「九条の会・わかやま」 272号を発行(2015年05月13日付)

 272号が13日付で発行されました。1面は、「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」開催 みんなで楽しく憲法の誕生日を祝う、「守ろう9条 紀の川 市民の会」第11回総会開催、九条噺、2面は、学ぶ自由を確保することが良い社会を作る(山本健慈氏)、言葉「国際平和共同対処事態」、言葉「国際連携平和安全活動」  です。

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[本文から]

「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」開催
みんなで楽しく憲法の誕生日を祝う

 安倍政権の安全保障関連法案(戦争立法)成立の企みによる憲法9条の破壊の危機が高まる中、5月3日の憲法記念日、和歌山城西の丸広場で「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」が開催されました。これは幅広く多くの人に集まってもらい、日本国憲法の68回目の誕生日をみんなで祝い、一日大いに楽しみ、英気を養い、力を蓄えようという趣旨のもので、広場の周りには、スーパーボールすくい、輪投げ、プラバン、フリーマーケット、無農薬野菜販売、雑貨販売、かすうどん、焼き鳥、たこ焼き、コロッケ、九条せんべいなど多くの店舗があって、子どもから大人まで大いに賑わいました。舞台では粉河高校軽音楽部のバンド演奏(3グループ)やアカペラ、ギター弾き語り、ハワイアンフラ(3グループ)など、次々と演じられました。「2015わかやま国体」のマスコット・きいちゃんも駆けつけ、景品付き「餅まき」で締め括り。みんなで楽しい一日を過ごしました。


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「守ろう9条 紀の川 市民の会」第11回総会開催

 「守ろう9条 紀の川 市民の会」は5月6日、河北コミュニティセンターで第11回総会を開催しました。


 (原代表)

 原通範代表は挨拶で、閣議決定だけで集団的自衛権行使をする手口はヒトラーの全権委任法より、法的にはもっと酷いものではないか。ヒトラーは曲りなりにも国会の承認を受けたが、安倍首相は国会承認の手続きを取らず、アメリカ議会で公約し、戦争する国に突き進もうとしていると、安倍政権を告発しました。


 (由良弁護士)

 続いて、由良登信弁護士が「『戦争する国』を許さない〜『安全保障関連法案』を阻止しよう〜」と題して講演されました。由良弁護士は、現在は戦後最大の憲法9条の危機だ。9条は国連憲章を超えた先進性を持っており、海外派兵、集団的自衛権行使、国連の平和維持活動でも武力行使を伴うものへの参加、壊滅的破壊能力を持つ兵器の保有、先制攻撃、交戦権行使、徴兵制は9条によって禁止されている。にも拘らず、これらを解禁しようと国会に提出されようとしている「安全保障関連法案」について、その危険な内容を解説されました。
 そして、この法案は中国への恐喝となりかねない。GDP2位と3位の国が激突するということは絶対に避けなければならない。今回の戦争できる法制度作りは非常に愚かな行為だ。国民にこの法制度を知らせたら賛成する人などいない。これを知らせることが大事で、国民投票に持ち込ませず、9条を守る声が多数だという状況を維持し続けることが運動目標だ。情勢は緊迫しているが、慌てず、じっくり、そして急いで取り組んでいこうと訴えられました。

 総会議事は昨年度の活動報告、会計報告、本年度の活動方針、予算が承認され、運営委員を選出して終了しました。

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【九条噺】

 4月29日に青法協和歌山支部主催「憲法を考える夕べ」の会場に、依頼されていた「自衛隊を活かす会」関西企画のチラシ配布に出かけた。受付で準備していた弁護士さんたちが自民党の憲法改正漫画パンフレットのことを話題にしておられた。同パンフは最近刊行され自民党のホームページからダウンロードもできる。「4世代家族の会話という設定の漫画で柔らかく自民党改憲案の趣旨を盛り込んでいる」「憲法を守る側がこれに上手に反論することも大切だ」などと話されていた▼帰宅後さっそくタブレットにダウンロードして閲覧した。題して『ほのぼの一家の憲法改正ってなぁに?』全68頁。表紙には子を抱く若い母と父、祖父と曽祖父が樹木や向こうの山を背景に描かれて親しみやすい感じを与えている。「目次」が「その1なぜ憲法を改正するの?」「その2憲法改正でどうなるの?」「その3国民投票ってどんなこと?」「その4みんなで考えよう」とこれも柔らかい▼「その1」が改憲の必要を説く主要部で23頁までを占める。柱は「70年前で古く、プライバシー、環境など新しい権利が無く、社会常識が変わってもルールがそのまま」「アメリカが英語草案を押し付けた憲法だ」という点。押し付けられた経緯が詳しく記されている。「その2」は「第3章国民の権利及び義務」を公益重視に、緊急事態対処や国防の必要など説く▼ギャグの衣で味付けした柔らかい漫画を論破する論理を常識にしたい。(柏)

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学ぶ自由を確保することが良い社会を作る

4月29日の青年法律家協会和歌山支部の「憲法を考える夕べ」で和歌山大学前学長・山本健慈氏が講演されました。「本年の卒業式で言いたかったこと」に絞って、その要旨をご紹介します。

 学生たちに語ったのは「特定秘密保護法は何を理由に処罰されるか分らない法律で、学ぶ自由、知りたい好奇心を抑圧し社会の衰弱に通じる。大学で学ぶ喜びや学ぶ自由の経験を忘れないように」ということだ。今、若者は自由を謳歌しているが、それには歴史がある。学ぶ自由と喜びを鼓舞し、それを守る厳しさも知らせたかった。
 悩みは世の中のしくみから発生するので必ず共通する人がいる。ここから「共通の学び」が成立する。孤立して学ぶのでなく悩みを共有して学ぶ道筋だ。競争の学習でなく共同の学習が人間の本性に基づいて成立する。私の社会教育は、共同の学習を公費で援助する公教育のしくみが必要ということだ。
 残念なのはいろんなレベルでそれが侵害され壊されつつあることだ。特定秘密保護法は知ってはいけないこと、伝えてはいけないことがあるが、何がいけないか分からず、危険なしくみで好奇心を抑圧する機能を持つ。今メディアを含めて自由が侵害されつつあるが、疑問を持つ自由、疑問だと言う自由、知った時に行動する自由などが侵害されつつある。「学習権宣言」(85年ユネスコ)は「学習権は人類の基本的原初的な権利」「学ぶことは歴史の主体になること」と言っている。学ぶ自由を確保し続けることが良い社会を作る基本的権利だと言っている。疑問を持つ自由などが制約されてきているので発言をした。
 若者に対して「まず自分の幸せは何かを考える」そして「他者とともに幸せになることも考える」と言った。今学生は自分への不安を抱えている。彼らは競争と評価にさらされた学校教育システムの中で、好奇心によって学ぶ経験を絶たれている。このような学生を受け止めて教育するのが責任であると考え、「和歌山大学は全ての学生の人生を応援する」というメッセージで学長をしてきた。不本意入学はシステム的だから、人生の価値、何が意味あるかを学生自身に考えさせようとした。幸い和歌山は良いフィールドがあるので元気に育って行った。地域の人に出会い、地域や時代と格闘して生きる姿を見て、自らの課題を発見し学ぶ意欲を自らの中に生み出してきた。「地域の人に会って、これまでの勉強が役に立たないと知ったので必死で学んでいる」「僻地校実習に行って地域に役立つ教師になる必要が分かった」という学生がいる。好奇心、実践意欲が引き出されている。

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言葉「国際平和共同対処事態」

 自衛隊を海外に派遣する場合、その都度特別措置法をつくるのではなく、いつでも派遣できるようにする恒久法として、「国際平和支援法」を制定しようとしています。「国際平和共同対処事態」とは「国際社会の平和及び安全を脅かす事態であって、その脅威を除去するために国際社会が国際連合憲章の目的に従い共同して対処する活動を行い、かつ、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があるもの」と定義し、事態を認定した場合は戦闘中の他国軍に後方支援ができるようにするものです。国連総会や国連安全保障理事会の決議の存在が要件となっています。
 自衛隊が実施する支援は、補給、輸送、修理・整備、医療などで、従来の海外派兵法では禁じられていた弾薬の提供や戦闘作戦行動のため発進準備をしている航空機への給油や整備なども可能にします。自衛隊の活動場所は「非戦闘地域」ではなく「現に戦闘行為が行われている現場」でなければ可能にしています。戦闘行為が行われるに至った場合や戦闘行為が予測される場合は、活動を「一時休止」するとしていますが、「生命または身体の防護」を口実に「武器を使用することができる」とし、攻撃を受けた場合の反撃を認めています。自衛隊員を「殺し、殺される」事態に追い込むものです。


(図は中日新聞4月18日付より)
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言葉「国際連携平和安全活動」

 現行の「国連平和維持活動(PKO)協力法」を「国際平和協力法」に変更しようとしています。「国際連携平和安全活動」とは紛争当事者間の武力紛争の再発の防止に関する合意の順守の確保▽紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民の保護▽武力紛争の終了後に行われる民主的な手段による統治組織の設立及び再建の援助などを目的として行う活動と定義。これまで国連が統括する人道復興支援に限られていた自衛隊の活動を、治安維持任務まで広げるものです。米国によるアフガン報復戦争を受けてつくられたISAF(国際治安支援部隊)や、イラク侵略戦争を受けてのイラク多国籍軍のような、「国連が統括しない国際的な平和協力活動」への参加も含んでいます。武器の使用を伴う治安維持活動に道を開き、「任務遂行型武器使用」や、攻撃された他国部隊を防護する「駆け付け警護」のための武器使用を新たに認めようとしています。


(図は中日新聞4月18日付より)


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(2015年05月16日入力)
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