「九条の会・わかやま」 242号を発行(2014年4月2日付)

 242号が2日付で発行されました。1面は、「九条の会・わかやま」がアピール 和歌山県下の「9条の会」へ、【九条噺】、2面は、「守ろう9条 紀の川 市民の会」第10回総会開催、集団的自衛権行使反対が増加  です。

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「九条の会・わかやま」がアピール
和歌山県下の「9条の会」へ


 「九条の会・わかやま」は3月8日に第5回「呼びかけ人懇談会」を開催しました(当会紙241号参照)。その中で「安倍政権の集団的自衛権行使容認をはじめ、憲法9条の『死文化』に向けての暴走」に対して、県下の「9条の会」のみなさんに「今こそ『戦争する国』づくりに反対する大きな運動を皆の英知を結集してともに展開すること」を呼びかけるアピールを出すことを確認しました。3月26日に次のアピールを郵送しました。

和歌山県の「9条の会」のみなさまへ

 日本人310万人、アジア地域で2000万人と言われる犠牲者を出したかつての日本の侵略戦争、このような過ちは二度と繰り返さないという痛切な反省から生まれた「日本国憲法」、その中心である「9条」があったからこそ、日本は戦後69年間、戦争によって1人の外国人の命も奪わず、1人の日本人の戦死者も出していません。これは世界に誇るべきことです。この名誉ある「平和国家・日本」が今重大な危機に直面しています。安倍政権は「戦争する国」をめざして暴走をしています。
 昨年は「日本版NSC設置法」と広汎な国民の反対世論を無視して「特定秘密保護法」を成立させ、「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」を閣議決定しました。安倍政権の目指す「戦時法」体制は着々と整備されつつあります。
 さらに2月12日の衆議院予算委員会で、安倍首相は集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈について、「最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と、選挙に勝ちさえすれば首相がどのようにでも憲法解釈を変更できるという、立憲主義を完全に否定する異常な事態となっています。
 安倍政権は、4月にも「安保法制懇」から報告書を提出させ、従来の自民党政権でも、「憲法9条の下で、集団的自衛権を行使することは許されない」としてきた憲法解釈を変更して、集団的自衛権の行使容認を閣議決定しようとしています。集団的自衛権の行使をもし認めると、自衛隊は日本が攻撃されなくても海外で戦争する軍隊になり、憲法の平和主義は根底から崩れることになります。憲法9条は事実上「死文化」させられてしまいます。
 安倍政権の暴走を何としても阻止することが、今私たちに課せられた最優先課題と言わなければなりません。この1年、私たちを勇気づける「憲法96条改定は立憲主義の根幹を揺るがすとして、圧倒的な批判の世論で封じ込めた」「特定秘密保護法に学者、文化人などの多くが反対の意思表示を行い、多くの市民と連帯した」「名護市・稲嶺進市長の再選をはじめ、国が強引に推進する反動的政策に、地方からNO!の声を突き付ける動きが顕在化している」「安倍政権の立憲主義を完全に否定する異常な事態に、自民党内や保守層からも批判の声が大きくなっている」、そして「集団的自衛権行使反対が国民の多数派である(1月の世論調査で反対53.1%、賛成37.0%)」などの動向があります。正念場と言える今、これらを踏まえて、集団的自衛権行使による「戦争する国」づくりに反対するさらに大きな運動が必要です。そのために、
(1)「9条の会」の会員へはもちろんのこと、まわりの多くの人に4~5月に開催される取り組み(別紙参照)への多数の参加を呼びかけ、盛り上げましょう。
(2)「9条の会」が単独で、或いは共同して9条を守る楽しいイベントや学習会・講演会などを計画し、実施しましょう。
(3)「集団的自衛権の真実の姿」を分かりやすく語れるように勉強もしましょう。
(4)若い人たちが気軽に参加できるように、若い人たちが中心になって活動の計画をしてもらい、それを支えるようにしましょう。
(5)署名活動やピースウォークなど、目に見える活動も計画し、実施しましょう。
私たちの英知を結集して様々な活動をともに展開することを心からよびかけます。
 2014年3月26日

「九条の会・わかやま」

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4~5月に和歌山県内で取り組まれる主な行事

憲法を考える夕べ
と き:4月25日(金)17:30開場 18:00開演
ところ:和歌山県民文化会館小ホール(入場無料)
講 演:「集団的自衛権のトリックと安倍改憲」
講 師:半田滋氏(東京新聞・論説兼編集委員)
主 催:青年法律家協会和歌山支部

紀南ピースフェスタ2014参加・ピース街かどコンサート
と き:4月27日(日)13:00開場 13:30開演
ところ:ララ・ロカレ2階(田辺市・旧中央公民館)(運営協力券1,000円)
出 演:谷本ファミリー(イングリッシュハンドベル)・前田佳世(ソプラノ)・谷本智子(ソプラノ)・細尾和代(ピアノ)

“Happy Birthday 憲法 in Wakayama”憲法記念日をみんなで楽しもうフェスタ
と き:5月3日(土)10:00~16:00
ところ:和歌山城・西の丸広場(入場無料・雨天決行)
イベント:出店(焼き鳥、たこ焼き、おにぎり、のみもの他)、ステージ(ダンス、コーラス、バンド演奏他)、餅まき(景品付き)
主 催:憲法9条を守る和歌山弁護士の会
共 催:9条ネットわかやま

第4回紀南ピースフェスタ2014
と き:5月3日(土)~4日(日)
ところ:田辺市・紀南文化会館
3日:●オープニング・ステージ広場(展示ホール 10:00~)
     よさこいソーラン 南紀子どもステーションの子どもたち
   ●平和のためのコカリナコンサート
    (小ホール 13:30開場 14:00開演)
    (高校生以上1,500円、小中生1,000円)
4日:●戦争体験を聞く会(研修室 10:00~)
   ●平和講演会(研修室 13:30~)
     西谷文和氏「日本を“戦争する国”にさせないために~アフガン、シリアなどの取材をとおして見える世界と切り結んで~」

“We Love 憲法 5月の風に”5・17県民のつどい
と き:5月17日(土)13:00開場 13:30開演
ところ:和歌山市・プラザホープ4F大ホール(入場無料)
講 演:「海外で戦争する国にしない-安倍首相の集団的自衛権容認に異議あり!-」
講 師:柳澤協二氏(元防衛庁官房長、防衛研究所長、内閣官房副長官補<安全保障・危機管理担当>を経て現在、国際地政学研究所理事長)
主 催:憲法九条を守るわかやま県民の会

※その他の行事は「九条の会・わかやま」のホームページの「県内の取り組み」をご参照ください。(検索サイトから「九条の会・わかやま」で検索してください)

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【九条噺】

 つい先頃の「朝日川柳」に「右傾化にヘイトスピーチ本破り」とあった。現況の一面をうまく切り取っている。「右傾化」はご存知の通り。女優の渡辺美佐子さんは「今の首相が登場して、急に不気味な空気が押し寄せてきたと思う」と言う(3月16日)。なるほど▼「ヘイトスピーチ」は、昨今、「在特会」と名乗る団体等が、東京や大阪などでデモ行進し、在日の人々が多く暮らす地域に向って「消えろ」「死ね」などと叫んだり、朝鮮学校に向けて大音量の罵詈雑言をあびせて授業を妨害したり、さらにはこの学校の生徒らに対して、登下校中にとりかこんで暴言を吐いたり、様々ないやがらせを続け、一部では今も裁判沙汰になっている。先日のソチ五輪では、女子フィギュアの浅田真央選手と同期でライバルでもある韓国のキム・ヨナ選手に対してまでネットで口汚いバッシングを浴びせたという。世界でもトップレベルのキム選手に〝嫌韓〟というだけで、暴言を浴びせるなど、異常だし、世界に日本の恥をさらしているようなものだ▼そして、Jリーグである。浦和レッズが主催ゲームの応援席に「JAPANESE ONLY」なる横断幕が張られた。「日本人以外お断り」というわけだ。浦和レッズの主力選手の1人であるFWの李忠成選手(在日4世)がターゲットらしい。ただちに必要な対応策はとられた。それにしてもこの恥知らずな悪風、こんどは何処に顔をだすのやら。(佐)

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「守ろう9条 紀の川 市民の会」第10回総会開催

 3月30日、和歌山市河北コミュニティセンターで、「守ろう9条 紀の川 市民の会」の第10回総会が開催されました。当日午前中は「春の嵐」とでも言うべき暴風雨で、開催までもが心配されましたが、午後には天候も回復し、予定通り記念講演と総会議事が行われました。

 (原代表)

 原通範代表は開会の挨拶で、「集団的自衛権行使をめぐって解釈改憲をどのように進めようとしているのかは、森先生の講演で話されると思うが、私たちには今が正念場だ。今日学んだことをまわりの人に知らせてほしい」と訴えられました。

 (森英樹先生)

 第1部は、名古屋大学名誉教授の森英樹先生が「『国家安全保障基本法』は戦時体制を作りあげるもの」と題して記念講演をされました。
 冒頭、山本健慈和歌山大学長の25日の卒業式での式辞を取り上げられ、「学ぶことの価値と意味を体験した皆さんには、それを行動で体現し、それを阻害するものに抗していただきたい」という言葉を紹介されました。これは今の時代に大学人は是非言うべきことだが、なかなかに言えないもので、語り継がれる立派なスピーチだと述べられた上で、皆さんもいろんなところで学んでおられると思うが、学んだだけではダメで、分かったことを行動で体現すること、いけないと思ったことは抗して止めることが大切だと語られました。そして、本題の安倍政権の暴走の数々と安倍政権の弱さ、私たちの課題もユーモアを交えながら詳しく指摘されました。(講演要旨は次号以降でご紹介予定)
 第2部の総会は、13年度の活動報告と会計報告が行われ、14年度の活動方針案と予算案の審議を行い、14年度運営委員を選出して、無事終了しました。

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集団的自衛権行使反対が増加

 共同通信社は3月23日に世論調査結果を発表しました。それによれば、集団的自衛権行使容認への解釈変更に対して、反対は57.7%、賛成は33.9%となり、1月の調査より反対が3.9ポイント増、賛成は3.2ポイント減となっています。

【グラフ】
1月 反対:53.8% 賛成:37.1% 他:9.1%
2月 反対:51.0% 賛成:38.9% 他:10.1%
3月 反対:57.7% 賛成:33.9% 他:8.4%

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(2014年4月3日入力)
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