「インド洋給油はアメリカの対テロ戦争の後方支援であり、違憲の集団的自衛権発動にあたる」と批判の強かったインド洋での海自補給活動の根拠法となってきた、テロ対策特別措置法が期限切れになりました。そしてついに海自補給艦と護衛艦に撤収命令が。
 憲法9条にもとづく世界平和を願い、海外での軍事行動を警戒する国民の批判的世論の成果として注目されます。[本サイト管理人]

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テロ特措法が期限切れ インド洋給油部隊に撤収命令
朝日新聞・電子版 2007年11月02日00時08分

 インド洋で海上自衛隊が補給活動を行う根拠となってきたテロ対策特別措置法が2日午前0時(現地時間1日午後7時)で期限切れとなった。石破防衛相は1日午後、海自の補給艦「ときわ」と護衛艦「きりさめ」に撤収命令を出し、両艦船は日本に向け出発した。01年12月から6年近く続いた給油活動は、活動再開のめどが立たないまま中断に入った。
 福田首相は1日、海自の撤退について「国際社会の連帯において責任を果たしていくためには、補給活動の継続がぜひとも必要。可能な限り早期に再開できるよう、補給支援特措法案の速やかな成立に向けて全力を尽くす」との談話を出した。
 撤収命令を受けた「ときわ」艦内では日本時間1日夕(現地時間1日午後)、「長期間任務を遂行してきた諸官らの労をねぎらいたい。全員無事に帰国することを願う」と訓示する石破氏のビデオ映像が放映された。
 派遣部隊指揮官の尾島義貴・1等海佐は「我々の船は我が国の評価を高める成果を残してきたが、これから先は輝く航跡を残すことができなくなった。この場に働き続ける海の仲間たちを残し、ただ去るのみという状態になってしまった。間もなく撤収のための最後の出航を行う」と艦内放送で隊員に呼びかけた。
 石破氏が出した「テロ対策特措法に基づく対応措置の終結に関する自衛隊行動命令」は、派遣部隊に2日午前0時で活動を終え、帰国を命じる内容。両艦はインド洋から日本に向けて出発、約3週間後に「ときわ」は横須賀基地(神奈川県横須賀市)に、「きりさめ」は佐世保基地(長崎県佐世保市)にそれぞれ帰港する見通しだ。
 海自の補給対象は、対テロ「不朽の自由作戦」(OEF)の一環として武器や麻薬などの流入を防ぐ「海上阻止活動」にあたる有志連合の艦船。インド洋上で活動を開始した01年12月以降、これまで11カ国の艦船に794回、計49万キロリットルの燃料を無償で提供してきた。そのほか航空自衛隊が国内外の米軍基地間で米軍の輸送支援活動を381回実施した。
 政府は活動を継続するため、活動内容を補給活動に絞った補給支援特別措置法案を今国会に提出。しかし、イラク作戦に参加した米空母など複数の米艦船に日本の燃料が提供されていたことが分かり、日米両政府は「目的外使用はなかった」と説明に追われた。
 さらに03年2月の米補給艦への給油量の誤りを海上幕僚監部が隠蔽(いんぺい)していたことも発覚し、文民統制(シビリアンコントロール)にかかわる問題に発展した。また守屋武昌・前防衛事務次官の軍需商社による接待をめぐる一連の疑惑も浮上。野党は反対姿勢を崩さず、同特措法案の成立の見通しは立っていない。

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(2007年11月3日入力)
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