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第32回「ランチタイムデモ」実施
2月13日、寒さの厳しい中、第32回「ランチタイムデモ」が行われました。
和歌山市役所前での出発に際し藤井幹雄弁護士は、「共謀罪」について「国会論戦で問題点が次々明らかになっている」、また南スーダンで戦闘があったのに、稲田防衛相の「憲法に抵触するから戦闘と言わない」という発言を厳しく批判しました。
70人の参加者は寒さにもめげず、「憲法の破壊を許さない」「共謀罪を許さない」などと訴え、京橋プロムナードまで行進しました。
次は3月14日(火)です。
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総がかり行動4000人が集会・パレード
安全保障関連法に反対する市民団体「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」は19日、東京・日比谷野外音楽堂で安倍政権に抗議する集会を開いた。野党の国会議員らが、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐる稲田朋美防衛相の発言などを批判した。
同委員会によると、集会には約4千人が参加した。民進党の山尾志桜里氏は稲田氏の発言を踏まえ、「(南スーダンでの)『戦闘行為』を『武力衝突』という言葉に置き換え、真実を消す権力と戦わないといけない」とあいさつ。共産党の小池晃書記局長も「野党と市民で力を合わせて言葉を壊す政権を倒そう」。社民党の福島瑞穂副党首は「戦闘と言えば憲法9条違反になり、衝突と言えば違反にならないと考える稲田氏には退陣してもらおう」と訴えた。
(朝日新聞デジタル2月20日)
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2月19日、日比谷野外音楽堂で「格差・貧困にノー!!みんなが尊重される社会を!」をテーマに、総がかり行動が実施されました。主催は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会。集会には4000人が参加しました。
メインスピーチの東京大学大学院教授・本田由紀さんは、国民生活が悪化し、先進国との比較でも悪い値は最高で、良い値は最低だと指摘し、「声を上げることで政治は変わる」と力強く話しました。
次に、参加した政党代表があいさつ。民進党の山尾志桜里国民運動局長(衆院議員)、日本共産党の小池晃書記局長(参院議員)、社民党の福島瑞穂副党首(参院議員)、自由党の渡辺浩一郎都連会長の4氏が訴えました。小池氏は、「アベノミクスで暮らしがひどくなった。この政治、経済、民主主義を変える時です。税金の使い方を変えなくてはならない」と強調しました。さらに、市民や弁護士らが「労働と貧困」「奨学金と貧困」「シングルマザーと貧困」「災害と貧困」などをテーマに発言しました。大学院生の諏訪原健さんは自身の奨学金の返済額が1000万円を超えると話しだし、「皆さんと一緒に声をあげ、行動すれば社会は希望のあるものに変えられます」と呼びかけました。また、昨年参院選熊本選挙区で野党統一候補となった阿部広美さんは、熊本地震が貧困を拡大している実態を報告し、「市民が安心して希望が持てる社会をつくる思いを大きく発信して行こう」と語りました。
参加者は集会後、銀座に向けてパレード。「貧困をなくせ」「格差をなくせ」とコールしました。
(《憲法会議》憲法しんぶん速報版2月20日付)
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稲田防衛相の辞任求め…国会前抗議集会
安全保障関連法の廃止と南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊派遣の中止を求める抗議集会が17日夜、国会前であった。10日に続き2回目。約1100人(主催者発表)が集まり、稲田朋美防衛相らの辞任を求めるシュプレヒコールが響いた。
南スーダンPKOでは、陸自派遣部隊が作った日報に「戦闘」の表現が繰り返し使われていたことが発覚。「法的な意味では戦闘でなく武力衝突」とする稲田氏の国会答弁もあり、批判が出ている。抗議集会は、安保法制反対を訴える各種団体の関係者らがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で呼びかけた。
参加者たちは「安保法制ただちに廃止」などとシュプレヒコール。「安倍政権はやりたいことに合わせてルールをねじ曲げる」などの声が上がった。
(毎日新聞2月18日付)
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【九条噺】
安倍政権は、「テロ等準備罪」と言い換えた現代版「治安維持法」と言われる「共謀罪」法案を今国会に提出しようとしている。戦前「治安維持法」で弾圧された北川宗藏の事件を紹介したい▼北川は1944年3月、治安維持法違反で検挙された。和歌山高商(現・和歌山大学経済学部)の教授で、ヘーゲル、マルクスの弁証法の研究者であった▼内務省警保局発行の『特高月報』には北川について、「一般大衆特に学生層に対する共産主義思想の浸透を図り、現行経営学の資本主義的性格と其の矛盾欠陥を暴露指摘し真の科学たる経営学は唯物弁証法に依拠せざるべからざる旨を示唆強調したる論文を執筆掲載して学生並に一般大衆の啓蒙に努むると共に自己の教子等と屡々会合して意識の啓蒙指導を為しつつありたり」とある▼北川は、見ての通り教え子に「会って」学問研究を「話した」だけなのに懲役2年の実刑となった。これが治安維持法だ▼北川は大阪刑務所で服役。敗戦を迎え、45年10月に釈放された。戦後は民主主義科学者協会など、和歌山の民主主義運動の先頭に立って奮闘したが、53年12月、49歳の若さで死去した▼「共謀罪」は「組織的犯罪集団」が対象と言うが、その「集団」には何ら定義がない。「みんなで役所に行って陳情しようと相談した」ら、恣意的に威力業務妨害の共謀罪に問われる可能性すらあるという。「みんな」が「犯罪集団」とされ、「会って話した」だけで罪になる「共謀罪」は日本国憲法を武器に葬らねばならない。(南)
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「平和への権利宣言」国連総会で採択、日本は採決反対
【平和への権利宣言(抜粋)】
第1条 すべての人は、すべての人権が保障され、発展が実現するような平和を享受する権利を有する
第2条 国家は、平等、正義および法の支配を尊重し、平和を構築する手段として恐怖と欠乏からの自由を保障すべきだ
第3条 国家、国連は、この宣言を実施するために適切で持続可能な手段を取るべきだ。市民社会は支援を奨励される
第4条 寛容、対話、連帯の精神を強化するため、国際・国家機関による平和教育が促進される
第5条 この宣言は、国連憲章、世界人権宣言および国際・地域文書に沿って理解される
平和に生きる権利をすべての人に認める「平和への権利宣言」が国連総会で採択された。国家が関与する戦争や紛争に、個人が「人権侵害」と反対できる根拠となる宣言。日本の非政府組織(NGO)も深く関与し、日本国憲法の理念も反映された。NGOは宣言を具体化する国際条約をつくるよう各国に働きかけていく。
日本のNGO「平和への権利国際キャンペーン・日本実行委員会」によると、きっかけは2003年のイラク戦争。多くの市民が巻き込まれたことをスペインのNGOが疑問視し「平和に対する人権規定があれば戦争を止められたのでは」と動き始めた。賛同が広がり、NGOも出席できる国連人権理事会での議論を経て、昨年12月の国連総会で宣言を採択した。
宣言は、すべての人が「平和を享受する権利を有する」と明記。宣言を実施するための「適切で持続可能な手段」を各国や国連に求めた。国連が「平和への権利」を個人の人権として認めた意義は大きい。
立案段階で日本実行委は「全世界の国民が、平和のうちに生存する権利を有する」との日本国憲法前文を伝え、宣言に生かされる形に。憲法施行70年となる今年、各国のNGOとともに、国際条約をつくって批准するよう働き掛けを強めていきたい考え。
ただ、国連総会では、米英などイラク戦争の有志連合の多くが反対。日本も反対に回った。日本外務省人権人道課の担当者は「理念は賛成だが、各国で意見が一致しておらず議論が熟していない」と説明する。
(東京新聞2月19日付)
平和への権利国際キャンペーン日本実行委員会HP → http://www.right-to-peace.com
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稲田防衛相PKO戦闘答弁に波紋 野党「語るに落ちた」
自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)を巡り、稲田朋美防衛相の国会答弁が波紋を広げている。現地の政府軍と反政府勢力の争いを「戦闘行為」と認めれば憲法9条に抵触しかねないので、表現を「武力衝突」と言い換える…。自らあけすけにそう認めたとも受け取れる答弁をした。野党側は「語るに落ちた」と攻勢を強めている。
問題の答弁は8日の衆院予算委員会で飛び出した。民進党の小山展弘氏が、廃棄したとされる陸上自衛隊部隊の日報が見つかった問題を取り上げ、日報の「戦闘が生起した」という記述について政府の認識をただした。
南スーダンの首都ジュバで昨年7月、政府軍と反政府勢力の大規模な衝突が起き、戦車も繰り出され死傷者数百人が出た。日報はこれを「戦闘」と表現したが、稲田氏は「一般的な用語では戦闘だが、法的な意味では戦闘ではなく武力衝突」と説明。食い下がる小山氏に「憲法9条上の問題になるので『戦闘』ではなく『武力衝突』という言葉を使っている」などと述べた。
答弁を巡る混乱を受けて、河野克俊統合幕僚長は9日の記者会見で、「戦闘」という表現が議論を招くことを踏まえ日報を作成するよう部隊に指示したと説明。混乱をきたすことへの懸念を表明した。
14日の衆院予算委では稲田氏に代わり安倍晋三首相が答弁して紛糾。民進の辻元清美氏は「(首相に)助けてもらわないと答弁できない。蚊帳の外大臣か」と批判。野党議員が「首相の駆け付け警護はやめて」と皮肉る場面もあった。
憲法9条は海外での武力行使を原則禁じている。派遣先の国で戦闘行為があればPKOを実施する条件(PKO5原則)が崩れ、撤退に直結する。泥沼化する南スーダンから引くに引けない状況で現実の方をねじ曲げている、とも見える。
(毎日新聞2月15日付)
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