「九条の会・わかやま」 462号 発行(2022年10月03日付)

 462号が10月3日付で発行されました。1面は、憲法違反の「安倍国葬」 強行開催される、安倍元首相の「国葬」強行に抗議 国会正門前に1万5000人 憲法・民主主義の破壊は許さない! 安倍・岸田政治を終りにさせよう!、「国葬」反対グループ 日比谷公園で集会、九条噺、2面は、「ランチタイムデモ」が100回に 今こそ改憲阻止の声を共に上げて行きましょう、古賀誠氏 憲法9条堅持訴え、書籍紹介『非戦の誓い』- 「憲法9条の碑」を歩く -、ドキュメンタリー映画『轟音』の上映とお話  です
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[本文から]

憲法違反の「安倍国葬」 強行開催される

 安倍晋三元首相の「国葬」が9月27日、日本武道館で強行開催された。海外要人を含めて国内外から4183人が参列したという。近くの公園に設けられた献花台には長い列が出来る一方、会場周辺でも反対デモが行われた。
 岸田首相は弔辞で、安倍氏が日米関係を始めとする外交・安全保障政策の強化や少子化対策に取り組んだことに触れ、「あなたは憲政史上最も長く政権にあったが、歴史はその長さより達成した事績によって記憶することだろう」と述べた。
 政党では立憲民主党執行部や共産党、れいわ新選組、社民党などが欠席し、野党の対応は分かれた。参列者は、210を超える国・地域と国際機関の関係者を含めても、当初想定の7割ほどにとどまった。
 式場の外では、一般献花に約2万3000人が訪れたというが、内閣の一存で実施を決めたことや、物価高の中で概ね17億円弱の国費が支出されることへの反発から、中止や反対を訴える大規模なデモが各所で開かれた。
 今回の「国葬」は、安倍元首相を特別扱いにする、憲法14条「法の下の平等」に反する憲法違反の「国葬」だ。
 岸田首相は「歴史はその長さより達成した事績によって記憶することだろう」と言うが、達成した「事績」は「国葬」に値するものなのか。岸田首相は安倍政権が8年8カ月続いたことを上げた。しかし、その長期の安倍政権こそ、次のような戦後最悪の政策を進めた政権ではなかったのか。
 「憲法違反の安保法制を強行して、日本を『戦争する国づくり』への暴走に駆り立て、立憲主義を破壊した」「『アベノミクス』を強行して、格差と貧困をここまでひどくした」「『森友・加計・桜を見る会』を始め、国政私物化疑惑にまみれた」「統一教会とズブズブの癒着関係をつくり、最大の広告塔になった」等々。
 岸田首相は、「国葬」は「故人に対する敬意と弔意を国全体として表す儀式」と言う。「国全体」とは、国民主権の下では「国民全体で」安倍元首相に対する「敬意と弔意」を表すということになる。これは憲法19条が保障する「思想・良心の自由」を侵害する弔意・敬意の強制だ。絶対に認めるわけにはいかない。

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安倍元首相の「国葬」強行に抗議 国会正門前に1万5000人
憲法・民主主義の破壊は許さない! 安倍・岸田政治を終りにさせよう!




 「安倍元首相『国葬』反対!9・27国会正門前大行動」が9月27日に行われ、1万5000人が参加しました。主催は安倍元首相の「国葬」に反対する実行委員会、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の呼びかけです。社民党の福島瑞穂参議院議員、立憲民主党の近藤昭一衆議院議員、日本共産党の志位和夫衆議院議員、れいわ新選組の櫛渕万里衆議院議員があいさつ。沖縄の風のメッセージが紹介されました。
 憲法9条壊すな!実行委員会の菱山南帆子さんが主催者あいさつ。「安倍政権の8年8カ月は憲法を破壊し、民主主義を傷つけた。自民党と統一協会の癒着のキーマンは安倍元首相だ。悪政を美化することを許してはいけない。今日を安倍・岸田政治の終りの始まりにしよう。まともな政治、民主主義を取り戻そう」と呼びかけました。
 市民からの訴えで前法政大学総長の田中優子さんは、「民主主義は不断の努力をする必要がある。国葬を強行することは、国会軽視、民主主義破壊だ。国葬を認め、不断の努力を怠ってしまうことはファシズムへの道につながる」と指摘しました。
 劇作家の坂手洋二さんは、「国葬は総理大臣がやると言えばできるのか」と国葬反対を表明するとともに、「防衛費2倍化にみんな怒らなければならない。これを阻止するには選挙で勝つしかない」と強調しました。
 高千穂大学の五野井郁夫教授は、「国葬は法的根拠もなく、議会制民主主義を無視している。今日のこの状況は可視化された民意だ。全国各地でも宣伝や集会が行われている。安倍元首相には負の業績しかない。私たちは8年8カ月の在任中に平和憲法を守り抜くことができた。これからも民主主義、非暴力、平和主義を貫いて声をあげていこう」と呼びかけました。
 憲法共同センターの木下興さんが行動提起を行いました。
(憲法共同センターNEWS9月28日号)

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「国葬」反対グループ 日比谷公園で集会



 安倍元総理大臣の「国葬」に反対する市民グループは都内で集会を開き、「弔意を強制する国葬には反対だ」などと訴え中止を求めました。
 市民グループは「国葬」の開式に先立って、27日正午すぎ、東京千代田区の日比谷公園で集会を開き、主催者発表によると、およそ2500人が集まりました。
 集会では、呼びかけ人の一人、作家の落合恵子さんが「私たちの血税は市民の暮らしにこそ使われるべきだが、それが国葬に使われている。何のための国葬か問いかけたい。国民のことを考えていないという事実に、私たちには抗議する権利があり、その思いを後世に残していかないといけない」と訴えました。
 このあと参加者たちは「国葬反対」とか「弔意の強制を拒否します」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げ、日比谷公園を出発して1時間余りにわたって都内をデモ行進しました。
(NHKより)

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【九条噺】

 27日に行われた「安倍元首相『国葬』」に立憲民主党・野田佳彦元首相、連合・芳野友子会長が参列した▼立憲民主党執行部は、泉健太代表を含む執行役員9人の欠席を決めている。野田元首相は「元首相が元首相の葬儀に出ないのは私の人生観から外れる。長い間お疲れさまでしたと花をたむけてお別れしたい」と語ったそうだ。「元首相が元首相の葬儀に出ないのは人生観から外れる」と言うが、鳩山由紀夫元首相も菅直人元首相も参列していない▼「花をたむけてお別れしたい」と言うのなら、過日の増上寺での葬儀ででも、安倍元首相宅を訪ねて献花してでもいいはずだ。問題の本質は憲法違反の法的根拠もない「国葬」に参列することだ。国権の最高機関にいる国会議員は憲法違反の「国葬」には参列不可のはずだ。個人を優先するなど問題外だ▼さらに問題なのは、連合・芳野友子会長の国葬参列だ。「苦渋の判断だが出席せざるを得ない」と言っていたそうだが、どう「苦渋だった」のかさっぱり分からないし、「出席せざるを得ない」という結論はなおさら分からない▼「労働者の闘う力など信じていない」「政府に擦り寄ってお願いするしかない」「政府と対決したら、取れるものも取れない」ということではないのか▼「国葬のあり方と凶弾に倒れたことに弔意を示すことは区別する必要がある」と言っていたそうだが、「国葬よりも優先されるべき労働者支援を政府に求める立場ではないのか」と言わざるを得ない。(南)

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「ランチタイムデモ」が100回に
今こそ改憲阻止の声を共に上げて行きましょう




 2014年6月23日に第1回が開催された「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」は、回を重ねて10月17日(月)に第100回を迎えることになりました。記念の100回に多数のみなさまのご参加を呼びかけます。 ※集合:10月17日(月)正午・和歌山市役所前、出発:12時20分

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古賀誠氏、憲法9条堅持訴え



 元自民党幹事長の古賀誠さんが8月20日、福岡県大牟田市で講演し「日本が戦後77年戦争に巻き込まれなかったことは事実。憲法9条を手放してはいけない」と持論の9条堅持を訴えた。
 古賀さんは出征した父がフィリピンのレイテ島で戦死しており、『憲法九条は世界遺産』の著書を持つ。講演は市民団体「大牟田の空襲を記録する会」50周年記念事業で、自民党議員や護憲派の九条の会メンバーなど約270人が参加した。
 自民党は9条に自衛隊を明記する改憲案を提起しているが、古賀さんは日中戦争と太平洋戦争で日本人約310万人が亡くなったことに触れ、「たくさんの涙があって9条がある。(亡くなった)安倍元首相は『自衛隊を明記しても何も変わらない』と言ったが、変わらないなら書く必要はない。抑止力で一番強いのが9条だ」と述べた。
 参加した古賀さんの後継者で衆院福岡7区選出の藤丸敏・副内閣相は「9条は手をつけず、自衛隊は内閣の職務を定めた73条に明記することを党内で提案していく」と話した。一方、九条の会おおむたの会員は「世論が盛り上がる。心強く思った」、記録する会の中嶋光秋代表は「(古賀氏は)父の戦死に対する悲しみ、怒りがあるのだろう」と感想を語った。
(毎日新聞 8月20日付)

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書籍紹介 『非戦の誓い』
- 「憲法9条の碑」を歩く -




 各地の9条の碑をめぐり、建てた人々の思いを一つずつ知ることで、私たちは9条の精神を改めて認識し、次代を目指すエネルギーにできます。9条の旅にいざ出かけましょう。
 沖縄県那覇市、沖縄県南風原町、沖縄県読谷村、沖縄県西原町、沖縄県大宜味村、沖縄県石垣市、沖縄県宮古市、愛媛県大洲市、広島県広島市、岡山県鏡野町、兵庫県福崎町、三重県伊勢市など26箇所(海外あり)。
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著者:伊藤千尋(「九条の会」世話人)
判型:272ページ  定価:1,800円+税
発行年月日:2022年4月26日
あけび書房 〈TEL〉03-5888-4142

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予告
ドキュメンタリー映画『轟音』の上映とお話
古久保健さん(田辺市龍神村在住)
「守ろう9条 紀の川 市民の会」第19回憲法フェスタ
11月3日(祝)13時30分~16時30分 河北コミュニティセンター




会場へのアクセス→ http://www.city.wakayama.wakayama.jp/shisetsu/community/1000960.html

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(2022年10月03日入力)
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