「九条の会・わかやま」 400号を発行(2020年05月25日付)

 400号が5月25日付で発行されました。1面は、当会紙400号に!!、おめでとう『九条の会・わかやま』400号! 当会呼びかけ人・江川治邦さん(元和歌山ユネスコ協会事務局長)、会紙『九条の会・わかやま』400号に寄せて 金原徹雄さん(弁護士)、九条噺、2面は、第71回「ランチタイムデモ」実施、コロナに乗じた改憲は許さない! 私たちは黙らない!5・3憲法集会 国会正門前からネット配信、朝日新聞世論調査  です。
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当会紙400号に!!

 14年前の06年5月13日、県下の九条の会の共催で澤地久枝さんを迎え、「輝け!憲法9条・平和のつどい」を和歌山県民文化会館大ホールで開催し、2500人の参加で大成功でした。ところが、それを報道したのは毎日新聞和歌山版の小さな記事のみで、他の一般新聞は完全に無視でした。そこで私たちは「メディアが沈黙するなら、私たちが九条の会の活動を伝えなければなりません」と、約1カ月後の6月20日に1号を発行。和歌山県内で取り組まれている9条を守る活動や全国の動きなどを「平和のつどい」で出来上がったネットワークを通じて伝えています。
 100号は09年5月3日に、200号は12年9月14日に、300号は16年6月12日に、そして400号は14年目の20年5月25日の発行となったものです。今後もみなさまのお役に立つ情報を提供し続けていきたいと思います。是非、ご愛読いただくとともに、多くの方にお勧めをお願いいたします。(下の「九条噺」参照)

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おめでとう『九条の会・わかやま』400号!
当会呼びかけ人・江川治邦さん(元和歌山ユネスコ協会事務局長)




 2006年の第1号から14年間で400号の発行達成とは驚かされます。月間2.38回という驚異的な発行数は、巷の運動機関紙では到底考えられないほど高い数値だと思います。それ程にこの編集関係者の「憲法九条」にかける熱意が伝わり、読者の心を打ちます。また、毎回の会紙に記載される高名な論客の知恵が、九条改憲反対理由の拠り所として勇気を与えてくれ、同時に傘寿を過ぎた私の生涯学習にもなっています。毎号の「九条噺」は時々の事件や事象を反映させ、含蓄のあるエッセイでまとめられ、読者を楽しませます。このコラム執筆者の日頃のご苦労に感謝するばかりです。私の箕面市の友人は、メールで送られてくるこの会紙を見て、「和歌山は何処よりも頑張っているなあ」といつも驚き、褒めていただきます。会のホームページの累計アクセス数は2006年以降で5万6850件と聞きます。ホームページを閲覧される方が会紙の部分も見ておられるならば、この数値は、1号当り142件となります。新型コロナウイルスとは反対に、実効再生産数1.0以上の数値を目指し、読者の協力も得て、さらに上積みする必要があるでしょう。そして未来を託す若い人たちに読んでもらえる工夫も積み重ねていただき、私も4年後の500号が読めるように元気でがんばりたいと思います。

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会紙『九条の会・わかやま』400号に寄せて
金原徹雄さん(弁護士)




 私が会紙『九条の会・わかやま』200号をお祝いする文章を書いたのが2012年9月のことで、思えばその3カ月後に誕生した第二次安倍晋三内閣が、会紙400号到達をお祝いするこの稿を書いている時点でいまだに政権の座にあり、三権分立を掘り崩す稀代の悪法(検察庁法「改正」案)の成立を強行しようとしているのですから、時として「私たちは一体何をやっていたのだろう」という徒労感に襲われるのも無理はないと思ったりします。
 しかし、この間も「九条の会・わかやま」は、会紙の発行とホームページの更新をたゆみなく継続され、和歌山県下で9条を守る運動に取り組む人々に貴重な情報を提供し、「みんな頑張っているんだ」という励ましを与え続けてくださっています。
 そのために、柏原さんや南本さんをはじめとする事務局の皆さんが、どれだけの努力を重ねてこられたか、私自身は部外者であるものの、昨年1月までの6年間、ブログを「毎日更新」して情報発信に努めていたからこそ、そのご苦労がしのばれると言っては手前味噌に過ぎるでしょうか。
 第二次安倍内閣発足からの7年半の間に、日本国憲法も9条も満身創痍となったことは否めませんが、まだまだ死んではいないし、その価値をさらに発揮させるための私たちの努力に終わりはありません。私も体力の続く限り、「九条の会・わかやま」の皆さんと共に頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

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【九条噺】

 会紙『九条の会・わかやま』が400号を迎えた▼当会は05年9月16日に発足したが、06年になり、当会が和歌山県下の九条の会に呼びかけ、46団体の共催で澤地久枝さんを迎え、「輝け!憲法9条・平和のつどい」を5月13日に開催した。会場の和歌山県民文化会館大ホールは定員2000席のところ、2500人も集まり、通路やロビーにも人が溢れるという大成功であった▼ところが、県文大ホールが超満員になるなど、めったにないのに、一般新聞はほとんど報道しなかった。それに怒った当会事務局員のY氏は「メディアが沈黙するなら私たちが伝えなければなりません。平和のつどいで出来たネットワークを通じて伝えたい」と会紙の発行を始めた▼1号は6月20日付で、「第1回九条の会・全国交流集会」参加記を報じている。交流集会で澤地さんも「新聞はなぜ全国の『九条の会』活動の事実を報道しないのか。絶望する人を作り出している。犯罪行為だ」と指摘している。このコラムの「九条噺」という名付け親もY氏だ▼ところが、Y氏は07年4月30日の32号の発行で体調を崩し、33号から筆者が編集担当を引き継いだという次第。以来13年になるが、何とか発行を継続して400号になった▼Y氏は今や亡い。彼の思いを受けて発行を続けていきたいと思う。和歌山県内の取り組みを最重点に紹介したいが、記者もいない「ニュース」だ。ぜひ皆さんからのお知らせを期待したい。(南)

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第71回「ランチタイムデモ」実施



 和歌山は緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ感染防止に注意しなければならない5月20日、71回目の「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が行われ、前回を上回る約50人の市民が参加しました。
 今回のデモも前回に引き続き、シュプレヒコールなしのサイレントデモとなりました。今回は朝日新聞和歌山総局の記者が取材に来てくれました。
 出発に先立ち、藤井幹雄弁護士から、「コロナ禍で国民が苦しく不自由な生活を強いられる中、検察庁法『改悪』を強行しようとしたり、辺野古新基地建設のための設計変更の申請をしたり、不要不急の悪だくみを進める安倍政権を決して許してはならない。前回に続くサイレントデモで、静かに、しかし熱い思いを込めてアピールしましょう」という呼びかけがあり、デモに出発しました。

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コロナに乗じた改憲は許さない! 私たちは黙らない!
5・3憲法集会、国会正門前からネット配信




 総がかり行動実行委員会などでつくる5・3憲法集会実行委員会は5月3日、国会正門前で「5・3憲法集会2020」を開きました。新型コロナウイルスの感染が広がり、有明防災公園での集会は中止となり、国会正門前での集会がネット配信されました。安倍首相は、「日本会議」系の集会にメッセージを寄せ、9条への自衛隊明記について「違憲論争に終止符を打つ。私は先頭に立って責任をしっかりと果たしていく」と語り、改憲の先導役を担う考えを示したと報道されています。安倍首相と与党改憲派は、緊急事態条項の必要性を広言し、自民党改憲4項目を正当化しながら、憲法審査会の再開を狙っています。「こうした危険な安倍政権の下であるからこそ、緊急事態宣言のさなかでも平和・人権・民主主義という憲法の基本原理を守り、生かす課題を大切にします」「全国の市民は連帯し、安倍改憲発議を阻止しましょう。権力私物化、改憲暴走の安倍政権を倒し、政治を変えましょう」と、集会宣言が確認されました。
 総がかり行動実行委員会共同代表の高田健さんが主催者あいさつ。「安倍政権は改憲の動きを強めている。コロナ問題が解決していないのに、憲法審査会を動かしている場合ではない。コロナ禍の後、戦争する国にしてはいけない。同調圧力の中、物言わぬ国民になってはいけない。悪政に反対し政府を変える。市民と野党が共闘し、安倍政権を打倒し、改憲を阻止しよう」と呼びかけました。
 早稲田大学名誉教授の浅倉むつ子さんは「緊急事態であっても弱い人が生きやすい社会こそが、すべての人が生きやすい社会であり、そうした社会を作るべき。本当の平和・安全を求める時、憲法は私たちを導く灯台となる。9条改憲など必要ない」と訴えました。  国際基督教大学元教授の稲正樹さんは「安倍首相は憲法に緊急事態条項を入れようとしている。国会なしで法律を作れる権利を与えるもの。不急不要の火事場泥棒だ。この企みを許してはいけない」と強調しました。
 ジャーナリストの堀潤さんは「民主主義の底力が試されている。コロナの先が心配だ。民主主義の対義語は、沈黙だと思う。沈黙したら大きな声に従うしかなくなる。勇気を出して声をあげた人に、『よく言った。私もそう思う』と支えあえるのが民主主義の第一歩。連帯して声をあげよう」と呼びかけました。
 市民連合の山口二郎さん、芸人9条の会の落語家・古今亭菊千代さん、福島原発告訴団団長の武藤類子さん、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さんから寄せられたメッセージが紹介されました。
 総がかり行動実行委員会共同代表の小田川義和さんが行動提起。「忖度政治ではコロナに対処できない。今こそ、批判を強めよう。憲法13条、25条など平和的生存権、憲法を生かすことが重要だ。コロナに乗じ、憲法への緊急事態条項の明記、軍事費を増やし武器を爆買する自衛隊の明記を狙うたくらみを強く拒否しよう」と訴え、総がかり行動実行委員会のスタンディング宣伝、改憲発議に反対する署名の取り組みを進めることを呼びかけました。(憲法共同センターニュース5月7日号より)

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朝日新聞世論調査

5月18日




5月3日





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(2020年05月25日入力)
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