「九条の会・わかやま」 277号を発行(2015年07月17日付)

 277号が17日付で発行されました。1面は、「和歌山大集会&パレード」2500人が参加、安倍自公政権が戦争法案を衆議院で強行採決、九条噺、2面は、学生ら6万人が国会前で抗議、戦争法案 各社調査で大半が「反対」多数   です。

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「和歌山大集会&パレード」2500人が参加

 7月12日午後3時から和歌山城西の丸広場で、和歌山弁護士会主催の「憲法違反の『安保法制』に反対する7・12和歌山大集会&パレード」が行われました。「戦争法案」の衆議院強行採決の動きが急な中、何としても止めたいと、東は橋本市・伊都郡、南は田辺市・西牟婁郡などからも多数参加し、パレードの直前4時前には2500人の参加者が会場の広場を埋めつくし、安保闘争以来という声も出る大集会になりました。

 まず和歌山弁護士会の木村義人会長が開会挨拶で「安保法制は憲法の恒久平和主義に反し、国会で憲法学者が自民党推薦も含めて憲法違反と述べた。解釈で集団的自衛権の行使を容認する安保法制は憲法9条に違反する。政権が違憲立法しようとする時は在野の法曹は断固阻止しなければならない。皆さんとともにがんばろう」と述べました。
 衆議院議員の岸本周平氏(民主)と宮本岳志氏(共産)が連帯挨拶。岸本議員は「憲法は権力者を縛るもの。解釈を勝手に変えてはいけない。マスコミを懲らしめるなどの言論弾圧発言を許さず、国民の思いと行動で法案を止めよう」、宮本議員は「野党議員、国民とスクラムを組んで阻止したい。憲法学者の大多数が違憲としており違憲立法は明白だ。週末に強行採決をたくらんでいるが、ともに阻止のためがんばる」と訴えました。
 次いで、リレートークに移り、各地・各分野の7名の方から戦争法案阻止の訴えがありました。
 最後に、和歌山弁護士会憲法委員会委員長・由良登信弁護士が参加者数2500人と報告をし、他の大きなイベントが終わって参加する人もあるのでパレードはさらに多くなると付け加えられました。

 パレードは会場内で隊列を整えて出発し、けやき大通りを進み、JR和歌山駅前まで約2㎞を行進しました。先頭からは最後尾が見えないほど長い列が延々と続きました。

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安倍自公政権が戦争法案を衆議院で強行採決

 日本を「海外で戦争する国」にかえてしまう戦争法案を、自民、公明両党は15日の衆院安保法制特別委員会で与党単独で強行採決しました。安倍首相自身が同日の特別委員会で「国民の理解が得られていないのは事実だ」と認めているにも拘らず、一方的に質疑を打ち切る大暴挙です。そして、16日午後の衆院本会議でも自民・公明両党などが採決を強行し、衆院を通過させられました。これは主権者国民の多数の意思を踏みにじる専制政治とも言えるものです。法案は参院に送られ審議に入ります。廃案に向けてのたたかいを一層広げていかなければなりません。

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【九条噺】

 2015年7月15日昼、安保関連法案は衆議院平和安全法制特別委員会で自民、公明の賛成多数で可決された。国会周辺や全国で抗議の集会、デモが沸き起こり、地方議会で慎重審議や廃案を求める決議が上がり、閣僚も「国民の理解が進んでいない」と発言する中で、国民を置き去りの強行採決だ▼さる12日には和歌山でも和歌山弁護士会主催の「大集会&パレード」に2千5百人が参加し「違憲の安保法制を廃案に」と訴えた。強行採決が予想された15日昼には労働団体などの抗議の宣伝行動が京橋プロムナードで行われて筆者も参加した。20余名が、国会の数の力で強行は許せないと駆けつけた▼特別委員会での締めくくり質疑で首相自身「残念ながらまだ国民の理解が進んでいる状況ではない。国民の理解が進むようにしていきたい」と語った由である。今後の衆議院本会議、参議院の審議を通して国民の理解が進むようにどうするというのか▼憲法解釈の変更で集団的自衛権は合憲と言い張ったが、大多数の憲法学者が違憲とする中で壊れた。国会審議で「集団的自衛に参加する事態の基準」を問われて「時の政府が総合的に判断する。細かい基準は世界にさらせない」、「自衛隊派遣のリスク」は「安全だ→リスクは増大するが最小化の努力をする」とまともに答えられない。国民は肝心の説明が聞けてない。世論の批判が広がると「マスコミを懲らしめろ」発言。「自民党感じ悪いね」が流行になった。悪法は廃案へ。(柏)

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学生ら6万人が国会前で抗議

 衆院特別委員会で与党が強行採決を行った15日、午後6時半から総がかり行動実行委員会とSEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)が初めて一緒に呼びかけた国会正門前大集会が行われ、6万人余が参加、廃案を求める怒りの声をあげました。訴えは午後11時半まで続きました。

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戦争法案、各社調査で大半が「反対」多数


    (朝日新聞7月14日付より)

 朝日新聞が14日に発表した各社の世論調査結果のまとめでは大半の調査で「反対」が多数になっています。朝日新聞の調査では6月20、21日の調査から20日間しか経っていないのに、「賛成」が29%から26%に3ポイント減、「反対」が53%から56%に3ポイント増と、ますます「反対」が多くなっています。
 共同通信は「賛成」が27・8%、「反対」が58・7%。毎日新聞は「賛成」が29%、「反対」が58%です。NHKは法制整備を評価するかを聞き、「大いに評価する」が8%、「ある程度評価する」が24%、「あまり評価しない」が31%、「まったく評価しない」が30%で、「評価しない」は計61%になっています。

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(東京新聞7月9日付より)

東京新聞では

 7月9日付東京新聞は、安全保障関連法案に関し、全国の大学で憲法を教える教授ら328人にアンケートを実施し、その結果を発表しました。回答した204人(回答率62%)の内、法案を「違憲」としたのは184人で、回答者の90%に上り、憲法学者の圧倒的多数が違憲と考えている現状が鮮明になりました。合憲は7人(3%)にとどまりました。「違憲」と答えた人は、回答しなかった人も含めた総数328人でみても過半数を占めています。
 違憲理由では、「集団的自衛権行使容認が憲法を逸脱している」が最も多く、6割を超え、「限定的であれ、改憲しない限り不可能」と、限定容認を含め否定する意見も多くありました。
 手続きでは、安倍政権が閣議決定だけで憲法解釈を変更したことに「一内閣の閣議決定で変更した手法に問題がある」との批判が目立ちました。
 9条改憲の是非は、75%の153人が「改正すべきでない」と回答。「改正すべきだ」は17人でした。
 「安倍政権の憲法敵視は、過去のどの政権にも比しえない異常なレベル」「安倍政権や自民党が数の力を背景に、自分の意見だけを一方的にまくしたて、他の言い分は聞かずに無視する態度は大いに疑問」「立憲主義や民主主義と実質的に敵対する国政運営は、国論を一色に染め上げて侵略戦争に突入した戦前を想起させる」「安倍内閣は、対外的には『法の支配』の重要さを言うが、国内では憲法を頂点とする法に対する蔑視が甚だしい」などの声が出ています。

朝日新聞でも

 一方、7月11日に発表された朝日新聞の憲法学者209人へのアンケートでは、回答した122人のうち「憲法違反」と答えた人は104人(85%)、「憲法違反の可能性がある」は15人(12%)、「憲法違反にはあたらない」はたったの2人(2%)でした。違憲か違憲の可能性があると答えた計119人は「集団的自衛権の容認は、解釈の限界を超える」「憲法は武力行使を政策的に判断する権限を政府に与えていない」などを理由に挙げています。

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(2015年07月17日入力)
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