朝日新聞は憲法に関する全国郵送世論調査を行い、結果を5月2日に発表しました。それによると、憲法96条を変え、改憲の提案に必要な衆参各院の議員の賛成を3分の2以上から過半数に緩めることについては、反対が54%と、賛成の38%を上回っています。
衆院と参院の一票の格差が是正されない状態で選ばれた議員が改憲の提案をすることについては、「問題だ」が54%、「問題ではない」が38%。改憲手続き緩和の自民党の主張に賛成の層でも、44%が「問題だ」と答えています。
一方、9条については「変えない方がよい」が52%で、「変える方がよい」の39%より多くなっています。昨年4月の電話調査でも「変えない方がよい」が55%、「変える方がよい」が30%で、「変えない方がよい」という人が多い傾向は続いています。
集団的自衛権については、「行使できない立場を維持する」が56%、「行使できるようにするは」33%です。行使を是認する人でも、アメリカが一緒に戦うことを求めても「戦うべきでない」が66%で、「戦ってもよい」の23%を大きく上回っています。
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【九条噺】
1人の政治家の発言としても「粗末に過ぎる」のではないだろうか。それが一国を代表する首相の発言なのだから問題は深刻である。先日、安倍晋三首相は、かつての日本のアジア諸国に対する侵略と植民地支配の責任を認めた「村山談話」について、「そのまま継承しているわけではない」と述べ、その翌日には「侵略という定義は学界的にも、国際的にも定まっていない。国と国の関係でどちらから見るかで違う」と語った。要するに、日本は侵略や植民地支配などはしていないと言いたいのであろう▼これは、かつて日本に酷い目に合わされた朝鮮(韓国)・中国などアジア諸国の激しい怒りを呼ぶだけではない。国連は、「侵略の定義に関する決議」(1974年)をおこない、侵略について詳細に規定したが、安倍首相の発言はこの国連決議も無視しており、少なくともこの決議に加わった百数十カ国の意向を踏みにじるようなものだ▼加えて、この安倍発言は日米関係にも影を落としており、アメリカのメディアも重大な関心を寄せている。ワシントン・ポスト紙が「安倍氏は歴史を直視することができない。中国や韓国の怒りは理解できる」としたのをはじめ、他紙も「安倍氏の恥ずべき発言は外国で友人を増やすことはない」等々いずれもコメントは手厳しい▼他人の痛みにも無頓着な、ひとりよがりの発言は友を失い、孤立を招くだけである。(佐)
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憲法に基いた法律で基本的人権が生かされている
WBS和歌山放送・特別番組「憲法を考える」 ①
5月3日憲法記念日の15時から20分間、WBS和歌山放送が「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」の提供で特別番組「憲法を考える」(出演・冨山信彦弁護士)を放送しました。その要旨を2回に分けてご紹介します。今回は1回目。
冨山信彦弁護士が出演
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