「九条の会・わかやま」 344号を発行(2018年03月18日付)

 344号が3月18日付で発行されました。1面は、市民集会「日本の今とこれからを考える」開催、第45回「ランチタイムデモ」実施、9条改憲 自民が7案提示 将来自衛隊の活動範囲を広げたい下心、九条噺、2面は、DVD紹介 『9条改憲って何?』、4.27憲法を考える夕べ チラシ、2018HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama チラシ  です。
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市民集会「日本の今とこれからを考える」開催



 3月3日、ルミエール華月殿(和歌山市)で、和歌山弁護士会主催の市民集会「安全保障法制、特定秘密保護法、いわゆる共謀罪法、憲法改正の動きなどから日本の今とこれからを考える」が開催されました。
 講師の海渡雄一弁護士は、「9条改憲を食い止め、秘密保護法・戦争法・共謀罪を廃止し、民主主義を再生するために」と題し、106コマに及ぶスライドに沿って講演されました。そのスライドの配布資料はカラー印刷53頁の上質な冊子として参加者に渡されました。集会名称の長さからも想像されるように多彩な問題点について、新鮮で具体的な内容のお話でした。
 はじめにドイツ連邦行政裁判所の「ライオン(権力)を縛る鎖のレリーフ」の写真を映し、「憲法は国家の横暴を抑制するためのものだが、自民党改憲草案は国民の義務ばかり強調し、憲法について基本的な理解がない」と説き起こされました。
 次いで、「政府は戦前の戦争法体系を現代型にして蘇らせようとしている」として、治安維持法による言論・思想運動への徹底的な弾圧の過程と、共謀罪は現代の治安維持法であること、軍機保護法・国家総動員法・隣組の機能など、戦前の具体例を示しつつ話されました。戦後の、ポツダム宣言による日本の非武装化、自由に対する制限の廃止、治安維持法・軍機保護法などの廃止を経て、日本国憲法成立までの詳しい経緯、特に日本側の議論と世論を反映した事実について、興味深い具体例を示しつつ話されました。
 次に、2014年閣議決定による集団的自衛権の行使容認と2015年の安保法制=戦争法の強行成立で、茨城県の陸上自衛官が「安保関連法は憲法違反で、存立危機事態での防衛出動命令に従う義務がないことの確認」を求めた控訴審で、1月31日東京高裁が、却下判決を取り消して差し戻した注目すべき判決を紹介されました。次いで、予定されている改憲スケジュールを紹介され、「9条改憲・国家緊急権条項を止めよう」「自衛隊違憲・合憲の意見の違いを超えて戦争法反対で共闘した流れが大切。戦争法違憲訴訟の帰趨が大切」「自衛官による違憲訴訟に見られるように、自衛隊員・家族から、専守防衛に反する改憲には反対の流れを作り出すこと」とまとめられました。
 質疑応答では、「『憲法に書き込まなければ、頑張っている自衛隊員がかわいそう』という心情論を展開してくるだろうが、『集団的自衛権行使で遠い外国に行って戦死させられる自衛隊員こそがかわいそう』ということが本質。このことを訴え広げるべき」と述べられました。

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第45回「ランチタイムデモ」実施



 すっかり春らしくなった3月14日、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかける第45回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」が行われ、70人の市民が参加しました。
 藤井幹雄弁護士が先導するコールでは、「憲法改ざん絶対許すな」「9条改ざん絶対許すな」「改ざん総理は即刻退場」の他、「山城(博治さん)無罪/安倍は退陣」と、那覇地裁判決に向けた思いも唱和されました。
 第46回は4月11日(水)、第47回は5月16日(水)です。

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9条改憲、自民が7案提示
将来自衛隊の活動範囲を広げたい下心




 自民党の憲法改正推進本部は3月14日の執行役員会で、憲法9条の戦力不保持と交戦権否認を定めた2項を維持して「自衛隊」を明記するなど7つの9条改正の条文案を提示しました。執行部は15日には本部の全体会合を開き、2項維持案でのとりまとめをめざすとしています。
 7つの案の内訳は、1、2項を維持して「自衛隊」または「自衛権」を明記する5案と、いまの2項を削除・改正して「自衛隊」または「国防軍」を保持する2案です。
 このうち執行部が本命視するのは、安倍首相が提案した1、2項を維持し自衛隊を明記する案です。2項削除案は、戦力に至らない実力組織という今の自衛隊の性格が根本から変わり、世論の抵抗はより強まるからだとしています。また、1、2項を維持して自衛「権」を明記する案は自衛隊を将来「軍隊化」する余地を残す狙いもあるが、執行部は「自衛隊違憲論争に決着をつける」との首相の主張にはそぐわないと見ています。執行部の本命案は、「9条の2」という別条の形で「自衛隊を保持する」と明記する案です。別条にしたのは、現行の9条には一切手を加えていないことを示す狙いがあります。(朝日新聞3月15日付より)

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【九条噺】

 毎日新聞は、自民党は緊急事態条項の条文案に、国会議員の任期延長に加え、政府への権限集中や国民の権利制限規定を盛り込む方針を固めたと伝えている▼自民党改憲草案は、「内閣総理大臣は、我が国に対する武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、…緊急事態の宣言を発することができる」「何人も、…国その他公の機関の指示に従わなければならない」「宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されない」とする▼日本国憲法は、衆議院が解散している時に大災害が発生した場合、参議院の緊急集会を開き法律や予算を審議・決議できる(54条2項)。内閣が法律の範囲内で罰則付きの政令を出すこともできる(73条6号)。災害対策基本法は、緊急時、内閣に生活必需品の配給や物の価格の統制など、4つの事項に限定し立法権を認めている。都道府県知事は、救助への従事、施設管理や物資の保管・収用など、罰則付きで命令できる。緊急事態条項はなくても大災害対策は整っている。もし、足りないなら法律を制定すればよいだけの話だ▼そうなると緊急事態条項は「戦争や内乱」のためのものと言わざるを得ない。大日本帝国憲法下では緊急事態は80回も乱発された。「軍事独裁」を維持するために必要だということだ。緊急事態条項は「国民」を守るためのものでなく、「国家」「体制」を守るために憲法をストップし、「国民を犠牲にする」ものと言わなければならない。(南)

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DVD紹介 『9条改憲って何?』



繰り返される北朝鮮のミサイル・核実験で、米朝関係に緊張が高まっています。日本はどう対応すべきでしょうか。安倍総理の言うように9条改憲が必要なのでしょうか。9条を変えることは、どんな意味を持つのでしょうか。法律の専門家、安全保障の専門家、元自衛隊員のインタビューを通して、安倍9条改憲の意味を解き明かしていきます。
伊藤 真 氏(伊藤塾塾長、弁護士、法学館憲法研究所所長)
柳沢協二 氏(元防衛審議官、元内閣官房副長官補、国際地政学研究所理事長)
井筒高雄 氏(元自衛隊レンジャー隊員、ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン代表)
制作:憲法共同センター 取扱:日本電波ニュース社
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