「九条の会・わかやま」 404号を発行(2020年07月08日付)

 404号が7月8日付で発行されました。1面は、「和歌山障害者・患者九条の会」14周年の集い開催、会紙400号発行に当り思うこと 会紙を通して多くの方々との結びつきを広げたい 「九条の会・わかやま」事務局・柏原 卓、九条噺、2カ月ぶりの「国会19日行動」 衆議院第2議員会館前に1800人が集結、ダーウィンも嘆く自民党の改憲漫画、首相改憲発言 国民世論無視を許すな  です。
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[本文から]

「和歌山障害者・患者九条の会」14周年の集い開催



 「和歌山障害者・患者九条の会」は6月28日、和歌山市ふれ愛センターで23名が参加して、14周年の総会と記念講演会を行いました。総会の後に行われた記念講演は、「憲法九条を守るわかやま県民の会」の坂本文博先生による「コロナ危機に乗じた改憲の動きは許せない!」でした。
 改憲4項目の一つである緊急事態条項。ドイツではワイマール憲法48条の大統領非常権限が乱発された結果、ナチス・ヒトラーの独裁政権に道を開いたことや、我が国では1928年、治安維持法改正案が廃案になりながら天皇勅令によって押し通されたなどの歴史がある。戦後の日本国憲法ではそれらの反省から緊急時には個別の法律で対応することとし、緊急事態条項は必要がないとされた。今回のコロナ危機は保健所の人員や予算を削減してきたことが感染拡大につながった。日頃からの備えを怠った結果である。感染症特措法の緊急事態宣言は自粛要請のみで罰則はなく、全く性質の異なるものである。昨年、一昨年の通常国会、臨時国会、今年の通常国会と、5回も改憲発議を許さなかった世論の力に自信をもつべきである。コロナ禍で様々な活動が制限される中、県民の会で取り組んだ新しい署名活動の方式なども紹介されました。
 コロナウイルスの影響で、時間を短く設定、参加者はマスクを着用、椅子の間隔をあけ、マイクは使い回さないなど、感染対策を徹底しての開催となりましたが、例年と代わりがないほどの人数が集い、とても喜ばしい有意義な一日となりました。(会の事務局・野尻誠さんより)

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会紙400号発行に当り思うこと
会紙を通して多くの方々との結びつきを広げたい
「九条の会・わかやま」事務局・柏原 卓


 会紙『九条の会・わかやま』400号が去る5月25日に発行された。2006年6月20日創刊からの14年にわたり毎月2回余、県下の多様な取り組みや全国的なニュース等をたゆまず発信し続けた結果だ。電子メールに添付ファイルの形で県内外(一部海外)に配信されると共に、会のホームページにも内容が転載される。各地の取組が参考や激励になる他、講演内容の連載や解説記事は分かりやすく、資料として使えると歓迎されているようだ。コラム「九条噺」の愛好者もある。充実した内容で発行し続けた二代の編集長の熱意は、身内ではあるが称賛の他ない。現在購読中の皆様には引き続きご愛読を願うと共に、周囲に配信を勧めたい知人がお有りならばメールアドレスを会紙配信元の編集長宛に是非ご一報をお願いしたい。
 次に私事で恐縮だが、ホームページ管理者として記事内容を転載してきた思い出を書き添えて、私なりの400号に寄せる言葉にさせていただこう。まず創刊号に至るまでの主な出来事を時系列で記してみる。2005年9月16日「九条の会・わかやま」発足、10月30日にホームページ開設、11月20日に第1回よびかけ人懇談会開催、同年末にリーフレット発行、2006年5月13日に澤地久枝氏講演会「輝け!憲法9条・平和のつどい」(児童合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」含む)となる。「つどい」は「九条の会・わかやま」が県下の「9条の会」と共催し、県民文化会館で2500人の超満員で成功した。この準備過程で共催団体のニュース「つどい新聞」発行をY氏が続けた。そして、「つどい」の成功をマスコミが無視したことに怒ったY氏が、それなら自前で九条を守る運動を報じようと会紙『九条の会・わかやま』を立ち上げるに至った。Y氏は後に体調を壊し、編集をM氏に交代し現在に至っている。
 初代Y氏は立派な編集者で充実した紙面をかなりの頻度で発行された。しかしホームページへの転載にあたっては、技術上の不慣れと無料アカウント容量制限でいろいろ苦労した。写真は容量を食うので原則割愛し文字中心にしたが、編集長愛用の文字の書体をホームページのために飾りのない標準テキストにするのが手間だった。今のM編集長はわざわざワードで送ってくれるので手間がなく助かっている。
 101号からは記事中の写真も転載し始めたが、はじめは容量制限のため縮小に苦労した。写真編集ソフトにも不慣れで、縦横の長さを手計算で求める無駄もしていた。その後、容量制限が緩和されたこともあり、スクリーンショットのまま使えて楽になった。今は、ホームページへの会紙の転載だけでなく、時には会紙に自分が書いたコメントや写真を付加することもしている。
 今後とも会紙を通して多くの方々との結びつきを広げたいと思っている。

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【九条噺】

 例年、梅雨明け頃の7月17日に行われる京都の祇園祭のハイライト「山鉾巡行」が今年は中止となった。新型コロナウイルス感染症のせいで、祇園囃子も響かない寂しい夏となりそうだ▼祇園祭は今から1150年前の平安時代に疫病(感染症)から人々を守るよう祈った催しが起源だという。平安京は湿地で高温多湿であり、人口の集中、上下水道の不備などにより、マラリア、天然痘、インフルエンザ、赤痢、はしかなどが大流行し、無病息災を祈念して毎年行うようになったとされる▼ウイルスや細菌など知られるはずもない遥かな昔、神に頼らざるを得ず、感染症に立ち向かって始まった祇園祭が現在の感染症・新型コロナウイルスに阻まれたのは、何とも残念と言う他ない▼筆者は30年程前、京都で単身赴任をしていた。住んでいた町は「蟷螂山(とうろうやま)町」と言い、マンションの1階が「蟷螂山」の保管庫で、自室のバルコニーから真下に建てられた「山」を見ることができた。大きな「蟷螂」(カマキリ)が動くカラクリが施されていた▼また、鉾先きに大長刀(おおなぎなた)をつけ、必ず巡行の先頭を行く「長刀鉾」の上まで上らせてもらったことがある。男性はOKだったが、女性はご遠慮くださいと言われた。今でもそうかは不詳だが、今や、そんなことを言う時代ではない。平安時代からの伝統とはいえ、改革を図るべきだと思った▼新型コロナ感染症は神頼みでは解決しない。科学と政治の力で終息させ、来年は豪華な山鉾巡行を見たいものだ。(南)

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2カ月ぶりの「国会19日行動」
衆議院第2議員会館前に1800人が集結




 6月19日、2カ月ぶりに「国会19日行動」が再開した。降りしきる雨の中であったが、衆議院第2議員会館前に1800人が結集した。「安倍改憲発議とめよう!モリ・カケ・桜は終わっていない!検察庁法改定案は廃案を!安倍内閣退陣を!」の呼びかけで、6・19国会議員会館前行動が始まった。安倍政権は悪行の数々から逃れようと野党と国民の声を無視して、17日国会を閉会させた。野党、国民の声を無視した安倍政権に批判は高まっている。
 開会挨拶は共同代表の小田川義和さん「コロナ禍に紛れて国会を止めた。昨日の安倍会見は緊急事態条項まで持ち出し許せない。都知事選挙はオリンピックよりコロナ対策を呼びかけたい」。山添拓議員(共産)「河井夫婦の犯罪は酷く許せない。安倍首相が責任を取るとは何なのか? 国会を開催することから始まる。本当の責任を取ることを追及しましょう」。
 高良鉄美議員(沖縄の風)「国会会期を終わらせない。安倍会見で『敵基地攻撃』のできる憲法改悪論をぶちまけた。コロナ禍では医療、生活が第一でしょう」。岸まきこ議員(立憲)「国民がコロナで苦しんでいるのに安倍政治は後手後手で許せない。国会は閉じても、まだまだ頑張ります」。柚木道義議員(無所属)も挨拶をした。福島みずほ議員(社民)「河井夫妻の逮捕は安倍政治の責任です。大変な時に大企業特需はやめさせよう。責任取らない安倍政治は終らせよう。検察庁法案を強行採決させなかったのは国民の力、私物化された政治を変えましょう」。清水雅彦さん(日体大教授)「学校の一斉休校は科学的根拠もなしに、安倍首相は大統領制気分で統制しようとした。法の支配を否定している。安倍首相をクビにしましょう」。
 菱山南帆子さんが行動提起を行い、「黒川元検事長、河井克行元法務大臣、杏里参議院議員などは『余人をもって変えがたい』と言い切り、適材適所だと。それが賭け麻雀、買収の悪罪を重ねた。憲法や腐敗を平気でねじ曲げる。とんでもない安倍政権に政治は任せられない。都知事選挙は小池百合子を倒すことだ」と声をあげた。(レイバーネットニュース6月20日付)

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ダーウィンも嘆く自民党の改憲漫画



 自民党改憲漫画が批判されている。この漫画は「ダーウィン進化論では、最も強い者や最も賢い者が生き延びるのではない。唯一生き残ることが出来るのは変化できる者だ。だから、日本を発展させるためには憲法改正が必要だ」と主張している。
 生物学の「進化」は、個体の話ではなく、集団レベルの話だ。ある集団が何代も世代を経て、どんな変化が起こったかということで、その変化は生き残ろうとして起こったものではない。偶然の変異がたまたま環境に適合した場合に繁栄していくということだ。
 各個体に「意志」が存在しない動物や植物が変化し、自然環境に適応し繁栄した過程を、意志がある人間の集団行動である政治や歴史に適用しようとしても、それは無理な話である。長い歴史の中で多数の尊い犠牲を払いながら、民主的政治制度と憲法理論を「進化」・発展させてきた人類の英知に対する冒涜だと言わなければならない。

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首相改憲発言、国民世論無視を許すな

 安倍首相は6月18日の記者会見で、「総裁任期の間に憲法改正を成し遂げたい。その決意と思いに、いまだ変わりはない」と力説しています。20日のインターネット番組では、「まだ自民党総裁の任期は1年3カ月ある。何とか任期中に国民投票まで行きたい」と改めて表明しました。来年9月までの総裁任期中に改憲を成し遂げたいというのが、首相の持論ですが、国民の圧倒的多数は9条改憲を求めていません。時事通信の21日の「世論調査」は、憲法9条について69.0%が「改正しない方がよい」(「改正する方がよい」29.9%)と答えています。安倍内閣を支持する人でも「改正しない方がよい」が56.8%にのぼっています。
 安倍首相は、「民主主義において全員のコンセンサスは無理なので、その時は多数決で決まるのが大原則だ」とし、「数の力」の行使も辞さない態度を示していますが、首相の描く改憲スケジュールは行き詰まっています。
 憲法は主権者・国民が権力の勝手な振る舞いを許さないためにつくられるもので、憲法99条は、首相を含む公務員の「憲法尊重・擁護義務」を定めています。首相が改憲の旗を振る先頭に立つのは、この規定に真っ向から反するのは自明です。

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(2020年07月07日入力)
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