「九条の会」のみなさまへ
日頃の活動に対して心から敬意を表します。
さて、去る2011年11月19日に東京で開催された「九条の会第4回全国交流集会」の報告集が、ようやく出来上がりました。
呼びかけ人である大江健三郎、奥平康弘、澤地久枝3氏の全体会での御発言は、「3・11」以後の「九条の会」の活動指針を明確にわかりやすく示しています。
全体会と特別分散会での発言は、呼びかけ人の言葉と響き合いながら「九条の会」の日常活動の多様な在り方を示し、読み応えがあります。各分散会の「まとめ」も教訓と示唆に満ちていて、大きく励まされます。
みなさんの会で、報告集をまとめて御購入いただき、「九条の会」の活動に生かしていただきたいと考え、一筆お知らせとお願いをさせていただく次第です。
今年の9月29日に開催する「九条の会講演会」(日比谷公会堂)の成功に向けて日常活動を活性化させ、報告集を多くの周囲の方たちに普及していきましょう。
事務局長・小森陽一
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報告集 500円(送料別)
DVD 1,500円(送料別)
申込みは「九条の会」 mail@9jounokai.jp まで
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【九条噺】
最近の朝日新聞掲載の川柳から2首紹介。「近頃は課税夫のノダと呼ぶらしい」と「宴席のつまみに古い珍味出す」▼後の句は、野田首相が施政方針演説でわざわざ福田・麻生両元首相の名をあげて、政策の基本はそう違わぬと述べたことを揶揄したもの。前句はテレビの人気ドラマをもじり首相の消費税増税策をチクリ。なにしろ野田首相、民主党幹事長代理の時に力説したのである。「マニフェスト、ルールがあるんです。書いてあることは命がけで実行する。書いてないことはやらないんです。書いてないことを平気でやる、これっておかしくないですか」(09年総選挙応援演説)。全くその通り。ところで、3年前の民主党のマニフェストにも消費税増税という文言はない。なのにいま大増税なんてやはりおかしい▼その野田首相が、失言§A発の一川保夫氏に替えて田中直紀議員を防衛大臣に起用した。しかしこの御仁、前任者に負けず劣らずあやうい≠ニきた。で、懸案の普天間問題もあり、就任早々沖縄県庁を訪れて知事と対談したが、「沖縄や石垣島には毎年伺っている。大体、水族館や硫黄島とかに出かけた」と語ったとか。仲井真知事は、さぞかし任命した首相への怒りを深めたことだろう▼俳優の高倉健さんも「国会中継を見てあれでよく務まるな∞恥ずかしいがなくなったのかな≠ニ思う」と嘆いている(1月30日・朝日)。このまま見過すことなんてとてもできないですね。(佐)
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特別分散会での報告
ICU9条の会(東京)
第4回「九条の会」全国交流集会に参加された「田辺9条の会」の中田文子さん、勝本香里さんの参加記には、「特別分散会では8人の方の発表があったが、私たちは帰りの飛行機の時刻に間に合わせるべく中途退席したので、最後の学生の方の発表を聞けなかった」とありました。8番目の「ICU(国際基督教大学)9条の会」の報告要旨を「報告集」からご紹介します。
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大学生になって、デモや集会への参加、学習会の企画など、政治運動や社会運動を学生生活の一部として行っている学生は多数派ではなく、少数派だということを改めて感じました。政治、社会問題に興味や関心のある学生がたくさんいても、実際の運動に参加する人がいないのはどうしてかと考えたとき、ひとつは政治や社会運動に参加することに対するハードルが高いのではないかと思います。大学の外には地域の九条の会をはじめ、たくさんの九条の会や市民団体があります。そこに参加すれば話が早いのかもしれませんが、知り合いもいないところへ参加するのはハードルが高かったり、そもそも実態が見えづらいということです。ならば大学の中に9条の会を作って、活動実態が見える形で、参加のハードルをできるだけ低くして政治・社会運動の波を大学の中に広げていきたいと思い立ったのが、2010年12月でした。さいわい、大学の教授で9条の会に対しても理解のある方が何人もいたので、その方たちに賛同人になってもらうことで「怪しい団体ではない」ことをアピールしながらできたと思います。
大学では、ネット上のコミュニケーションをやっていることが非常に多いので、それをフルに活用して学習会の宣伝などを行いました。学習会のなかで出た声として、「九条を守りたいという思いをずっと持っていたけど、勇気がなくてこれまで参加してこなかった。大学の中で九条の会ができ、参加する機会が持ててよかった」と言ってくれた学生もいて、感動しました。
学生の間では政治や社会への関心が高いにも関わらず、それが政治・社会運動の実践に結びついていかないという風潮も、3・11以降は大きく様変りしました。学生の間でデモや集会に参加することへのハードルがどんどん低くなってきていることを感じます。脱原発デモや集会に行ったという学生が自分の周りでもどんどん増えています。いま学生の間でも政治や社会運動の波がどんどん起っているというのが実感です。
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国民投票法の検討状況、とりまとめ指示
「投票権18歳に引き下げ」今国会提出へ
1月20日付朝日新聞は、「憲法改正の手続きを定めた国民投票法について、竹歳誠官房副長官は20日、各府省の事務次官に、18歳以上の投票の実施に関連する民法や公職選挙法など196の法律改正の検討状況を、2月中旬までにとりまとめるよう指示した。国民投票法には『必要な法制上の措置を講ずる』とあるが、そのための事務次官会合は2010年4月以降中断している。野田政権は2月中旬に事務次官会合を再開させる方針だ。衆院憲法審査会が昨年11月、2007年の設置以来初めて開催されたほか、民主党憲法調査会が成人年齢を20歳から18歳に引き下げる方針を固めたことなどが背景にある」と報じています。
また、26日付産経新聞は「野田佳彦首相は25日、選挙権年齢を現行の『20歳以上』から『18歳以上』への引き下げに向け、公職選挙法改正案など関連法案を今国会に提出する方針を固めた。憲法改正手続きを定めた国民投票法は投票権を18歳以上と定めていることから整合性を持たせる必要があると判断した。一方、民法では『成人20歳をもって成年とする』(4条)と定めており、成人年齢も合わせて改正するかどうかが大きな焦点となる」と報じました。
これは、「野田政権はそろりそろりと憲法改悪の準備を進めている。油断できない動きである」と言わなければならないのではないでしょうか。
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