第15回「キリスト者9条ネット和歌山」の集い 開催

 2009年7月20日(月・祝)午後2時から5時過ぎまで和歌山市園部の鳴滝キリスト教会で「第15回『キリスト者9条ネット和歌山』の集い」が開かれ、30人弱の参加者に金原徹雄弁護士が「憲法九条をとりまく現状と今後」と題して1時間あまり熱く講演されました。

 講演資料はA4版6ページに及ぶ詳しいもので、「第1 2008年の動きを振り返って」「第2 最近の憲法をめぐる諸情勢」「第3 もう一度見直したい憲法の原点」の3章からなっています。以下に講演資料を参考にしながらお話の要旨を記します。

 第1章では次の点を述べられました。
・07参院選挙後は改憲が政治争点から外れたかの感が有る。世論調査で改憲反対が賛成を上回り、9条世界会議の成功、九条の会の増加、名古屋高裁判決など運動の成果が見られる。
・反面で、明文改憲にいたらずとも海外派兵の既成事実を積み上げる新テロ特措法の再議決成立、田母神論文、九条の会に対抗する改憲推進の地域団体立ち上げなどの動きもあり、いよいよ9条を守る運動を進める必要がある。

 第2章では資料をあげて分かりやすく具体的に次の諸点を述べられました。
1 新テロ特措法―2010年期限切れに洋上給油活動を撤収できるか。
2 ソマリア沖海上警備行動―護衛艦とP3C機、なしくずしに派遣実績を積み上げ自衛隊法(82条)すら無視。
3 海賊対処法―警察活動か? 武力行使は認められるか? 防衛大臣に権限集中 7月24日施行で浜田防衛大臣は対処命令を出すか 民主党政権なら法施行停止するか。
4 憲法審査会規程―参院付帯決議に見る、規程の不十分さ。
5 政界・国会情勢―民主党鳩山由紀夫氏は2005年著書で改憲を主張、新憲法制定議員同盟顧問、個人HPに新憲法試案を現在も載せる。 来る衆議院選挙はしっかりした護憲派をどれだけ国会に送れるか。

 第3章では次の点を述べられました。
1 憲法第9条に至る歴史的展開
・フランス人権宣言(1789)の百年後に大日本帝国憲法(1889)ができ権利、権力分立を規定。
・第1次世界大戦の惨禍からパリ不戦条約(1928)。国連憲章(1945)をへて、「戦争放棄」が日本国憲法9条1項へ。
2 非戦のための人類の努力の成果を後退させてはならない
・鳩山由紀夫氏は、憲法の平和主義を「空想的平和主義」と決めつけリアリズムの名で「自衛軍」明記を主張。
・自民党の「新憲法草案」とどちらがましかのレベル。
・私たちは、「交戦権否認」「戦力不保持」を謳う9条2項にこそ、将来に向かっての人類的「リアリズム」があることに確信を持ち、平和のための1人1人の努力を続けていきたい。

 休憩をはさんでから約1時間、質疑と意見交換が行われました。

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 集いの全体の進行は下記のプログラムのように行われました。

   ・ (全体司会:屋形町教会 太田神父)
   ・ 開会のお祈りと賛美歌 聖書朗読
   ・ 自己紹介をかねて参加者の今の思い
   ・ 経過報告
   ・ 講演:金原徹雄弁護士「憲法九条をとりまく現状と今後」
   ・ 休憩
   ・ 意見交換(司会:鳴滝教会 稲葉牧師)
   ・ 次回予定
   ・ 閉会の祈り

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(2009年7月21日入力)
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