「九条の会・わかやま」 383号を発行(2019年10月10日付)

 383号が10月10日付で発行されました。1面は、秋の学習会を開催しました(和歌山障害者・患者九条の会)、第64回「ランチタイムデモ」実施、世論調査結果(朝日新聞)、九条噺、2面は、今の日韓問題をどう見るか(「憲法講座」における渡辺治一橋大学名誉教授の質疑応答から)、書籍紹介『9条改憲 48の論点』、事前告知・講演「戦場へ行く自衛隊~改めて安保法制の違憲性を考える~」   です。
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[本文から]

秋の学習会を開催しました
和歌山障害者・患者九条の会




 障害者・患者九条の会は9月28日、和歌山市ふれ愛センターに20名が集い、「秋の学習会」を開催、参議院選挙後の情勢について学びました。  憲法九条を守るわかやま県民の会の坂本文博先生を講師に迎え、「安倍九条改憲のねらいと改憲阻止の展望」のテーマでお話をいただきました。9条改憲の狙いは、日本を守るためではなく、海外で戦争する米軍を守るためです。もし9条が変えられてしまうとどんな世の中になるのでしょうか。軍事費が増大して福祉・医療・年金が圧迫され、軍事優先の社会となります。軍法の制定や徴兵制なども将来出てくるだろうとのことです。「国民投票法は改憲勢力に有利にできているので、絶対に改憲発議を許してはならない」と強調されました。2015年の戦争法成立によって「安倍9条改憲NO!」のスローガンで市民と野党の共同が生まれ、7月の参議院選挙では改憲勢力3分の2を割り込ませることができました。7月の世論調査では、安倍首相の下での改憲は軒並み「反対」が「賛成」を上回っています。それでも安倍首相は「必ずやり遂げる」と意気込んでいます。今まさに綱引き状態にあります。「運動し続けることが世論を作っている。多数派である限り改憲はできない」と力強く締め括られました。
 学習会の後、JR和歌山駅前で、3000万筆の集約をめざす「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」行動を行い、10名が参加して約45分で42筆を集めることができました。最近では最も多い数で、大きな成果を喜び合いました。(会の野尻誠さんより)



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第64回「ランチタイムデモ」実施



 10月9日、雲ひとつない絶好の秋晴れの下で、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかける第64回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」が、60人の市民が参加して行われました。  安倍首相は臨時国会の所信表明で「新しい国創りの道しるべは憲法です。日本がどのような国を目指すのか、その理想を議論すべき場こそ憲法審査会です。国会議員がしっかりと議論し、国民への責任を果たそうではありませんか」と改憲を煽っています。
 参加者は安倍改憲を絶対に許してはならないと、和歌山市役所から京橋プロムナードまで、「9条を守れ」「安倍改憲絶対反対」を訴えて行進しました。



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世論調査結果(朝日新聞)

7月23日
安倍首相に一番、力を入れてほしい政策は?



10月6日
安倍首相の下での憲法改正は?



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【九条噺】

 池内了氏(名古屋大学名誉教授)がAIがもたらす近未来への危惧について書かれている▼AIの厳密な定義は定まっていないようだが、「人工的に作られた人間のような知能を備えたコンピューターシステム」のようだ▼池内氏は「売買に関わる個人情報は全て『GAFA』等のビッグデータに集約されて、プライバシーは失われることを覚悟しなければならない。ビッグデータを処理するAIの能力が卓越した結果、AIは膨大な数の先例データをいとも簡単に解析し、次に打つべき最適解を教えてくれる」▼「今後、先行きが分からない問題はまずAIに相談しようとなり、何故そうなのかは分からないが、最適の答えだろうと、当り前に受け入れるだろう。神頼みならぬAI頼みになり、思考停止に陥ってしまいかねない」▼「AIは過去のすべてのデータを考慮して選択したからと、あたかも人格を持っているかのように、AIの決定を人間の判断より優先するようになり、AIが支配する社会に変貌していく可能性がある。それは完全監視社会と同一だ」と言う▼AIは医療など今後の社会に必要な技術ではある。が、AIがさらに進むと専門家でも何故そのような結論になるのかが分からなくなり、AIに頼りきってしまうようになる。ビッグデータ集約権を制限し、人間の知性の制御下に置くようにしなければならない。でなければAIが意志を持って人間を支配するなどという漫画のような話が現実になりかねない。(南)

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今の日韓問題をどう見るか
「憲法講座」における渡辺治一橋大学名誉教授の質疑応答から


 私は今出てきている日韓問題は、いろいろな意味で今の日本の政治の焦点になっていると思います。2つの意味で、その解決には大きな意義があると思います。
 1つは、戦後70年以上経っても、保守政権のもとで、教科書の検定などもありながら、韓国、朝鮮、アジアに対する植民地支配、侵略戦争、この問題を国民的に議論し、総括するという作業が出来ていない。今回起った日韓問題はそれを、また露呈した。この機会にこそ、植民地支配と侵略戦争を、事実を掘り起こし、国民的な議論と反省をする契機にしなければならないということです。
 ところが実際にはそれと全く逆の事態が進んでいます。日韓協定が最終決着をつけたんだからそれを蒸し返すようなことは国家間の信義を覆すものでおかしいという一点だけが国民には入っています。日本が行ってきた植民地支配の問題を具体的に国民はまだまだ知らないのです。その中で、「韓国はふとどきだ」と議論している。そうした気分に、立憲野党の中でも、この間題で踏み込むと難しいのではないかという気分があるのは間違いないと思います。
 しかし、私たちは、共闘の各野党の中では少なくとも、韓国民は敵ではない、日韓の問題を本当に対話で解決するためには今の安倍政権のやっていることはまったくおかしいという点では一致します。その上で、各政党、市民運動が、この間題の本質はどこなのか、歴史問題をどのように取り組むべきなのかということについて積極的に訴え、集会を持ち、発言をしていく。私たちの植民地支配と侵略戦争、歴史問題を改めて検討する機会にすることが重要です。
 2つ日は、それと関連しますが、現在の日韓間題に関する安倍内閣の対処は、安倍内閣がこの間追求してきた、戦争法から安倍改憲策動を通じて、アメリカの戦略に加担することで日米同盟を強化し、その力でアジアの「平和」と「安全」を確保しようとする一連の政策と同じ方向をもったものであり、北東アジアの平和構築とは逆行するものであるということです。
 私たちが、朝鮮、韓国との和解、北東アジアの非核化、平和構築による北東アジアの平和を追求するためには、日韓間題の対話を通じての解決は、その不可欠の一環をなすものです。だから、安倍改憲を阻止すること、日韓問題について植民地支配と侵略戦争の責任を踏まえた解決を模索することは、北東アジアの平和構築のために日本が果たすべき責務であると思います。
(『憲法運動』485号より)

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書籍紹介『9条改憲 48の論点』



 2012年の自民党憲法改正草案は、天皇の国家元首化、基本的人権の制約、「国防軍」の保持を主張する『国家主義』を前面に押し出した内容になっています。
 国家安全保障会議、秘密保護法、戦争法と着実に下地を作ってきた安倍政権はいよいよ「本丸」に着手するでしょう。
 本書は、日本の軍事大国化と人権の抑圧をもたらす「憲法改正」を阻止し、日本国憲法の理念を改めて学び、その実現のための48の論点をQ&A形式にしてわかりやすく、イラストや図版を多数取り入れて解説を加えていきます。
≪Q&A例≫
Q01 憲法とは何ですか?
A.暴走する危険性のある国家を縛る法のことです
Q02 立憲主義とは何ですか?
A.憲法に従って国家の運用を行う考え方のことです
Q03 憲法は平和主義についてどのように規定しているのですか?
A.前文で基本原則を示し、9条で平和に向けての目的と手段を示しています
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発行:(株)高文研
   TEL:03-3295-3415 FAX:03-3295-3417
著者:清水雅彦  判型:A5判、120ページ
出版:2019年10月3日
定価:1200円+税

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事前告知
講演 「戦場へ行く自衛隊~改めて安保
    法制の違憲性を考える~」
講師 長岡 徹 氏(関西学院大学教授・憲法学)
日時 11月3日(日)13:30~
場所 河北コミュニティセンター



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(2019年10月10日入力 10月11日一部修正)
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