「九条の会・わかやま」 358号を発行(2018年09月24日付)

 358号が9月24日付で発行されました。1面は、「九条の会」アピール文発表 改憲の動き加速懸念、「9・19和歌山集会&デモ」開催、九条噺、2面は、安倍9条改憲NO!を求めて 地域の3000万人署名活動の強化(「九条の会・わかやま」事務局・田畑安敏)、安倍政権はなぜ倒れないのか?(渡辺治さん) です。
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[本文から]

「九条の会」アピール文発表
改憲の動き加速懸念




 憲法改正に反対する「九条の会」は14日、東京・永田町の参院議員会館で記者会見し、自民党総裁選後の臨時国会で9条改憲の動きが加速することを懸念するアピール文を発表した。自衛隊を憲法に明記することにより、「9条を根本から破壊して、日本をアメリカと一緒に海外で『戦争をする国』に変えてしまう」と訴えている。
 2004年に同会が発足した時の呼びかけ人の一人で作家の澤地久枝さんは「なんとなく我々は負けたような空気が広がり、時勢はどんどん悪くなっている。戦後の日本政治の中で重大局面に立っている」と訴えた。(毎日新聞9月14日付)
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【九条の会アピール】
9条改憲NO!の巨大な世論の輪を
―― 自民党総裁選・臨時国会を前にして ――


 秋の臨時国会を前に、安倍改憲の策動は新たな局面を迎えています。9月20日の総裁選に立候補を表明した安倍晋三首相は、地元下関で8月12日、「自民党として次の国会で提出できるよう(改憲案の)取りまとめを加速する」と述べました。続けて、麻生派が総裁選に向けての政策提言で打ち出した「来年の参議院選挙迄の憲法改正国民投票実施」という方針に「基本的に考え方は全く同じ」と述べて、改憲強行に改めて異常な決意を表明しています。対抗馬の石破茂元幹事長も、9条2項削除による改憲を主張し、緊急事態条項導入などの改憲に意欲を示しています。
 9条2項を維持したまま「自衛隊を憲法に明記する」自民党の9条改憲案が、現在の9条を根本から破壊して、日本をアメリカと一緒に海外で「戦争する国」に変えてしまうことを、すでに私たちは繰り返しアピールしてきました。九条の会も参加して昨年9月からスタートした「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」による3000万署名運動は、5月3日時点で1350万筆に達し、その後も3000万を目指して草の根に広がっています。こうした広範な改憲反対の世論を前にして、自民党は、今年の党大会では9条改憲案を正式に決定できず、通常国会の憲法審査会で改憲案について議論することすらできませんでした。「臨時国会で改憲論議に持ち込み、参院選前に国民投票」という安倍首相らの言説は、こうした世論に対するあからさまな挑戦です。
 今、6月の米朝首脳会談等を通じて、アジアの平和実現に向けて大きく前進するチャンスがおとずれています。私たちが、真に平和を望むのであれば、憲法9条の立場を堅持して、この動きに積極的に参画していくことが求められています。それは、沖縄の辺野古新基地、イージスアショア、オスプレイ配備など、日本をアジアにおける戦争の拠点にするたくらみに対して断固として反対することと深く結びついています。また、核兵器禁止条約の署名とその発効に背を向ける政府の立場を転換させることも、アジアの平和の実現に重要な一歩となるでしょう。
 自民党が新たな総裁の下で臨時国会を改憲策動の新たな盛り上げの場にしようとしている今こそ、臨時国会を改憲論議の場に決してさせない、次期通常国会で改憲発議を絶対に許さない、そして来年の参議院選挙では改憲派の3分の2の議席獲得を許さず安倍内閣を退陣に追い込むという意思を固めましょう。それが改憲を阻む最大の保障です。そのために、3000万署名運動の達成を目指して新たな決意で取り組みましょう。
2018年9月14日 九条の会

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「9・19和歌山集会&デモ」開催



 「戦争法(安保法制)」が強行採決された日からちょうど3年目の9月19日、午後6時から和歌山城西の丸広場で「『安保法制』廃止と『安倍改憲』NO!を訴える9・19和歌山集会」が開催されました。この集会は、和歌山県平和フォーラム、和歌山県地評、市民連合わかやまなどの9団体の呼びかけで開催されたもの。
 憲法9条を守る和歌山弁護士の会・金原徹雄さんの挨拶で始まった集会は、安保関連法に反対するママの会@わかやま・満留澄子さん、市民連合わかやま・豊田泰史さん、戦争をさせない和歌山委員会・裏野勝也さん、憲法九条を守るわかやま県民の会・琴浦龍彦さんからスピーチがあり、国民民主党和歌山県連、日本共産党和歌山県委員会、社会民主党和歌山県連、自由党和歌山県総支部連合会、新社会党和歌山県本部からのメッセージも披露されました。9条ネットわかやま・藤井幹雄さんの閉会挨拶で集会は終了しました。
 集会終了後の6時30分過ぎから、JR和歌山駅前まで、けやき大通りをデモ行進しました。日がとっぷり暮れた夜間デモになりましたが、多くの市民が参加し、「安保法制、今すぐ廃止」「憲法変える総理はいらない」などと「安保法制」廃止と「安倍改憲」NO!を沿道にアピールしました。集会&デモ全体の参加者は200人と発表されました。



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【九条噺】

 「天蓋花(てんがいばな)」とはどんな花かご存知だろうか。「天蓋」とは仏像の上に垂れ下がっている笠状の飾りのこと。「曼珠沙華」と言えば、もうお分かりいただけるだろう。「ヒガンバナ」のことだ。「曼珠沙華」とは梵語で「天界の花」という意味だそうだ。赤い花なら曼珠沙華」と歌われる美しい花が我家の側にも一面に咲いている▼「ヒガンバナ」はヒガンバナ科・ヒガンバナ属の植物で、学名は「Lycoris Radiata」。生物には日本語の標準和名があり、「ヒガンバナ」が標準和名だが、別名というのもある。「あだ名・愛称」といったところだが、「ヒガンバナ」の別名は何百種類もあるというから驚きだ。愛称と言いながら、その中には、「死人花」「地獄花」「幽霊花」などという不吉な名前も多い▼何故こんなに美しい花が、そう呼ばれるのか。それは、きっと「ヒガンバナ」が身近な有毒植物だからだろう。「ヒガンバナ」は全草有毒で、特に球根にはアルカロイド系の毒を20種類ほど含んでいるとのこと。モグラやネズミは他の植物の根はかじっても、「ヒガンバナ」の球根はかじらないから、田圃の畦を守るために植えたので、今も田圃の畦に多く咲くと言われている▼「きれいな花には毒がある」と言って、夾竹桃、水仙、鈴蘭、ダチュラを始め多くのきれいな有毒植物があるのに、「ヒガンバナ」だけを非難するのはかわいそうだ。もし言うのなら「アベ大災相」に「きれいでないのに毒がある」と言ってあげなければならない。(南)

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安倍9条改憲NO!を求めて
地域の3000万人署名活動の強化
「九条の会・わかやま」事務局・田畑安敏




 今年1月、和歌山市中心部の四箇郷・宮北・中之島地域で「安倍9条改憲NО!3000万人署名推進四箇郷・中之島・宮北実行委員会」を結成しました。運動の基礎は、実行委員会に参加・結集する団体・個人それぞれの取り組みの強化としつつ、実行委員会は、それらの取り組みが粘り強く、幅広く前進できるよう、交流や共同を行うものと意義付け、会の役職は置かず事務局(4名)を置き、事務局は、共同の取り組みの計画と調整、取り組みの交流や集約を担当し、参加する団体・個人に情報を発信することにしました。
 3000万人署名は、人口で言えば4人に1人。四箇郷・宮北・中之島地域の人口は、約3万人。当面5月末めざし、四箇郷5000、中之島1800、宮北1700以上の全国の規模に見合った署名目標と、署名運動を推進するために、地域・職場それぞれの行動単位に署名推進体制の確立と署名推進委員つくり、音の出る宣伝活動の強化、DVDや冊子・パンフなどを活用した学習、実行委員会共同の署名統一行動を2月以降毎月9の日に実施などを確認しました。会の結成で、医療生協組合員が音の出る宣伝カーを運行してくれ、職場や地域で100人を超える署名を集める人が生まれるなどの情報交流ができるようになりました。
 署名推進にあたって、「憲法に自衛隊を明記する」「自衛隊が違憲でよいのか」といった意見にどう対話できるか、憲法会議パンフ『憲法9条を変えて、「戦争する自衛隊」にしていいのですか』を理解してもらうことの重要性を論議し、2月~6月の9の日に中之島地域の全戸訪問に取り組みました。5回の署名行動は、参加者33名、訪問軒数345、対話軒数134、署名数109筆。大きな行動にできていないのは残念ですが、全戸訪問と対話に意義があります。どの地域でも署名してくれる方が半数を超えるのに励まされる一方、「よく分からない」という方も多く心配です。しかし、戦争体験がある高齢者は「二度と戦争を起してはならない」との思いは強く、そのための署名であることを訴えれば賛同していただけます。私は、事務局の一員ですが、私を含め仕事や任務で事務局体制が弱く、この2カ月活動ができていません。会の活動再開と強化のために事務局体制の再確立を相談していかねばと思っています。

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安倍政権はなぜ倒れないのか?
――― 渡辺治さん ―――


 私は、安倍政権に対する支持率が下げ止まっている理由として、安倍政治に代わる政治の選択肢が提示されていないことが大きいと思います。それは世論調査をみても分かります。安倍政権の行う政治については個々の政策については、国民はみんな反対なのですね。ところが、支持率は50%を下らない。ここがポイントです。なぜかというと、国民は安倍政治にうんざりし、皆反対なんだけれど、それに代わる政治がない。安倍首相が石破さんに代わっても政治は変わらない。安倍政治を変えるには、野党が共闘をして、連合政権構想を国民の前に示す必要がある。本気の共闘ということの意味は、自公政権から政権を取る、そのために魅力ある政策をだしてゆく、これを国民は待っていると思います。もう来るところまで来ているのに、じゃあ誰に代わるの? という疑問に答える選択肢がみえていない。野党が安倍政治を変える共同を強くして、政権の旗を掲げる必要性と緊急性があります。
 これは口でいうのは簡単だけど、なかなか大変なことですが、これをやることが国民の期待に応えることになると思うのです。
 かつて、07年に第一次安倍政権が倒れて、福田政権も、麻生政権も長持ちせず、09年にはついに民主党政権が誕生した経験があります。07年の参院選の時に、国民は圧倒的に民主党にいれました。それはなぜかというと、いまのような野党の共同はできていなかったけれど、民主党が、あの当時の自公の構造改革の政治と地方の衰退と軍事大国化に反対する政治の旗を立てたからでした。だから国民は自公から民主党に行ったのです。いまはあの時よりももっと矛盾が深刻化し、国民はせっぱ詰まっています。安倍の悪政を阻む共同をもっと強め、安倍政治に代わる共同をつくる、それから安倍政治に代わる共同の政治構想を打ち出す、安倍政治に代わる、こういう政治をやろう、という旗を立てることが大事だと思います。(月刊『憲法運動』18年9月・通巻474号より)

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(2018年09月24日入力)
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