「九条の会・わかやま」 273号を発行(2015年06月03日付)

 273号が3日付で発行されました。1面は、いつでも どこでも あらゆる軍事行動が出来る戦争立法(小森陽一氏①)、安全保障関連法案の国会上程に抗議し 撤回を求める会長声明(和歌山弁護士会)、九条噺、2面は、第11回「ランチタイムデモ」実施、「和歌山障害者・患者九条の会」が「春のハイキング」開催、みなべ「九条の会」 今年も街宣活動   です。

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[本文から]

いつでも、どこでも、あらゆる軍事行動が出来る戦争立法

 5月23日、「5月の風に… 県民のつどい」が開催され、小森陽一氏(「九条の会」事務局長)が、「草の根運動で九条の無効化阻止するとき」と題して講演されました。要旨を4回(予定)に分けてご紹介します。今回は1回目。
小森陽一氏 ①

 4月27日、ニューヨークで防衛・外務閣僚会議(2+2)が行われ、日米防衛指針(ガイドライン)が再改定された。ガイドラインが最初に作られたのは冷戦構造の只中の78年だ。日本は51年に旧日米安保条約を結び、アメリカの核の傘の下に入ってソ連の核兵器の危険から守ってもらうというのが建前だ。そこで78年のガイドラインはソ連の武力攻撃があった時に米軍と自衛隊がどのように共同行動をするのかということを決めた。91年にソ連が崩壊し、日米安保条約は必要がなくなったが、日本が日米安保条約から離脱したら米軍はアジアに存在することが出来なくなる。米軍の主要な基地は日本と沖縄にあるので、日本を日米安保条約から離脱させないために、ソ連に代わる新しい敵を作らねばならなくなった。その時に新しい敵として煽られたのが北朝鮮だ。ソ連が造った北朝鮮の核施設を、ソ連が崩壊したので、核が拡散した、NPT条約違反だと北朝鮮の核開発疑惑を煽り、第2次朝鮮戦争勃発かという危機が発生したのが94~95年だ。そこで日本は朝鮮半島で軍事行動でどのように米軍に協力するのかを決めるために、97年にガイドラインは朝鮮半島で戦争が起きた時を想定したものに改定された。それに合わせて朝鮮半島有事の法体制を作ろうとしたが、集団的自衛権行使に当ると非常に強い反対を受け、2年間決まらず、99年小渕政権の時に周辺事態法が決まった。これがガイドライン改定に対応した最初の法律だ。今回それを再改定する。その中心は周辺事態を取り払い全地球的規模で自衛隊が米軍と軍事行動が出来るようにするということだ。日米安保条約は日本と極東の安全と言っており、この新指針は日米安保条約違反だ。条約なら国会での議決が必要だが、政府同士の、しかも2人の大臣だけの細々とした取り決めでやっている。条約の改定ではないので国会は関与できない。国会で審議させないようにして政府同士の合意で決め、アメリカと合意したから国会で認めろと出てきたのが4月27日に与党合意で決めた11の法律で、5月14日に閣議決定をした。
 法案は全部で11なのに安倍政権は2本にした。1本は新法「国際平和支援法案」、残りの10本の法律の改悪を十把一絡げにして1本にしている。この11の法律は、「いつでも」「どこでも」「あらゆる軍事行動」を自衛隊がアメリカと出来るようにする法体制だ。だから、「戦争法制」「戦争立法」と言う。
 「いつでも」は新法「国際平和支援法案」によって決まっている。狙いは自衛隊が「当該活動を行う外国軍隊等を協力支援すること」だ。戦争をしている外国軍隊を支援するということは、戦争支援以外の何物でもない。戦争に協力支援することを「わが国が国際社会の一員としてこれに主体的、積極的に寄与する必要がある国際平和共同対処事態」と言っている。やることは戦争支援なのに、「国際平和共同対処」と平和を目指しているかのように言う。今まで自衛隊が海外に出る際には期限が決められていた。アフガニスタンを攻撃した11カ国の艦船に海上自衛隊がインド洋で給油活動をする法律が01年11月に施行された「テロ対策特措法」で、2年間の時限立法で3回延長された。ブッシュ大統領はイラクが大量破壊兵器を持っていると、03年3月にバグダッドを空爆し、フセイン政権を潰した。そのイラク復興支援に自衛隊を出す法律が03年の「イラク特措法」だ。これも時限立法だが大きな反対運動が起きた。自衛隊を戦争に派遣するのをその都度やっていると時間もかかるし、エネルギーもいるし、国民の反対も招くから、恒常的に海外に自衛隊を派遣する恒久法として「国際平和支援法」を作ろうとしている。やることは外国軍隊を協力支援することだ。国民をごまかす一番許し難い騙し言葉は「国際平和共同対処事態」だ。(つづく)

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安全保障関連法案の国会上程に抗議し、撤回を求める会長声明(和歌山弁護士会)

 政府は、本年5月15日に新法である国際平和支援法案や自衛隊法、武力攻撃事態法などの安全保障法制の改正案を国会に一括して上程した。
 これらの法案は、昨年7月1日の閣議決定を立法化するためのものである。
 この閣議決定について、当会は同年7月10日に「集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に抗議する会長声明」を出し、この閣議決定が憲法9条に違反することを指摘した上で、その撤回と関連法案の提出の断念を求めた。
 今回の法案の上程は、この会長声明で提出の断念を求めた関連法案の上程であり、これらの法案はいずれも憲法9条に違反したものであり、現行憲法上認められるものではない。
 しかもその内容を見ると、武力攻撃事態法と自衛隊法を改正して、閣議決定で集団的自衛権行使を認めた自衛権発動の新三要件を「存立危機事態」として追加して書き込み、防衛出動をして武力行使することを可能としている。また、周辺事態法を改正して周辺という地理的概念をなくし、戦闘地域であっても現に戦闘が行われている現場以外は自衛隊の活動を可能とするものであり、自衛隊員が戦闘に巻き込まれ、外国人を殺し、自衛隊員が殺される危険性は極めて高くなっている。その上、敵国からわが国への攻撃や日本人がテロの標的となる危険性を高めることになる。
 さらに、新設される国際平和支援法では、我が国に対する危険性がない場合でも、国際社会の平和及び安全を脅かす事態であれば、現に戦闘が行われている現場以外での外国軍隊への協力支援活動を可能とするものであり、自衛隊の外国における活動及び武器使用の場面は際限なく拡大することになる。
 これらの法案の内容を見ると、まさに憲法改正によらなければならない事項について、法律制定によって憲法改正を僭脱しようとするものであり、政府や国会の権限について憲法で制限を設けた立憲主義にも反するものである。
 当会は、このような憲法違反の立法を許すことはできない。政府に対し、直ちにこれらの法案を撤回するよう求める。
 2015(平成27)年5月19日
                                和歌山弁護士会
                                 会長 木村 義人

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【九条噺】

 安倍首相は安全保障法制の閣議決定を受け、記者会見で、日米同盟の重要性を強調し、「日本近海で米軍が攻撃される状況では私たちにも危険が及びかねない。まさに私たち自身の危機だ」として、集団的自衛権の行使などを可能にすることに理解を求めたという▼しかし、米軍に攻撃を仕掛けるような国がどこにあるというのか。そんなことをしたらその国の破滅だということは誰の目にもあきらかだ。非現実的な例で集団的自衛権行使の言い訳にするいつもの手だ▼集団的自衛権の行使については「厳格な歯止めを法律案の中にしっかりと定めた。国会の承認が必要になることは言うまでもない」と言うが、今の国会の議席状況では数の力で強引に「承認」をさせるというだけのことだろう▼米国の戦争に巻き込まれるかもしれないという不安についても「そのようなことは絶対にありえない」と言うが、何の根拠も示していない▼さらに、「戦争法案などといった無責任なレッテル貼りは全くの誤りだ」と言うが、「戦争法案」が最も正しいネーミングではないか。おまけに「平和安全法制」とわざわざ「平和」や「安全」を付けていること自体が危険な法制だという証拠で、これこそレッテル貼りではないか▼集団的自衛権は侵略の口実に使われたのは歴史的な事実だ。日本周辺という地理的条件や非戦闘地域という条件もなくして米軍に加担すれば、もはや自衛隊員が「殺し、殺される」ことになるのは火を見るより明らかだ。(南)

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第11回「ランチタイムデモ」実施

 「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」主催の第11回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」が15日に行われました。
 これはこの日の午前、政府が自衛隊の海外活動拡大を図る新たな安全保障関連法案(戦争法案)を国会へ提出したことに合わせて行われたものです。
 約100人の参加者は和歌山市役所前から京橋プロムナードまで、横断幕やのぼりを掲げながら行進し、「戦争法案絶対反対」「平和な未来を子どもにつなごう」などと訴えました。
 今後の予定は6月11日(木)、7月1日(水)です。

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「和歌山障害者・患者九条の会」が「春のハイキング」開催

 「和歌山障害者・患者九条の会」は5月10日、河西緩衝緑地公園で「春の交流ハイキング」を開催、14名が集いました。
 チラシ案内文には「5月の風に吹かれながら草木の自然にたわむれ、落ち着いた時間を過ごしませんか? 少し体を動かして、仲間と触れ合って、心身のリフレッシュをしませんか? 皆さんで平和な一日を味わいたいと思います」とあるとおり、当日はすばらしい天候に恵まれ、まさに筋書き通りの一日となりました。小鳥さえずり、つつじ咲き誇る公園内を歩き、弁当を囲んでの交流会。参加者の一人が体操を指導してくれて、みんなでリズムにあわせて体を動かします。そして青空の下、「茶摘み」「若者たち」「大きな歌」をみんなで合唱。「平和に続く大きな道だよ」という最後の歌詞に気持ちを込めました。
 戦争立法が国会に上程されようとしている今、ありえないと思っていた戦争の足音がいよいよ近くに聞こえてきそうな時代を前に、絶対にそのような世の中にしてはならないと心に誓った一日でした。(会の野尻誠さんより)

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みなべ「九条の会」、今年も街宣活動

 5月3日の憲法記念日、みなべ「九条の会」は、今年も街宣活動を実施しました。「流し」と「止まっての訴え」をみなべ町全域で行いました。止まっての街宣はスーパーマーケット、高校生の部活のところ、金融機関や繁華街など聞いてくれそうな場所に止まって朝から夕方まで走り回り「安倍内閣は『安全保障法案』を国会に提出し成立させようとしています。この法案が通れば自衛隊がアメリカの言われるままに地球のどこへでも行って、戦闘地域で後方支援をすることになります。戦闘に巻き込まれれば武力行使もします。テロの標的にもなります。まさに『戦争法案』です。今、声をあげる時です。『戦争につながる法案は反対』と伝え合いましょう」と訴えました。今年も、桐の花や、藤の花が美しく、またこいのぼりも気持ちを癒してくれました。(平野憲一郎さんより)


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(2015年06月03日入力)
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