「九条の会・わかやま」 295号を発行(2016年04月06日付)

 295号が6日付で発行されました。1面は、「サウンド・ウォーク・フェスタ」開催 民主主義は黙らない、「守ろう9条 紀の川 市民の会」第12回総会開催、九条噺、2面は、戦争法施行 37都市で抗議集会、「憲法大好き町民のつどい」開催 九条の会いなみ  です。

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[本文から]

「サウンド・ウォーク・フェスタ」開催
民主主義は黙らない




 「サウンド・ウォーク・フェスタ」が3月27日、和歌山城・西の丸広場で開催され、約200人が参加しました。
 全体集会では、「安保法制の廃止を求める和歌山の会」の由良登信弁護士が、「私たちは、今度の参議院選挙で憲法違反の戦争法に賛成した議員と、その所属の党の議員を当選させてはならない。落すためには勝つ候補を立てて、当選させなければならない。今、和歌山の野党からは我々の訴えに対して、応えたいという返事をもらっている。民主党も共産党も、会が統一候補を擁立すれば、予定候補者を降ろし、和歌山で一人の候補者の当選を目指すという確約まで得ている。市民が候補者を立て、市民が支え、広げる運動をし、当選をして市民のために働いてもらう、これが民主政治の選挙のあり方だと思う」と訴えました。
 和歌山大学の服部涼平さんは、「このまま黙っていていいのか。黙ることはYESと同じだ。自衛隊員が死ぬことも、殺すことも普通のYESになっていく日本を見たくはない。だから目をそらす訳にはいかない。民主主義は黙らない」と訴えました。
 集会終了後はサウンド・カーを先頭に、西の丸広場から三木町、北新橋、和歌山市駅と、市内中心部を4分の3周するコースでサウンド・ウォークが行われ、「選挙に行こうよ」「安倍政権から憲法守ろう」「和歌山を変えるのはいつだ? 今だ!」「民主主義ってなんだ? これだ!」などとアピールしました。今回は若者やママたちが企画をし、日頃とはちょっと違った賑やかなウォークが行われ、沿道の人たちの注目を集めました。



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「守ろう9条 紀の川 市民の会」第12回総会開催



(原通範代表)

 「守ろう9条 紀の川 市民の会」は4月2日、和歌山市・河北コミュニティセンターで、約60名の参加のもと第12回総会を開催しました。
 原通範代表は、「戦争は決して国民を守るものではない。戦争をする国になるとテロが我々にとって身近な危険になる。2000万人署名を推進し、本日の講演を聞いて戦争しない国を守るために国民の先頭に立って頑張ろう」と挨拶をしました。

 続いて、龍谷大学法科大学院教授(憲法学)石埼学氏が「戦争法は廃止、憲法9条が輝く日本を取り戻そう~今、私たちにできること~」と題して講演をされました。石埼教授は、憲法9条は戦争の惨禍の記憶、核戦争の危機、構造的暴力のない世界への渇望などから出来ていて、平和的生存権は権利へ進化した。9条1項と2項は何を認め、何を禁止しているのかという規範内容を解説され、総力戦、核戦争、空爆、パルチザン戦、対テロ戦争など様々な戦争がある現在では、憲法9条が最も現実的な選択肢だと解説されました。安保関連法は従来からどこがどう変わり、何が出来るようになったかを説明された上で、安保関連法が「戦争法」といわれる所以を示されました。その上で、従来自衛のための必要最小限度の実力の保持と個別的自衛権の行使としての武力行使を合憲としてきたにも拘らず、安倍首相が9条改憲を狙うのは、海外派兵する自衛隊の合憲化が目的だと指摘されました。さらに今問題になっている、緊急事態条項とは何か、その危険性は何かを具体的に示され、自然災害のために必要だという議論はまやかしだと指摘されました。そして、私たちにできることは行動すること、地域の地道な9条の会の活動や安保関連法の廃止を目指す政党・議員への投票などを訴えられました。講演は「あなたが平和憲法を大切だと考える理由は?」などの質問を参加者に投げかけながら進められました。
 総会議事は昨年度の活動報告、会計報告、本年度の活動方針、予算が承認され、運営委員を選出して終了しました。(講演要旨は次号以降に紹介予定)



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【九条噺】

 我が家の横は山なので野生動物が庭に来ることがある。イノシシに庭をブルドーザーで掘り返したようにされたり、サルに柿の実を食べられたこともあったが、近所で獣に怪我をさせられたという話は聞かない。彼らも生きるためだから、大目にみる必要がある▼野鳥の訪問も多い。メジロ、キジバト、ヤマガラや名も知らない鳥も多く、可愛い声を聞かせてくれる。その代表格はウグイスだ。庭のすぐ横で鳴いているのに、姿を見かけることはめったにない。3月中頃に今年初めてウグイスの鳴き声を耳にした。か細い声で、私には、「ホーホケキョ」ではなく「ホーケキ」と聞こえた▼ウグイスの英名は「Japanese Bush Warbler」というそうだ。辞書を引くと、「Warbler」はムシクイという鳥のことで、別の意味は「さえずるように歌う人」だという。「Bush」は藪や茂みだから、「茂みで歌う日本の美声の歌手」とでもいうところか▼ウグイスの若鳥は幼い頃に聞いた他のウグイスのさえずりを覚えていて、次の春にそれを思い出しながら練習して、だんだん上手になっていくそうだ。私が聞いた鳴き声の主はきっと若鳥だったのだろう▼きれいな歌声を真似て上手になるウグイスは結構だが、親鳥(アメリカ)を真似て戦争が上手になり、親鳥と一緒に戦おうと考えるどこかの首相には、ウグイスを見習い、もっとよいことを真似て、国民が喜ぶことをしてみたらと言いたい。(南)

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戦争法施行、37都市で抗議集会



(大阪駅前)

 安全保障関連法が29日に施行されたが、国民の賛否が割れている状況は、昨年秋の安保関連法成立時から変わっていない。毎日新聞の調べでは同日、少なくとも全国37都市で抗議の集会やデモがあった。同法を憲法違反だとする市民らによる集団提訴の動きもある。
 東京・永田町の国会前では午後6時半ごろ、安保法に反対する学生たちの団体「SEALDs(シールズ)」などの呼びかけで約3万7000人(主催者発表)が集まった。プラカードや横断幕を掲げながら「戦争反対」「自衛隊を派兵するな」と声を合わせた。長男(5)を連れた新宿区の主婦は「昨年の強行採決を見て政府を全く信用できなくなった。長い闘いになると思うが、やれることをやる」と話した。
 大阪市のJR大阪駅前では、「SEALDs KANSAI(シールズ関西)」が企画した街宣活動に約1700人(主催者発表)が参加。スピーチに立った和歌山大3年、服部涼平さんは「何気なく今日を過ごしているが、ここから戦争する社会に変わっていってしまうかもしれない。全ての人の命が等しく守られない政治の在り方に反対する」と訴えた。
 長野市のJR長野駅近くの公園には約300人が集まり、沖縄戦を経験した同市の親里千津子さんが「人は経験を通じて成長するが、戦争だけは絶対に経験してはいけない」と声を上げた。
 安倍晋三首相の地元、山口県下関市の市役所前では約50人が集まった。同市の高校1年、酒本慧音さんは「昨年の(安保関連法)強行採決を見ておかしいと思った。若い人たちが自分で考えて行動することが大切だと思う」と話した。(毎日新聞デジタル3月29日)

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「憲法大好き町民のつどい」開催
九条の会いなみ




 3月26日、印南町公民館で「憲法大好き町民のつどい」(「九条の会いなみ」主催)が約50名の参加で開催されました。
 ロビーには、原水協の「ヒロシマ・ナガサキ原爆と人間」の写真が展示され、「つどい」が充実したものになりました。
 「つどい」ではドキュメンタリー映画「轟音」の上映と、この映画に登場する古久保健さんの講演が行われました。
 45年5月5日、B29が今の田辺市龍神村に墜落。乗組員のほとんどは、見るも無残な死をとげる。村人たちは毎年欠かさず、死亡したアメリカ兵の慰霊祭を続けている。龍神村在住の古久保さんは父を戦争で失う。誕生前に出征し、誕生から10カ月後に戦死。一度も対面はかなわなかった。小学2年だった45年、自宅の裏山にB29が墜落する。それは幼心に大きな衝撃をもたらした。彼は教職退職後に、父が戦死した中国を訪問し、父が倒れた土地に触れたとき、一つの想いが芽生える。龍神村に墜落したB29の遺族も、家族がどんな場所で亡くなったのか知りたいのではないか」という想い。彼は遺族さがしを始めた。そして奇跡的に遺族と対面することに。「自分には全てを伝える責任がある」。彼は、一つの使命感を持って渡米するのだった。古久保さんの強い想いが、次々と人から人へとつながって、ついに遺族の方と対面した。――非常に感動的なお話でした。
 映画の中で古久保さんが語ったことは、「戦争がなければ、戦争がなければ…。僕はもっと、幸せだったと思う」。このことばを、今こそ私たち一人ひとりが心に刻んで、「戦争しない国」をいつまでも守り続けていきたいものです。
 最後に、参加者一同の名で安倍首相に「安全保障法制廃止」の要請文を送り、私たちの思いを届けることが決まりました。(「会」の宮本浩子さんより)

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(2016年04月07日入力 2024年4月20日修正)
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