「九条の会・わかやま」 250号を発行(2014年7月10日付)

 250号が10日付で発行されました。1面は、安倍政権 集団的自衛権行使容認を閣議決定 憲法9条を破壊する歴史的暴挙、閣議決定に抗議! 緊急昼休みデモ実施、九条噺、2面は、「和歌山障害者・患者九条の会」が8周年総会&講演会開催、みなべ「九条の会」が「町内辻説法」、集団的自衛権行使に対して国民世論は反対が賛成の倍  です。
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[本文から]

安倍政権、集団的自衛権行使容認を閣議決定
憲法9条を破壊する歴史的暴挙


 7月1日、安倍政権は集団的自衛権行使容認を、多くの国民の反対の声を無視して閣議決定しました。
 これまで政府は、「憲法9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」としてきました。これまで自衛隊が海外に出かけても一人の犠牲者も出さなかったのは、憲法9条が存在し、「海外で武力行使はしてはならない」という憲法上の歯止めが働いていたからです。
 安倍首相はこれを根本からひっくり返して、「@我が国に対する武力攻撃のみならず、密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合Aこれを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないB必要最小限の実力を行使することは、『自衛』のための措置として憲法上許容される。憲法上許容される『武力の行使』は、国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合がある」としました。「明白な危険」があるかどうかを判断するのは時の政府であり、何の歯止めにもなりません。「集団的自衛権が根拠」となれば「集団安全保障」も想定されます。
 「集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」という政府見解は60年にわたる長い国会の議論の積み重ねを通じて確立したものであり、それを一内閣が閣議決定で覆すのは「立憲主義」の完全な否定であって、もはやクーデターとでも言わなければならない暴挙です。

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閣議決定に抗議! 緊急昼休みデモ実施

 集団的自衛権行使容認の閣議決定が行われた7月1日、和歌山市では和歌山県地評が呼びかけて「集団的自衛権の閣議決定を許すな! 緊急昼休みデモ」が120人の参加で実施されました。和歌山市役所から県庁前吉宗像までを行進し、梅雨の合間の晴天下で「閣議決定を許さない」「解釈改憲絶対反対」「9条守れ」とアピールしました。

 デモの後の夕方6時から7時までJR和歌山駅前で、「閣議決定を許さない」の抗議の宣伝行動も行われました。多くの人がマイクを握り「一片の閣議決定で若者が血を流し、殺し殺される国にすることは断じて許さない」と訴えました。参加者は約60人。和歌山での駅前宣伝としては空前の規模になりました。

 今回の緊急昼休みデモは6月23日に150人の参加で行われた「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」主催のデモに続くものです。7月9日、8月6日にも予定されています。

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【九条噺】

 今回は7月6日付朝日新聞「声」欄への投稿、市村公一氏(精神科医、神奈川県・50歳)の「『雨ニモマケズ』こんな国に」を紹介したい▼雨にも負けず/風にも負けず/降り注ぐ銃弾や地雷にもひるまず/いつも兵器を持って身構える/よく見聞きもせずに同盟国に同調し/東シナ海で紛争あれば/海上交易の要所なので安全が脅かされる/国民の権利が根底から覆されると言って/これに参戦し/中東で紛争あれば/石油の確保はわが国の存立に関わる/明白な危険と言ってまた参戦する/不戦の誓い、平和主義はつまらないから/やめろといい/もうでくのぼーとは呼ばせないと/一部の国に褒められ周辺国の脅威になる/そういう国に/わたしたちはなりたい?▼一番最後の「?」が私たちの心に突き刺さり、そしてもっと頑張ろうと励まされる▼同じ紙面で中村伊希君(中学生、香川県・12歳)は「僕らの未来、大人が決めるな」と言う。「平和憲法が骨抜きにされれば、ぼく達は大人になったときに戦争に行かなければなりません。僕は戦争に行きたくないです。人を殺したくないです。紛争の解決に武力行使以外の方法があると思うし、そういう姿勢を世界に示せる日本であってほしいのです。大人が、僕たちが戦争に行かなければならないような判断をするのは許せません。子どもを、孫を、戦争に行かせたいのですか」▼この言葉は重い。12歳の中学生の言葉に対応できない大人であっては絶対にいけない。

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「和歌山障害者・患者九条の会」が8周年総会&講演会開催

 「和歌山障害者・患者九条の会」は6月29日和歌山市ふれ愛センターで、45名が参加して総会&講演会を開催しました。総会は、この1年間の取り組みを総括するとともに、次年度の活動方針を話し合いました。
 後半は「憲法をめぐる戦後最大の危機!〜集団的自衛権行使を認める憲法解釈の変更がもたらすもの〜」のテーマで、由良登信弁護士による記念講演が行われました。
 閣議決定が予想される7月1日は、日本が戦後歩んできた平和の道を戦争ができる道へと線路を切り替える歴史的な日になる。安倍首相は大変危険な人物で、かつての侵略戦争への反省がないどころか、「戦後レジームからの脱却」は日本国憲法からの脱却を意味する。国会のメンバーもまた大変危険である。閣議決定とは何か、それは内閣の意思表示。なぜ今急ぐのか、それはアメリカと日本の経済界からの要求が強い。そして年末に予定されるガイドライン改定(アメリカと一緒に自衛隊が海外で武力行使できる仕組みづくり)に間に合わせる必要があるから。
 日本の平和主義を根本から変えるような憲法解釈の変更は許されるのかは、憲法の3大原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)に関わる話であり、3大原則は解釈どころか憲法改正でも許されない。立憲主義の正当性をかなぐり捨てるもので、それはまさにクーデターである。
 これまでの政府見解では、わが国が他国から直接攻撃され国民の命が脅かされる明白な危険がある場合に限って自衛隊による武力行使が許される(72年)。集団的自衛権の解釈はどこを変えたのか、それは、わが国と密接な関係にある他国が攻撃され、それにより国民の命が脅かされる明白な危険がある場合。即ち、他国が攻撃された場合であって、売られていないけんかを買うようなもの。相手国からの仕返しによって国民の命と暮らしが失われることは全く考えられていない。国民の命が脅かされる明白な危険があるかどうかは誰が判断するのかは、様々な情報に基づいて政府が総合的に判断する。どんな情報なのかを知ろうとすると、特定秘密保護法に引っかかる。
 今後の対策は、国会議員に対して、戦争法をつくらせない戦いが秋から冬にかけて重要となる。今日の毎日新聞1面の世論調査によると、集団的自衛権行使賛成が32%、反対が58%。私たちが多数派であることに自信をもって、保守層を巻き込んだ連帯の輪を広げていくことが何よりも大切と、講演を締めくくられました。
 初参加の方も多く、聴覚障害の方も複数参加されました。「私たちの成長は終わりではなく、変わるものである」と力強く話された閉会の挨拶がとても印象的でした。
(野尻誠さんより)

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みなべ「九条の会」が「町内辻説法」

 みなべ「九条の会」は6月20日、「解釈で憲法を壊すな。集団的自衛権で憲法を破壊することは許さない」と役場前、スーパー前(2店)、高校前、駅前、公民館前の6カ所で、辻説法を実施しました。午前10時から各場所で15分前後のアピール。移動時間も含め約2時間の行動で、「憲法9条のおかげで、日本は世界中から平和国家として認められ、戦争することも戦争に巻きこまれることもなく平和な国であり続けられました。『軍隊は持てない・武力は使えない・他国と一緒に戦えない』とし、自衛隊は軍隊ではないと説明されています。だから、万が一他国から日本が武力攻撃を受けた時だけ、国民を守るために武力行使ができるのです」「安倍首相は、7月上旬には(海外で戦争する)集団的自衛権の行使を『閣議決定』すると言っています」「自衛隊員や若者を死に追いやり、殺し殺される国になってしまいます。日本国が平和国家ではなくなり、『戦争できる国』になります。子や孫たちに戦争できる国を手渡せません。声を大にして『やめて!』と語り伝えましょう」などと、町民へのアピールをしました。

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集団的自衛権行使に対して国民世論は反対が賛成の倍

 集団的自衛権行使に関する世論調査は、朝日新聞(6/23)では反対が56%で、賛成の28%の倍になっています。毎日新聞(6/29)でも反対は58%で、賛成の32%の倍近くになっています。安倍政権は行使容認の閣議決定を強行しましたが、国民世論は行使容認反対が圧倒的なのは明白です。



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(2014年7月10日入力)
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