「九条の会・わかやま」 254号を発行(2014年9月14日付)

 254号が14日付で発行されました。1面は、「日本を強い国にする」という危険(奥平康弘さん)、いつまでも安倍政権が続くはずない 若い人たちよ立ち上がれ(菅原文太さん)、九条噺、2面は、第4回「ランチタイムデモ」実施、書籍紹介『徹底批判! ここがおかしい集団的自衛権』  です。
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[本文から]

「日本を強い国にする」という危険

 「九条の会発足10周年講演会・集団的自衛権と憲法9条」での呼びかけ人のスピーチ(要旨)をご紹介します。今回は奥平康弘さんです。

奥平康弘さん

 いま、世界ではいろいろな問題が生じている。なかんずく、日本がもっている問題を象徴するのが憲法改正問題であると思います。
 12年の総選挙で自民党が勝利し、第2次安倍政権が成立するにいたった。そしてその総選挙の時には、自民党は「憲法改正草案」を我々に示していた。12年4月に発表された自民党の「憲法改正草案」です。そういう経過を受けて13年1月に第2次安倍内閣初の通常国会を開くことになりました。安倍首相は自党の国会議員の前で、「日本を再び強い国にしてゆく」ことを強調されたようです。そして彼は外国に向けても、日本が強い国になることを示唆する発言を続けました。それを言えば言うほど外国から嫌われていることを知らずに、彼は言い続ける。これはとんでもないことですが、その「強い国」を象徴するものの1つが12年に示された「憲法改正草案」であり、これは困ったことになったと思っていました。そしてその中から、憲法の全面改正はとてもできることではない、とくに9条の改正はできないと考えた安倍政権は、維新の会と連携して96条だけを先行して改正したらいいということになる。96条は憲法改正を難しくしていて、あれをクリアすることが、大事だけれども、3分の2以上の多数を集めることは容易ではない。しかし発議の要件を変える手続き論なら国民にアピールできるだろうと、96条の先行改正をやろうとしたのです。
 それが裏目に出ました。憲法学習を国民にさせることになりました。国民に「憲法とは何か」「何のために憲法はあるのか」という憲法学習をさせることになり、その中で目的は9条の改正であるのに、96条だけを改正するというやり方、「こんなやり方は裏口入学ではないか」との声が本当に自然に出てきました。そのことを通じて立憲主義についての理解が広がった。
 そういう中で「積極的平和主義」という言葉がしきりに使われるようになりました。「平和主義」という言葉については、戦争か平和かという2つの対立する概念の1つであって、平和というのは戦争に対峙して、戦わない、戦争の準備をしないということです。そこに憲法9条のポイントがあるはずです。ところが、こともあろうに「積極的」という言葉がついたおかげで、「平和主義」がベロンベロンになってしまう。戦争につながること一切しないという「平和主義」を「積極的平和主義」という言葉で騙しに使っているのだと思います。
 僕たちは、96条改正を潰すことができました。その次にあるのが集団的自衛権です。集団的自衛権というのは、密接な国がどこであろうと、集団的に防衛する必要があると考えたらそこに乗り込んで、その人たちを守ることが自国を守ることだといって、憲法9条を否定する概念です。これは潰すほかない。これを潰したら少しは日本の道筋が見えてくるだろう。これを潰すことはいま求められている最も緊急の課題であると思います。

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いつまでも安倍政権が続くはずない
若い人たちよ立ち上がれ

「全国革新懇ニュース」9月10日号より転載します。

菅原文太さん

 国民が反対しているのに、憲法解釈を変え、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定がされた。

 閣議決定にあまりガッカリするな

 憲法は権力者を抑えるものなのに、逆だ。明らかに憲法違反だよ。いま大事なことは、それでもまだ憲法9条はある、ということだと思う。これを守ることだ。そして集団的自衛権の行使を具体化する法律、アメリカの戦争に自衛隊を参戦させる法律をつくらせないことだ。
 しかしガッカリするのはまだ早い。この閣議決定は、日本人の総意による決定ではない。安倍政権の決定だ。政府の決定は政府が覆すことができる。安倍さんの内閣がいつまでも続くわけでない。次の新しい政権が閣議決定を元に戻せばいいんだ。

 このままでは怖い

 安倍さんがなぜそんなに急に右旋回するのか、俺にはよくわからないんだ。理論的な強い主張や見通しがあるとは思えない。おじいさん(岸信介元首相)の執念をつぎたいという情念≠セろうか。日本人にはそういうのが強いからね。それにしても安倍内閣も、安倍さんも、庶民の苦労を知らず、戦争を知らない。そこが怖いね。
 若い人たちがいま、原発ゼロや集団的自衛権問題などで立ち上がっている。一人では声を出せない多くの人がデモに街頭に出ている。いいことだ。でも国を変えるには、まだまだパワー不足だな。もっともっと大きくなり、日本全体を変えられるようにならないか、と思っている。
 日本人のこころを失い、なんでもカネという魔物に毒され、人間力が衰えているような気がする。その感心しない代表が原発輸出する安倍さんかな。そういう流れのなかで世の中を変えるなんて大変だけれど、若い人たちよ立ち上がれ、吉田松陰よ出でよ、と願っている。老人ばかりがんばってもダメなんだ。

 沖縄−日本は独立国か

 日本はなんでもアメリカいいなりだ。右といえば右、左といえば左。本当に日本は独立したのか≠ニ言いたい。一番の象徴は、沖縄だ。独立国なら、沖縄の人たちから多くの土地を奪い、美しい海をつぶして、基地をつくるためにアメリカに明け渡すなどできるだろうか。沖縄を日本と思うなら、日本が独立国というならば、辺野古に新基地を絶対につくらせてはいけない。戦争で悲惨な目にあわせた沖縄が今もなお苦しんでいることを忘れてはならない。

 人間は過ちを犯すものだからこそ

 いま、日韓、日中の関係がおかしくなっているが、率直に国のリーダーは事実を認め、謝ればいいんだ。従軍「慰安婦」も、南京大虐殺も、歴史の真実はウヤムヤにしてはならない。
 戦争というのは人を殺すことだ。戦場の体験、被爆の体験をした人は70年たっても、まだ苦しんでいる。その戦争を人間は繰り返してきた。だからヨーロッパでは、悲惨な体験から、もう互いに戦争をしないようにEU(欧州連合)を発展させてきた。アジアにも、アジア連合(AU)をつくるべきだ。日本はアジアの一員だ。「日米同盟」だけではダメで、アジア連合をつくって、韓国とも中国ともアジアの一員として協力するようになって、戦争をおこさないようにすべきだ。再び戦争をしてはならない。これは、当たり前のことだよ。
(農業生産法人代表・いのちの党代表)

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【九条噺】
 ヒガンバナが我が家の近くで美しい花を咲かせ始めた。秋の彼岸の頃に咲くので「彼岸花」。生物は国際的な規約に基づくラテン語の学名がある。学名は「Lycoris radiata」▼日本語の標準和名もあり、「ヒガンバナ」が標準和名だ。ヒガンバナは「ヒガンバナ科→ヒガンバナ属」いう大きなグループの「代表選手」になっている植物だ。ヒガンバナ科には水仙、浜木綿、君子蘭、アマリリスなどよく知られた植物が多く含まれる▼生物には別名というものもある。「あだ名」「ニックネーム」といったところか。ヒガンバナの別名は何百種類もあるというから驚きだ。よく知られたものに「曼珠沙華」がある。これは梵語で「天上に咲く花」を意味するという美しい名前だ。「ハミズハナミズ」という面白いのもある。これは「葉見ず、花見ず」で、花が咲いている時に葉はなく、葉がある時には花がないということだそうだ。「死人花」という恐ろしげな名前もある。これには諸説があるが、墓地によく咲いているからという説もある。美しいものから恐ろしげなものまでいろいろだ▼ところで、安倍首相はどうか。標準和名は「安倍晋三内閣総理大臣」か。別名は?と考える。「壊憲首相」「戦前回帰首相」「靖国首相」「へ理屈首相」「はぐらかし首相」「戦後最悪首相」・・・。言い出したら切りがない。いいものは何ひとつ思い浮かばない。せめて「立憲主義遵守首相」ぐらいにはなってほしいものだ。(南)

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第4回「ランチタイムデモ」実施

 9月9日、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかけて、和歌山市で4回目の「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」が実施されました。
 和歌山市役所前での出発では藤井幹雄弁護士は「憲法を壊す『閣議決定』許すなの声を和歌山から発信しよう。撤回までがんばろう」と呼びかけました。市役所前から京橋プロムナードまでを、残暑厳しい炎天下、110人が「憲法壊すな」などと訴えて行進しました。
 次回は「法の日」である10月1日(水)に行われます。

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書籍紹介『徹底批判! ここがおかしい集団的自衛権』

この国ではいま、平和・安全保障について冷静な議論が成立していない。集団安全保障と集団的自衛権はどう違うのか。最低限、こうした知識を踏まえた議論が求められる。
本書はそのための有益なツールとなろう。
早稲田大学教授・水島朝穂
-------------------------------------------------- 新聞・ニュースでよく聞く集団的自衛権。「どこがどう問題なの?」そんな疑問に答えます。安全保障の基礎知識・集団的自衛権と憲法9条とのかかわりなど、わかりやすく解説!
Q-自衛権はどのような場合に行使できるのですか?
Q-集団的自衛権とはどのような権利ですか?
Q-集団安全保障と集団的自衛権はどのように違いますか?
Q-自衛隊の海外派遣はどう考えられてきたのですか?
など48の質問
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編著者:高作正博(関西大学教授)
発行所:合同出版(株)03-3294-3506
発 行:2014年6月25日
定 価:本体1400円+税

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(2014年9月18日入力)
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