ティルマン・アルフレッド・ラフ氏の平和講演会が開かれる
2010年9月23日(木・祝)和歌山市プラザホープ多目的室で平和講演会が開かれ、ティルマン・アルフレッド・ラフ氏(メルボルン大学準教授、国際核兵器廃絶キャンペーン=ICAN代表)が「『核兵器のない世界』は実現可能」と題して講演され、共催の核戦争防止和歌山県医師の会・和歌山県保険医協会の関係者や一般参加者が聞きました。 ☆
はじめに、司会の松井医師がラフ氏を「3年前にも来和されたが、医師の立場から核兵器廃止のキャンペーンに代表としてとりくんでおられる。3年前と比べ核兵器廃絶の希望が大きくなる中でお迎えした」と紹介しました。
☆
続いてラフ氏がパワーポイントを使いながら英語で概略次のように講演され、逐次通訳がありました。
3年前に比べ核兵器廃絶の希望が大きくなったが、言葉だけの段階であり、廃絶への力を大きくしなければならない。今年1月に核終末時計が6分から7分にもどっただけだ。
☆
講演を受けて質疑に入り、活発なやりとりがありました。 @国際司法裁判所96年勧告に関わってどのような取り組みがあるか。 (答)「保有国は善意を持って」という文言について、ICANの中の法律家グループが研究を続けている。また「他国に国が侵される危険のある場合」という核使用容認の含みを持った文言が入った事情・経緯がアルジェリ氏によって明らかにされた。 Aヒバクシャから何を学んだか。 (答)感動と力を与えられている。どの被爆者も恨みや報復を語らず「わたしだけで十分、これ以上被爆者を作らないで」と言われることに感銘を受ける。 広島・長崎のヒバクシャの他にも、核実験場や鉱山のヒバクシャもいる。核実験ヒバクシャは癌患者が240万人と推定されるが、多くは名前が分からない。 B市民との結びつきはどう進めるか。 具体的に話すのは難しいが、「地雷廃止、クラスター弾廃止の成功例を参考に、運動と世論で政権、国際組織などの力を出していく」「核兵器廃止という目標を明らかにする」ことを基本に。「核廃絶について市民の関心、知識が乏しいこともあるので、キャンペーンの中で変えて行く」ことが課題。 C医療用の高濃縮ウランは軍事転用するほどの量があるか。 世界で年85Kgで、いくつかの核兵器を作れる。 以上。 (柏原卓・写真も) | |
(2010年9月23日入力)
| |
[トップページ] |