「九条の会・わかやま」 402号を発行(2020年06月16日付)

 402号が6月16日付で発行されました。1面は、「9の日宣伝」全国で 和歌山でも署名活動実施、「立件しないのは素朴な疑問」「主権者の神経を逆なで」市民75人が黒川氏を刑事告発、衆参憲法審査会動かず、九条噺、2面は、平和願い 地道に400号 九条の会・わかやま 会紙創刊14年、全国緊急署名24万257人分を国会に提出  です。
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「9の日宣伝」全国で
和歌山でも署名活動実施



(新宿)

 6月9日、全国で「9の日宣伝」が行われました。
 東京・新宿駅前では安倍政権による9条改憲発議に反対する全国緊急署名を呼びかけ、「いまするべきは改憲ではなく、憲法にもとづいた新型コロナ対策です」と訴えました。
 各団体の代表が訴え。五十嵐仁氏(全国革新懇)は、「コロナ禍で、憲法13条・個人の尊重、25条・生存権、29条・財産権の保障など憲法の重要性が明らかになった。憲法の理念、規定を生かすべき。憲法を変えるのではなく、政治を変えることこそが必要です」と訴え、小田川義和氏(全労連)は、「第2次補正予算案の10兆円という予備費は異常です。政府が使い方を勝手に決められるものだ。安倍政権は憲法に従った政治をするべきです」と訴えました。
 和歌山でも同日11時から1時間、JR和歌山駅前で14人が参加し、「9の日宣伝」が行われました。署名活動はコロナ禍に配慮して、テーブルに署名用紙を置き、対面せずに書いてもらうようにし、ハンドマイクで訴えました。

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「立件しないのは素朴な疑問」「主権者の神経を逆なで」
市民75人が黒川氏を刑事告発




 東京高等検察庁の黒川弘務前検事長が、くり返し賭け麻雀をしていたとして、市民グループが6月2日、常習賭博の疑いで東京地方検察庁に告発状を提出した。黒川前検事長はこの問題で訓告の処分を受けて、5月22日に辞職したが、市民グループは「厳正な捜査対象とすべき」と主張している。
 告発状によると、黒川前検事長は、緊急事態宣言で外出自粛中だった5月1日と13日など、少なくとも4回にわたって、産経新聞記者2人、朝日新聞社員1人と麻雀をおこなって、現金をかけた疑いがある。
 告発をとりまとめた市民団体「安倍首相による検察支配を許さない実行委員会」(藤田高景代表)によると、告発人は75人。一橋大学名誉教授の田中宏氏、国際基督教大学元教授の稲正樹氏、ジャーナリストの高野孟氏、経済学者の植草一秀氏などが名前を連ねた。
 告発状提出後、同委員会は東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。
 会見に出席した田中宏氏は「検察が立件しないのは素朴な疑問だ」「検察が信頼回復するかどうかは、この告発状をどう処理するかにかかっている」と訴えた。
 稲正樹氏は「最大の問題は、検察庁法改正の最中に、検察の要職にあった人物が、報道機関の人物と賭け麻雀に興じていたことだ」と指摘した。
 弁護団の大口昭彦弁護士は「(黒川前検事長は)『三密』そのものである麻雀をわざわざやっていた。常習性が現れているといえる」「非違行為をおかした黒川氏は訓告処分に終わり、主権者の神経を逆なでしている。このような事態は放置されてはいけない」と述べた。
 同委員会によると、全国から告発人の申込みが続いているため、近日中に告発人の追加申請をおこなう予定という。
(弁護士ドットコムニュース6月2日付より)

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衆参憲法審査会動かず

 参院憲法審査会の与野党筆頭幹事は6月3日、今国会での審査会開催を見送ることを確認しました。衆院憲法審査会も6月11日、会長職権で開催しようとしましたが、流会となりました。国民投票法の改正は、秋の臨時国会以降に先送りされることになりました。17年5月の安倍9条改憲発言、18年3月の自民党改憲条文案がまとまって以降、5回目となる今国会でも、審査会での改憲案の提示、改憲論議も許さない大きな成果となりました。

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【九条噺】

 コロナ禍の中でも、季節は移ろい、ホタルが飛び始めた。筆者の地域では毎年ホタル狩りを行っていた。「狩る」といっても「捕える」のではなく、「鑑賞する」ことだ。今年はコロナのせいで中止になった▼ところで、日本には何種類のホタルが棲息しているのか。約40種。そんなに多くと思われるだろうが、多くの種類の成虫は昼間に活動するので光らない。幼虫はほとんど光る▼ゲンジボタルとヘイケボタルが有名だが、ゲンジボタルはやや大きく、幼虫は里山の清流に、ヘイケボタルは水田や湿地などに棲息する。山地の杉林や竹林に生息し幼虫は陸生というヒメボタルもいる。我庭にも10年ほど前は毎晩10匹ほどのホタルがいた。近くに川はなく、竹林があるので、ヒメボタルだったのか▼ホタル狩りの歌「ほうほう ホタルこい こっちの水は甘いぞ…」が知られるが、「砂糖水」にホタルが飛んでくる訳はない。「甘い水」とは農薬や洗剤などに汚染されていないきれいな水のことだ▼10年11月、マレーシア・クアラルンプール郊外の大きな川のマングローブ地帯で、無数のホタルが1本の木に集まり一斉に同調して光るのを船から見た。「点滅する光の木」という感じで、その美しさにびっくりした▼日本の風物詩で、我々の楽しみでもあったホタル狩りを奪ってしまったのは、コロナであることは論をまたない。しかし、コロナにそんな力を与えてしまったのは一体誰か。それを追及し、来年には是非ホタル狩りを楽しみたい。(南)

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平和願い 地道に400号
九条の会・わかやま 会紙創刊14年




(400号に達した「九条の会・わかやま」会紙)
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 6月13日の朝日新聞和歌山版は「九条の会・わかやま」の会紙が400号を迎えたことを報じました。これは記者・下地毅氏が当会に取材されて書かれたものです。全文をご紹介します。
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 「九条の会・わかやま」の会紙が400号をむかえた。創刊から14年、日本国憲法9条をめぐる時事問題や、戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の実現を目ざす市民の動きを、月2~3回、うまずたゆまず報じてきた。
 「当会紙400号に!!」。白抜き文字がおどる400号は5月25日に発行した。1面には、弁護士の金原徹雄さんの「県下で9条を守る運動に取り組む人々に貴重な情報を提供し、『みんな頑張っているんだ』という励ましを与え続けてくださっています」など、お祝いとねぎらいの言葉を掲載。2面には、5月に和歌山市であった9条まもれのデモ行進や、国会正門前であった憲法集会の様子を収録した。
 33号から編集を担う元会社員の南本勲さん=和歌山市=によると、始まりは「怒り」だった。
 作家の井上ひさしさんや憲法研究者の奥平康弘さん、評論家の加藤周一さんら9人が「九条の会」を設立したのは2004年6月。以降、全国各地の市民が会を設立していく。県内でも05年9月に農協組合長や僧侶、建築家らが会見して「九条の会・わかやま」の結成を発表した。
 翌年5月、「わかやま」は県内の46団体と一緒に、「九条の会」を呼びかけた一人で作家の澤地久枝さんを招いて、「平和のつどい」を県民文化会館で開く。2千席の会場から人があふれる盛況だった。
 ところが「つどい」を報じたのは一部メディアのみ。朝日新聞は掲載しなかった。これに「わかやま」のメンバーは怒った。「メディアが黙殺するなら私たちが伝えよう」。こうして06年6月20日に第1号がうまれた。「報道しない新聞」に対する澤地さんの批判「絶望する人を作り出している。犯罪行為だ」も載せた。
 以降、月に2~3回の頻度で発行した。全国各地や県内の大小の集会の告知と報告、識者の講演録、映画評、書評、憲法をめぐる世論調査結果や政治の動きを載せてきた。
 南本さんの編集方針は「うちはこんなことをしているよ」と知らせあう交流の場と、「こうしたらうまくいくよ」と知恵を出しあう場とするの二つ。「県下のどんな小さな動きでも伝えていきたい」と話す。
 会紙は「九条の会・わかやま」のホームページに掲載している。県内の動きを載せている和歌山大学名誉教授の柏原卓さん=和歌山市=は「戦争では若い人が血を流す。それを世論の力、憲法9条の力で食いとめたい」。
 会紙の送信を希望する人は氏名を記入して柏原さん(kashisgr@gmail.com)へ。(下地毅)

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全国緊急署名24万257人分を国会に提出



 安倍改憲NO!全国市民アクションと総がかり行動実行委員会は6月4日昼、「安倍9条改憲NO!改憲発議に反対する全国緊急署名」の提出行動を行い、110人が参加。24万257人分の署名を国会に提出しました。コロナ禍で宣伝・署名行動など実施しづらい状況が続いていますが、工夫をこらし署名を集めてきたことに確信を持ち、さらに運動を広げていくことを確認しあいました。
 立憲民主党・近藤昭一衆議院議員、沖縄の風・伊波洋一参議院議員、日本共産党・塩川鉄也衆議院議員、国民民主党・奥野総一郎衆議院議員、社会民主党・吉田忠智参議院議員が参加し、あいさつ。署名を手渡しました。
 総がかり行動実行委員会・高田健共同代表が主催者あいさつ。「全国の市民が結束し、コロナ禍であっても手紙を送って署名を集めるなど、24万を超える署名を集め、9条改憲NO!の世論をつくり出している。草の根から、街頭から署名行動を続け、困難を克服して9条改憲を阻止しよう」と呼びかけました。
 3人が決意表明。九条の会・小森陽一さんは、コロナ禍で予定していた学習会が中止になり、学習会の内容でブックレットを作り、署名に取り組んでいることを紹介。「安倍政権への批判が広がっている。怒りを集め、安倍内閣を退陣へと追い込む運動を」と呼びかけました。
 憲法共同センター・長尾ゆりさんは、「今国会では、1回しか憲法審査会を開かせなかった。コロナの下でも、改憲発議に反対する署名を24万も集め、安倍政権を追い込んでいる私たちのたたかいに拍手を送りあおう。憲法共同センターでは、コロナの問題を入れて、憲法リーフの改定版を作った。それには署名ハガキが付いており一言メッセージが書けるようになっている。二度と戦争をしてはいけないとの一人ひとりの思いが寄せられている。1日も早く、安倍政権に終止符を。憲法を力に運動を進めよう」と訴えました。  憲法9条を壊すな!実行委員会・土井登美江さんは「コロナ禍なので署名宣伝には遠慮があったが、多くの人が署名に協力してくれた。9条改憲NO!の署名宣伝は、確信が持てる行動になっている」と話しました。
 総がかり行動実行委員会・藤本泰成共同代表が行動提起。新宿駅西口での総がかり行動実行委員会の署名・宣伝行動、国会議員会館前での総がかり行動実行委員会「19日」への参加を呼びかけました。
(憲法共同センターニュース6月5日号より)

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(2020年06月15日入力)
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