「九条の会・わかやま」 473号 発行(2023年2月17日付)

 473号が2月17日付で発行されました。1面は、「春の情勢学習会」を開催 和歌山障害者・患者九条の会、第104回「ランチタイムデモ」実施、九条噺、2面は、毎月3日のスタンディング宣伝 「きび9条の会」「金屋9条の会」「新婦人有田川支部」、みなべ「九条の会」134回目のピースアピール、「敵基地攻撃能力保有・大軍拡を許さない全県学習・意思統一集会」開催  です
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[本文から]

「春の情勢学習会」を開催
和歌山障害者・患者九条の会




 物価の高騰が私たちの生活を直撃する一方、岸田政権は、今後5年間に43兆円もの防衛費をつぎ込もうとしています。そこで、情勢をしっかり学ぼうと、「和歌山障害者・患者九条の会」は2月12日、「春の情勢学習会」を開催し、26名が集いました。
 ゴジラと原子力、平和について研究され、多方面でご活躍の信愛女子短期大学副学長の伊藤宏先生をお迎えし、「時代が必要としている日本国憲法~前文と9条を読み返す~」と題して、スライドも駆使してとても判りやすく説得力のあるお話をいただきました。
 日本国憲法作成時の首相・幣原喜重郎は憲法第9条について、「戦争をやめるには武器を持たないことが一番の保証になる」と述べていたとのこと。日本国憲法が誕生した1946年11月3日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨として文化の日と制定された。私たちがこんな社会を作っていきたいという骨格提言が憲法であり、政府など(公務員)が守らなければならないもの。しかし自民党改憲草案ではそれをすり替えて、国民に守る義務を課している。そして随所に個人よりも国家が優先される内容になっている。ゴジラが人間から受ける攻撃に対抗して、より強力な放射火炎を吹き、町を焼け野原にしてしまう場面、ゴジラが教えてくれているのは「大きな力に大きな力で対抗しようとすれば、さらに大きな力で反撃される」ということではないか。これから私たちに何ができるのか。それはまず、今の憲法と比較しながら改憲草案の内容をしっかり読んで知らなければならないと話されました。
 いつもより参加者が多く、活気にあふれた一日となりました。
(会の野尻誠さんより)

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第104回「ランチタイムデモ」実施



 みぞれ混じりの雨が降る寒い2月14日、104回目の「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が行われ、60人の市民が参加しました。
 この日のコーラーは藤井幹雄弁護士でした。いつも以上に気合いを入れて、「軍事大国ゼッタイ反対」「軍事費倍増ゼッタイ反対」「倍増するのは子どもの予算」など、原稿を読んでいる気配はなく、日頃思っていることをぶち上げる勢いでした。
 ゴールの京橋プロムナードでは、「国会での議論もなく、『安保3文書』を閣議決定で改定する岸田内閣のやり方は許せない」「あきらめずにアピールを続けていこう」ということが確認されました。
 次回は3月15日(水)です。



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【九条噺】

 1月4日付の朝日新聞は、1972年の沖縄返還に当り、非核3原則「核兵器を、持たず、作らず、持ち込ませず」が米国との間で問題となり、当時の佐藤栄作首相は、「核抜き、本土なみ」を主張したが、日米交渉の結果の顛末を報じている▼69年11月19日からの日米首脳会談で、佐藤首相とニクソン大統領が返還後の沖縄に、緊急時に核兵器を持ち込む密約を結んでおり、今回、密約を結ぶまでの詳細なシナリオの内容が明らかになったという▼佐藤首相の密使としてキッシンジャー大統領補佐官と水面下で交渉した若泉敬・京都産業大教授が佐藤首相宛に書いたとみられる文書だ▼文書によれば、米側は沖縄返還時に核を撤去する代わりに、緊急時に核持ち込みを認めるように要求した。外交当局間の交渉で詰め切れないまま、11月19日から3日間のホワイトハウスでの首脳会談が迫っており、米側はニクソン氏とキッシンジャー氏のみが承知している状態でサインを求めたという▼核密約には「会談中を通じて両首脳とも一切触れない(完全極秘事項)」「絶対極秘扱」などと強調している。「新聞記者その他から、『有事核持込み』について秘密了解があったのでは」と問われた場合は、「頭から否定する」とし、徹底して核密約の存在を隠すよう念を押している。こうして沖縄返還は行われた▼74年、佐藤氏は非核3原則提唱を理由にノーベル平和賞を受賞した。これはノーベル委員会を欺いたことになるのではないのか。(南)

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毎月3日のスタンディング宣伝
「きび9条の会」「金屋9条の会」「新婦人有田川支部」




 和歌山県有田郡の「きび9条の会」「金屋9条の会」「新日本婦人の会有田川支部」は毎月3日にスタンディング宣伝を実施しています。この行動は「九条の会」呼びかけ人・澤地久枝さんが呼びかけて、国会前で行われている「アベ政治を許さない!」の行動に呼応したものです。  2月3日、大軍拡路線を進める岸田政権の危険性が強まる中、寒風をついて30名が集まり、有田川町でスタンディング宣伝を実施しました。
 幹線道路にプラカードを持って並ぶ30人。そして、その道路の向こう側では約20本ののぼりがひるがえります。
 来月は、有田川町と有田市の2カ所で宣伝を計画しています。
(有田共同センター・五島栄次さんより)

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みなべ「九条の会」134回目のピースアピール



 みなべ「九条の会」は2月4日、岸田内閣が「安保3文書」を閣議決定し、専守防衛を逸脱する「敵基地攻撃能力の保有」を明記したことを訴えようと、134回目のピースアピールを実施しました。
 「日本国憲法には、国際協調によって戦争をなくすという理念がつらぬかれています。外交や軍縮に尽力し、防衛力は憲法9条で保持を禁じた『戦力』とならないように必要最小限度で臨む。それが本来の専守防衛です」と訴えました。



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「敵基地攻撃能力保有・大軍拡を許さない全県学習・意思統一集会」開催



 1月29日、和歌山市プラザホープとリモート会場を結んで「全県学習・意思統一集会」(憲法九条を守るわかやま県民の会等主催)が開催され、東森英男氏(安保破棄中央実行委員会事務局長)の講演と県民の会からの方針提案が行われました。
 東森氏は、「岸田大軍拡と『戦争国家づくり』―政府の新『安保3文書』がめざすもの」と題した講演で「岸田大軍拡と戦争国家づくりに反対する運動で岸田政権を追い詰めることが課題。安保3文書が閣議決定済みで、戦争法のように法案成立がかかる国会審議の山場がないので困難だが、戦争国家づくりで国土や国民生活が破壊される危険性を訴えて、防衛力整備容認の世論を変えることが急務だ。当会のブックレット『岸田大軍拡と「戦争国家」づくり』も活用してほしい」と前置きし、レジメに沿って詳しく話されました。
 レジメの項目は、「■歴代政権の安全保障政策■イージス・アショア計画の破綻から敵基地攻撃へ■安倍首相辞任に伴う『申し送り』■『敵基地攻撃』の歴史的経緯■『安保3文書』における『敵基地攻撃』■何がどのように変わるのか―『専守防衛』国家から『先制攻撃』可能国家へ■アメリカの世界戦略と『台湾問題』■大軍拡のための財源は国民負担で■兵器爆買いを支える財政のからくり―『後年度負担』によるローン買いの告発を■岸田大軍拡の背景と課題■大軍拡・大増税を許さない国民的な大運動を」です。内容の中心は、「『敵基地攻撃』の歴史的経緯」「『先制攻撃』可能国家は日米軍事一体化と国民負担増大」「岸田変質の背景にアメリカ」「大軍拡・大増税反対と外交による平和へ世論の動向」となっています。
 質疑応答は、①〔問〕レジメに「ウクライナの教訓は軍事力で平和は守れない」とあるがその意味は。〔答〕ウクライナは軍備を持っていたが、それだけではロシアの侵略を阻止できなかった。国際世論が必要だったということ。②〔問〕台湾27年問題。〔答〕習近平の任期中に台湾侵攻があるという観測は根拠が弱いと考える。武力によらない解決を。③〔問〕自衛隊のミサイル基地に自治体が反対なら。〔答〕実際は残念ながら先島諸島の自治体が受け入れに賛成した。ただし、台湾有事に巻き込まれるとは聞いていなく慌てている現状だろう。
 講演と質疑を聞いて、マスコミも増税ばかり問題にして、大軍拡については根拠を問い直す論陣を張っていない現状があり、世論も影響されているので、この講演の内容を広げることが大切だと感じました。(柏原)

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(2023年2月16日入力)
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