物理的なものと化学的なもの、原発はまた別なものです。単なる化学ともいえないし、単なる物理とも言えない。核をいじるわけですから。これは本質的に非常に危険性を伴うものであることは、科学者あるいはエンジニアは誰でも知っているはずです。古くからやってきた物理、化学、それに戻って、それをさらに基本的に発展、発達させることで、原発を少なくしていくというか、なくしていくというのが私のビジョンです。
特に使用済み燃料の処理法などが、私の知っている限りでは、まだ本当に十分には確立されていないと思うんですね。この地球に生存している者が、近視眼的に我々の生きている間さえよければいい、そんなことを思う人はいないでしょうけれども、そういった長期的なビジョンを持たずに、いろいろ行動していくのは、私は危険だと思います。やはり、そういう責任はサイエンティスト、エンジニア、われわれの責任だと思います。
(原発は)根本的に、抜本的に見直す時期が、残念ながらこの震災ということでようやく目が覚めたというか、それに目が向くようになったということなんじゃないでしょうか。私は物理・化学的にもっとエネルギーを作ることはできるはずだ。今この世界が必要としているものは、それでもっとまかなえるはず。その中には生化学的なものも入れてもいいわけです。ですから、炭酸ガス、二酸化炭素も化学的にも、生化学的にも燃料に変えることができるわけですから。太陽電池ってものがありますね。これも多分に化学的なものが入ってきていますが、とにかく、あの手この手で物理学者、化学者、そういう我々、私も含めてですけれど、力を合わせていろいろ発見、それからさらに発見に基づいた展開を進めていく時期が来たと思います。
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民主、憲法審査会名簿提出へ
9月29日、読売新聞は「民主党は29日の参院議院運営委員会理事会で、参院憲法審査会の委員名簿を次期臨時国会の冒頭に提出する方針を表明した。同党は、衆参両院で同時に委員名簿を提出できるよう、党内調整を進める方針だ。野党側も委員名簿を提出するとみられ、休眠状態の同審査会の始動に必要な条件が整うことになる」と報じています。
東日本大震災から7カ月にもなろうというのに、震災からの復興、原発事故の収束も見えない中、憲法審査会を始動させる必要など全くありません。どさくさに紛れて「過半数賛成で改憲発議」や「緊急事態対応」などの改憲策動に警戒が必要です。
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PKO5原則に反する南スーダンへの派遣
野田首相は自衛隊を南スーダンにPKO派遣をしようとしています。PKO5原則は当事国の停戦合意成立、当事国の活動受入れ同意、中立性厳守、以上の原則が崩れた場合の独自撤退、武器使用は生命防護に限定としています。南スーダンは、スーダンとの国境地帯で衝突が起きるなど不安定な状況で、部族対立もあります。国連安保理は、一般市民の保護に「必要なあらゆる手段を用いることを許可する」と武力行使を容認しており、自衛隊が戦闘に関与しない保障はありません。明らかに従来のPKOとは違います。日本の貢献は軍事力ではなく、憲法が認める平和的な手段で行うべきではないでしょうか。
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