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 普天間問題 沖縄抜きにもはや進展はない
   愛媛新聞社説 2011年10月28日(金)


 沖縄県の普天間飛行場移設問題で一川保夫防衛相がパネッタ米国防長官と会談し、移転先の名護市辺野古のアセスメント結果をまとめる「環境影響評価書」を年内に県へ提出する方針を表明した。
 米軍再編に向け日米が協力し、早期移設を進めることを再確認した形となった。
 またもや沖縄の意向や世論を無視した、あまりにも拙速で現実味のない方針だ。政府は真剣に移設問題に向き合う腹構えなのか、かえって疑心暗鬼にさせる会談だ。
 案の定、きのうは仲井真弘多知事が初めて野田佳彦首相と会談。辺野古移設について「実現は事実上不可能だ」と県外移設を求める要請書を提出した。当然であろう。
 沖縄の一貫した態度は、政府も織り込み済みのはずだ。頭越しに米側と会談したとて進展につながるはずがない。同じような愚策を、幾度繰り返すつもりなのか。
 移設について歴代政権は、「沖縄の合意が前提」と繰り返す一方で首脳会談などの都度、移設への姿勢を自賛してきた。それどころか県外移設にまで言及し、結局白紙に戻す迷走さえ演じている。
 そうした姿勢がますます沖縄を硬直化させ、不信感を再生産してきた歴史の重さを、わかっていない。
 今回もパネッタ長官の初来日に同調し具体的見通しを示したいとの思惑が見える。来月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議につなげたい意向もあろう。
 しかしこれほどもつれた糸は、もはやほぐれない。
 仲井真知事は評価書の提出を受ければ、来春までに国に意見書を提出。国は評価書の修正などを経て埋め立ての許可を知事に申請することになる。しかし知事が認めなければ埋め立ては不可能だ。
 米側でも、有力上院議員が辺野古案を非現実的と発言するなど議会の予算削減圧力が強まっており、日米双方とも移設問題は手詰まり状態だ。これ以上、会談を重ねたところで問題は解決するまい。
 政府はそろそろ、普天間移設という「日米合意」の呪縛を自ら解いたらどうか。
 合意当時と比べ日米とも安保環境は様変わりしている。名護市の稲嶺進市長が「日米合意見直しに踏み込んでほしい」と訴えたように、米軍再編の中で、日本全体の基地のあり方を再考したい。
 あらためて耳を傾けるべきは、宜野湾市の住民の声だ。
 市街地の真ん中に位置する普天間飛行場は、「世界一危険な基地」とも言われる。一般住民の危険を前提に成り立つ安全保障なら、その意義さえ揺らぎかねない。
 普天間飛行場全面返還の日米合意から、すでに15年が過ぎた。日米安全保障の枠組みそのものを見直す時期だ。

 同紙サイト http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201110286469.html

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(2011年11月2日入力)
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