07.05.12 憲法9条をまもる和歌山県民の会

まもろう9条 いま、憲法のとき
名古屋大学 浦部法穂

1 日本国憲法「平和主義」の原点
 + 「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」決意。
 + 単に戦争放棄の宣言だけでなく、それを現実のものとするための軍備廃止。
 + 全世界の人々が「恐怖と欠乏から免れ平和のうちに生きる権利」を有すること
   の確認。

2 歴史からみる戦争の意味
 + 戦争はつねに権力者の利益の擁護、拡大のため。民衆は常に被害者。
 + 近代以前の戦争は民衆が関わってはならないものだった(1756〜63の7年
   戦争時のベルリン市民とフリードリッヒ2世)。
 + 戦争への民衆動員はフランス革命以後のこと(1793年国民総動員令)。
 + 「国民」の「国家」なのだから「国を守るのは国民の義務だ」というイデオロギー
   が浸透させられ、権力者の利益のための戦争に一般民衆を動員。
 + 新たな市場や資源を求める「列強」の世界分割=帝国主義戦争、その結末と
   しての二度の世界大戦。
 + 要するに、権力者(資本)の金儲けのための戦争。こんにちの、いわゆる途上
   国の国内紛争や地域紛争も同じ。

3 着々と進む戦争への準備
 + 有事法体系の完成(2003年「武力攻撃事態法」、2004年「国民保護法」等)。
   炭疽菌や天然痘などのワクチンを全人口分用意(2005年)。
 + グローバルに展開するアメリカ資本の利益を守るため、アメリカが軍事力を
   独占し世界を力で支配する体制を作る。日本はその「おこぼれ」にあずかろうと
   いうことで、忠実な家来に。
 + 規制緩和、郵政民営化、「三角合併」解禁等々、「国益」を言いながらじつは
   日本をアメリカに売り渡す政策がどんどん進められている。
 + 「改憲」で日本の国民の命さえアメリカに売り渡す。

4 憲法の平和主義は非現実的か
 + 「現実」は一つではないし、「仕方のない」ものでもない。
 + 全世界の人々の「恐怖と欠乏からの自由」を実現するためのさまざまな取り組
   みがなされているという国際社会の「現実」。
 + その「現実」にとって日本国憲法は重要な指針となっている。日本国憲法の平和
   主義は、いまこの時代にこそ現実的な意味を持っている。
 + 力ずくでの世界支配を目指すアメリカに追随することが「現実的」でそれ以外の
   道は「非現実的」だというのは、全然根拠のないこと。

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(2007年5月12日入力)
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