「九条の会・わかやま」 161号を発行(2011年4月20日付)

 161号が4月20日付で発行されました。1面は、憲法記念日 各地で多彩な催し(京都・大阪・東京・愛知)、民主 今国会で参院憲法審査会規程の成立目指す、九条噺、鎌倉で憲法を考える集会、書籍紹介『「けんぽう」のおはなし』、憲法を考える夕べ です。
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憲法記念日、今年も各地で多彩な催し

京都(主催:憲法9条京都の会)
「生かそう憲法 守ろう9条」5・3憲法集会in京都
【時間】開会14:00 【場所】京都会館
<講演>梅原猛さん「九条への思い」
<狂言>「二人大名」茂山あきらさん、茂山茂さん、茂山童司さん、増田浩紀さん
    「平和だからこそ、思い切り笑える」茂山千之丞さんの言葉より
<インタビュー>安斎育郎さん「日本の平和と安全」
<平和パレード>京都会館から四条河原町へ

大阪(主催:九条の会・おおさか)
「ひろげよう九条のこころ、なにわの人情が平和をつむぐ」
   ―― 2011 憲法記念日のつどい ――
【時間】開会13:30 【場所】エル・おおさか
第1部 講演「憲法9条と東アジアの平和」
     高作正博さん(関西大学法学部教授)
第2部 落語 桂吉弥さん
    ※入場には、事前の申し込みが必要です

東京(主催:5・3憲法集会実行委員会)
2011年 5・3憲法集会&銀座パレード
「生かそう憲法 輝け9条」
【時間】開会13:30 【場所】日比谷公会堂
スピーチ 三宅晶子さん (千葉大学教授)
     伊藤千尋さん (ジャーナリスト)
     福島みずほさん(社会民主党党首)
     志位和夫さん (日本共産党委員長)
音楽   寿[kotobuki]
銀座パレード

愛知(主催:愛知憲法会議)
憲法施行64周年記念 市民のつどい
「沖縄のいま 憲法のいま」
【時間】開会13:00 【場所】名古屋市公会堂
1部 沖縄伝統芸能
2部 講演 ダグラス・ラミスさん(沖縄国際大学非常勤講師)
      「要石としての沖縄 憲法9条と日米安保のはざまで」

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民主、今国会で参院憲法審査会規程の成立を目指す

 時事通信社は3月31日、「民主党は31日の参院議員総会で、参院憲法審査会の運営手続きを定める規程案を了承した。規程案は、審査会の定員を45人、表決は出席議員の過半数などとしている。同党は今国会での制定を目指す。憲法審査会は2007年8月、憲法改正手続きを定めた国民投票法に基づいて衆参両院に設置。衆院は09年6月に規程を整備している」と配信しました。
 衆院憲法審査会規程は09年6月に自民・公明両党が採決を強行し、賛成多数で可決しました。この時、民主党・直嶋政調会長(当時)は「一昨年4月のいわゆる国民投票法案の強行採決を反省することもなく、またしても憲法を政争の具にしようとする与党の態度は到底賛同できません。落ち着いた環境のもとで、じっくり腰をすえ、与党だけではなく、主要政党が合意した上で議論を進めることが憲法を議論するための土台です」と述べ、民主党は「(自民・民主の)信頼関係を毀損したことについて真摯な自己批判が見られない」などとして強行に「反対」したのです。衆議院では規程は強行採決されましたが、参議院では現在まで制定されずにきました。
 民主党は、衆参〝ねじれ〟の状況のもと、自民党などの要求を受け入れることで審議の「協力」を取り付けたいという打算もあると思われますが、今回の〝豹変〟ぶりは厳しく問われなければならないでしょう。こうした野合は、民主党が必ずしも改憲反対ではなく、民主・自民が9条改憲の狙いを共有しているからと言わねばなりません。
 憲法審査会が始動できなかったのは、「9条守れ」という国民の力の表れです。国民の誰も望んでいない憲法審査会の始動より、今は「東日本大震災」の復興と原発事故の収束にこそ最大限の力を注ぐべき時です。憲法審査会を何が何でも始動させようという民主・自民は、国民とのいっそう深刻な矛盾を引き起こすことになるでしょう。

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【九条噺】

 大震災のあと、多くの企業がテレビCMを自粛し、民放各局はACジャパン(旧公共広告機構)のCMを大量に流している。金子みすゞの詩「こだまでしょうか」を使ったCMもその一つ。思いがけず、素敵な詩にめぐりあえたわけだが、同じ詩を毎日こうもひんぱんに繰り返されると、せっかくの詩の感動も消し飛んで、色褪せたものになるから何やらものがなしい▼先日の新聞に掲載された週刊紙の広告には、「『安全?』と言うと『安全』と言う。こだまでしょうか。いえ、枝野官房長官」などと、明らかに詩の一節をもじったことばも。金子みすゞの澄んだ心まで汚されていくようで嫌な気分だ▼ところで、金子みすゞの詩の魅力の一つは、読む人の心を温かく優しい気持ちにさせることだと思うが、例えば石原都知事などは、その意味でもまるで〝真逆〟ではなかろうか。多くの人々が未曾有の被害に涙しているのを知りながら「天罰だ」などと公言するなどとても尋常ではない。「ああいう人ってのは人格あるのかね」(障害者施設視察で)との発言もあり、「女が生殖能力を失っても生きてるってのはムダで罪だ」という発言もあった。過去の数々の暴言は、どれも冷淡で人間味に欠けるものだ▼そんな知事がナント四選。あらためて〝道未だ遠し〟と思う。最大の公約は「五輪誘致」とか。実現のため、今度もまた心を偽り、「平和憲法」をアピールするのだろうか。(佐)

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鎌倉で憲法を考える集会
大江健三郎さんらが講演

 作家井上ひさしさんが亡くなって1周年を迎えた9日夜、「憲法のつどい2011鎌倉 ― 井上ひさしの言葉を心にきざんで」と題した講演会が神奈川県鎌倉市で開かれ、約1500人の聴衆が参加した。
 井上さんが呼び掛け人の一人だった「鎌倉・九条の会」の主催。作家の大江健三郎さんは「九条を文学の言葉として」と題し、「初めて憲法を読んだとき、言葉として感動した」と話した。
 「不安社会を生きる」と題した講演で経済評論家の内橋克人さんは、東日本大震災の被災地にさまざまな励ましの言葉が投げかけられる状況について「大義を嫌った井上さんならばどう言っただろうか」と問いかけた。(共同通信4月9日付)

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書籍紹介『「けんぽう」のおはなし』

一番の話し手だった人を忘れない(大江健三郎)

 この絵本を開くと、もう一度、あのすばらしい経験をするようでした。ひさしさんが、こんにちは、といっていました。「今日は、みなさんにつたえたいことがあって、やってきました。」
 そして、楽しく、面白く、ひさしさんの話を聞いて、(みなさんが聞かれたと同じく)とうとう、おしまいのページにきました。
 「その人間一人ひとりを、かけがえのないそんざいとして、たいせつにする社会。それをいちばんだいじにしていこう、というのが日本の『けんぼう』です。」
 私はもう老人ですが、しっかり生きて、とこころにきめます。みなさんは、さらに、これからの新しい人生にむかって、そう思われていることでしょう。そして明るい勇気を、自分のなかに確かめていられるでしょう。
 ひさしさんは、私が子どもの時から出会ってきた、楽しい話し手たちのなかの、一番のひとりでした。かれのことを忘れません。私の中にいるひさしさんの笑顔と声を、この本で何度も、アンコールしてゆきます。あなたたちもそうでしょう。すばらしい人でした。(本から抜粋)
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 この絵本は井上さんが実際に小学校の子どもたちに話された内容をもとに、絵本として再構成されたものです。子どもたちに直接語りかけた言葉からは日本国憲法のもとで生きていく若い人たちの未来に対する、井上さんの期待が伝わってきます。
原 案:井上ひさし
  絵 :武田美穂
発 行:2011年4月9日
価 格:本体1300円+税
発行所:講談社(℡.03-5395-3534)

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(告知)憲法を考える夕べ

伊波洋一氏(前宜野湾市長)
「普天間基地と日米安全保障条約」
日 時:4月28日(木)18:00~
場 所:プラザホープ4階大ホール
主 催:青年法律家協会和歌山支部
連絡先:和歌山合同法律事務所
    073-433-2241

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(2011年4月20日入力)
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