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「3000万人署名」1年、全国市民アクションが集会
「安倍9条改憲NO!3000万人署名」が呼びかけられてから1年が経過した9月5日、署名を呼びかけた「全国市民アクション」は東京都・文京区民センターで「キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会」を開催し、満員札止めの400人余が参加しました。安倍首相が、秋の臨時国会に改憲案の提出を狙っており、改憲を許さない世論をさらに広げるため、署名を集め切る決意が語られました。
主催者を代表して、共同代表の高田健さんは、「秋の臨時国会、来年の通常国会と重大な時期がやってきた。今から安倍改憲を許すかどうかの決戦に入る。1年前の9月4日に3000万人署名を始めたが、突然総選挙がきたので、実質的には11月3日の国会前4万人集会から全国的に署名運動が始まった。今年5月3日に1350万を集約し、6月7日には各政党の党首クラスに各地で大変な努力をして集めた署名を提出し、各党首は一緒になって頑張ろうと表明した。安倍首相はこの臨時国会に改憲案を出すと言っているが、安倍改憲を絶対に許さないために、今日の集会を私たちの新たな決意を固める場にしたい」とあいさつしました。
次に「安倍9条改憲と臨時国会の課題」と題して、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の上智大学教授・中野晃一さんが講演しました。中野さんは、「『安倍9条改憲』が臨時国会の中心課題になるかもしれない。彼にはもう改憲以外にやりたいことが残っていない。総仕上げの感じになっており、無理やり突っ込んでくる可能性が高い。これは我々にとってもある意味でチャンスでもある。臨時国会で改憲発議をさせないという世論を作っていくことが大切だ。発議させないためには、国民投票をすれば彼らが負けるということを示すことだ。選挙は候補者の一本化や基本政策の合意などで面倒だが、国民投票はどんな理由からでも×をつければよい。×の理由を一本化しなくてよい。×の理由を議論することなく、×を付ける人を増やせばよい。そういうところでたたかっていくことが必要だ」と強調しました。
続いて、全国各地から署名活動の経験が報告されました。長野県・上田市では、地域を一軒一軒訪問して対話を続けており、信州のあちこちで目標を超えて続く個別訪問活動の報告がありました。東京都・世田谷区で学校前のスタンディングを続けるグルーブからは、門前で学生に署名を呼びかける活動の報告がありました。東京の街宣隊のメンバーは、視覚に訴えることが有効だと、紙芝居やニュース動画を見せて署名を訴える活動の報告をしました。埼玉県の教職員は、生徒や父母に手紙で署名を訴える活動を報告しました。東京都の教会のシスターや信者のグルーブは、街頭で歌い、スピーチし、「9条を大切に」とコールしている活動を報告しました。
まとめとして、9条の会事務局長・東京大学教授・小森陽一さんが、「3000万人署名の活動が次の臨時国会で絶対に改憲発議はさせないという私たちの声を届ける力になっていることがはっきり見えた今日の会だった。3000万人は人口の4人に1人だ。本当に出来るのか、どうやって3000万人を集めるのかと思ったが、各地ではそれを超える目標が立てられ、自分の地域に責任を持って目標をやり遂げることの大事さが見えてきた。私たちが3000万人を集め切って突き付けると、発議に賛成した議員は国会に戻って来られなくなる。この数を突き付けることが今の改憲を許さない底力の前提となる。今日、共有した経験をそれぞれの地域に持って帰り、何としても3000万人署名をやり遂げて、安倍退陣に追い込む力を作っていこう」と訴えました。
最後に共同代表の小田川義和さんから「情勢は緊迫し始めている。3000万人署名を進めるために、組織や職場の中、身近な人たちへの総当り、様々な工夫で定例宣伝を広げること、地域の署名体制作りと個別訪問を強化しよう」などの行動提起がありました。
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第51回「ランチタイムデモ」実施
今にも雨が降りそうな曇天の9月12日、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかける第51回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」が60人の市民の参加で行われました。
和歌山市役所前の出発挨拶で、藤井幹雄弁護士は、明日(9月13日)告示される沖縄県知事選挙の結果が、日本の将来に非常に重要な影響を及ぼすことを訴えました。和歌山市役所から京橋プロムナードまでの行進中にも、「辺野古に新基地は作らせない」というコールも行われました。
また、ゴール後、9月19日(水)に行われる「『安保法制』廃止と『安倍改憲』NO!を訴える和歌山9・19集会デモ」のお知らせが行われ、参加が呼びかけられました。
次回は10月10日(水)です。
9・19集会→ http://home.384.jp/kashi/9jowaka/tirasi/9-19shukai.htm
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【九条噺】
安倍晋三首相は先日、訪問先の鹿児島県垂水市で9月の自民党総裁選出馬を正式に表明した▼記者団に出馬の考えを「日本を取り戻す。この志の下、党一丸となってこの5年8カ月、内政、外交に全力を尽くしてきた。5回の国政選挙において、国民の皆さまから安定的な政治基盤をいただき、誰にも働く場所があるまっとうな経済を取り戻し、外交においては日本の大きな存在感を取り戻すことができた。今こそ少子高齢化、激動する国際情勢に立ち向かい、次の時代の新たな国造りを進めていく準備は整った。この思いで昨年、総選挙に打って出た。そして国民の皆さまから大きな支持をいただいた。この国民の皆さまの負託に応えていくことは私の責任だ」等と述べた▼しかし、国政選挙の勝利は選挙制度で「下駄をはかせてもらった」に過ぎない。内政、外交は失政が多い。働く場所は非正規雇用にサービス残業横行。結婚も子育ても贅沢で人口減少。日米同盟重視で自主性ない外交。先の記者への答は空虚な内容でしかない▼そして、絶大な人事権を武器に自民党議員や官僚を力で押さえ込む安倍氏は、総裁選で勝利し、9条改憲の国会発議と国民投票にまい進する意図を隠していない。安倍改憲が目指すのは、人権より国家優先の日本、戦争できる国だ。安保法制の時に「避難母子を乗せた米艦援護」「在外邦人救助」をアピールし、すぐに非現実的と露見。戦争の現実を知らないリーダーの猛進は恐ろしい。(柏)
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安倍9条改憲NO!を求めて
憲法9条は日本人に根付いている
「九条の会・わかやま」事務局・奥野和博
私は1949(昭和24)年に生まれました。15年戦争(アジア太平洋戦争)が終ってから4年足らずです。たった4年前まで日本が戦火にまみれていたなんて想像すら出来ません。子どもの頃裏山に行った時、一列に並んだ銃弾を見つけて持ち帰りました。その後分かったのは、近くに軍事造船所があったから米軍機によって打ち込まれたのだろうとのことです。私の母も近くの小学校で代用教員(正規の男性教員が兵役で不足していたため)をしていたとき、下校時に米軍の飛行機から発砲されたと言っていました。私が住む大阪府岬町でも和歌山大空襲とまではいかなくても戦争と無関係ではなかったのです。父と母は戦後色々な経緯を経て結婚したそうです。父は飯を食べられる農家の娘に婿入りしたのだと自嘲気味に話していました。半分は本音だと思います。その両親から生まれた私が高校生になった頃、父に聞きました。「どうして日本は馬鹿な戦争をしてしまったの?」。父は「戦争反対などと言える時代ではなかった」と。父は朝鮮半島に従軍していて玉音放送が出たとたんに部隊を引き連れて帰国したそうです。軍隊は決して民間人を守らないことを実践したとも言えます。父に責任を追及する気はありませんが、戦争というものはそれだけ非人道的だと思います。そう思えば、戦争なんて二度とごめんだと思うのが普通の考えではないでしょうか。その反省から生まれた日本国憲法は、戦火に散った幾百万の人々の犠牲の上に出来上がっています。とりわけ9条は決して手放してはいけないものだと思います。
今、日本国憲法はアメリカからの押しつけ憲法だと言う勢力があります。日本会議を筆頭に安倍首相もその勢力の主流です。押しつけかそうでないかの論戦はさておき、敗戦直後の日本人は新憲法を心から受け入れたことを再確認すべきだと思います。憲法9条は日本人に根付いているのです。そのことは各種世論調査でも明らかです。それを崩ずそうとする勢力は、反対する私たちに「空気の支配」をもって対抗してきています。「空気の支配」とは反対する私たちに無言の圧力をかけているのです。自民党内でさえ安倍首相に反対意見を表明することすら難しい現状です。でも、私たちは負けません。「そんなこと言える時代ではなかった」と父が言ったことを繰り返さないために…。
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【予告】憲法改正問題に取り組む全国アクションプログラム
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