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 「パッチギ!LOVE&PEACE」上映会、井筒監督講演会に参加して

和歌山大学学生 ペンネーム ごぅ

 今回上映された「パッチギ!LOVE&PEACE」は第2作目ということで、前作は見ていなかったのですが、127分の上映時間があっという間に過ぎるほど引き込まれていく映画でした。在日韓国人という事実を隠さなければならない社会、戦争で生き延びるために必死で逃げることの意味など、考えさせられる点が幾つもありました。その中でも、私が特に注目したのは「家族のあり方」です。兄や妹、母、兄の息子、国鉄をクビになった男性などひとつの家にたくさんの人がおり、彼らが互いにぶつかり合いながら日々の生活を送っている姿を見て、「こういうことが幸せなのかなぁ」と感じました。最近は核家族化などの家族形態の多様化が進み、また、家族の中での会話や関わりが昔に比べ減っています。「家族の温かみ」ということを考えたときに、果たしてこれが幸せなのだろうかと疑問に思ってしまいます。この映画では、兄を中心に、妹や母、国鉄をクビになった男性などがたびたび激しくぶつかり合います。荒々しいと言ってしまえばそれまでですが、互いに本音で激突するので、その後はより深い絆で結ばれます。このことは家族だけでなく、人間関係の本質だと思います。
 私はこの春から小学校の教師になります。子どもたちには、うわべだけではなく本音で人と向き合えるように育ってほしいと強く感じています。「パッチギ!」の本題からは少し横道に反れてしまったかも知れませんが、私が特に強く印象に残った点です。
 もうひとつ、井筒監督の講演でも様々なことを考えました。「成人」はいったい何歳からなのか、映画撮影の裏側など…。最も強く心に残ったのは、「リアリズム」という問題についてです。戦争を題材にしたドラマや映画では、しばしば出征時に「お国のために立派に散ります」といった台詞を耳にします。まるで、戦争で命を落とすことが素晴らしいことであるかのように…
 しかし、井筒監督は「それはリアリズムではない」と一蹴しました。監督の祖母は、父が出征するときに「はよ帰ってきーや」と言い、戻ってきたときは「なんや、もう帰ってきたんか」と言ったそうです。これが庶民のリアリズムです。なぜ、これほどまでにかけ離れてしまったのでしょうか。私は、マスコミや国家の情報操作という点に着目します。無謀な行動によって起こった戦争を美化するために、先に述べたような台詞が登場したのではないでしょうか。推測の域を出ませんが、世の中にあふれる幾多のニュースも本当に真実を真実として伝えているのか分かりません。どうしても伝える側の意図や策略が込められ、結果として真実が捻じ曲げられてしまう場合があると思います。私たちに求められているのは、常に真実を知ろうとする目を持つことだと感じます。つまり、井筒監督の言う「リアリズム」に目を向けることです。その具体例を監督は私たちに教えてくれました。リアリズムとは、一切の美化や貶めを受けない私たち大衆の生活だと思います。

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(2008年3月4日入力)
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