「九条の会・わかやま」 341号を発行(2018年01月24日付)

 341号が1月24日付で発行されました。1面は、第43回「ランチタイムデモ」実施 、町内全戸に3000万署名よびかけ みなべ町で記者会見、二階氏 改憲発議「1年もあればいい」、九条噺、2面は、安倍首相の下での改憲「反対」54.8% 1ヵ月で6.2ポイント増える、9条支持の国連決議を 埼玉の日独学者らが活動、言葉 「いずも」とF35B  です。
    ――――――――――――――――――――――――――――――
[本文から]

第43回「ランチタイムデモ」実施



 小雨が降り続く1月17日、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかけた、今年初めてとなる第43回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」が行われ、悪天候にも拘らず、50人の市民が参加しました。和歌山市役所前での出発では、藤井幹雄弁護士が「今年は、9条を守る、立憲主義を守る、平和を守る正念場。国会発議を許さないたたかいを広げよう」と訴えました。参加者は和歌山市役所前から京橋プロムナードまでを行進し、2018年を「安倍9条改憲」の年にさせないという決意を新たにしました。
 次回は2月14日(水)、次々回は3月14日(水)です。

    ---------------------------------------------------------------------------------

町内全戸に3000万署名よびかけ
みなべ町で記者会見




 「憲法9条を守ろう みなべ町民の会」(柳田孝二代表)は、憲法9条を変えないことを請願する全国統一署名活動として、町内全戸に用紙を配布して署名を集める。「たくさんの署名と声で憲法9条を守りましょう」と呼び掛ける。
 会は昨年11月、新日本婦人の会南部川準支部、新日本婦人の会南部準支部、年金者組合みなべ地区、国賠同盟みなべ地区、和教組みなべ地区、日本共産党みなべ町支部、みなべ「9条の会」の7団体で結成した。
 5日に同町芝の南部公民館で記者会見を開き、活動について説明した。出席者はみなべ「9条の会」の代表でもある柳田さん、年金者組合みなべ地区の川口武さん、みなべ「9条の会」の神谷克彦さん、みなべ町民の会の山中紀子さん、日本共産党みなべ町支部の池田三千留さん、国賠同盟みなべ地区の山中邦夫さん、新日本婦人の会南部準支部の川口せつ子さん。
 柳田さんは、安倍晋三首相は自衛隊を憲法に明文で書き込む考えで9条改憲の動きが進んでいる▽安全保障関連法では集団的自衛権の行使などを可能にし、憲法への自衛隊の明記によって戦力不保持の規範が無効化する▽「共謀罪」法制定、軍事予算の増額など「戦争する国づくり」への道をまっしぐらに進んでいる─などと危機感を示した。
 「いまの国会では改憲勢力が衆参両院とも『発議』可能な議員数を持っている。これを打ち砕くのは3千万請願署名達成と国民世論で発議できない状況をつくることしかない。仮に国民投票になったとしても、きっぱりとノーを突き付け、憲法9条を守り、引き継いでいかなければならない」と話した。
 会は返信用封筒の付いた署名用紙の全戸配布のほか、学習会や町民との対話活動もし、最低でも3千筆の署名目標を5月末までに達成したいという。
 署名は内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長宛て。「憲法を変えないでください」「憲法の平和・人権・民主主義が生かされる政治を実現してください」の二つを請願事項に挙げている。
(紀伊民報1月9日付)

    ---------------------------------------------------------------------------------

二階氏、改憲発議「1年もあればいい」

 自民党の二階俊博幹事長は12日、BSフジの番組で安倍晋三首相が提起した憲法改正の発議の時期について、「今まで相当のところまで来ている。1年もあればいいんじゃないですか」と述べ、年内の発議を目指す考えを示した。
 二階氏は番組終了後、記者団に発議までの期間を1年とすることについて「一つ目標においてそれから議論すればいい」と語った。
 二階氏は2019年の参院選と憲法改正の国民投票の同日実施論については、「一つ一つ重要な問題で、慎重にやっていく。費用の面を考える人もいるが、こんな大事な問題で費用の問題を持ち出すほうがおかしい」として否定的な認識を示した。(朝日新聞デジタル1月13日)

    ---------------------------------------------------------------------------------

【九条噺】

 政府は、北朝鮮の核・ミサイル開発を理由に新たな地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」導入を閣議決定した。2基2千億円▼「イージス」とはゼウス神がアテナに与えた無敵の盾、「アショア」とは「地上の」という意味だそうだ。イージス艦に搭載されているミサイル迎撃システムを地上に設置、その候補地は秋田県と山口県になっている▼現在、ミサイル防衛に対応できる日本のイージス艦は4隻で、1隻に搭載される迎撃ミサイルは8発。通常は失敗も考えて一つの目標に2発発射される。全て命中しても1隻で対処できる弾道ミサイルは4発だ。北朝鮮は多数の移動式発射台から同時多発攻撃が可能とされており「イージス・アショア」を加えても「百発百中で迎撃するのは技術的に不可能」と指摘されている▼さらに問題は、人々が生活する地上に置かれることだ。イージス艦は人体に影響のある強力なレーダー波を出すので、乗員は甲板に出ることを許されていない。京丹後市の米軍経ケ岬Xバンドレーダー通信所では、航空機の計器類を狂わせるおそれがあり、飛行制限空域を設定し、ドクターヘリの飛行にも支障が生じているという▼「わが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している」。安倍首相の決まり文句だが、「ミサイル防衛」のやみくもな強化は、際限のない軍拡につながる極めて危険な道だ。北朝鮮の核・ミサイル開発は決して容認できないが、解決方法は、外交的手段しかない。(南)

    ---------------------------------------------------------------------------------

安倍首相の下での改憲「反対」54.8%
1ヵ月で6.2ポイント増える


 共同通信が1月13日、14日に実施した世論調査によると、「安倍首相の下での改憲に反対」は54・8%(前月から6・2ポイント増)、「憲法9条に自衛隊を明記する安倍首相の提案に反対」は52・7%、「長距離巡航ミサイルの導入に反対」は46・7%でした。



    ---------------------------------------------------------------------------------

9条支持の国連決議を
埼玉の日独学者らが活動




(シルヒトマンさん(左)と大森美紀彦さん)

 国連総会で憲法9条の支持決議の採択を実現させるという壮大な目標を掲げ、埼玉県日高市に住むドイツ人平和歴史学者や日本の政治学者らが市民運動を始めた。最初の活動として、国連代表部や世界約20カ国の非武装国の在日大使館に、協力を求める趣意書を送付する。「戦争の放棄と戦力不保持をうたった9条は、世界から戦争をなくす最強の『武器』だ。運動にぜひ参加してほしい」と市民らにも賛同を呼びかけている。
 ドイツ人学者はクラウス・シルヒトマンさん。1992年に来日し、9条を評価する立場から幣原喜重郎元首相を研究。幣原が46年1月24日に連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー最高司令官と会談した際、9条を発案したとの日本提案説に立つ。小学館の学習漫画「少年少女日本の歴史」は、9条発案者を幣原と紹介していたが、ある時からマッカーサーに変えた。シルヒトマンさんはそのことに気づき本紙は2016年11月6日朝刊で報じた。
 記事を読んだ日高市の政治学者大森美紀彦さんがシルヒトマンさんと会い、意気投合。知人の大学非常勤講師阿部一智さん、元東京都職員上原稔男さんらも参加して、17年秋に9条の意義を学ぶシンポジウムを開催し、市民運動を立ち上げることを決意した。「SA9(憲法9条を支持せよ)キャンペーン」と名付け、大森さんが代表幹事、シルヒトマンさんが顧問に就任した。
 設立趣意書では、トランプ米大統領らを念頭に「世界は『自国第一主義』の暗雲に覆われている」と懸念を表明。9条を、大戦の反省から誕生した国連の平和理念の「正当な後継者」と位置付け、日本人が世界に9条を発信する責務とともに、賛同国を増やして国連決議を採択する必要性を説いている。
 当面の送付先は、憲法で常備軍の保持を禁じるコスタリカをはじめ、アイスランドやモナコなど非武装国で、反応を踏まえ活動範囲を広げる考え。シルヒトマンさんは「9条と同じ平和条項は、スイスやスウェーデンといった欧州各国などにも見られる。国連が9条を支持すれば、加盟国が武装解除する大きな起爆剤となる」と訴える。問い合わせは大森さん方=電話042(978)9400=へ。(東京新聞1月6日付)

    ---------------------------------------------------------------------------------

言葉 「いずも」とF35B


  (「いずも」)

  (F35B)

 「いずも」とは、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦の艦名です。「いずも」の航空母艦への改修計画が防衛省で検討に入っています。「いずも」は5カ所のヘリポートを持っており、潜水艦を探知する哨戒ヘリコプターなどを9機運用でき、「オスプレイ」も着艦可能です。「いずも」は全長248m、空母のように甲板が平らな構造が特徴です。「いずも」はもともとF35Bの運用を前提に設計されています。改修では船首にジャンプ台を増設したり、甲板の耐熱性を高めることなどを検討していると伝えられています。
 F35Bとは、艦上での運用を前提とした最新鋭ステルス戦闘機で、特徴は、エンジン排出口を下向きに可変でき、その他の装置を併せて短距離離陸・垂直着陸ができるという点です。ですからカタパルトのない「いずも」でも離着艦できるのです。また、垂直着陸の時にエンジンから出る熱に耐えられるように甲板の耐熱性を高めることが求められている訳です。
 「いずも」は、10年度予算案に建造費が盛り込まれた時から「将来的に本格的な空母に改修するのでは」との指摘が国内外からありました。防衛省は「空母ではない」と説明してきましたが、それを一転し、改修して空母化を検討するというのですから、当初からその狙いがあったのは明らかです。
 これまで政府は、自衛隊が大陸間弾道弾、攻撃型空母、戦略爆撃機を保有するのは『憲法上許されない』としてきました。中国や北朝鮮の脅威を利用して、なし崩しに兵器の増強を進め、専守防衛の縛りを取り払いたいという安倍政権の思惑を許す訳にはいきません。

    ―――――――――――――――――――――――――――――
(2018年01月23日入力)
[トップページ]