「九条の会・わかやま」 315号を発行(2017年1月24日付)

 315号が1月24日付で発行されました。1面は、第31回「ランチタイムデモ」実施、衆院選共闘へ4野党幹部らアピール、「総がかり国会行動」に3000人、九条噺、2面は、安倍政権NO+野党共闘!「1・14大行進in渋谷」実施、言葉「共謀罪」  です。

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第31回「ランチタイムデモ」実施



 1月16日、寒風吹きすさぶ天候の下、第31回「ランチタイムデモ」が行われました。
 和歌山市役所前での出発に際し藤井幹雄弁護士は、「共謀罪」について「テロ対策を名目に、個人の心の中まで土足で踏み込み支配しようとするもの」と厳しく批判し、国民を監視し、市民運動や政党活動に重大な侵害、影響をもたらす恐れのある「共謀罪」を絶対に許してはならないと訴えました。
 70人の参加者は寒さにもめげず、「共謀罪を許さない」などと訴え、京橋プロムナードまで行進しました。
 次回は2月13日(月)です。

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衆院選共闘へ4野党幹部らアピール



 民進、共産、自由、社民の4党の幹部が7日、東京・新宿駅前で街頭演説し、安倍政権に対抗するため、次期衆院選に向けて野党共闘を進める姿勢をアピールした。安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合などが主催した。
 民進の安住淳代表代行は、各党には安保政策などで違いがあるとしつつ、「政策について話し合って一定の幅に収め、小選挙区で自民党の候補者に一対一で向き合う構図を作りあげていく」「多少の違いをあげつらうのではなく、大局に立って連携していく」と、選挙協力の進展に意欲を示した。共産の志位和夫委員長は「共通政策を豊かにする」「相互推薦・支援」「政権問題での前向きな合意」の3点を改めて要請したうえで、「相互の違いを互いに尊重しつつ一致点で団結して戦う」と強調した。自由党の青木愛副代表は「野党各党が結集し、しっかりとした選択肢を国民に示さなければならない」、社民党の福島瑞穂副党首は「野党共闘と市民共闘で安倍内閣を退陣に追い込む」と訴えた。(朝日新聞デジタル1月7日付)

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「総がかり国会行動」に3000人



 今年初めての「総がかり国会行動」が1月19日に行われ、3000人が参加しました。
 集会は、沖縄の歌「花」のミニライブで始まりました。そして参加者全員で、「戦争法の発動を止めよう」「駆け付け警護絶対反対」「辺野古に基地は作らせない」「原発再稼働絶対反対」「共謀罪は絶対反対」などのシュプレヒコールが続けられました。
 続いて、各党派の代表から挨拶があり、沖縄の風・糸数慶子参院議員は、「安倍政権打倒を誓いたい。新たな基地は全て戦争につながる」。民進党・近藤昭一衆院議員は、「安倍政権は真逆をやっている。野党はしっかり共闘しなければならない」。社民党・吉田忠智党首は、「戦争法廃止に向けて粘り強くたたかおう。共謀罪を阻止しよう。4党、1会派が結束して臨みたい」。共産党・井上哲士参院議員は、「明日から始まる国会を安倍政権を打倒し、立憲主義を生かす国会にするために、一緒になって全力を尽くしたい。安倍政権の暴走を止める力は市民と野党の共闘しかない」と訴えました。
 続いて、総がかり行動実行委員会共同代表・小田川義和さんが、「戦争法廃止、格差と貧困の是正、安倍政権打倒の声をあげる場として19日行動を粘り強く継続したい」「安倍政権の戦争体制づくりはさらに加速している」と訴えました。最後に、許すな!憲法改悪市民連絡会・高田健さんが行動提起を行い、「大衆行動を全国各地で盛り上げる。そして今年に予定されているといわれる衆院選で市民と野党の共闘で自民党の過半数を破り、安倍内閣を退陣に追い込むこと」と強調しました。

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【九条噺】

 おだやかな天気で迎えた年明け。当会の呼びかけ人の一人・宇江敏勝さんの『流れ施餓鬼』を読んで過ごす。いくつになっても新年は新たなおもいが宿る▼そんな国民の胸中に水をさす、いや、怒りを覚えさす首相の発言。「新しい時代にふさわしい憲法はどんな憲法か。今年は議論を深め、形づくっていく年にしたい」「本年、安倍内閣は新たな国づくりを本格的に始動する」等々! 昨年暮の沖縄でのオスプレイの事故。安倍内閣は原因の徹底究明もないままに「理解」を示し、飛行を再開させた。給油訓練までもアメリカのいいなりに許可を与えた▼「カジノ法」、TPPと関連法を強行採決で押しきり、医療・介護、年金などの社会保障の改悪が計画されている。国民の願いを一顧だにせず、よくもまあ、困ることを次々にできるものだとあきれる▼だからこそ、野党は新年早々から一斉に街頭へ出た。東京で、市民連合と4野党は「安倍政権を倒す共闘」を訴えた。テレビの日曜討論で、民進党・蓮舫代表は「もう共闘は課題ではない。実務者の調整が始まった。前に進める時期に来ている」と発言し、共産党の志位委員長は昨年本格的に始まった市民と野党の共闘の流れを、「今年はもっと大きく発展させたい」と語った▼ここに今年の新たな希望を見出す。憲法施行70年の今年、「戦争をしない」「戦争のない世界」の理想を掲げた日本国憲法を活かす政治を切り開く歩みを、一歩ずつ進めていきたいと思う。(真)

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安倍政権NO+野党共闘!「1・14大行進in渋谷」実施



 安倍政権の暴走を許すな!野党は共闘しようと安倍政権NO☆実行委員会は、1月14日渋谷・代々木公園ケヤキ並木で集会、渋谷から原宿へデモ行進を行ないました。小雪まう底冷えのする寒い日でしたが、2000人が参加し、「安倍はやめろ」「一緒に変えよう」と安倍政権の早期退陣を求め熱く訴えました。
 13時過ぎから始まった集会では、主催者を代表して首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさんは、「台湾も脱原発に舵を切った。比べて日本のていたらくは恥ずかしい限りだ。市民と野党の共闘で安倍政権にNO!を突き付けよう」とあいさつしました。
 「I am not ABE」の提唱者・元経産省官僚の古賀茂明さんは、「安倍批判ではなく安倍のやっていることは間違っているという意思表示だ。原発輸出・武器輸出・ギャンブルの3本の矢は、悪魔の成長戦略だ。新潟の米山知事を誕生させたのは市民の力、夜明けは近い、そう信じてがんばろう」と訴えました。



 野党共闘を可視化しようと4野党があいさつ。自由党の渡辺浩一郎東京都連会長は、「原発にかわるエネルギーはたくさんある。ドイツや台湾でも止める方向で動いている。政治の決断で原発をやめさせること。野党共闘で政権交代を」。日本共産党の吉良よし子参議院議員は、「安倍首相は酉(とり)年は変化の年というが、市民と野党の力で転換させる年にしよう。福島切りすて、南スーダンへの派兵などいのちと暮らし、民主主義をないがしろにする安倍首相は、国の長として恥ずべきだ。世界に誇る日本国憲法を変えさせてはならない」。社民党の福島瑞穂参議院議員は「1月20日から始まる通常国会、残業代ゼロ法案の廃案、現代版『治安維持法』である『共謀罪』の提出を許さない。沖縄や原発問題も国会・自治体・裁判・選挙などのたたかいで止めよう。憲法施行70年の年、韓国のようにみんなの力で安倍を退陣させよう」。民進党の菅直人元首相は、「世界の流れは原発廃炉へと向っている。昔は薪でエネルギーを供給してきたように、農山村を生きかえらせ再生可能エネルギーを生み出すことが可能。飛躍の年にしよう」と呼びかけ、「『野党共闘』で政権交代を実現しよう」と声をあげました。
 14時からサウンドデモ、ドラム隊、プラカードなど趣向を凝らし、大勢の若者で賑わう渋谷から原宿にかけての4キロをデモ行進して訴えました。沿道から手を振る人、写真を撮る人も多く、注目度抜群のデモになりました。(憲法共同センターNEWS192号1月16日付)

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言葉「共謀罪」

 安倍政権は、「テロ等準備罪」に言い換えた「共謀罪」法案の今国会への提出を狙っています。00年の国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」が締約国に「共謀罪」の立法化を要求しており、批准するために絶対必要だと説明していますが、条約は、「自国の国内法の基本原則に従って」としており、立法措置をしなくても条約は批准できます。そもそも「国際組織犯罪防止条約」は、テロ対策を目的としたものではなく、マフィアや暴力団などの「金銭的利益その他の物質的利益を得る目的」とする犯罪を各国の協調で断ち切ることを目的として締結されたものです。
 「共謀罪」法案は犯罪の計画を相談、合意しただけで処罰する法案です。日本の刑事法体系は「既遂」を原則としています。例え「殺したい」と思っても、その行為を実行しない限り罪にはなりません。法案は思想信条や表現の自由などの基本的人権の侵害につながりかねず、戦前・戦中に思想弾圧をし、多くの犠牲者を出した治安維持法の現代版といえます。安倍首相らは、「一般人は対象にならない」などと言いますが、その法的保障が明らかになっている訳ではなく、政府や警察の恣意的権力行使の歯止めにはなりません。
 共謀罪の最も危険な本質は、犯罪は行為であり、思想や言論は処罰しないという近代刑法の根本原則を覆すことです。「共謀罪」という新しい犯罪を定義するのではなく、一般犯罪を「共謀」の段階から処罰の対象にするものです。テロやテロの準備行為に限定されている訳ではなく、676もの犯罪に共謀罪が成立すると指摘されています。
 犯罪の計画を、相談、合意しただけで警察は強制捜査に乗り出すこともできます。警察や国家権力が日常的に国民を広く監視することになり、「個人の尊厳」と基本的人権が常に国家権力に脅かされることになります。特に、市民運動団体や政党の活動を侵害したり、萎縮させたりする恐れがあります。
 犯罪は通常、動機、決意、相談と犯罪の合意(共謀)、計画、準備、実行と進み、結果が生じます。刑法は、すべてを処罰対象とせず、例えば、殺人罪であれば生命という法益の侵害結果(死)の既遂を処罰し、現実的危険の発生(未遂)について個別に処罰します。準備や相談では、実際に実行されるかどうかも分からず、危険があるといっても抽象的で、殺人などの重大犯罪について例外的に「予備罪」が処罰される体系になっています。
 政府は、相談=共謀の他に「準備行為」を必要とすれば限定になると言います。「予備罪」なら、例えば、殺人罪なら、ナイフや拳銃を調達するなど、犯罪の実行にふさわしい危険を備えたものであることが必要とされます。しかし「準備行為」は「予備罪の予備のように一定の危険性を備えている必要はなく」「資金又は物品の取得」で足りるとされています。これでは共謀に加え、「ATMで現金をおろす行為」があれば処罰されてしまいます。現金をおろすこと自体は犯罪ではあり得ず、客観的危険性もないので、結局は共謀に基づき犯罪をする意思を持っていることで処罰することになってしまいます。

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(2017年01月23日入力)
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