「九条の会・わかやま」 293号を発行(2016年03月05日付)

 293号が5日付で発行されました。1面は、野党5党 1人区の候補者一本化急ぐ、和歌山大学で「民主主義ってなんだろう?」SEALDs KANSAI メンバー招き、 九条噺、2面は、「和歌山障害者・患者九条の会」春の学習会を開催、「安保法制廃止」高校生ら5000人がデモ、大阪でも400人  です。

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野党5党、1人区の候補者一本化急ぐ



 民主党など野党5党の幹事長・書記局長が会談し、夏の参議院選挙で、共産党が定員が1人の「1人区」で党の公認候補者の多くを取り下げる方針を示したことを踏まえ、今後、1人区を中心に野党側の候補者の一本化に向けた調整を急ぐ方針を確認しました。
 国会内で行われた会談には、民主党、共産党、維新の党、社民党、生活の党の、野党5党の幹事長・書記局長が出席し、5党党首会談で、夏の参議院選挙や今後の国政選挙での勝利に向けて最大限協力することで一致したのを受け、具体的な対応を協議しました。
 この中で共産党の山下書記局長は、夏の参議院選挙で定員が1人の「1人区」のうち、民主党や、民主党が推薦する無所属の候補者と競合している21の選挙区について、安全保障関連法の廃止などを公約にすることを条件に、党の公認候補者の多くを取り下げる方針を説明しました。
 そのうえで野党5党は、協議を定例化した上で、全国で32ある1人区を中心に野党側の候補者の一本化に向けた調整を急ぐ方針を確認しました。
 また、次の衆議院選挙に向けて、小選挙区での候補者調整も検討していくことになりました。
 民主党の枝野幹事長は会談のあと記者団に対し、「共産党の方針を敬意を持って受け止めており、今後は共産党との2党間でも協議していきたい」と述べました。  また、共産党の山下書記局長は「1人区の候補者調整を優先することで、おおかた一致した。民主党との間で、できるだけ早期に協議に入りたい」と述べました。(NHKニュース2月23日付)

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和歌山大学で「民主主義ってなんだろう?」
「SEALDs KANSAI」メンバー招き




 3月29日、和歌山大学内で、「SEALDs KANSAI」のメンバーを招いて「民主主義ってなんだろう?」を主題にしたパネルディスカッションが行われ、和歌山大学生など約60名が参加しました。
 まず主催者の越野事務局長が、「安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会」(略称WAASA・ワーサ)に改称して以後、今回は第2回のシンポジウムになる。3月の安保法施行に伴い戦争への動きに一つずつ反対していくとともに、大学の学問研究には平和と民主主義が前提になるので「民主主義とは何か?」に広げて今回テーマにしたと述べ、真実を貴び学び合おうと呼びかけました。
 パネルディスカッションはシールズメンバー3名が発言。
 Tさんは、おかしいことには「おかしい」と声を上げ始め、デモの他に学習会、シンポジウム、パンフ作りなども続けていることを紹介。自身の体験として、9・11で泣いたアメリカ人が報復に走って中東の子どもを泣かせたことへの疑問、3・11を機に原発について政府説明や教科書で知らされていない真実を知り、声を多くの人に伝えたくてデモに参加し始めたことなどを語りました。最後に「一国平和主義でなく武力を用いない安全保障を世界に広げることこそ大切」と述べました。
 H君は、誘った和歌山大学生が15人参加してくれて嬉しいと語り、今は歴史のどこにいるのか考えるとして「国がめざす安保政策に生活を我慢して付いて行くのか」と問いました。昨年の安保法制強行を見て、瀬戸内寂聴さんの「青春は恋と革命」という激励を聞き「学ばなければ」と思った。思考には知識と感性が必要だ。大学を民主主義あふれる場に、選挙を通して良い日本にと呼びかけました。
 O君は、運動への参加の経緯などを語りました。3・11は大学1年でデモには「ゼロか1か思考」から「熱くなってどうする」と否定的だったが、秘密保護法の時「秘密取扱者適格性」など生活に関わる問題を感じ、教授の「法案は通るかも知れないが、問題は明白になる」の言葉で「0/1思考」が「グラデーション認識」に変わり、デモの有効性を悟った。SASPLで運動したが、民主主義に広げてシールズを立ち上げたと紹介。署名・デモ・選挙などの運動を、一人で全部するではなくみんなで分けあってと述べ、選挙について「代りが無いから安倍」は不健全、「当り前のことを実現する代表を」と指摘しました。
 続いて、パネラーが多様な質問に答えました。質問は、「選挙への市民参加は良いが一部政党だけ推すことになるのでは」「声を上げにくい空気の中で横のつながりをどう作る」「シールズ関西の組織とは」「安保法制が戦争法とはなぜ」「これからの日本の安全保障をどう考える」「1対1の対話も大事では」などでした。会場から「H君の『今は歴史のどこ』に感銘」「私は卒業2年目だが、後輩は心強い」との感想が出されました。
 最後に主催者の久保氏が、パネラーの発言の特徴に触れつつ、学生中心で会が成功したことを確認し、和歌山大学内での学習を広げていこうと締めくくりました。

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【九条噺】

 先日、米国の研究チームが初めて重力波を観測したと発表した。重力波は100年前に、アインシュタインが一般相対性理論に基づき存在を予言したもので「アインシュタインの最後の宿題」と言われているそうだ▼重さ(質量)を持った物体がある時空は歪むという。私たちには「時空が歪む」と言われても「どういうこと?」となるが、ここでは置いておいて、その物体が動くと歪みがさざ波のように光速で宇宙空間に広がるという。手を動かしても重力波は発生するが、あまりにも小さく測定不能。そこでブラックホールの合体などによる重力波を観測する。その重力波が来ると2点間の距離は伸び縮みする。それをレーザー光で測定するそうだが、その伸縮距離は、地球と太陽の距離(1億5千万㎞)を水素原子一粒分動かす程度だそうだ。これは1京分の1(京=1億の1億倍)で、どうして測定できるのか不思議に思う▼今回は米国の観測施設「LIGO」で観測されたが、日本も岐阜県飛騨市の地下に「KAGRA」を建設中で、地下のためノイズの影響を受け難いので相当高性能らしい。きっと重力波天文学などに大きな貢献をすることだろう▼日本が世界に貢献できることは、科学・技術、医療、教育、環境問題などたくさんあるが、絶対に軍事ではない。安倍首相も集団的自衛権行使や9条改憲などに血道をあげるのではなく、科学者たちの思いに寄せて、平和で人類の進歩に貢献することを考えてはどうか。と言っても安倍首相では無理か。(南)

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「和歌山障害者・患者九条の会」春の学習会を開催



 2月21日、和歌山市あいあいセンターで、由良登信弁護士を迎え、戦争法について学習会を27名の参加で開催しました。
 由良弁護士は「戦争法をめぐる情勢と今後の闘いの展望」と題して次のように語られました。
①安倍首相のスローガンは2つ。戦後レジームからの脱却と世界で一番企業が活動しやすい国にすること。
②戦争法は様々な状況に対処できるように作られているので、非常に分かりにくい法律だ。
③南スーダンに派遣されている自衛隊は、戦争法が施行されると武力行使目的で派遣されることになる。
④安倍首相は明文改憲に乗り出すと公言し始めている。災害時などへの対応のために「緊急事態条項」を入れると言い出している。これは大変な「劇薬」で、総理大臣が「緊急事態」と認定したら国会、憲法を停止することができる。
⑤野党5党が共同で戦争法廃止法案を国会に提出した。戦争法に反対する議席を取るために参院選が重要になる。和歌山では統一候補擁立に向けて運動を進めている。
⑥憲法を守る運動は、息切れしないように楽しい企画をやり続け、それをマスコミに取材させることが大切。
と、とても分かりやすくお話しいただきました。そして会の終了まで、参加者の質問や意見に丁寧に答えてくださいました。
 本会は、今年6月に結成10周年を迎えます。障害者の戦争体験を聞く会なども企画していきたいと思っています。(「会」の野尻誠さんより)

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「安保法制廃止」高校生ら5000人がデモ



 安全保障関連法に反対する高校生グループ「ティーンズソウル」のメンバーらが21日、東京や仙台、大阪など全国約10カ所で、安保法の廃止と安倍首相の退陣を求めて一斉デモを行った。今年夏の参院選から「18歳選挙権」が実現するのを前に、政治への関心を社会にアピールした。
 東京・渋谷の繁華街で行われたデモでは、数十人の高校生のほか家族連れや高齢者らが約1時間にわたり渋谷駅前などの大通りを行進した。制服姿の高校生の姿もみられ、軽快なリズムの音楽に合わせて「集団的自衛権はいらない」「選挙に行こう」などと声を上げた。ティーンズソウルによると、約5000人が参加したという。
 高校3年の福田龍紀さんは、「安保法の一番の問題は憲法違反だということ。昨年夏に盛り上がった(安保法案反対の)ムーブメントをもう一度起こしたい」と話す。
 福田さんが初めてデモに参加したのは2年前。特定秘密保護法に反対する大学生らの姿に「自分とあまり年齢の変わらない人たちが真剣に社会のことを考えている」と刺激を受けた。昨年7月、デモで知り合った仲間とティーンズソウルを結成。現在、メンバーは全国で60人以上という。「『高校生がデモなんかするな』とネットでたたかれたこともあった。けれど、一人一人が自分の意見を持ち、おかしいと思うことに声を上げるのは大事なこと。参院選でも自分の意思を示したい」と意気込みを見せた。

 ◆大阪でも400人

 大阪市内では「ティーンズソウル・ウエスト」などが企画したデモがあり、支援者を加えた約400人(主催者発表)が参加。幹線道路沿いを1時間かけて歩き、「選挙に行こうよ」「安保法制は絶対廃止」などと訴えた。大阪府内の私立高校2年、中尾詩穂里さんは「安保法の問題点を自分の言葉で伝え、知ってもらうことが大事。参加者に一体感があった」と手応えを語った。行進に先立って開かれた集会では、民主、共産などの野党5党が安保法廃止法案を衆院に共同提出したことをアピールした。(毎日新聞デジタル版2月21日付)

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(2016年02月21日入力)
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