が終ったといっても、お父さんやお兄さんはまだ帰って来ない。それどころか、永久に帰ってこないおうちもある。戦死者を出したおうちです。戦争中とちっとも変わりがない。だから、「戦争は終った。もう空襲はない」といわれても「ああ、そうですか」といってすぐ電気をつけ、暗幕を外す気になれなかったからと思われます。

 終わりに

 物凄い戦争であったこと。この小さな日本が世界中の国を相手に戦争したこと。日本が竹槍で、世界中を相手に戦争して、勝ち得ると考えていたこと。そして、先に言いましたような惨憺たる敗戦。これが前大戦の実際なんです。このような馬鹿な戦争のために国民がどれだけ苦しみ、どれだけ多くの人たちが悲しみに追いやられたか容易に想像して頂けるでしょう。
 もう二度と戦争はしません。そのように日本は、国民は世界に誓いました。それが憲法9条です。戦争を放棄します。軍隊も一切持ちません。憲法9条でそのように誓ったのです。
それまで日本は、明治27〜8年の日清戦争、明治37〜8年の日露戦争、大正3〜4年の世界大戦による山東省出兵、昭和7〜8年の満州事変、それに引続く日中戦争、太平洋戦争。日本はそのように10年に一度、いや、それ以上に戦争が絶えませんでした。
ところが、憲法9条が定められて以後、日本は戦争を起こしませんでしたし、戦争にまきこまれることもありませんでした。今日まで60年以上もの間、戦争がなかったんです。日本人が他国の人たちを殺すようなこともなかったですし、他国の土地を侵すこともなかった。と同時に、また日本人も他国から攻められ、日本人が殺されるようなこともありませんでした。ところがどうですか。アメリカやヨーロッパ、旧ソ連ではその間、国と国との戦争が絶えませんでした。多くの人が苦しみ、多くの人が死んでいきました。
 平和を大切にしなければなりません。真っ暗な紀の川平野によみがえった灯火を二度と消してはならない。そう思っています。(おわり)

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 平和学習の感想

 今日の平和学習を通して、戦争の悲惨さや悲しさがよく分かりました。
 月山さんはやっと成績が上がってきた時に学生も戦争にかり出されて、勉強したくても勉強できない人が多くいたことを知って、とてもかわいそうでした。
 もし自分が戦場にかり出されて自分の仲間達が死んでいくことを思ったら、僕なら当時生きていけませんでした。
 でも当時は「お国のために」と死んでいく人が多くいたことが分かって、とても残念です。  僕たちはこれから、こういう悲しい事をくり返さないためにも、「第九条」を守っていきたいと思います。(A君)

 今回の平和学習を通して、本当に戦争というのは怖いものだなと感じました。月山先生のお話はとてもリアルで、終戦後の喜びや、和歌山にも3回焼夷弾が落とされたりした時のことなど、本当に心に残る話でした。
 私たちは今、こんな風に普通に電気をつけたりカーテンを開けたりできているけど、戦争時は明かりもつけたりできなかったので本当に苦しかったんだなと思いました。それに、今の私たちは勉強できたりご飯を食べたりとかできるのは当たり前だと思っていたけど、お話を聞いて、こんな事はとても平和でうれしい事なんだなと思いました。
 今日は本当にたくさんの事を学べてよかったです。これからは私たちがこの平和を守っていかなければならないんだなと思いました。
 未来の社会人としてがんばっていきたいと思います。今回は貴重なお話を聞けて本当によかったです。(Bさん)

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【九条噺】

 過日、朝日新聞に掲載された記事は、偶然にも、筆者が40年以上も前に聞いて覚えている話と全く同じだったのでとても驚いた。佐次田勉(沖縄・伊江島)という人の話だ。もう詳しい日にちや場所は忘れてしまったが、京都で平和の集いのような催しがあり、その時に佐次田さんから伊江島で戦争中に実際にあった話を聞いたのだった▼伊江島は沖縄本島の西にあり、島の面積の6割余りは米軍基地で占められている。この島に米軍がはじめて上陸してきたのは1945年4月。6日間の戦闘で、島民の実に約4割、1500名余が死亡したという。その時、米軍の攻撃から必死で逃げまわり、最後はガジュマルの大木に登って姿を隠し、命を救われた2人の日本兵がいた。その1人が佐次田さんの父、秀順さんである。秀順さんらは、真夜中に地上に降りて食料を見つけ、すぐまた樹上に戻るという生活≠延々と続け、ガジュマルの樹上で、なんと2年近くも過ごしたというから驚く。この間、戦争が終了したことも知らず、島の人たちが再三呼びかけても「陰謀では?」と疑い、聞き入れなかったらしい。半端でない用心深さがあればこそ「奇跡的に」生き延びることもできたのだろう▼朝日新聞は、作家の井上ひさしさんが、この話をもとに、「木の上の軍隊」という戯曲を書く予定で、すでに公演のポスターまで出来上がっていたが、肝心の本≠ェ未完に終ったと報じていた。いかにも「遅筆堂」らしい気もするが・・・、それにしても残念だ。(佐)

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「今こそ真の平和を訴えたい」B

8月10日、NHK「ラジオ深夜便」で澤地久枝さん(九条の会呼びかけ人)が「今こそ真の平和を訴えたい」と題して話されました。その要旨をご紹介しています。今回は3回目で最終回。

澤地久枝さん

具体的な話を聞くと戦争は何をもたらすかが分ります

 3419人の全部に聞いた訳ではないが、半数以上の具体的な話を聞き、何と悲しい物語がたくさん残っているのか、ミッドウェー海戦だけでも、こんなに背負いきれないほどのものを背負って生きているのだとしたら、私はこのことを自分の人生を懸けて伝えていかねばならないと思いました。悲しみは何かのきっかけに昨日のことのように甦ってくる。そういう悲しみ、無残な人生を二度と繰り返すことがあってはならないという願いを、私は仕事を通じて持ち、そのために本を書きました。そのことによって私は自分の人生が縛られているとは思わないが、規制されていると思っています。
 それは私が調べて出会った人たちの多くの生と死が私に、お前はこのことをやれと言ってくれている。今こそ本当に平和のことを真剣に考えなければダメ。特に若い人たちに、あなたたちのことなのだと言いたい。徴兵は戦争が近づけば必ず復活します。これははっきりしていることです。徴兵された人たちがどうだったかという具体例はたくさん書き残したから、せめてそれを読んでほしいと思います。

歴史からどういうところを教訓とすべきか

 私はひとりひとりがかけがえのない命をもって生まれた存在だということを大事に考えたいと思います。命の重さには差はない。しかし、実際には差別があって、階級があったり、貧富の差があったりして、本当に軽く疎んじられ、おとしめられる命がある。それは不当なことだ。そういうことを思っていたのが、大きな海戦を調べ、日米の比較をしようということでしたけれど、アメリカもやっぱりそういう意味では、戦争とか異常な事態になると個人は犠牲になっています。そこでは同じ。だからアメリカの人たちと話し合えば、話はよく通じます。これからは市民がどういう感覚を個人として持っているか、勉強をしているか、歴史のいろんなことについて知っているのか、むやみに言われたことに素直に従ったり、うそに騙されたりしないような体質が日本の個人にどれだけ出来ていくかということがこれからを決定すると思います。アメリカもやはり9・11以後、異常事態の中で自覚した個人は少数者になっている。少数者になっても恐れたり、たじろがないようにしなければならない。それはみんなが同じ方向にもっていかれれば、その先に大きな殺戮がある。そこからは何もいい答えは生まれない。殺戮に対する答えは殺戮であり、憎悪に対する答えは憎悪である。ならば、この循環をどこかで切らない限り地上から殺し合いはなくならない。そのことは人間の知恵が解決することだろうと思います。知恵はどこから得るかといえば、やはり過去の歴史から知恵を汲み取る以外にないのではないかと思います。過去が語っているのはもう戦うなということではないかと思います。(おわり)

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中村哲氏講演会

日時:10月29日(金)18:30〜
会場:和歌山市民会館 小ホール
入場協力券:500円(高校生以下無料)
主催:9条ネットわかやま
   憲法9条を守る和歌山弁護士の会
協力:和歌山県平和フォーラム
連絡先:073−428−6557(トライ法律事務所)

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(2010年9月15日入力)
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