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第58回「ランチタイムデモ」実施
4月19日、憲法9条を守る和歌山弁護士の会が呼びかける第58回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」が行われ、約50人の市民が参加しました。
デモ出発を前に、藤井幹雄弁護士は「自民党・萩生田幹事長代行から『消費税の増税を見送る場合は、国民の信を問う』という発言があった。しかし、野党が一致して増税に反対している以上、むしろ潔く失政を認めて退陣すべきだ」と訴えました。
参加者は市役所前から京橋プロムナードまで「安倍退陣」を訴えて行進しました。
次回は5月15日(水)です。
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シナイ半島MFO司令部に自衛官派遣
政府は4月2日、エジプトのシナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦を監視する多国籍監視軍(MFO)司令部に、陸上自衛隊幹部自衛官2人の派遣を閣議決定しました。MFOは1982年からシナイ半島に展開しており、米国など12カ国から約1200人が派遣されています。
安保関連法は、国連平和維持活動(PKO)と内容は似ていますが、国連が統括せず、国連に直接関係のない活動についても「国際連携平和安全活動」として自衛隊の派遣を認める規定を設けており、今回が初めての適用となります。今後、政府の判断で自衛隊の活動がなし崩しに広がっていく心配があります。
安保関連法施行以降、南スーダンPKO派遣部隊に新任務の「駆け付け警護」を付与し、自衛隊が米軍の艦艇などを守る「武器等防護」の実施を増やしています。MFOへの派遣でさらに自衛隊の活動が拡大します。「国際貢献」への「積極姿勢」をアピールしたい安倍政権の思惑で拡大しているものです。
今回は司令部要員派遣だと言いますが、将来の部隊派遣に向けた地ならしの可能性もあります。政府の今後の対応を注視しなくてはなりません。
近年のPKOは、紛争下での住民保護のため、積極的に武力を行使する活動に変質しています。MFOはPKO以上に危険だと言われています。日本の国際貢献は武力に頼らず日本の強みを活かし、真に現地の役に立つ方法で対応すべきです。
(MFOについては会紙360号「言葉」を参照)
ここをクリック→ http://home.384.jp/kashi/9jowaka/kikansi7/kikansi360.htm
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「戦争は違法」の流れの中で9条に輝きを
憲法会議代表幹事・川村 俊夫 氏
安倍内閣は、3月に発表した統一地方選挙向け自民党の公約で、「新しい時代に即した憲法の改正に向けて、取り組みをさらに強めます」と、あらためて改憲への決意を表明しました。さらに、「日米同盟の強化」をめざすと軍拡宣言までしています。
憲法9条をもつ日本において、しかも地方選に向けてこうした公約を掲げるのは異常というほかありません。しかし、県民投票で示された住民の意思を無視する辺野古の新基地建設、地方自治体に対する自衛隊員募集事務への協力おしつけなど、地方自治体をまきこんだ「戦争する国」づくりはすでにさまざまな形で進行しています。安倍内閣が昨年12月に決定した新「防衛計画の大綱」が「専守防衛」を口にしつつ、「日米同盟は、我が国のみならず、インド太平洋地域、さらには国際社会の平和と安定及び繁栄に大きな役割を果たしている」と、日米同盟を地球的規模で展開しつつあるなかで、自衛隊の活動に対する一切の制約を取り払うために、憲法の改悪が欠かせなくなっているということです。
こうした安倍内閣の姿勢の根底には、先の戦争に対する無反省があります。日本政府は戦時中の日本企業による徴用工への賠償を求める韓国の裁判所の判決に異議をとなえ、従軍慰安婦問題では「性奴隷の事実はない」との姿勢を採っています。ドイツ政府が昨年12月、1938年から39年にナチス政府の迫害から逃れるため両親と別れて子どもだけで英国に渡ったユダヤ人生者に80年経った今、1人当り2500ユーロ(約32万円)の保障を行うと決定したことと比較して対照的です。
人類絶滅の危機に理性の発揮
しかし20世紀に入ってからの国際社会では、「締約国は、戦争に訴へざるの義務を受諾し…」(国際連盟規約前文)、「締約国は、国際紛争解決のため戦争に訴ふることを非とし、かつ、その相互関係において国家の政策の手段としての戦争を放棄する」(不戦条約第1条)と、戦争を「違法」とみなす考え方が広がり、第2次大戦後の国際連合は、「われらの一生のうち二度まで言語に絶する戦争の惨害から将来の世代を救」う(前文)ため、「平和に対する脅威の防止および除去」することを共通の目標に、「侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧のため有効な集団的措置をとる」(第1条)としました。戦争を神の意思として正当化する中世の「正戦論」、その理由の如何を問わず戦争を国家の重要な「主権の行使」とする18、19世紀の「無差別戦争観」は否定されるに至ったのです。その背景には、第1次大戦では2000万人、第2次大戦では5000万人にも及ぶと推定される多大な犠牲や、戦車、毒ガス、原子爆弾の登場に至る戦争の残虐化が人類の滅亡につながりかねないことへの理性に基づく対応です。日本国憲法9条もこうした流れを受けたものです。
各国憲法に広がる平和条項
しかし、そうした流れに対し、「軍事力」を背景とした支配的地位を維持しようとする大国の抵抗もまた強められてきました。たとえば不戦条約の制定過程では、はじめて「自衛権」に関する論議が本格的に展開され、提案国の仏、米はともに「自衛権」にもとづく武力行使を容認しただけでなく、とりわけケロッグ米国務長官は、「自衛の戦争に訴えることができる場合かどうかの判断は、当該国だけが下すことができる」と主張しています。こうした主張が「自衛権」を掲げた武力行使をすべて「正当化」し、アジア諸国への侵略戦争を展開した日本の行動、さらには第2次大戦へとつながっていることは明白です。
国連憲章の審議過程ではアメリカは自国への攻撃がない場合でも同盟国のために軍事力を行使する「集団的自衛権」に道を開きました。そして安全保障理事会では常任理事国として、安保理がアメリカの軍事力行使に介入することへの拒否権の行使をくりかえしました。同じ常任理事国のソ連も同様の行為を展開したため、米ソはそれぞれの軍事同盟をテコとした地球的規模で対決することとなり、日本政府も早くから憲法9条の理念を投げ捨て、アメリカの軍事同盟の一翼に組み込まれ、自衛隊という軍事力による「自衛」を主張、さらに今日みるようにアメリカとともに世界中のどこででも共同作戦をめざす国になったのです。
しかし、際限ない軍拡競争による軍事費膨張に耐えられずソ連は崩壊しました。国連の場でもかつては大国の植民地支配に苦しめられていたアジア、アフリカ、南米の国々が結束して大国の横暴に対抗し、たとえば2017年7月の国連総会で核兵器禁止条約を圧倒的多数で可決する状況も生まれました。また、一切の軍事力を放棄するとした日本国憲法9条ほど徹底したものではありませんが、常備軍の禁止(コスタリカ)、核兵器の禁止(フィリピン、ベラウ)、永世中立(オーストリア、スイス)など戦争を回避するための憲法をもつ国々が増えています。その先陣をきった日本こそ、アメリカとの軍事同盟と決別し、憲法9条が生きる道を歩むべきです。
暴政に審判、安倍内閣退陣へ
国民のなかに憲法9条のもつ意味を広く深く浸透させる安倍9条改憲NO!3000万人署名等を通じ、きたるべき統一地方選挙、参議院選挙では自民党を少数派に追い込んで安倍内閣を退陣させ、その新しい道への歩みを開始しようではありませんか。(月間『憲法運動』19年4・5月号より)
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訃報
「九条の会・わかやま」呼びかけ人 楠本熊一 さん
当会呼びかけ人で和歌山県立医科大学名誉教授、40年にわたり「和歌山県原爆被災者の会」会長を務められた楠本熊一さんが3月22日に逝去されました。享年94。謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
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【九条噺】
マスコミが「平成最後の○○」と元号熱をふりまき、首相は次期天皇への新元号候補の説明、新元号発表後の記者会見など、主導性のアピールに余念がない。ネット上には首相による新元号私物化と揶揄も見られた▼そもそも元号(=年号)とは何か。辞典類によれば、中国で皇帝が時間を支配するという思想から、漢の武帝の時「建元」(紀元前140年)と号したのに始まる。東アジア各地で年号を使ったが、日本では645年の「大化」が最初だ▼年号は皇帝の統治権の象徴だから、周辺国の独自年号は「私年号」に過ぎない。日本国内でも、源頼朝は朝敵認定を赦免される寿永2年まで改元を認めず、以前の治承を使い続けた。南北朝時代には南朝・北朝の年号が併存して正統性を争った▼室町時代には、朝廷が新年号を定めた吉書に将軍が花押を据える「吉書始」の儀式で改元を宣言した。江戸時代には、禁中並公家諸法度で年号選定指針を定め、新元号の施行は幕府が大名・旗本を集めて告げた「公達日」からとされた。年号を武家政権がコントロールした▼庶民に年号が広まったのは江戸時代からとされる。戯作の序文跋文にも付される。明和九年を「迷惑年」と洒落る文化もあった▼明治からは天皇の代替わりに改元する「一世一元」で天皇制政体と強く結びつけられた。戦後民主主義の逆行の一環として「元号法」制定があった。元禄、昭和など時代イメージなら良いが、国家主義への手段とする強制は許せない。(柏)
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2019 We Love 憲法 -五月の風に- (予告)
2019 We Love 憲法―五月の風に
沖縄から憲法を考える
5月18日(土)午後1時開場 1時30分~
和歌山市民会館市民ホール
参加無料
「辺野古新基地反対」の圧倒的多数の民意が示された沖縄。しかし工事を強行する政府。かつて銃剣とブルドーザーで沖縄県民の土地を奪ったアメリカと同じことを、いま日本政府がやろうとしています。沖縄問題はすなわち憲法問題、沖縄から稲嶺進さんをお招きします。
【講演】
沖縄はあきらめない!!
-沖縄県民はなぜ辺野古新基地建設に抗うのか-
稲嶺進さん(前名護市長・オール沖縄共同代表)
【文化アトラクション】
「沖縄に心を寄せて」
うたごえオールスターズ&仲間たち
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憲法九条を守るわかやま県民の会
事務局/和歌山市湊通丁南1丁目1-3 名城ビル2F 県地評内
℡ 073-436-3520
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「守ろう9条 紀の川 市民の会」第15回総会(予告)
9条を守ろう 私たちの手で!!
守ろう9条 紀の川 市民の会 第15回総会
9条をまんなかに ~えがこう平和への道~
開催日:2019年6月2日(日)
会 場:河北コミュニティセンター
(和歌山市市小路192-3 <アクセスは裏面>)
会員でなくても、どなたでもご参加いただけます!
【開始】14:00 【終了】16:40頃
第1部 講演「安倍改憲のトリックを斬る~憲法制定過程の真実と平和憲法を守る歴史的責任~」
講師 長峯信彦氏(愛知大学教授・憲法学)
安倍首相は2月の自民党大会で、「いよいよ立党以来の悲願である憲法改正に取り組む時が来た」と述べ、改憲への執念をあらわにしました。そして、自衛官募集に自治体の協力が得られないから、「憲法9条に自衛隊の明記が必要だ。災害派遣を受けるなら募集活動に協力しろ」と、国民の自衛隊に対する気持につけ込み、世の中の「空気」を変え、自衛隊の明記によって徴兵制にまでつながりそうな極めて危ういことを述べています。
安倍首相は、9条改憲への執念を捨てるどころか、ますます煮えたぎらせています。参議院選挙で何としても自民・公明・維新などの改憲勢力に打ち勝ち、安倍改憲を断念させるためには、私たちはどのようにすればよいのか、長峯先生とともにみんなで考えたいと思います。多数のみなさまのご参加をお願いいたします。
第2部 総会議事
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主催:守ろう9条 紀の川 市民の会 お問合せ先:073-462-0539 原
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