「九条の会・わかやま」 267号を発行(2015年03月15日付)

 267号が15日付で発行されました。1面は、新しい九条の会が発足 「山崎北9条の会」(岩出市)、憲法9条にノーベル平和賞を 韓国与野党議員142人が推薦 コスタリカ国会も、九条噺、2面は、「戦中戦後の生活体験を聞く会」開催 「山崎北9条の会」、書籍紹介 『国家の暴走』 、言葉 「恒久法」、5月の風に We Love 憲法 5・23県民のつどい(告知)  です。
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[本文から]

新しい九条の会が発足
「山崎北9条の会」(岩出市)


 和歌山県岩出市で「山崎北9条の会」が発足しました。
 同会のニュースは、「11月1日、『かがやけ憲法9条学習会』を開き、正式の発足となりました。講師の本田朱里弁護士は1時間たっぷりと使って『自民党憲法改正草案と集団的自衛権』について講義されました。あまりの民主主義、人権から逆戻りの時代錯誤な内容に唖然とするばかりでした。集団的自衛権については国連憲章の制定過程にも触れ、日本の憲法解釈では制定後歴代政府はずっと行使できないとしてきたこと、国際法上権利があるから行使するというのは、タバコを吸うことは認められているが、だからと言って吸わなければならないということではないと例えられて、一同ふーんと共感、よく分かったとの感想が寄せられていました」と伝えています。

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憲法9条にノーベル平和賞を
韓国与野党議員142人が推薦
コスタリカ国会も



    (李柱栄氏と元恵栄氏)

 ソウル聯合ニュースは、「韓国与野党の重鎮4人は1月21日、日本の平和憲法について『戦争がこれ以上、あってはならないという人類の普遍的な念願が込められた「教科書」』だと評価する一方で、現内閣の『解釈改憲』で骨抜きにされる危機に直面していると指摘。平和憲法が無力化されれば『朝鮮半島や東アジアの平和も脅かされる』として12月に始められた戦争放棄をうたう日本の憲法9条をノーベル平和賞候補に推薦する署名運動に与野党議員142人が賛同したと発表した」と伝えました。
 与党セヌリ党の李柱栄(イ・ジュヨン)、陳永(チン・ヨン)国会議員と最大野党・新政治民主連合の元恵栄(ウォン・ヘヨン)、李鍾杰(イ・ジョンゴル)国会議員の4人は、憲法改正を目指す安倍晋三政権により9条が無力化される危機に直面していると指摘。署名運動を主導した元氏は報道資料で、「平和憲法の9条を守ることこそ北東アジアと国際社会の平和を守る道」と署名推進の理由を説明しました。「平和賞候補は個人と組織に限定する」とのノーベル財団の規定に従い、日本の護憲派市民グループ「九条の会」と、「『憲法9条にノーベル平和賞を』実行委員会」共同代表の鷹巣直美さんを候補に推薦しました。
 一方、コスタリカ国会は「ともに平和憲法を保持してきた日本と中米コスタリカの両国民に共同で15年度のノーベル平和賞を」との、特別決議を採択し、すでにアピール声明をノルウェーのノーベル委員会に提出しました。  アピールはコスタリカのヘンリー・モラ国会議長の名で1月20日、ノーベル委員会に提出され、同委員会から受理したとの通知がすでにコスタリカ側に届いています。アピールは冒頭で「私はコスタリカ国会を代表し、コスタリカと日本の両国民に15年度ノーベル平和賞を共同して授与するようにとの、本国会の満場一致による議決を伝えるものであります」と記しています。



            (12月の韓国での記者会見)
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【九条噺】

 今の季節になると口ずさみたくなる歌がある。「春は名のみの風の寒さや…」。それでも光はもう春。ひな人形の思い出話に花が咲くのは、女性ならではの季節の感じ方かもしれない。数年前、海南市のひな祭りに行き、駅構内のひな人形に圧倒されたことがある。「端午の節句は子どもの日なのに、ひな祭りはそうでないね」と知人が言ったことがある。「男女差別の反映?」と言ったら、言いすぎだろうか▼選択的夫婦別姓導入の答申が出されてから久しい。なのに事態は遅々として進んでいない。反対論者の中には「家族の絆が損なわれる」という意見が根強くあるとか。「そんなことで壊れる家族の絆なの?」と言いたいが…▼彼との一体感を感じると、同姓に賛成の女性もいるだろう。結婚によって自動的に姓が変わることへの違和感や今までの自分を喪失したように感じる女性もいるだろう。だから「選択的」だと思う▼70年代、女性差別撤廃条約批准運動の中で女性たちは、それまで「当り前」「仕方がない」と思っていたことがおかしいことに気づき始め、多くのことを学んだ▼夫婦同姓を定めた民法が憲法や女性差別撤廃条約に違反するとして国に慰謝料を求めた初めての裁判に、近く最高裁判所の判断が下されることになった。注目したい。ふっと思った。多数の国民が反対する9条改悪に熱中するよりも、民法改正に向けたリーダーシップを安倍首相に求めるのは、ないものねだりなんだろうなあ。(真)

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「戦中戦後の生活体験を聞く会」開催
「山崎北9条の会」



 「山崎北9条の会」は3月8日午後2時から、岩出市の「カフェ・ぷちこすもす」で私たちの手づくりの「今こそ語ろう 今こそ聞こう 戦中戦後の生活体験を聞く会」を開催しました。
 Nさんに満州時代の体験談を約1時間かけて語っていただきました。黒竜江(アムール川)の対岸がソ連、そんな国境の町・黒河で昭和20年8月9日ソ連が参戦、その日から機銃掃射に怯えながら終戦後、新京(現・長春)での1年を経て、引き上げてこられたお話は、体験した者でなければ分からないことがいっぱいでした。
 26名の方が参加されました。参加者みんなでコーヒーとケーキを前にして、矢継ぎ早に出される質問に、昨日のことのように鮮明によみがえってくる記憶の数々を語っていただきました。
 その後参加者からも、和歌山の空襲や作業ばかりだった学校生活の話なども出されて、大きな集会で聞く話とは一味もふた味も違う、みんなで語る身近な集会になりました。また、この集会を記念して作った文集『歴史の証言』を配布しました。(山崎北9条の会・清水康夫さんより)



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書籍紹介 『国家の暴走』



 経済政策アベノミクスで人気を高めながら、改憲を企む手法を暴く元経済官僚の説得力ある書き下ろし。本当の「積極的平和主義」とは、アベノミクスの限界、世論操作を含めた戦争をするための13本の矢、間違いだらけの雇用政策、改革はするが戦争はしない国へ、といったテーマで説得力がある。(江川治邦氏推薦の辞)
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発行所:㈱KADOKAWA(角川新書) 03-3238-8521
著 者:古賀茂明
発行日:2014年9月10日(初版)
    2015年2月20日(4版)
価 格:800円+税

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言葉 「恒久法」

 「恒久法」とは有効期間の定めがない法律のことで、ここでいう「恒久法」は「自衛隊派遣の恒久法」のことです。
 自衛隊の海外派遣に関する「恒久法」には、朝鮮半島有事などで米軍を後方支援する「周辺事態法」や「PKO(国連平和維持活動)協力法」などがあります。しかし、これらの法律では要件を満たさない場合は自衛隊を派遣できず、政府はその都度、特別措置法を制定して対応してきました。アフガニスタン戦争時の「テロ対策特措法(01年)」、イラク戦争時の「イラク復興特措法(03年)」はいずれも期限のある時限立法でした。
 特措法ではその都度法律を作らなければならないので、米軍への「支援」を「タイムリー」に行うことができません。そこで、事態に応じてその都度、法律を作る手間を省き、米軍など他国軍への軍事支援のため、自衛隊をいつでも派兵することを可能にする「恒久法」制定が狙われています。
 安倍政権が狙っているのは単に「いつでも」だけではありません。「周辺事態法」での「我が国の領域並びに周辺の公海及びその上空の範囲」という地理的制約を設けず、支援対象の国も限定しようとしていません。「周辺事態法」での「後方地域」、「テロ特措法」「イラク特措法」での「非戦闘地域」といった自衛隊の活動場所の制約が取り払われ、自衛隊の支援対象である他国軍が「現に戦闘行為を行っている現場」以外ならどこでも活動できるようにしようとしています。国連安保理の決議を自衛隊派兵の条件にせず、武器・弾薬の提供なども可能にしようとしています。イラク侵略戦争のような違法な先制攻撃の戦争でも、米軍中心の「有志連合軍」に軍事支援を速やかに行えるようにするのが狙いです。「恒久法」は、「我が国の平和と安全」「国際社会の平和・安定」のためという口実さえつければ、自衛隊を世界中どこへでも派兵し、米軍が行うあらゆる戦争を支援できるようにする危険な仕組みづくりに他なりません。

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5月の風に We Love 憲法 5・23県民のつどい(告知)
日時:5月23日(土)13:30~
会場:プラザホープ 4F大ホール
講演:「草の根運動で9条の無効化阻止するとき」(仮題)
講師:小森陽一氏(東京大学大学院教授、九条の会事務局長)

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(2015年03月17日入力)
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