「九条の会・わかやま」 332号を発行(2017年9月22日付)

 332号が9月22日付で発行されました。1面は、安倍9条改憲を許さず みなべ「九条の会」が学習会、第39回「ランチタイムデモ」実施、「9条に自衛隊」自民選挙公約に明記、九条噺、「安倍9条改憲ストップ!全県意思統一集会」開催、「9条の会共同講演会」開催、パンフレット紹介 『憲法9条を変えて「戦争する自衛隊」にしていいのですか』   です。

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[本文から]
安倍9条改憲を許さず
みなべ「九条の会」が学習会




 自民党内の改憲派の動きが活発になる中、みなべ「九条の会」は、会に入会を熱っぽく語りかけるために9条改憲をめぐる動きについての学習の必要性を痛感し、「憲法九条を守るわかやま県民の会」代表・坂本文博さんを講師に迎え9月7日夜、学習会に取り組みました。
 坂本さんには「九条改憲・自衛隊を明記する危険とは」をテーマに、①9条改憲の動き、②安倍9条改憲の中身(歴代政府の9条解釈。9条1項、2項を残して自衛隊を明記する加憲とは)、③安倍9条改憲の背景(自民党改憲案を出さない理由。明文改憲で「戦争する国」の完成を目指す)、④緊急事態条項の創設の狙い、⑤北朝鮮問題の解決と安倍政権の危険な対応、⑥9条改憲阻止のために、について分かりやすく解説していただきました。
 当日は遠方からの参加も含め40名がテーブルを囲んでの学習となり、今後改憲発議を許さない立場で、9条守れの一点で広範な共同を進めていくことを確認し合いました。  約1時間の講話の後、約40分間の質問・意見などの発表の場を設け、坂本さんから答えていただきながら交流を深めました。出された質問・意見は、①いつの時代にも戦争があるのは、人間の本性が「性悪説」なのか。②安倍首相が改憲を進める指示するのは、憲法違反ではないのか。③イラク戦争の時、3人の日本人が人質になり一時拘束された事件の時、政府・マスコミが「自己責任」だと報じ、3人解放のためになんらの力を尽さなかったことをどう考えるのか。④元中国大使の丹羽宇一郎さんが、「今の危険な状況は、国際政治の力で戦争を避ける。それこそが安全保障だ」と述べられていることが紹介されました。
 また、坂本さんからは、中米・コスタリカが軍隊を持たずに平和を守り通していることについて詳しく説明されました。(会の平野憲一郎さんより)

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第39回「ランチタイムデモ」実施



 9月14日、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかけた第39回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」が行われ、70人が参加しました。前回(8月10日)は、酷暑の影響で50人の参加者でしたが、少し涼しくなり回復の兆しが見えました。  市役所前での出発で藤井幹雄弁護士は、危機を深める北朝鮮の核・ミサイル問題に関係して「戦争を起こさせない願いを込めて歩こう。和歌山から平和を発信しよう」と訴えました。参加者らは「9条守れ」「安倍改憲を許すな」などと訴え京橋プロムナードまで行進しました。
 今後の実施予定は、10月11日(水)、11月15日(水)、12月8日(金)です。

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「9条に自衛隊」自民選挙公約に明記

 衆院選をめぐり、自民党は安倍晋三首相が打ち出した憲法9条に自衛隊を明記する改正案を選挙公約に盛り込む方針を固めた。党内には首相案への反発も残ったままだが、党憲法改正推進本部が近く公約の素案作成作業に入る。
 安倍首相は5月、9条1項、2項を残しつつ、自衛隊の存在を新たに書き加える改正を提案。臨時国会で党の改憲原案として各党に示すため、党推進本部が9条を含む4項目を議論していた。推進本部の保岡興治本部長は19日、高村正彦副総裁と会談。推進本部が主導して、改憲についての公約素案をつくる方針を確認した。
 推進本部幹部は、「首相の9条改正案は現実的だ、と党内はみんな理解している。公約に入れ、国民に示さなければならない」と明言した。(朝日新聞9月20日)

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【九条噺】

 「赤い花なら曼珠沙華」と歌われるヒガンバナは、不思議に秋の彼岸頃になると突然のように花芽を出し、人里のあちこちに美しい花を咲かせる▼ヒガンバナの学名は「リコリス・ラディアータ」。リコリス属は海外では品種改良されて園芸店でも売られ愛されているそうだが、こんなに美しいのに、日本では墓地によく咲くからと「シビトバナ(死人花)」などと言われ嫌われることもある▼日本に入ってきたヒガンバナは美しい雄しべがあるのに、3倍体植物なので種ができない。それが何故全国に広がったのか。ヒガンバナは有毒植物だが、球根をすり潰して水洗いした後に沈殿する澱粉は食料になるという。それで救荒植物として、人の手で全国に広がったのだろう。人里に多く見られ、山奥には見当たらないのはそのせいだろう▼ヒガンバナの澱粉は非常に上質な糊になるそうだ。ところで風船爆弾というものをご存知だろうか。戦前、陸軍が和紙を貼り合わせて1万もの直径10mの風船を作り、時限落下装置付の爆弾を吊るし、偏西風に乗せてアメリカ本土へ飛ばしたという。その風船爆弾にヒガンバナの糊が使われたという説がある。調べてみると和紙の貼り合わせにはコンニャクの糊が使われたようだが、柿渋のように和紙の強化に使われたのかも知れない。創元社『花ごよみ・秋の花』にも「風船爆弾にこの糊が使われた」とある▼ヒガンバナを見る時、戦争に使われた過去があることに思いを致すことも必要だろう。(南)

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「安倍9条改憲ストップ!全県意思統一集会」開催



 9月17日、台風18号が迫る中、中央コミュニティセンター(和歌山市)で、「安倍9条改憲ストップ!全県意思統一集会」が開かれ、各地の九条の会や共同センターの177名のメンバーが参加しました。集会では小田川義和氏(総がかり行動実行委員会共同代表)が「安倍9条改憲NOの国民運動を」と題して講演をされ、次のように述べられました。
 安倍首相は5月3日に「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と言い、東京都議選などで自民党は敗北、内閣支持率は低下したが、改憲日程をあきらめてはいない。「死んだふり改憲」を狙っている。「安倍改憲発言」の意図は、NHK世論調査でも「9条が日本の平和と安全に役立っている」が82%という状況の中で、護憲派を9条改憲の土俵に引き摺り出したいというものだ。改憲の本命は9条で、保守の悲願としての2項の削除を狙うものだ。
 安倍政権下で戦争法の強行が行なわれたが、戦争法を十全に運用するためには、自衛隊を憲法上の存在とする必要性が生じている。「普通の軍隊」にするためには、憲法に「実力機関」を位置づける必要がある。しかし、参議院選挙などで示された市民と野党の共闘の力で、自衛隊を軍隊とする自民党改憲草案への忌避感が広がっている。そこに持ち出されたのは伊藤哲夫・日本政策研究センター代表の「9条3項」で、自衛隊の憲法明記賛成55%(産経世論調査)の国民の声に付け込むものだ。
 戦争法以前は、自衛隊は「自衛のための必要最小限の実力」で、個別的自衛権の範囲でしか活動できなかった。PKO派遣も、武器使用は要員の正当防衛に限られており、武力行使との一体化を避けるため、他国の兵器のみならず兵士の輸送も対象外としていた。ところが14年7月の閣議決定で集団的自衛権行使、海外での武力行使の拡大をした。「現に戦闘が行われている現場」以外での支援活動を認めて、武力行使との一体化の範囲を拡大、「我が国と密接な関係にある他国」が攻撃を受けた場合で、我が国の存立が脅かされる場合の限定的な集団的自衛権の行使を認めるとした。
 自衛隊を憲法に明記することにはどのような「効果」があるのか。1項の武力行使の放棄、2項の戦力不保持、交戦権否認を形骸化する。元来自衛隊は災害救助部隊ではない。「武力によらない恒久平和の実現」から、「武力による平和の実現」へ変質する。国際法上の交戦規定に準拠した法制の整備(軍事法廷や軍法)の可能性も発生する。
 「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が結成された。改憲案の国会提出、国会発議を阻止するため、3000万人署名、全国数百万人規模の集会などの行動を軸に、安倍9条改憲反対の大国民運動を起こそう。労働組合主導の社会運動から市民と野党の共闘で、改憲を阻止すれば安倍政権は継続できないばかりでなく、「安倍亜流政治」でも改憲を政治課題とできない状況になる。と訴えられました。
 この後、「憲法九条を守るわかやま県民の会」の琴浦龍彦さんから「闘争体制」「共同運動の組織」「学習運動」「3000万人署名」「ポスター、ビラ、グッズ」「宣伝行動」「シンポ・講演会」「財政」などの「安倍改憲阻止のための方針(案)」が提案されました。そして、各会からの決意表明が行われて終了しました

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「9条の会共同講演会」開催



和歌山市とその周辺の「9条の会」など25団体が共催で講演会を開催いたします。多くのみなさまのご参加をお待ちしています。
日時:2017年11月4日(土) 午後2時30分~
会場:和歌山県JAビル 11階会議室 (JR和歌山駅前)
演題:「自衛隊を憲法に明記させてはならない ~安倍改憲を許すな~」
講師:愛敬 浩二 先生(名古屋大学大学院法学研究科教授、憲法学、「九条の会」世話人)

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パンフレット紹介
『憲法9条を変えて「戦争する自衛隊」にしていいのですか』




安倍首相は憲法改正期限を2020年施行と区切り、9条1項、2項を残し、自衛隊を3項に明記する考えを表明しました。「安倍9条改憲」案は災害支援等で「国民に役立つ自衛隊」を「戦争する自衛隊」に変え、「海外で戦争する国への道」です。ご一緒に、安倍首相の9条改憲について考えてみましょう。
販売価格:1冊100円(税込、送料は別途)
●憲法会議 発行 ●20頁 ●A5版
●17年8月31日発行
申込みは:FAX 03-3261-5453

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(2017年09月22日入力)
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