「九条の会・わかやま」 160号を発行(2011年4月4日付) 160号が4月4日付で発行されました。1面は、わたしたちにできること(九条の会・わかやま呼びかけ人 花田惠子さん)、憲法9条を守る運動は休んでいい情勢ではない 中国を意識し軍事力で対応(由良登信弁護士 ③)、九条噺、9条を外したら日本に何があるのか (漫才師 島田洋七さん)、比例定数80減 民主が選挙改正案検討 です。 | ||
わたしたちにできること |
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東日本全域を襲った大地震と巨大津波による想像を絶する被害、さらに福島原子力発電所の事故という戦後最大の複合災害により、人々は混乱と絶望の淵に投げ入れられました。抗いようのない天災だけではなく、日々刻々悪化する原発事故の様相に私たちは翻弄され、被災地の人々の深い悲しみや恐れに寄り添う手だてさえ持てず、ただ焦燥と無力感に苛まれ続けて最初の数日を過ごしました。
憲法9条を守る運動は休んでいい情勢ではない |
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尖閣諸島問題については、危険な動きが出ており、「領土を侵害する者に対しては断固として戦え」みたいな雰囲気がマスコミの中で煽られている。領有権がどちらにあるのかは大きな問題だが、領有権はそれぞれの主張があり、言い分が違っている。領有権から出発するとエスカレートして、引くに引けなくなる。日本政府の、中国の言い分に反論せず、領土問題は存在しないという姿勢が中国を面白くない気持ちにさせている。78年に鄧小平が福田首相との首脳会談で「尖閣問題は、我々よりは賢い次の世代の解決に委ねましょう」と棚上げ方式を提案し、暗黙の了解となった。民主党は非常に危険な対応をとってしまった。アメリカはリップサービスとして、尖閣諸島は沖縄施政権返還の時に還したと言うが、それ以上のことは言わない。アメリカは一方で圧力をかけるが、他方では戦争にならないように努力をしている。アメリカは「中国の国際社会における役割の拡大は歓迎する。ただ軍事力の拡大や不透明性を懸念する。米中関係は誤解を減らすプロセスをとっていく。不一致の問題は議論をしていく開かれたコミュニケーションチャンネルを設けていきたい」というスタンスを述べている。にも拘らず民主党政権は、「中国が危険だから、これまでの防衛を臨機応変に動ける動的防衛構想に変えて、南西諸島に配備の重点を移し、日米同盟を強化・深化させていく」とし、あからさまに軍事的な圧力を中国に向って発する計画を「新防衛大綱」で決定した。あわせて「中期防衛計画」でこの5年間に23兆5千億円、年間4兆7千億円の軍事費を今後も出し続け、しかも重点的に南西諸島・東シナ海方面に展開していくことを打ち出した。アメリカより分っておらず、それでいてアメリカに擦り寄りながら、けしかけている感じがする非常に危険な動きだ。アメリカもそれを見て見ぬ振りをしてやらせているのかもしれない。しかし、中国とアメリカはどうやって手を結ぼうかということを他方でやっている。 |
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「新防衛大綱」と「中期防衛計画」は軍事力による対応を重視する姿勢を露骨に打ち出した。アメリカの力の相対的低下の中で、そのパワーバランスの変化に対応して、またパワーバランスを盛り返すのに日本も一緒なってやるという時代遅れなものだ。これは憲法前文の「諸国民の公正と信義に信頼して」平和な国際関係を築くということと対極にある考え方だ。「周辺事態法」による日本のアメリカに対する後方支援活動では生ぬるいと、これを変えて制約のない現実的・能動的な協力を可能にする内容にしようと、「新防衛懇」が打ち出し、それがそのまま「新防衛大綱」に盛り込まれた。北沢防衛大臣は1月に「より効果的に米軍を支援できるように周辺事態法を含めた制度的な改革の検討が安全保障上の喫緊な課題だ」と述べた。自分が「しゃしゃり出て」周辺地域でことを起すのに積極的に立ち振る舞いたい、後方支援でなく米軍と一緒になってやろうという発言が出てきた。日本のPKO活動は、「武器使用は必要最小限度」などの5原則に基づかないと参加できないことになっている。これではアメリカと一緒になって即応体制でやっていけないので、PKO5原則の見直しを図ろうと言い出している。海外派兵恒久法の必要性、「武器輸出3原則」の見直しも言っている。
【九条噺】 むのたけじ(本名・武野武治)さんは96歳の今も現役のジャーナリストとしてご活躍とか。むのさんのことはかなり以前に読んだ。戦争を煽ったケジメをつけるために朝日新聞社を辞め、郷里(秋田県)で新聞を発行して、平和や人権を発信しているという話だった。「きちんとケジメをつける記者もいるのだ」と感心したり、一方で、「でも本当はこんな人こそ記者に」と思ったりもした▼先日、朝日新聞の「ザ・コラム」欄で編集委員の外岡秀俊記者が、そのむのさんのことを詳しく書いていた。むのさんは、その後、新聞社を退社したことについて「今考えると、まったく愚かな辞め方だった」「あの時は辞めることが良心の証だと思った」が、「やっぱり、新聞記者は常にペンとの闘いを貫かなければ」と思い直したのだという。きっかけは、琉球新報が04年から14回にわたって「沖縄戦」を特集し、戦後わかった史実や証言に基づいて、戦時に検閲がなかったらどんな報道ができたかを詳細に再現したのを読んだことだった▼外岡記者は「戦争を煽った過去を忘れない。むのさんから抵抗精神を受け継ぎ、憲法に結実した『非戦』『人権』を守りぬく〝ペンとの闘い〟が私たちジャーナリストの課題だ」という。まったく異存はない。が、果たして、当の朝日新聞は、その精神で日々「今伝えるべきことを、今伝え」ているだろうか?(佐)
9条を外したら日本に何があるのか |
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ずっと話し合いを
比例定数80減、民主が選挙改正案検討 | ||
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(2011年4月5日入力)
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